2011年08月16日
518 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 20:59:39.75 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第十三話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ついにドクオと会合を果たしたが、そこにはGANTZ勢力が乱入。混乱の最中にプギャーを、戻ってきたツンと撃破。そのツンは、衝撃の言葉を口にしたのだった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
柔道をしていて右手を痛めた作者だが、慣れないサウスポーでいつもの誤字に拍車がかかってしまわないのか!?
524 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:01:44.43 ID:N6oJM0L0O
一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・共に逃避中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・戦闘中
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
爪'ー`)y‐【????】(???)
・戦闘中
('、`*川【GANTZ】(GANTZ)
・???
_
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????
530 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:04:07.16 ID:N6oJM0L0O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』
532 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:08:00.35 ID:N6oJM0L0O
――――――時間軸としては、丁度ブーンがギコと戦っている時に相当する。
「『早くいった方がいいよ。ブーン君たち、今頃大変な事になってると思うよ?』」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでアンタが…こんな事を……?」
从'ー'从「『それを、今から教えたげるんだってば』」
目の前には、【大嘘憑き《オールフィクション》】の少女がいる。
全てが全て嘘に聞こえて、もう存在すら嘘ではないかと疑われる少女が、何故かそこにいた。
ξ;゚⊿゚)ξ「…でも、なんで…?なんで教えてくれるの…?」
从'ー'从「『……』」
彼女は、嘘つきだったけど。
从'ー'从「『もう、いいの』」
どこを取っても、嘘つきだったけど。
从 ー 从「大嘘に憑かれた私は、もう大嘘に疲れたの」
――――――その言葉だけは、嘘には聞こえなかった。
536 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:11:59.22 ID:N6oJM0L0O
「……ごめ#ね、渡◆※ん。あ■た…もう少し×か生きれな●☆」
生まれつき心臓が悪かった。
大きく運動する事もままならなかった。
そのうち、車椅子が足になった。
そのうち、病院が家になった。
そして、ベッドの上で看護婦さんに告げられた。
その頃には、みんな私から離れていった。
今まで持ってた幸せが、全て離れていった。
私にかかるお金が原因で、大好きだったママとパパも離婚した。
ママがずっと「あんたなんか生きてる価値ない」って言ってた。
ずっと。ずっとずっと。
ずっと。
価値?
…私の価値って、なに?
541 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:17:07.22 ID:N6oJM0L0O
そして、この世界に飛ばされた。
能力を与えられた。
不完全だけど、心臓病もなかった事に出来た。
いろんなものが。いろんなものが。いろんなものが。
無価値な自分に、価値が。
('、`*;川「ナベちゃん!?あなた…立ってて大丈夫なの…?」
从'ー'从「『あ、ペニちゃん。うん、痛くない。痛くないよ』」
価値が。
('、`*川「ホントに!?良かった!良かったね!!」
从'ー'从「『もう違うんだよ。全部戻ってきたよ。価値あるんだよ。』」
('、`*;川「あぁ良かっ…?」
从'ー'从「『今までのしみったれた無価値な人生が、ぜんぶ《なかった事》になるんだよ』」
('、`*;川「え゛」
ぐぢゅり。
( 、 *川「う゛っ…!!!」
ずっと優しかったペニちゃんも、いらないと思えるくらいの、価値が。
548 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:23:54.32 ID:N6oJM0L0O
( 、 *川
あなたが見下してたのくらい、知ってるんだよペニちゃん。
クラスで私を池沼扱いして楽しんでたの、知ってるんだよペニちゃん。
从'ー'从「『………』」
私は、憑かれた。
从'ー'从「『ごめんねペニちゃん。友達だったけど』」
从'ー'从「『あなたの事は3秒くらいなら忘れ、あれ誰お前?』」
从'ー'从「『なんてね。』」
从'ー'从「『………【大嘘憑き】《オールフィクション》か。球磨川君はこんな気持ちだったのかな?』」
――――――結局、無価値だった時の私と、何も変わらなかった。
私は、疲れた。
あれ、わたし
いきてるかちないじゃん。
553 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:27:04.05 ID:N6oJM0L0O
――――――公園の外れ。
どこまで移動しただろう。
もう、荒巻達やブーン達の姿は見えない。
そこには、爆音だけが響いていた。
('A`)「うらぁッ!!」
【一方通行《アクセラレータ》】を持つドクオの右手が、横薙ぎの一撃として渡辺を襲う。
深く握られたわけじゃない。手刀というわけじゃない。
しかし、それは防御不可能。触れれば『反射』され、必ず標的を潰す。
の、はずが。
从'ー'从「『―――その威力を、《なかった事にする》』」
トン、と。
渡辺の体に触れたその右手は、まったく力を及ぼす事はなかった。
【大嘘憑き《オールフィクション》】により、衝撃が虚構へ為ったからだ。
('A`)「またかよ……」
もう戦い始めてから何分立つだろうか。
互いの体には、傷一つない。
560 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:31:40.68 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从「『どーどーめぐりってやつだね。これじゃ』」
('A`)「……」
从'ー'从「『あ、どーどーめぐりとどーてーまくりって似てない?ねぇ似てない?似てないね』」
('A`)「……」
从'ー'从「『あ、やばいどーてーとか言ってたら濡れてきた。ねぇドクオ君。抱いてくれない?』」
('A`)「……」
从'ー'从「『無視?』」
('A`)「……あ、もしかしてなんか言ってる?今、音も『反射』してるから聞こえないんだわ」
从'ー'从「『……あらあら、うふふ』」
574 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:36:46.68 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从「『そんなに音を聞きたくないなら、あなたの《聴覚をなかった事》にして』」
从'ー'从「『ネジふせてあげちゃうよん』」
そう言い、ネジを構えて走る渡辺。
だがそこに介入したものがいる。
(´<_` )《…演算終了。アップデートしようか、ドクオ》
一台の、パソコン。
('A`)「あ、終わった?」
从'ー'从「『おい、聞こえてんじゃねえか』」
('A`)「あぁうん、さっきの嘘」
从'ー'从「『まじかよびびったぜひゃっほう!』」
581 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:42:19.98 ID:N6oJM0L0O
('A`)「さぁて、俺の嘘を信じてくれてた純真無垢な渡辺さんにプレゼント」
从'ー'从「『…そりゃあ、ありがたいね』」
('A`)「俺の能力について、な」
('A`)「実を言うと、受動的に使う分には何の問題もないんだ」
('A`)「ただ、能動的に応用的に自分から大きな操作をしようと思うと、恥ずかしいが知力がまったく足りない」
('A`)「それを補ってくれるのが後ろにいる弟者なわけだが…」
(´<_` )「…」
从'ー'从「『……』」
('A`)「弟者の力もなかなかのチートでな。なんせ呼吸のように計算をしちゃうんだから」
('A`)「…どうやら、それでは止まらなかったみたいだな」
ドクオが、先ほどと同じように向かってくる。
中途半端に握られた右手を、手刀のように一閃。
586 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:51:15.04 ID:N6oJM0L0O
対する渡辺も、やる事は変わらない。
从'ー'从「『―――威力を、《なかった事》に――!』」
はずが。
从;'ー'从「『―――――!?』」
ぞくり、と。
寿命が縮むような音がした。
渡辺は、急激にバックステップで距離を置く。
('A`)「…わかった?」
从;'ー'从「『い、いまの……』」
渡辺は、すんでの所で気づく事が出来たのだ。
今の一撃を、『なかった事に出来なかった』のを。
と、言うより。
『なかった事にする能力が、弾き返された』という事を。
('A`)「弟者のおかげさ」
598 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:55:05.40 ID:N6oJM0L0O
('A`)「今回のアップデートにより、俺は魔術等の知らない法則率で動くもの、果てはちょっとした概念操作系をも『反射』出来るようになった。」
从;'ー'从「『………』」
……つまり、【大嘘憑き《オールフィクション》】が効かない。
('A`)「もはやこれは『反射』と言うより、『拒絶』に達するんじゃねえの?しかも……」
(´<_` )《……》
('A`)「弟者の計算は、まだ終わってないみたいだ。これだと、俺も近いうちになれるかもな」
('A`)「【選択者《アレンジ》】ってやつによ」
从;'ー'从(『……ちょ、やばくね……?』)
再び、二人の戦いがスタートする。
そしてこの後、ここにまた少しの邪魔が入るのだが、それはまた後に語る。
611 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:03:30.74 ID:N6oJM0L0O
――――――公園より逃避中。
ξ゚⊿゚)ξ「まず、そのペニサスは【GANTZ】の力で人々を生き返らせた。最初は普通に、今までの戦いで死んだ人達をね」
【GANTZ】。
それは、現代科学を遥かに超えた黒い球体を指す。
死んだ人間を蘇らせ、「星人」と呼ばれる正体不明の怪物と戦うミッションに強制的に参加させるというものだ。
ミッションは点数制で、100点取った人間はミッションを終了出来たり、より強い武器を得れたりする。
(;^ω^)「そんな能力が……」
ツンは、続ける。
ξ゚⊿゚)ξ「でも、やっぱりそこはチート集団。脳に爆弾をつけられてるから言う事には従うけど、指令以外はやりたい放題らしいわ」
ξ゚⊿゚)ξ「だから、ペニサスは自分に都合のいい手足が必要になった」
617 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:09:27.85 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「それが、渡辺だったのかお?だったら裏切りなんか出来っこないんじゃ…」
ξ゚⊿゚)ξ「…あの子は何回も言った。『自分の価値は、もう無いんだ』って」
(;´・ω・`)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「大量生産されたのよ。完全に支配できて、かつ信頼できる手駒」
ξ゚⊿゚)ξ「『記憶と心を《なかった事》にした、渡辺のコピー』が」
(;^ω^)「え………?」
629 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:14:01.89 ID:N6oJM0L0O
――――「あ、頭の中の爆弾消そうとしたら危ないよ」
从;'ー'从「『!!』」
('、`*川「馬鹿なの?私の能力で生き返ってんのに、その私の能力をなかった事にしたら大変な事になるってわからない?」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「さてと、そんな私を殺してさらに今、裏切ろうとしたナベちゃんですが、私は優しいのでチャンスをあげます」
从;'ー'从「『え?』」
('、`*川「私は自分を守ってくれる人が欲しいの。守ってくれて、かつ手足のように動いてくれる人が」
('、`*川「でもさぁ、なんか皆チート能力者じゃん?正直、あたしの能力なんかひっくり返されて然るべきだと思うんだわ」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「だから、出来れば能力ナシであたしのガンツスーツを着てガンツウェポンで戦ってくれる人が欲しいの。そしたらあたしは裏切られても傷つかないし、安心じゃん?」
('、`*川「それを、ナベちゃんのコピーにしてもらいたいと思いまーす」
634 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:21:40.06 ID:N6oJM0L0O
('、`*川「見ててね」
ペニサスがその場に止まる。
すると、ジジジ…と、何かが下から作り上げられていく。
何秒かして、それは完成。
从 ー 从
それは、渡辺。
从;'ー'从「え!!?」
('、`*川「こうやってさ、あたしの中じゃ人間なんかただの情報だから。コピー出来んのよ」
从 ー 从
从;'ー'从「『………』」
('、`*川「この子はいまのナベちゃんとまったく一緒のクローン。まだまだいっぱい作るよ。でもさ、あんたみたいな能力者がいっぱいいたらあたしも脳処理に困るんだわ。だからさ」
('、`*川「今からナベちゃんに、出てくる自分のクローン一体一体の《記憶と心をなかった事》にして欲しいのよ」
643 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:26:34.31 ID:N6oJM0L0O
('、`*川「ほら、記憶が消えたら能力の使い方も完全抹消されんじゃん?そしたらこっちとしても、操り易いからさ」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「あ、ちなみに」
('、`*川「反対すると、こうだからね☆」
从 ー 从 ヴッ
从 ー※∴・; ドブジャアッ!!
渡辺のクローンの脳内爆弾が、作動。
顔面が弾け、脳から何かが覗いた。
从;'ー'从「『きゃあああああああああああああああ!!?』」
('、`*川「わかったね。そゆこと」
659 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:34:19.39 ID:N6oJM0L0O
渡辺は、頭がおかしくなりそうだった。
目の前で自分とまったく同じ固体が死ぬ。
それに対し止めどなく溢れてくる気持ちが何かはわからないが、それは予想以上に心に響くものだったらしい。
从; ー 从「『わか…った……わかったよ…』」
('、`*川「…なんか嘘っぽく聞こえるね」
ゴッ!と鈍音。
从; ー 从「『あ゛っ………』」
ペニサスは渡辺の頬に、女性とは思えないような本気のグーパンチをぶつけたのだった。
そして倒れ込んだ渡辺を、足蹴にした。
('、`*川「…ちょ、私はチャンスあげてんだよ?感謝されるべきなんだよ?なんで嫌そうなの?」
('、`*川「昔っから池沼みたいに価値価値ほざいてたあんたに、あたしが価値を与えてやってんのよ。ほら、喜べよ」
('、`*川「喜べよ!!!」
渡辺を踏みつけたまま、そう言った。
676 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:42:04.11 ID:N6oJM0L0O
――――――
ξ゚⊿゚)ξ「渡辺はずっと呟いてた」
ξ゚⊿゚)ξ「『もう自分に価値なんてない』って」
(;´・ω・`)「……なんて事だ…」
ξ゚⊿゚)ξ「めんどくさい事になったけど、まだ最悪とは言えないわね。あいつが何を考えてるのかわからないけど、私達を逃してくれた」
ξ゚⊿゚)ξ「私達に、その価値ってやつを見つけたんじゃないかな」
( ω )「………」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン?」
( ω )
ブーンは、
走るスピードが少し遅くなった。
685 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:45:37.39 ID:N6oJM0L0O
lw´‐ _‐ノv「……ブーン…?どうしたの?」
( ω )
( ω )「悪い、みんな」
( ^ω^)「ちょっとトイレすましてくるから先行ってて」
ブーンは、反転。
来た道へと、走り出す。
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ブーン!!?」
703 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:50:00.18 ID:N6oJM0L0O
ξ;゚⊿゚)ξ「あんた!話聞いてた!!?もう、公園には複数のクローンが――――」
「行かせてあげて」
ξ;゚⊿゚)ξ
ツンを、制する小さな手があった。
lw´‐ _‐ノv
ξ;゚⊿゚)ξ「シュー?」
lw´‐ _‐ノv「私は、ブーンを信じてる」
ξ;゚⊿゚)ξ「……そんな問題じゃ…」
lw´‐ _‐ノv「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
716 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:53:45.43 ID:N6oJM0L0O
――――――なぁ、ブーン
俺って生きてる価値、あるのかな――――――
(; ω )「…嫌な事思い出させやがって…」
ブーンは走る。走る。
公園を目指して、まっすぐに。
(; ω )「他人からどんなに足蹴にされようが………てめぇの価値は……」
(; ω )「てめぇの価値は、てめぇが決めるもんじゃねーだろうがお!!」
ブーンが、走る。
公園を目指して、まっすぐに。
それを見ていた人影が、あった。
从'ー'从 从'ー'从 从'ー'从
「『………あ』」
735 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:58:09.38 ID:N6oJM0L0O
――――――公園
(;^ω^)「ハァ…ハァ……」
着いた。
のだが、渡辺はもうそこにはいなかった。
痛々しく掘り下げられた地面だけが、戦闘の痕跡として残った。
(;^ω^)「渡辺ー!!!!どこだおー!!!!」
それでもブーンは、叫ぶ。
どこかにいる、渡辺を目掛けて。
その思いは、通じたのかも知れない。
从'ー'从从'ー'从从'ー'从
「『はぁい』」
黒いスーツにくるまれた、渡辺が3人。
746 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:02:25.38 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从
一人が、スッと何かを前に出す。
それは、ハンドガンサイズのまるでおもちゃに見えるような銃。
しかしそれは、一つのガンツウェポン。
(;゚ω゚)(『Xガン』――――!!)
咄嗟にブーンは、右へ転ぶように回避。
从'ー'从「『あは』」
ギョーンギョーン
そんな不気味な音がし
数秒の後、ブーンがいた場所の地面が爆ぜた。
755 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:06:07.87 ID:N6oJM0L0O
(;゚ω゚)「――――!!」
背筋が凍る。もし回避が遅れていたら、ブーンの頭は内部から爆発しそこらへんに飛び散っていただろう。
从'ー'从
もう一人が向かってくる。
ガンツスーツによって異常なまでに強化された、その脚力で。
垂直飛びでそこらの家を簡単に飛び越える、その脚力で。
(;^ω^)「……くっそ!!!」
774 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:12:13.19 ID:N6oJM0L0O
(;^ω^)「なぁコピー!本当はな、お前らも救ってやりたいんだお!!」
(;^ω^)「けどな、やっぱ違うんだお!!」
(;^ω^)「お前らが細胞レベルで同じのクローンだろうと!!オリジナルの渡辺のがずっとずっと可愛かったから!!」
「そっちを優先させてもらうお――――!!」
(#゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!」
785 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:14:20.06 ID:N6oJM0L0O
(;^ω^)「さてと!今回の敵はコピー渡辺!!」
(;^ω^)「救いたいやつのクローンという戦い難い相手!!」
(;^ω^)「そんなこいつらを圧倒する、あなたの厨二妄想を!!指定アンカーは………」
――――――>>805!!
805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/09(火) 23:14:38.92 ID:Z+P+EybD0
脈絡なく死を与える能力
871 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:17:05.81 ID:N6oJM0L0O
『能力が決定しました。』
>>805 脈絡なく死を与える能力
(;^ω^)「あらあらこりゃまた!」
(;^ω^)「ずいぶんと身勝手なチートだお!」
30 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:27:02.28 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「お」
ブーンは何も言わなかった。
ブーンは何もしなかった。
なのに。
自分に向かってきた、一人の渡辺が
从; ー 从
いきなり、崩れ落ちた。
从'ー'从从'ー'从
「『あれれぇ~??』」
57 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:32:24.84 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「やめとけお。そこの二人」
( ^ω^)「僕の能力は、なんの脈絡もなく死を与えてしまう」
( ^ω^)「君たちには、どうしようもないお」
从;'ー'从从;'ー'从
( ^ω^)「こうはなりたくないだろ?」
( ^ω^)「この子みたいに」
从;'ー'从ウッ……
( ^ω^)「ガンツスーツと、手足の神経に脈絡なく死を与えられたくないだろ?」
死んでは、いなかった。
ブーンは、すんでのところで殺すのを躊躇ってしまったのだ。
75 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:37:11.51 ID:N6oJM0L0O
从;'ー'从
その渡辺は、唐突に動けなくなったとしか感じられなかった。
いきなりの事。痛みすら、ない。
( ^ω^)「後で僕がどうにかして渡辺を呼んでくるお。あいつの【大嘘憑き《オールフィクション》】なら、君のそれもなかった事にしてもらえるから、それまでの辛抱だお」
从'ー'从从'ー'从
( ^ω^)「さて……」
( ^ω^)「まだやるかお?」
从;'ー'从从;'ー'从
二人は、動けなかった。
84 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:41:12.27 ID:N6oJM0L0O
が。
从;'ー'从从;'ー'从「『!!?』」
「『う………』」
「『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』」
从; ー 从 从; ー 从
(;^ω^)「え!!?」
二人の渡辺は、それでも襲いかかってくる。
推測だが、理由は簡単だ。
(;^ω^)(まさか、頭の爆弾を――――!!?)
恐らく、この二人の頭には響いているのだろう。
ピンポロパンポン、ピンポロパンポンという
爆弾起動への、悪魔のアラームが。
97 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:46:59.60 ID:N6oJM0L0O
从; ー 从
一人は銃を携え、右方からこちらへ。
从; ー 从
一人は刀を携え、左方からこちらへ。
圧倒的な力を目の当たりに、二人を動かすのは、恐怖。
抗いようのない、恐怖。
ならば
( ω )「……もう…楽にしてやるお」
――――――君たちに、死を。
110 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:51:05.94 ID:N6oJM0L0O
从 ー 从
一人はバタッと、その場に倒れた。
先ほどの渡辺と同じ死を与え、さらに
脳内の爆弾に、死を与えた。
( ^ω^)「これで万事解決、かお……」
从 ー 从
最後の一人は、立ち止まったままだった。
脳内の爆弾に死を与え、そして
それ以外は、何もしていない。
( ^ω^)「なぁ」
( ^ω^)「本物の渡辺」
从'ー'从「『………いつから、気付いてたの?』」
132 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:56:48.35 ID:N6oJM0L0O
それは、本物だった。
从'ー'从「『せっかく擦りかわってドクオ君から逃げてきたのに、まさかこっちのがやばいとはね』」
从'ー'从「『とは言え、私達、みんな同じ細胞で出来た同じ人間だよ?』」
从'ー'从「『ねぇ、なんで、わかったの?』」
( ^ω^)「わかんねーのかお?」
ブーンは自信満々に
( ^ω^)「嘘つきの嘘は、いつかバレるんだお」
そう、吐き捨てた。
从'ー'从「『………』」
148 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:00:34.33 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「爆弾は死んだお。ほら、お前は自由だ」
( ^ω^)「それより、やる事があるんじゃないかお?」
从'ー'从「『………』」
渡辺は、クローンに近づいて
从'ー'从「『君たちの手足の死を、《なかった事にする》。』」
そう言い放った。
从'ー'从
クローンは立ち上がり、体を確かめる。
どうやら、異常はなくなったようだ。
( ^ω^)「ほら」
( ^ω^)「今のは、お前にしか出来ない。お前にしか、その子らは救えなかったんだお」
( ^ω^)「価値、あったじゃねえか」
从'ー'从「『………』」
176 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:09:37.98 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「なぁ渡辺。お前にも、価値はあるんだお」
( ^ω^)「それに気付かず絶望して、暴走したやつだっている」
( ^ω^)「僕はそういうやつを、一人知ってる」
从'ー'从「『……』」
( ^ω^)「僕は、お前に生きて欲しいお」
( ^ω^)「それと」
( ^ω^)「僕らに、つーかツンだけど、力を貸してくれてありがとな」
从'ー'从
从;ー;从「『う………』」
渡辺は声を殺して泣きながら、言葉を吐いた。
181 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:11:48.63 ID:9/8GtECfO
「ありがとう」
「『誰も頼んでないよ。おせっかい』」
「本当に、ありがとう」
「『本当に死んじゃえばいいんだ』」
「助けてくれて、ありがとう」
「『ブーン君なんか』」
「『大っ嫌い』」。
ブーンには、渡辺の吐いた言葉のどれが嘘でどれが本当なのか、わからなかった。
まぁ、渡辺らしく、ぜんぶ嘘…オールフィクションなのかもしれないけど。
205 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:15:52.00 ID:9/8GtECfO
しかし、渡辺の頭が消えかかっていく。
从;'ー'从「『え――――?』」
(;^ω^)「な……!!」
違う、消えているんじゃない。
これは
(;^ω^)「転送!!?」
送られている。
ガンツの元へ。
222 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:19:35.12 ID:9/8GtECfO
从;'ー'从「『あ――――――』」
渡辺がこっちに手を伸ばす。
助けて、と言わんばかりに。
(;゚ω゚)「お――――!!」
ブーンも手を伸ばす。
しかし
遅かった。
渡辺の姿は、消えた。
(;゚ω゚)「渡辺ェェェェェェ!!!!」
240 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:25:16.55 ID:9/8GtECfO
('、`*川「はいはい、ストロベるのも大概にしてねー」
从;'ー'从「『あ』」
ゴツッ、と聞き覚えのある重音がする。
渡辺が、転送されたと同時にペニサスに蹴られていた。
('、`*川「今更ラブコメとかムシよすぎ。あんた、今まで何人の人間を絶望に追いやったのよ?」
('、`*川「そんなクズがよォ!!」
从; ー 从「『あぎっ!!』」
右目をえぐるように、爪先で蹴る。
悲鳴にも聞こえない悲鳴をあげる、渡辺。
251 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:29:04.89 ID:9/8GtECfO
('、`*川「あ、わかってると思うけど、転送中にちゃーんと爆弾も再設置しといてあげたからね」
从; ーメ从「『う……』」
('、`*川「池沼ちゃ~ん。あんた、自分報われるとでも思った?」
('、`*川「んなわけねーだろゴミクズ」
――――――現実の無情感を忘れてもらっちゃあ困るな☆
第十三話、終わり。
Posted at 2011/08/16 21:34:09 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月15日
18 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:04:12.39 ID:T+61aS07O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第十二話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ツンを追う際たまたま出会ったショボンとの共闘により、ドクオはとばっちりをくらい、ついに動き始めていた。
今回の敵は!?今回の安価は!?
正直作者も予想だにしない展開でプロットも仕上がってないのに大丈夫なのか!?
22 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:06:33.17 ID:T+61aS07O
一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
・共に行動中
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・待機中??
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中
_
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????
27 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:10:11.75 ID:T+61aS07O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
30 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:13:20.78 ID:T+61aS07O
――――――公園
( ^ω^)「とりあえず、みんなと合流しなければ」
ブーンが一人でに呟く。
その隣には、小学生くらいの少年。
(´・ω・`)「あ、仲間がいるんだよね?何人くらい?」
( ^ω^)「あぁ、僕を含め6人いるお。一人はどっかに走ってっちゃったけど」
(´・ω・`)「そうなの。じゃあその人達に会いにいくんだね?」
( ^ω^)「だお」
(;^ω^)「…つーか、よくよく考えたら僕が馬鹿だったお。弟者にマップ検索をしてもらえばツンもすぐに見つかるってのに、なぜ飛び出してきたし…」
そう、独り言のようにごちた。
33 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:16:29.16 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「そんな事出来る人がいるの?やっぱ凄いんだね、みんな」
( ^ω^)「だお。みんなやっぱ、チートなんだお」
(´・ω・`)「あ、じゃあ他の人はどんな能力を?」
( ^ω^)「聞きたいかお?他のクーちゃんって女の子は変幻自在の高火力魔法使いだお。シューって子はピクミンを操るし、兄者って変態は、あらゆる物を止めれたり…」
(´・ω・`)「まって」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「…シュー?」
37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:19:31.56 ID:T+61aS07O
――――――図書館前の道
そこには、男1人と女2人が走っていた。
(´<_` )《うん、間違いない。公園だな》
そのうち男が首からかけているノートパソコンから、そう聞こえる。
lw´;‐ _‐ノv「戦ってるんだよね?ブーンは大丈夫なの?」
( ´_ゝ`)「………」
川 ゚ -゚)「急いだ方がいいのか?」
(´<_` )《いや、その必要はなさそうだ》
(´<_` )《どうやら戦いは終わったらしい》
39 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:21:36.90 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「ほぉ。さすがブーン」
(´<_` )《いや、違う。どうやら仲間?でいいのかな?…とりあえず、共闘者がいて、そいつの力もでかかったらしいな》
川 ゚ -゚)「誰だ?」
(´<_` )《えっと名前は…ショボン…ん、小さい子だな。ショタ属性持ちのクーにはたまらんだろ?》
川 ゚ -゚)「だまれ。いや、ごめん。黙って」
lw´‐ _‐ノv「まって」
(´<_` )「ん?」
lw´‐ _‐ノv「……ショボン?」
44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:25:27.24 ID:T+61aS07O
――――――公園
( ^ω^)「お?ショボン、シューを知ってるのかお?」
(´・ω・`)「え?うん!!シューは…」
――――――道路
(´<_` )《お?シュー、ショボンを知ってるのか?》
lw´‐ _‐ノv「え?うん。ショボンは…」
――――――公園
(´・ω・`)「僕の彼女だよ!!」
――――――道路
lw´‐ _‐ノv「……ごめんやっぱ知らない。誰だっけそいつ」
62 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:30:08.94 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「ま、まじかお!!シューに、彼氏が!?」
(´・ω・`)「うん!僕はシューと一緒に小学校から帰ってるとき、この世界に一緒に飛ばされたんだよ!わぁ、嬉しいなぁ!シューに、シューに会えるなんて!」
(;^ω^)「お…最近の小学生は進んでるお…」
(´・ω・`)「早く、早く会いにいこうよ!図書館だよね!?いこう!」
(;^ω^)「テンションあがりすぎだおお前……」
その時、
「……あ!!いたっ!!」
公園の入口から、聞き慣れた声がする。
71 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:34:20.08 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「おーい!ブーン!」
分厚い本を片手に、クーが手を振っていた。
その後ろに、兄者と弟者、そしてシュー。
( ^ω^)「あ!みんな!来てくれたのかお!」
lw´;‐ _‐ノv「良かった!無事だったん………」
lw´‐ _‐ノv「……え…!!?」
(*´・ω・`)「あ…あぁ……!!」
そこに見つめ合う、二人の小学生。
80 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:37:55.29 ID:T+61aS07O
(*´^ω^`)「シュー!!無事だったんだね!!」
抱きしめる為に腕を広げ、最愛の人に走り向かうショボン。
対して、シューも腕を広げ、走り向かう。
ブーンに。
lw´*‐ _‐ノv「ブーン!!怪我はなかった!?心配した!!」
(*´^ω^`)
( ´_ゝ`)「……」
(´<_`;)(うわぁ…)
川*゚ -゚)(……かわいい…)
(´・ω・`)ショボーン
92 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:42:12.45 ID:T+61aS07O
(;´・ω・`)「え、あ、あの……」
もはやどういう対応をしたらいいのかわからない、困り顔のショボン。
(;^ω^)「………」
そのショボンを見て、さらに困り顔のブーン。
lw´*‐ _‐ノv「えへへ」
そのブーンに抱きつく、元凶。
川*゚ -゚)「……」
興奮する、文学少女。
(´・ω・`)「あ、あの、シュー…」
lw´‐ _‐ノv「え?ショボン?久しぶり」
(´・ω・`)「あ、あの……」
lw´‐ _‐ノv「元気?顔色悪いね」
さらに場を曇らせる、元凶。
108 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:46:37.24 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「あ、あの…僕ら」
(´・ω・`)「付き合ってたよね?」
lw´‐ _‐ノv「え、あぁ……あー…………………………………………………………………………………………うん。そうだね」
(´・ω・`)「クラスで、結婚する約束とかしたよね?」
lw´‐ _‐ノv「したっけ。した?あぁ、した。したね」
(´・ω・`)「で、この状況はなに?」
lw´‐ _‐ノv「えっ」
(´・ω・`)「えっ」
lw´‐ _‐ノv「なにそれこわい」
(´・ω・`)ショボーン
ショボン、小学生。
彼は幼いながらにこの時、「自分の目に見えないものが一番の脅威なのだ」という、不変の心理に気付く。
121 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:52:18.07 ID:T+61aS07O
lw´‐ _‐ノv「ごめん。今の私はブーンに恋心とか愛とか初めてとかいろいろと奪われちゃってるの」
( ^ω^)「まて。奪ってないのが混じってる」
(´・ω・`)「」
(´;ω;`)「…」
川*゚ -゚)「あれ?じゃあさ、ブーンとシューが付き合って、ショボンと私が付き合ったら万事解決じゃね?なぁ、よくね?」
( ^ω^)「お前どうした?お前、今までで一番どうした?お前の立ち位置どうした?」
川*゚ -゚)「なんなら、ショボンとブーンが付き合って、さらに突き合ってみたらどうだ?それも見てみたいぞ!」
( ^ω^)「おいまてこら」
lw´*‐ _‐ノv「…」
( ^ω^)「え?お前も?お前も見たいの?」
139 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:58:53.71 ID:T+61aS07O
ぎゃあぎゃあと騒ぐ男女4人。
(´<_` )《…なぁ、お前ら…》
ノートパソコンの声は、もはや聞こえていなかった。
(;^ω^)「ああもう!!つーか、後は早くツンを探しに行かなきゃだお!」
川 ゚ -゚)「勇気あるな。この状況にツンを呼ぶのか」
( ^ω^)「やっぱゆっくり探そう」
(´;ω;`)「うぅ……ううう……」
川*゚ -゚)「おーよしよし、可哀想にショボンくん。おいで。お姉さんの胸に、Dカップの胸に飛び込んどいで」
(´;ω;`)「うぅ……………」
(´;ω;`)「……う……?」
その時、泣きじゃくっていたショボンが、何かに気づく。
153 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:04:15.89 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「……え……?」
川 ゚ -゚)「ん?どうした?パッドならいれてないぞ?むしろこの下はノーブラだからな」
(;´・ω・`)「……」
Dカップ破廉恥文学少女を尻目に、ショボンは何か違和感を覚える。
否、違和感というより、それは自分の視界に見えるもの。
脅威が。
脅威を表す光が、視界がをゆるやかに薄白くする。
(´・ω・`)(…どこ……?)
そう思いふと、上を見あげた時だった。
そこは、脅威の光で真っ白に埋まっていた。
167 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:09:43.80 ID:T+61aS07O
(;´゚ω゚`)「みんな!!上!!」
(;´゚ω゚`)「何かくる!!」
そう言うとほぼ同時。
隕石のような勢いと共に、何かが飛来した。
川;゚ -゚)「ん!?」
lw´;‐ _‐ノv「…!!」
(;^ω^)「ッ!!」
ショボンの声に、3人は散りその場を離れる。
そして、その何かは
('A`)「………」
ブーンの、何よりの探し人。
182 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:14:27.68 ID:T+61aS07O
/ ,' 3「ふぃー、疲れた」
いつぞや見た、老人。
(#゚;;-゚)「ありがと、しぃちゃん」
(* ∀ )
虚ろな目をした少女に担がれる、もう一人の少女。
そして。
(;^ω^)「………」
(;゚ω゚)「お………」
('A`)「……久しぶりだな」
('A`)「ブーン。」
自分の名を呼ぶ親友が、目の前にいる。
しかし、その雰囲気がブーンに違和感を覚えさせる。
――――――あれは、本当にドクオか?
191 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:18:58.98 ID:T+61aS07O
('A`)「あら?ツンは?死んだ?」
('A`)「おいおい、友達くらい守ってやれよ。荒巻から聞いたが、お前オリジナルなんだろ?」
(;゚ω゚)「ドクオ……お前……?」
川 ゚ -゚)「知り合いか?ブーン……」
(;^ω^)「…ドクオは……僕の親友だお…」
('A`)「『前の世界では』、な」
('A`)「おいおい、こっちじゃお前の価値なんかないぞ?ツンもだけど、なんでそんな感じでくるかな」
('A`)「気持ち悪い」
(;゚ω゚)「お前……!!」
205 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:24:14.79 ID:T+61aS07O
('A`)「とりあえず、さっきのお返しはさせてもらうか。死ぬのと死ぬの、どっちがいい?」
ドクオがへらへらしながら、そう言い張る。
(#^ω^)「…!…ふざけん…」
しかし、怒るブーンをぐい、と誰かが手で抑えた。
川 ゚ -゚)「……」
それは、クー。
(;^ω^)「………クー?」
川 ゚ -゚)「……悪い、ブーン。こいつ」
川 ゚ -゚)「腹立つ」
そう言い、魔導書たる古本が開かれた。
224 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:29:30.25 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「『火符』…」
(;^ω^)「ちょ!待てクー!!」
しかし、止まらない。
川 ゚ -゚)「『アグニシャ』」
川;゚ -゚)「う゛っ……!!」
『火符:アグニシャイン』。
それは、止まらないはずだった。
しかし、それを暴力で止めた人間がいる。
腹を全力で殴りつけられ、気絶するクー。
その犯人は。
( ´_ゝ`)「……」
(;^ω^)「兄者!?」
242 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:34:51.66 ID:T+61aS07O
('A`)「おいおい、女を殴るなよな。魔術はうまく『反射』出来ないとは言え、俺は傷つかないんだから」
('A`)「………『弟者』」
(;^ω^)「え!?」
(´<_` )《馬鹿言うな。俺が傷つくかもしれんだろーがよ》
(´<_` )《さ、行こうか兄者》
( ´_ゝ`)「………」
(;^ω^)「え!?お、おい……兄者…!弟者……!!?」
兄者と弟者は、ドクオの方へ行く。
(´<_` )《あ、ごめんなブーン》
(´<_` )《俺、今からドクオに味方するから》
平然と、そう言いのけた。
256 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:39:47.09 ID:T+61aS07O
(;゚ω゚)「お……?」
頭が、ついていかない。
なんだ。なんだ?この状況は。
('A`)「あらあら裏切られちゃったwお前ってば本当友達少ないなw」
('A`)「さ、お前もこいよ」
('A`)「シュー」
lw´‐ _‐ノv「…」
(;^ω^)「…シュー?」
しかし、シューは。
lw´‐ _‐ノv「ごめん、ドクオさん。あんたなんかちょっと見ない間にブサイクになったからいいわ」
lw´‐ _‐ノv「私、ブーンの味方する」
平然と、そう言いのけた。
290 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:44:36.43 ID:T+61aS07O
('A`)「ほぉ?」
lw´‐ _‐ノv「ごめん、私面食いだから。ブーンについてく」
(;^ω^)「シュー……」
('A`)「やっぱガキか。状況が見えてないみたいだな」
('A`)「仕方ない、遠慮なくやらせてもらおう」
(;^ω^)「ッ!!ショボン!!」
気絶したクーを抱えて、算段をつけるブーン。
しかし、状況はあまりにもひどすぎる。
正直、勝てる気がしない。
勝てる見込みと言えば。
(;^ω^)「……おい、ショボン……」
(;´゚ω゚`)「あわわわわ………」
隣でずっと震えている、『脅威』を払う少年。
333 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:51:04.10 ID:T+61aS07O
(;´゚ω゚`)「駄目だ…駄目だ……!!」
lw´;‐ _‐ノv「ショボン!落ち着いて!」
('A`)「じゃあ、行かせてもらう」
ドォッ!!と、およそ脚力だけでは生めない爆発的な勢いで地を蹴り、迫り来る。
(;^ω^)「ショボン!!」
『反射』がある限り、ブーンは触れない。しかし、ショボンなら。
【弱者のパラダイム】なら、手を払えば後退させられる。
しかし
(;´゚ω゚`)「あぁ…!!…脅威が……」
少年は、震えたままだった。
(;^ω^)(くっそ…出来れば使いたくないけど、使うしかないのかお…!?)
384 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:56:49.38 ID:T+61aS07O
【気分次第《アンカーテイク》】は、まさに予測不可能。
ある時はチートで、ある時はポンコツ。そんな使い勝手の悪い力だ。
だから、乱戦では使いたくないし、ましてや相手が強敵ならなおの事。
(;^ω^)(…けど!もううだうだ言ってらんなそうだお……!!)
(;^ω^)「しゃあない!!いくお!!ドクオ!!」
(;´゚ω゚`)「違うんだ!!ブーン!!」
(;^ω^)「ッ!!?」
その決意に割り込むは、ショボン。
そして、言う。
(;´゚ω゚`)「脅威は……!!」
(;´゚ω゚`)「脅威はまだ、止まってない!!」
('A`)「!!」
その時だった。
ドクオが何かに気付き、身を引く。
そこには、数本のでかすぎるネジが落ちてきた。
434 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:00:48.38 ID:T+61aS07O
('A`)「………」
視線を動かせば。
(;^ω^)「………」
そこには三人の人影。
爪'ー`)y‐
タバコを片手にする男。
( ^Д^)
不気味に笑顔が張り付いた男。
そして。
(;^ω^)「……なんでお前がいるんだお…」
(;^ω^)「渡辺!!」
从'ー'从「『はろー、ブーンくん』」
かつて全てを台無しにした女、渡辺。
464 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:06:48.67 ID:T+61aS07O
('A`)「誰だ?」
从'ー'从「『こんにちわ私は渡辺趣味は下等生物の虐殺好きな食べ物はこんにゃく畑のバターソテー』」
从'ー'从「『あなたを、殺しにきました』」
そう言い、渡辺はドクオに向かいダッシュ。
両手に持った規格外の大きさのネジを、ドクオの胸に走らせる。
ドクオは、それを反射
('A`)「ッ!?」
はせず、すんでのところで両手でネジを掴み、動きを止める。
そして、均衡。
从'ー'从「『あれれ~?ちょっとしか能力を《なかったこと》に出来ないよ~?』」
('A`)「悪いね。俺のこの力は、今や俺だけの能力じゃない。代理もいるんだ。だからじゃないか?」
从'ー'从「『なにそれこわい』」
二人の戦いが、始まった。
488 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:11:50.69 ID:T+61aS07O
爪'ー`)y‐「やぁ、おじさん」
/ ,' 3「ん?誰じゃったかな?」
爪'ー`)y‐「とぼけんなよ。お前、俺を殺してくれたろ?」
(#゚;;-゚)「ほら、荒巻さん、あれだよ。ベルとかいうやつの時になりすます為に使ったって言ってたじゃん」
/ ,' 3「年寄りだからそんな事覚えてない」
爪'ー`)y‐「……」
ぴくり、とフォックスの肩が動く。
(#゚;;-゚)「それより、あなたはどうして生き返ってるの?」
爪'ー`)y‐「………さぁ?」
爪'ー`)y‐「死んだら、わかるんじゃねえか」
ここにも、戦いが始まる。
519 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:17:41.77 ID:T+61aS07O
そして。
( ^Д^)「あぁ、余っちゃったな。どうもプギャーですよろしく」
(;^ω^)「お、お前らなんなんだお!?どうして、どうして渡辺が……!!」
( ^Д^)「まぁいいじゃん」
( ^Д^)「戦いながら語ろうぜ!」
lw´‐ _‐ノv「!!」
(;´・ω・`)「!!」
川 - )
( ^Д^)「アイス・ボール!!」
ここにも、戦いが。
539 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:21:51.40 ID:T+61aS07O
飛来したのは、氷塊が数発。
(;^ω^)「お!!」
(;´・ω・`)「【弱者のパラダイム】!!」
しかし、それはショボンの手で弾かれ、あらぬ方向へと誘導される。
( ^Д^)「あら」
lw´‐ _‐ノv「いけっ!!」
その間も、シューが動く。
ピクミンを際限なく放りなげる。
が。
( ^Д^)「……」
lw´;‐ _‐ノv「!?」
プギャーの体に触れたとたん、ピクミン達は凍りついた。
(;^ω^)「…あれは…」
570 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:25:31.64 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「【ヒエヒエの実】…かお…!!」
( ^Д^)「お、よくわかったね」
【ヒエヒエの実】。
ワンピースの、青キジの自然系悪魔の実の力。
彼自身が氷となり、さらにそれを操る力。
つまり
lw´;‐ _‐ノv「うっわ…相性が悪すぎる……!!」
そう。今回、シューの物理的数の暴力は通じないも同然なのだ。
(;^ω^)「どうやらそのようだお…シュー!クーを頼むお…」
lw´;‐ _‐ノv「わかった!」
590 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:31:30.03 ID:T+61aS07O
( ^Д^)「さて、坊っちゃんよ」
(;´・ω・`)「?」
( ^Д^)「なんで俺の攻撃を跳ね返せたのかな?聞かせてくれないかな?」
(;´・ω・`)「………」
( ^Д^)「例えば、俺がもっと大きな攻撃をしたら、君は跳ね返せるのか?」
( ^ω^)「ショボン、耳を貸すなお」
( ^Д^)「周りを低温にしても、お前の周りだけは常温なのかな?」
(;´・ω・`)「……」
それは、出来るかどうかわからない。
ショボンが払えるのは、自分に見える脅威となる物だ。
温度なんて曖昧なものでは、試した事がないから。
もし、払えなければ……
(´・ω・`)「……ブーン…!」
( ^ω^)「わかってるお……!!」
610 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:35:47.83 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「ブーン。信頼してる」
( ^ω^)「まかせとけお…相手がどんだけヒエヒエだろうと」
( ^ω^)「僕の家族関係より冷えてギクシャクしてるものはないと断言してやるお!」
( ^Д^)「………」
(´・ω・`)「………」
聞いてはいけない事を聞いた気がした。
( ^ω^)「いくお!【気分次第《アンカーテイク》】!!」
そして、そのまま自信満々でいった。
628 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:37:44.71 ID:T+61aS07O
( ^ω^)「さぁみなさん!お楽しみの安価の時間だお!」
( ^ω^)「なんかさっきフライングしたやつ数名がいてびびった!」
( ^ω^)「じゃあ、ヒエヒエ野郎をぶちのめすあなたの厨二妄想を!指定アンカーは……」
――――――>>650!!
650 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:38:04.79 ID:dOs8h54VO
自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力
742 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:39:46.74 ID:T+61aS07O
『能力が決定しました。』
>>650 自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力
( ^ω^)「うっわなにこれいたい」
( ^ω^)「ぼくもいたい」
774 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:43:23.68 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「やるしかないお!!」
そういい、ブーンは自分の爪を噛み
(;^ω^)「っつあぁ!!」
ブーンは爪の先を、折る。
すると
(;´・ω・`)
(;^Д^)「んぐっ…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
プギャーがとたんに口を押さえ、苦しみだした。
24 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:57:11.52 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「よっしゃ!!効いてるお!!」
(´・ω・`)「いけるね!」
(;^ω^)「もう一回!!」
(;^Д^)「させるかよォォォォォ!!!」
プギャーは左手で口を押さえながら、右手を前へ。
そこから放たれたのは、氷で造型された、大量のナイフ。
しかし
(´・ω・`)「うらぁ!!!」
あからさまな『脅威』を目の前に、ショボンが動かないわけがない。
【弱者のパラダイム】にて、簡単に払われる。
(;^Д^)「なっ…!!」
( ^ω^)「ナイスショボン!!」
37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:00:46.21 ID:upA6ALgSO
( ^ω^)「うらぁ!!!」
カリッ、と。
今度はさっきより大きめに、爪を折る。
すると
( ;Д;)「うがぎっ…ぎゃああああああああああ!!!!……」
目から涙を流し、膝をつくプギャー。
左手で押さえられた口からは、血のようなものと白い破片がこぼれる。
( ^ω^)「へへへ……」
優位は、明らかにブーン達にあった。
54 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:05:30.86 ID:T+61aS07O
( ^ω^)「さぁて、と……プギャー君よ…」
( ;Д;)「ぐっ……」
( ^ω^)「そんなんで大丈夫か?僕の爪は108式……とは言わなけど、足も合わせてまだまだあるお」
( ^ω^)「今度はどうする?真正面から折るか?剥がすように折るか?捻るように折るか?」
(;´・ω・`)「…うわ、いたい……」
( ^ω^)「こっちにはクーっていう仲間がいてな。爪くらいなら、簡単に再生してもらえる。つまり、覚悟さえ決めりゃ」
―――――手の爪10枚を、一気に剥がす事だって出来るんだぜ。
どうだ?お前、されてみたいか?
( ;Д;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
90 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:10:59.44 ID:upA6ALgSO
プギャーは頭がどうにかなりそうだった。
問答無用で与えられる苦痛。
止めようと攻撃すれば、隣の少年に弾かれる。
その間も、爪はおられる。
正面から戦っては、どうしようもない。
だから、プギャーの次の行動は明瞭簡単だった。
(;^Д^)「まっへふれ!!」
( ^ω^)「ん?」
( ^Д^)「わるはっは!!ほーさんら!!ほーさんするはら!!」
悪かった、降参する、と
なおも口を手で押さえつつ言う、プギャー。
口を開くたびに赤い何かが口をしたたる光景に、ショボンは少しだけ顔色を悪くした。
112 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:17:04.49 ID:upA6ALgSO
いきなりの降参。
いや、まぁ当然と言えば当然なのだが。
しかし、念のためと思考し
( ^ω^)「……ショボン、あいつからまだ『脅威』は見えるかお?」
(´・ω・`)「…んー、わかんない。あるけど、かなり弱くなってるね」
( ^ω^)「………」
つまり、信じるか信じないかは気分次第なわけだ。
ブーンはそう思い、そこから利用価値を探す。
( ^ω^)「………」
そこから欲しいのは、やはり情報だ。
( ^ω^)「なぁ、プギャー君よ」
128 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:22:09.27 ID:upA6ALgSO
( ^ω^)「お前らはなんでここにきたお?なんで、渡辺が生き返ってるんだお?」
(;^Д^)「ああ、それへ………」
(;^Д^)「……べぇっ!!ぶふっ!!」
口の中にある破片と血液を吐き出し、続ける。
(;´・ω・`)「…おぇ」
そして
( ^Д^)「それはな、俺らがな……」
(#^Д^)「言えるわけねぇだろうが!!!」
(#^Д^)「『アイス・エイジ』!!!」
手を地表に、一気に氷をその場広くに走らせた。
(;^ω^)「!!!」
141 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:27:26.79 ID:upA6ALgSO
(;´・ω・`)「――――――!!」
まずい、と思い
ショボンは無意識のうちに右手をふるっていた。
そこまではいい。
目の前に走らされた氷は吹き飛び、脅威は取り除かれた。
しかし、ブーン。
(;^ω^)「やば―――――!!」
ブーンに向かっている『脅威』が、取り除かれていない。
さらに、取り除く事も出来ない。
【弱者のパラダイム】は、自分に見える脅威を払うから。
ブーンにとっての脅威は、払えない。
(;´・ω・`)「ブーン!!!」
157 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:30:53.38 ID:upA6ALgSO
(;^Д^)「ひゃははははは!!!」
(;゚ω゚)「お――――!!!」
氷が、迫る。
間に合わない。
しかし、その時
ブーンの目の前に、衝撃波に似た何かが走り
氷が、全て阻害された。
(;^Д^)「え!!?」
175 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:34:04.40 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「お………」
粉塵の中、何かが語る。
(;´・ω・`)
「………その質問になら」
(;^Д^)
ξ゚⊿゚)ξ「私が答えてあげる」
ツン。
グッドタイミングでやってきた、正ヒロイン。
213 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:39:20.98 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「ツン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず、倒しちゃいましょうか、こいつ」
覇者の少女が、何食わぬ顔でいう。
(;^Д^)「う、うわあああ!!」
プギャーの手から放たれたる、多数の氷塊。
それは、ツンを凍らせるため。
しかし
ξ゚⊿゚)ξ「ぬぅんッ!!!」
少女の体からほとばしる闘気が、それを許さない。
(;^Д^)「な、なにが……!!!」
プギャーには、理解が出来ない。
多対一とは言え、あの【ヒエヒエの実】の力を持つ自分がなぜここまで追い詰められるのか。
235 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:42:55.33 ID:upA6ALgSO
ξ゚⊿゚)ξ「わからない、って顔ね」
ξ゚⊿゚)ξ「教えたげる。あんた、相手が悪すぎたのよ」
(;^Д^)「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「この世には、チートなんかより怖くて卑怯で意地悪なものがいっぱいあるのよ」
( ^ω^)「そーいう事だお」
ブーンが言う。
言いながらも、その手の周りには、シューから借りたであろう、数匹のピクミンがいた。
251 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:47:12.16 ID:upA6ALgSO
(;^Д^)「………」
(;^Д^)「……ま、さ、か…」
( ^ω^)「プギャー君。お前の覚悟、しかと見届けたお」
(;^Д^)「ちょ、嘘だろ?なぁ、それ、お前も痛いぞ?やめとけって。駄目だってそれ…」
( ^ω^)「だから僕も覚悟を決めるお。そりゃあ痛いだろうが、後でクーに治してもらえると思えばまだマシだ」
( ^ω^)「さ、やっちゃってくれピクミンたち」
声を合図に、ピクミン達が
ブーンの両手の爪を、一斉に全力で、全て叩き割った。
282 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:50:39.27 ID:upA6ALgSO
その後のプギャーはひどかった。
敢えて詳しく言うなれば、
【見せられないよ!!】だった。
プギャーはその後、白目を向きながら、口からは赤い泡を吐いてその場に倒れてしまった。
297 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:55:54.25 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「ツン!」
戦闘を終え、ツンに駆け寄る。
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえずはこっから逃げるわよ。急がないと、もっといっぱいの人間が来るわ」
(;^ω^)「お……」
ξ゚⊿゚)ξ「あいつらはペニサスって女に、【GANTZ】の力で復活され、従わされて闘いに来てるのよ」
(;´・ω・`)「な、なるほど……」
ξ゚⊿゚)ξ「だから、早く逃げないと」
(;^ω^)「ま、待ってくれお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
(;^ω^)「なんで、ツンはそんな事知ってるんだお?なんで、ツンはここがわかったお?お前、僕と別れてから何があったんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…あぁ……」
310 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:59:17.94 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「答えてくれお。お前、隠してるつもりかもしれないけど…」
(;^ω^)「……なんか、変だお」
(;´・ω・`)
lw´;‐ _‐ノv
川 - )
ξ゚⊿゚)ξ「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…ほんと、そういうとこだけは鋭いんだから」
(;^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「簡単よ。ここの事については、教えてもらっただけよ」
321 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 01:01:16.94 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「教えてもらった?だ、誰に?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん、それはね………」
彼女は、小さく一つの単語を口にする。
――――――「渡辺」。
第十二話、終わり。
Posted at 2011/08/15 21:08:51 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月13日
6 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:07:46.80 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第十一話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ブーンの覚醒、そして2度目の回復タイム終盤に差し掛かり、舞台は大きく動こうとしていた。
今回の敵は!?今回の安価は!?
作者は今回も誤字脱字を指摘され顔を真っ赤にするのか!?
11 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:11:12.97 ID:zOwZi8EsO
一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・休養中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中
_
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????
19 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:15:23.37 ID:zOwZi8EsO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
25 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:18:55.07 ID:zOwZi8EsO
ショボン。それが僕の名前だ。
年齢は四捨五入したら10になる。
身長は高くも低くもないようで低い。
体重はハンバーガー換算で、よくわからない。
小学校の帰り道、好きな女の子と楽しくお喋りしながら帰っていたらいきなりこの世界に飛ばされた。
さらに運の悪い事に、強い人から命を狙われるハメになったりと、そりゃあ絶望の連続だ。
でも、絶望の中にも希望はあった。
ヒーローに会ったんだ。
この世界で初めて、敵意なく僕を助けてくれる、僕を必要としてくれるヒーローに。
だから。
(; ω )「……お…」
(;´・ω・`)「だから、だから今度は僕が助けるんだ!!」
(,,゚Д゚)「……ふん…」
――――話は、もっともっと前にさかのぼる。
32 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:22:07.87 ID:zOwZi8EsO
――――図書館。
(´<_` )《そろそろ、真剣に語ろうか》
騒然としていた図書館に、弟者の一言。
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「え」
lw´‐ _‐ノv「ん?」
川 ゚ -゚)「…」
(´<_` )《これからの行動について、だよ》
画面の中の弟者が言う。その、思惑がいまいちわからないような声色で。
36 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:23:48.45 ID:zOwZi8EsO
(´<_` )《忘れてないよな?ブーンは初めての覚醒者だ。おそらく、何人か……少なくとも、オリジナルの連中はそれに気付いて近づいてくるとは思うんだ》
(;^ω^)「……お…」
(´<_` )《だから、どうするか考えよう》
(´<_` )《なぁ、兄者?》
( _ゝ )「………」
( ´_ゝ`)「……あぁ、そうだな」
今まで一言も語らなかった兄者が相槌をうつ。
ブーンはそこに少しの不安感を覚えたが、特に気にする事ではないと思い胸にしまった。
44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:26:48.43 ID:zOwZi8EsO
(´<_` )《俺としては、あまり動くべきではないと考えてるんだが…》
( ^ω^)「お、それはちょっと困るお」
そこでようやく口を開いたのが、当人のブーンだった。
彼は平然とした顔で、自分の当初の目的を皆に告げる。
(´<_` )《ん、なんだブーン?》
( ^ω^)「や、ちょっと困るんだお。一応僕にも目的はあるから」
lw´‐ _‐ノv「あ、そう言えばそうだったね」
( ^ω^)「僕、ドクオって友達に会いに行きたいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
ただ一人だけ、それに大きく反応した少女がいた。
52 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:30:16.09 ID:zOwZi8EsO
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーンあんた何を」
( ^ω^)「ああ、ツンにも言ってなかったかお」
( ^ω^)「このシューは、なんとドクオのチームの一員なんだお」
lw´‐ _‐ノv「うん。よく考えてなかったら名乗ってなかったね」
ξ;゚⊿゚)ξ「え――――!」
ドクン、と。
ツンは鼓動が早くなるのを感じる。自体が、思ったより都合の悪い方向に進んでいるのを感じて。
(´<_`;)《おお、そうなのか。ドクオって、あのドクオだよな》
lw´‐ _‐ノv「あ、弟者さんは知ってんのね。そりゃあんだけ強い人なら、全体マップで見た事あるよね」
ξ;゚⊿゚)ξ(………)
lw´‐ _‐ノv「そうだよ。【一方通行《アクセラレータ》】を持つ、ドクオさんだよ」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「え」
………ん?【一方通行《アクセラレータ》】?
それって確か、ツンが………
59 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:34:26.40 ID:zOwZi8EsO
そのシューの発言から、いきなり言い争いが始まった。
(#^ω^)「なんで黙ってたんだお!!!」
ブーンは激怒。ツンがなぜドクオについて黙っていたのか、なぜ嘘をついたのか、なぜ自分に助けを求めなかったのか。
いろんな感情が吹き出し、一気に吹き出した。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、え……」
(#^ω^)「はっきり言えお!!お前はドクオに襲われたんだお!?それを詳しく話せってんだお!!」
lw´;‐ _‐ノv「ちょ、ブーン落ち着いて」
一番困惑したのはシューだ。自分が何気なく言った一言が、まさかこんな事態を呼ぶと思ってはいなかったから。
(#^ω^)「シューは黙ってろお!」
lw´;‐ _‐ノv「ひっ…」
そして、ブーンのこんな顔を見た事がなかったから。
66 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:38:31.09 ID:zOwZi8EsO
ξ;゚⊿゚)ξ「仕方なかったのよ!!私だって、あなたを思ってn」
(#^ω^)「僕を思って!!?何がだお!ドクオにぶっとばされるかも知れないからか!!?ふざけんなお!!」
lw´;‐ _‐ノv「やめて!落ち着いてよブーン!!」
川 ゚ -゚)「……」
(´<_`;)《うわぁ………》
ブーンは回りの反応などお構い無く、それでも激しく怒鳴り散らした。
こうなってしまえば、行き着く先は決まっている。
ξ;⊿;)ξ「………う」
lw´;‐ _‐ノv「あ」
ツンの目に、涙が貯まっていく。
(;^ω^)「お………」
それが鎮静剤になったかのように、ブーンの怒号もピタリと止まった。
しかし、ツンはそれでは止まらない。
78 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:43:26.99 ID:zOwZi8EsO
ξ;⊿;)ξ「もういい!!ブーンのばか!!」
ツンは全力でどこかに走っていった。
これがラブコメなら、見所シーンだったのかも知れない、だがここは戦場なのだ。
(;^ω^)「えぇええええ!!!ちょ、ツン!!!」
川 ゚ -゚)「うっわー。泣ーかしたー泣ーかしたー」
(´<_` )《キャーサイテー》
(;^ω^)「待て!待ておツン!」
二人を無視し、ブーンも陸上部(もはや忘れかけられているであろう設定)で鍛えたダッシュ力で追いかける。
しかし、それでもツンは早い。当たり前だ。あんな少女も、中身は覇者なのだから。
しかし追い付けないからと言って、追いかけないわけにもいかない。
(;^ω^)「………たっく、もう!!!」
lw´;‐ _‐ノv「え、ブーン!!」
(;^ω^)「ごめんみんな!!すぐ戻るから待っててお!!」
こうして男女3人とパソコン1台を残し、ブーンとツンはどこかへ走っていった。
84 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:46:20.22 ID:zOwZi8EsO
――――――公園。
結果。
(;^ω^)「…ハァ…ハァ…あいつ早すぎるお……どこ行ったマジで…」
(;^ω^)「しゃあない。いったんみんなのとこに戻って………」
( ^ω^)
(^ω^ )
( ^ω^)「………」
(^ω^)
/(^ω^)\「ここどこだ」
ものの見事に、迷った。
96 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:50:14.24 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「あれ、もしかして僕、結構ピンチなんじゃね?」
公園内を一頻り歩くブーン。
しかし、まずい。
必死で走っていた為か、この公園のどの入口から入ってきたのかもわからない。
ふざけんなよ自分、働け前頭葉、としきりに思うが何も変わらない。
(;^ω^)「んー、こんなとこ通ったっけ……」
110 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:54:45.33 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「まずったお……」
そう言いながら大きな針葉樹林を抜けようとした時
(;´・ω・`)「うらああああああああああああああああ!!!!」
(;^ω^)「お!!?」
後ろから、というより上からいきなりの襲撃者。
推定、小学生。おそらく、木に登って隠れていたんだろう。
(;´・ω・`)「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
その小学生は、激しい声と勢いと共に、ブーンを
(;^ω^)「まず――――――」
平手で叩いた。
122 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:58:09.80 ID:zOwZi8EsO
突然の平手打ち。
当たり前だが、ダメージはまったく無い。
(;´・ω・`)「………え?なんで?」
(;^ω^)「………えぇ?」
(;´・ω・`)「………」
(;´・ω・`)「……あの、だれですか?あ、僕はショボンです」
襲撃者は礼儀正しかった。
(;^ω^)「僕は、ブーンです」
とりあえず敬語で返した。
135 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:02:28.77 ID:zOwZi8EsO
(´・ω・`)「……なるほど、道に迷った、と」
(;^ω^)「うん……」
ショボンと、ブーン。二者に年下と年上の関係は完全に構築されているのだが、なぜかブーンにはショボンを小学生とは思えなかった。
(;^ω^)「で、君も命を追われてると?」
(´・ω・`)「そうなんだ」
驚いた事にこの小学生、ある人物から追われていて
命からがらここに逃げ込んだ後、僕をそいつと勘違いし、襲撃したらしい。
平手で。
149 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:07:13.93 ID:zOwZi8EsO
(´・ω・`)「叩いて、すいませんでした」
( ^ω^)「いいお。でも、なんもなかったお?」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「それは、君の力が関係してるんだお?」
(´・ω・`)「………」
ショボンは、押し黙る。
何か聞いてはいけない事だったのか、とブーンが思った時
(;´・ω・`)「……あ、あの」
( ^ω^)「?」
(;´・ω・`)「もし、もし迷惑でなければでいいんですが……」
(;´・ω・`)「ちょっとだけ一緒にいて、もらえませんか?」
( ^ω^)
( ^ω^)「…オゥフ……」
何か聞き間違えたら大変な事になりそうな発言をした。
157 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:11:40.53 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「あの、君はどういう…」
(;´・ω・`)「あ、いや、違うんです!」
何が違うと言うのだろう。
(;´・ω・`)「ただ、こんな感じ初めてで…」
何が初めてだと言うのだろう。
なぁ、狙っているのか?ショボン君。
(;´・ω・`)「その、心地良いって言うか、なんて言うか……」
何が心地良いと、ああもういいめんどくせぇ。なんだこいつ。
(;^ω^)「待て、何がどうなって何なのか教えろお!!」
(;´・ω・`)「あ、すいません。違うんです」
(;´・ω・`)「ちょっとだけ、守ってもらいたいだけなんです」
なんだそれ。
169 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:15:46.55 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「ああもう。守ってやるお。ちょっとだけ一緒に行動するお!これでいいかお?」
(´・ω・`)「…え……」
あれだけ言っていた割には、当のショボンは、信じられないと言った顔でブーンを見てから
(*´・ω・`)「ありがとうございます!」
満面の笑顔で、そう答えた。
(;^ω^)「……僕もツンを探さないといけないのに…」
ブーンは不満そうだったが、まんざらでもなかった。
頼られると言うのは、そう言う事なのだろう。
180 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:20:28.01 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「じゃあ、聞かせてもらわないといけないお」
(´・ω・`)「?」
( ^ω^)「君が、誰になんで追われているのかって事を」
(´・ω・`)「……それは…」
ショボンが語り始めようとした時。
その時、いきなりそれが訪れた。
文字通り、いきなりだった。
187 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:22:53.04 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)「!!?」
ショボンがいち早く、それを察知したらしい。
そして
(;´・ω・`)「ひっ―――――!!!」
声も漏らさず、いきなりの、逃走。
(;^ω^)「お、おお!?」
ブーンは当然、驚くしかなかった。
当然だ。目の前のショボンの行動の意味がわからない。
だが、その答えはすぐに知る事になった。
(;゚ω゚)「――――――え」
ぞく、と、謎の悪寒がブーンの背中に走る。
(;゚ω゚)「な………」
反応さ、その背後を振り返れば
(,,゚Д゚)「………」
強面の男が、こちらに迫っていた。
196 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:27:29.04 ID:zOwZi8EsO
(;゚ω゚)(なんだ、こいつ―――――)
それは、異質だった。
今まで会った、誰とも違う、負の感触。
モララーとも。渡辺とも。デミタスとも。そのどれとも違う。
まるで、『不快感』の塊。
(;^ω^)「しょぼ――――――」
ショボンは、いない。
つまり、おそらくこいつなのだろう。
ショボンの命を狙っているというやつは。
(,,゚Д゚)「……よォ。俺はギコってものなんだが」
(,,゚Д゚)「ここらでガキ、見なかったか?」
負が、話しかけてくる。
204 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:30:57.34 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「……知らないお」
(,,゚Д゚)「……へぇ、そうかい」
(;^ω^)「その子がどうかしたのかお」
(,,゚Д゚)「いや、わからないならいいさ」
強面の俺が、語りかけてくる。とてつもなく、気持ちが悪い。
(,,゚Д゚)「しかし、あんた。もしかしてアレか?」
(,,゚Д゚)「ちょっと前にあった、『最初の覚醒者』じゃないのか?」
(;^ω^)「!!?」
(,,゚Д゚)「やっぱりか。そこはやっぱりオリジナルか。通じるもんがあるな」
211 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:34:57.70 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「という事は、お前も……」
(,,゚Д゚)「ああ、そうさ。改めて名乗ろうか。俺はギコ、『主謀者《オリジナル》』の一人」
(,,゚Д゚)「…ちょっくら、お手合わせ願おうか」
その強烈な負から、どす黒いオーラが放たれる。
(;^ω^)「な………!!!」
(,,゚Д゚)「じゃあ、行かせてもらう」
(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!!」
ギコの能力が、解放された。
234 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:39:07.94 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「うらぁ!!」
そのギコの体を纏うオーラが手に集まり、黒球となりブーンに襲いかかる。
(;^ω^)「な!?」
何かの、黒い塊。しかし、ブーンは本能的に感じる。
――――――あれに当たっては、いけない。
(;^ω^)「おおおお!!!」
本能に従うまま、左に回避。
黒球達はブーンの右を通過して行った。
なんなく、かわせた。
しかし
(;゚ω゚)「うっ―――――!?」
ブーンを、謎の感覚が襲った。
248 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:44:22.30 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「う……」
交わした、はずなのに。ブーンを襲ったのは、強烈な『不快感』。
嫌だ。辛い。苦しい。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
思わず体を動かすのも嫌になる。
しかし、そこに近づく元凶。
(,,゚Д゚)「なぁ」
(,,゚Д゚)「あんたがアレンジだってんなら」
(,,゚Д゚)「あんたを殺しゃ、俺も覚醒出来んのかな?」
(;^ω^)「………!」
その言葉に反応出来、やっと体を襲っていた気だるさが解ける。
(;^ω^)「ううううう!!!」
(,,゚Д゚)「お」
逃走。
ブーンはひとまず、遊具の影へと退避する。
260 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:50:56.50 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「はぁ…はぁ……!!」
とりあえず、ブーンは相手の能力を冷静に把握する。
あいつは【荒々しい空気《ラドンテイク》】と言ったか。
わかった事は、あいつが纏うオーラ。
あれに触れると、大量の負の感情を流されると言う事。
交わしたにも関わらず、近くにいただけで自分はかなりの不快感を与えられた。
もし、あんなものが当たれば。
(,,゚Д゚)「……」
(;^ω^)「……まぁ、ここが公園で良かったってところかお…」
幸い、公園には遊具などの遮蔽物がたくさんあった。
最初は驚いたが、あの黒球の飛んでくるスピード自体はそれほど早くはなかった。
つまり、冷静に対処すれば大丈夫、なはず。
( ^ω^)「あとは、【気分次第《アンカーテイク》】で――――」
そう思っていた時。
268 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:56:02.08 ID:zOwZi8EsO
突如、
黒い壁が押し寄せる。
その、全ての負の感情を集めたかのような黒いオーラで出来た壁が。
(;゚ω゚)「え………?」
(,,゚Д゚)「……」
しかも、ただ黒い壁が迫るだけではない。
その壁は、遊具や気、ベンチ等の
遮蔽物を、まるですり抜けるように通過してこちらにやってきた。
(;゚ω゚)
――――――逃げ道が、ない。
294 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:03:16.47 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「………【荒々しい空気《ラドンテイク》】、『面の中傷』」
どす黒いオーラを纏う者、ギコは、自分の起こした黒い津波にブーンが巻き込まれるのを見ていた。
そして、それが通過した後。
(; ω )「お……」
残ったのは、負の津波にのまれ、立つ事すらままならなくなったブーン。
(,,゚Д゚)「勘違いするなよ。俺の能力は、何者からも邪魔されない」
(,,゚Д゚)「障害物があろうが、大きな風が吹こうが、正面から攻撃されようが、俺の【荒々しい空気《ラドンテイク》】は外的要因じゃ止まらない。必ず、特定の人物を狙って飛んでいく。」
(,,゚Д゚)「そして、人に不快感を与え押し潰す」
ギコが、語りかけてくる。
しかし、ブーンは
(; ω )(辛い。苦しい。辛い。嫌だ。逃げたい。嫌いだ。嫌だ。嫌だ、嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
声は届かず半狂乱にさえ、なりかけていた。
309 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:08:20.95 ID:zOwZi8EsO
聞こえているのかどうか、ギコに確かめる気はなかった。
しかし、続ける。
(,,゚Д゚)「だが、今使った『面の中傷』はあまり強いものじゃないんだよな」
(,,゚Д゚)「だから、今から完全に精神を壊させてもらう」
ギコが、両手を振り被った。
(; ω )「…お…おぉ…」
ブーンには、見えていなかった。
しかし、別のものが見えていた。
(;´・ω・`)
(; ω )
木の影から、こちらを見やるショボンが。
321 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:13:34.18 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)
(; ω )「……はは…」
ショボンが何かを言いたそうに、こちらを見ていた。
あぁ、ごめんなショボン。勢いとはいえ守るって言ったのに、こんなザマだ。
でも、ちょっと待ってて。
僕が。
僕が必ず
(; ω )「必ず、守ってやるお………!!」
(;´・ω・`)「!!」
荒らしに潰されかけながらも、ショボンに自分の思いが届いた。
あとは、やるだけだ。
自分の力を。
(;^ω^)「アンカー…」
(,,゚Д゚)「遅い」
(;^ω^)「!?」
(,,゚Д゚)「『大炎上』!!」
それより早く、ギコは動いた。
ブーンに迫りくる、雨のような黒球。
331 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:17:28.09 ID:zOwZi8EsO
雨が、降り注ぐ。
(; ω )(しまった――――)
間に、合わない。
(; ω )(……あぁ、ショボン。逃げ………)
どうか、どうかどこまでも逃げろ。
早く、今のうちに。
僕が役に立つとしたら、もうそれくらいだお。
そう思った時だった。
(;´・ω・`)「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少年が、突っ込んできた。
342 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:20:18.45 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)(僕だって………!!!)
(; ω )「…お……」
(;´・ω・`)(僕だって………!!!)
(´・ω・`)「ブーンを、助ける!!」
(,,゚Д゚)「!!?」
現れたのは、ショボン。だが
(;´・ω・`)「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
怒号。
降り注ぐ、黒球の雨。
彼が払うは、右手。
しかし
(,,゚Д゚)「!!」
それにより、黒球はあらぬ弾かれる。
その、不可避のはずの黒球が。
370 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:25:10.53 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「お!!?」
それにより、ブーンは完全に目を覚ます。
ショボンが手を振り払った。
すると、黒い雨が全て弾かれ、跳ね返された。
(;´・ω・`)「僕だって………!!」
(;´・ω・`)「僕みたいな弱いやつだって、ブーンを守るんだ!!」
(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!」
また、迫り来る黒球。対しショボンは
(´・ω・`)「うらああああ!!!」
また右手を、払うように振るっただけ。
しかしそれで、黒球が跳ね返される。
(,,゚Д゚)「……!!」
(;^ω^)「まさか………!!」
382 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:28:27.82 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)「はぁっ…!はぁっ……!」
ブーンには、見えない。
(´・ω・`)「行くよ!『ヨヨ』!!」
しかし、その名は知っている。
ショボンが呼ぶ、臆病者が使うその能力を。
――――『コノ腕デ掴ムハ“運命” 祓ウハ“脅威”
死ノ運命ヲ操リ回避スル』――――
(;^ω^)「【弱者のパラダイム】――――――!!!」
(´・ω・`)「行くぞぉぉぉぉぉぉ!!!」
ショボンが、吠える。
423 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:35:06.71 ID:zOwZi8EsO
【弱者のパラダイム】、又は【チキンソウル・パラダイム】。
『PSYREN』の、霧崎兜の使うPSI能力だ。
彼の目には、数秒先に起こる「 脅威 」が光のように見える。
【弱者のパラダイム】は、その光を手で振り払う事によって、その脅威を吹き飛ばす事が出来る。
言わば、限定的な運命操作能力。
(;^ω^)「なるほど………!!」
合点がいった。
最初ショボンが襲いかかってきた時、ショボンは平手打ちだった。
それはこの能力で、脅威の塊である敵自体を吹き飛ばそうとしたからだ。
しかし、ブーンは敵でなければ脅威もなかった。
だから、ただの平手打ちとなった。
しかし、この世界で、ブーンのようなまったく脅威を持たない人間など、多く存在するだろうか?
脅威が見えてしまうショボン。
その目で見た、初めてのまったく脅威を持たないブーン。
それは、ショボンの目にどんな風に写っていたのであろうか?
448 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:41:00.65 ID:zOwZi8EsO
だからこそショボンは、ブーンについていこうと思った。
だからこそショボンは、ブーンを助けようと思った。
初めて心から、自分にとって脅威でない人間。
「守ってやる」
純粋に、その言葉を放った人間。
(´・ω・`)「だから!!助けるんだ!!」
(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!『面の中傷』!!」
ギコが放つ黒い津波。
しかし、ショボンにはそれは通じない。
(´・ω・`)「うわあああああ!!!」
右手を振る。それだけで
黒い津波が押し戻され、空中分解した。
(;^ω^)「助かったお……!!!」
その隙に、ブーンも少し回復する。
そして、あの能力を使う用意を。
470 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:45:13.14 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「ショボン。お前の選択はたぶん大正解だお」
(´・ω・`)「え?」
( ^ω^)「お前の目に見える、『脅威』。そりゃ怖いだろう」
( ^ω^)「なら、今から」
―――――僕が全て払ってやるお。
( ^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」
(´・ω・`)「え………」
一瞬。
ショボンの視界をつつむ『脅威の光』が、ブーンによって取り払われた。
そんな気がした。
484 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:46:54.36 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「みなさん、おひさー!!」
( ^ω^)「多くは語らないお!!」
( ^ω^)「あの不快感系男子をぶちのめす、あなたの厨二妄想を!!指定アンカーは………」
――――――>>505
505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 23:47:11.67 ID:gE9vQog/0
すべての攻撃の対象をドクオに変える能力
581 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:49:22.91 ID:zOwZi8EsO
『能力が決定しました。』
>>505 すべての攻撃の対象をドクオに変える能力
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「チートっつーかこれ………」
607 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:53:32.76 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!」
(;^ω^)「お!!」
そして、ギコから放たれたのは黒球。
しかし、
(,,゚Д゚)「なっ!!」
ギコの黒球は、空中へ。
そしてどこかへ向かって、飛んでいった。
(;´・ω・`)「え!!?」
(,,゚Д゚)「な、何が!!」
続けて発せられる、黒球。
しかし、それも同じだった。
全てがギコの意思とは反し、どこかに吹き飛ばされるように飛んでいく。
37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:57:07.93 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「くっ!!」
いくら黒球を出しても、同じ事だった。
まったくコントロールがきかない。
(,,゚Д゚)「なんだ!!何がどうなっている!!」
(;´・ω・`)「こ、これ、ブーンが……?」
( ^ω^)「ショボン!今だお!!!」
(;´・ω・`)「!!!」
呼びかけに反応し、駆け出すショボン。
狙いは
(,,゚Д゚)
自分の思う攻撃が出来ず、焦るギコ。
658 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:01:58.88 ID:oGdMrMFQO
(´・ω・`)「うらあああああああ!!!」
ショボンが用意したのは、振り被った右手。
しかし、それでいい。
それだけでいい。
(,,゚Д゚)「くっ……!!」
このギコは、存在自体が脅威なのだ。
つまり
(´・ω・`)「あああああ!!!」
ショボンが右手を振るった。
(,,;゚Д゚)「ぐ、がああああああああ!!!!」
それだけで、ギコは嫌な音を立てて大きく吹き飛ばされる事となる。
そして、後ろにあったジャングルジムに叩きつけられた。
メキメキ…と、軋む音を出しながら。
676 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:05:44.32 ID:oGdMrMFQO
――――――廃ビル
('A`)「………遅いな」
ある男が、そこにいた。
/ ,' 3「何がじゃ?」
そして、老人。
('A`)「弟者からの連絡が、遅すぎる」
(#゚;;-゚)「……なんかあったんじゃ…」
そして、少女。
その後ろには
(* ∀ )
虚ろな目をして立っている、少女。
691 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:08:35.56 ID:oGdMrMFQO
('A`)「しかし、弟者。いくらなんでもなぁ……」
と、言いながら空を眺めたドクオ。
しかしそこに見えたのは
('A`)
('A`)「なんだ、あれ」
こちらに向かって飛来する、おびただしい数の黒くて丸い何か。
711 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:12:33.93 ID:oGdMrMFQO
誰かの攻撃だろうか。しかし、出来すぎているような気もする。
まるで、特定の人物にホーミングする力でもあるかのように。
('A`)「………ノトーリアスBIGみたいなもんか……?」
まぁ、いい。
何がこようが、跳ね返せばいい。
そう思った。だが
(;'A`)「!!?」
何かの違和感に気づく。
そして、ベクトルを操作し、壁を殴り破壊する。
そしてドクオは言う。
(;'A`)「お前ら!!避けろ!!」
726 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:16:24.05 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「上から攻撃が来る!!だが!!」
(;'A`)「物理的ベクトルが存在してない!!あれじゃ俺も反射出来ない!!」
/ ,' 3「!!」
(#゚;;-゚)「!!」
言うが早く、荒巻は
/ ,' 3「【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】」
/ ,' 3「『空気の軽さ』。」
そういい、跳躍する。
いや、それは跳躍というレベルではなかった。
飛翔。空気の軽さをコピーした荒巻は、飛んでいたのだ。
735 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:20:54.99 ID:oGdMrMFQO
(#゚;;-゚)「んー…『感応視』」
(* ∀ )「!!」
びくん、と、つーの体が動く。
そして、でぃの前で大きく防御姿勢をとる。
(#゚;;-゚)「あなたなら盾になっても大丈夫でしょ。しぃちゃん」
しかし、二人がとった防御行動には、何の意味もなかった。
(;'A`)「!!?」
黒球は、カーブする。
全てが、回避していたドクオに向かって。
751 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:24:27.28 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「なんだこれ…!!」
ドクオは、方向転換。
しかし黒球もそれに合わせてついてくる。
(;'A`)(ふっざけんな……!!!)
跳ね返せず、しかも完全ホーミング付き?
(;'A`)「こんなの、どうすりゃ……!!」
しかし、ドクオはここで一旦冷静になる。
跳ね返せない、ベクトルは存在していないとは、何か。
759 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:28:54.91 ID:oGdMrMFQO
ものが動く時、必ずベクトルが発生する。
それは物体であれ生命活動であれ熱であれ電磁波であれ。
つまりそれが発生していないとは、何か概念的なものとなる。
当たっても、外傷は発生しないはずだ。
そこで一番強い線は精神攻撃系。
('A`)「…!試す価値はあるな!!」
ドクオは、また方向転換。
ベクトルを駆使し、全力で駆ける。
(#゚;;-゚)「ん?」
(* ∀ )
でぃの前に立つ、つーに向かって。
772 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:33:39.53 ID:oGdMrMFQO
('A`)「悪ぃでぃ!!ちょっとこいつ借りる!!」
(#゚;;-゚)「あ、1分200円です」
('A`)「うらっ!!」
ドクオは、つーの頭を掴み、そして向かってくる黒球の盾にする。
(* ∀ )「――――――!!!」
黒球はつーの体に当たり、そして消滅。
体に当たるたびにつーの体は、びくんと大きく跳ねるが、何も問題はないようだ。
やはり、これは精神攻撃。
もともと心が壊れたつーには、通用しない。
(* ∀ )
('A`)「………」
そして、全ての黒球を、つーの体が飲み込んだ。
辺りは、静寂を取り戻した。
790 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:37:44.38 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「……ふぅ…」
やはり、先ほどの攻撃は『人間だけを対象とした遠距離精神攻撃』らしかった。
つーという人壁がいなければ、今頃どうなっていたか。
/ ,' 3「大丈夫かの?」
(#゚;;-゚)「……すごかったね」
全てが終わり、二人が寄ってくる。
('A`)「あぁ、まさかあんな力があるとは。さすがはチート能力ってとこかな」
/ ,' 3「ジョジョ風に言うなら遠距離パワー型、みたいなもんじゃったな」
(#゚;;-゚)「でも、なんでドクオを狙ったの?」
('A`)「………」
806 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:42:41.14 ID:oGdMrMFQO
('A`)「………」
深く考えこむ、ドクオ。
(#゚;;-゚)「どうしたの?」
('A`)「いやぁな、ちょっと計算してただけだよ」
('A`)「さっきの攻撃の弾道から、攻撃してきたやつの大まかな位置をな」
/ ,' 3「………ほう」
('A`)「行ってみるか」
――――誰だか知らねぇが、喧嘩を売られたからにはこのままじゃ置いてけねぇだろ。
このままじゃ、相手の気持ちは一方通行だしな。
残念ながらそのままで置いとくほど、俺は優しくない。
第十一話、終わり。
Posted at 2011/08/13 08:09:19 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月11日
23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:24:39.72 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第十話
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
強敵デミタスを謎の力で圧倒したブーン。時代は今大きく変わろうとしていた。
今回の敵は!?今回の安価は!?
ハロウィンでテンションが上がっている母を、作者はねじ伏せれるのか!?
33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:27:24.59 ID:oHkXx/KEO
一応、登場人物と能力一覧
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・休養中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中
_
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????
34 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:28:42.45 ID:oHkXx/KEO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
43 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:33:31.54 ID:oHkXx/KEO
この戦いが始まってから、もうだいぶ人が死んだなぁ
そろそろ…そろそろいいかな?
いいよね?こんだけ待ったんだし、いいんだよね?
('、`*川「そろそろあたしの出番よねー!!」
さてさて、何人くらい使ってやろーかしら…
圧倒的優位な立場ってのは胸が踊るわね。
('、`*川「…殺してくれてありがとね、ナベちゃん」
―――――たーっぷり仕返しさせてもらうわよ。
50 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:37:27.41 ID:oHkXx/KEO
起きたそこは知らない場所だった。
( ^ω^)「………」
辺りを見回す。本がやけに大量に並んでいるのが見える。
図書館、だった。
川 ゚ -゚)「あ、起きた」
( ^ω^)「……お」
この子はあの時の女の子?
あれ、何がどうなったんだっけか。
よく思い出せない。えーっと…確か、デミタスと戦って…負けて……そんで………
ξ゚⊿゚)ξ「………」
(;^ω^)「ツン!!」
55 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:40:48.80 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「……無事で、良かった」
( ^ω^)「こっちのセリフだお!良かった、良かったお!」
ξ゚⊿゚)ξ「いや明らかにこっちのセリフだし。うん」
…あれ?ツンの様子がおかしい。よく見れば肩が震えている。
ひょっとして僕が起きた事に対して、涙を止めるのに必死なくらいの感動を覚えているんだろうか。
( ^ω^)(………)
いや、ないか。
なんたってツンだしな。
………ん?そう言えばツン………じゃない、他にも大事な事があったような………
………シューは?
65 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:45:31.04 ID:oHkXx/KEO
(;^ω^)「あ、え!?シューは!?シューはどうなったの!?」
そうだった。シューはデミタスにやられて…どうなった?
無事なのか?それとも……
(;^ω^)「なぁツン!近くにちっちゃい子がいたお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
(´<_` )《ああ、シューちゃんな》
(;^ω^)「うお!!パソコンがしゃべっとる!!」
いや、良く見れば違った。パソコンの中に人がいる。電脳世界で完全な人格を形成している。
この能力といえば……まぁ、後でいいや。
それより、シューだ。
(;^ω^)「どうなったお!?」
(´<_` )《ああ、シューちゃんなんだが……》
79 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:49:11.08 ID:oHkXx/KEO
ふとその時、ブーンは後ろから何かに抱きよせられる。
(;^ω^)「おぉ!?」
一瞬だけ驚くが、敵意がない事を確認し、落ち着く。
しっかりと抱きしめられているので後ろは振り向けない。
しかし、この自分を抱きしめる小さな手は。
この、肩にかかる髪は。
この目の前にいるピクミンは。
この、温もりは。
lw´ _ ノv「……ぶじで、よかった」
この、声は。
106 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:52:47.17 ID:oHkXx/KEO
lw´ _ ノv「良かった」
(;^ω^)「……シュー」
lw´ _ ノv「良かった。良かった。ホントに良かった。心配した。たくさん心配した。」
lw´ _ ノv「ホント…に…よかっ…」
シューの声は、ふるふると震えていた。
( ^ω^)「………お」
ξ#゚⊿゚)ξ
ツンの肩も、わなわなと震えていた。
125 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:56:55.36 ID:oHkXx/KEO
lw´‐ _‐ノv
シューがより一層強く、ブーンを抱きしめる。
ξ#゚⊿゚)ξ
その微笑ましい雰囲気の中、ただ一人だけ大気を震わせる少女がいる。
(;^ω^)「………」
命の危機を感じる。自分の生命の危険を感じる。
あまりの危篤感に、ブーンはとてつもなく母親に親孝行がしたくなった。
(;^ω^)「…あの、シューさん」
lw´ _ ノv「………なに、ブーン」
(;^ω^)「あの、抱きしめてくれてるのは嬉しいんですが、ちょっと周りをよく拝見なさってみてはいかがかと…」
lw´‐ _‐ノv「え?」
144 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:01:39.70 ID:oHkXx/KEO
シューが辺りを見回すと、
ξ#゚⊿゚)ξ
明らかに何かしらの怒りを放つ少女を発見した
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
ξ#゚⊿゚)ξ
lw´‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv「………あー」
シューは頭がいい。二人を一度見やっただけで、状況を把握する。
この二人がどんな状況で、いまブーンはどんな状況なのかを。
156 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:04:09.56 ID:oHkXx/KEO
一瞬にして状況把握の後は、どうやって解決するか。
どうやらこの後の展開は自分が握っているようだという事を、理解。
そして、様々な解決方が浮かぶ中で
lw´‐ _‐ノv「ねぇブーン。約束通り、ちゅーしよう?」
(;゚ω゚)「え?」
限りなく一番ややこしい方向に導く答えを見いだした。
182 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:08:06.64 ID:oHkXx/KEO
ξ#゚⊿゚)ξ
ξ#゚⊿゚)ξ「… は ァ ?」
lw´‐ _‐ノv「ねぇ、約束通りごほうびちょうだい。ブーン、言ってくれてたよね?」
シューの抱きしめる力がより一層強くなる。
本来嬉しいはずの行為だが、今のブーンにはそれが首にかかったロープがゆっくりしまっていくような感覚にしか感じられない。
(;゚ω゚)「あ、えぇ!?僕そんな事言ってないやん!し、シューちゃん何言ってん!?マジわけわからんって!!」
ξ#゚⊿゚)ξ
目の前の少年から、ゴゴゴゴ…という音が聞こえる。
224 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:15:36.64 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「なぁブーン」
ξ゚⊿゚)ξ「お前私とはぐれてから」
ξ゚⊿゚)ξ「なにしてた?」
(;^ω^)「ちょ、誤解だおツン!!ほら、シュー!!お前からもなんか弁明を!」
lw´‐ _‐ノv「あ、私の初めてももらってくれるんだよね?腹上死させるって、言ってたもんね………///」
(;^ω^)「言ってねーよ!!!!」
ドグシャアッ!!!と
ツンが右拳を左に突き出し、『子供の絵本コーナー』の本棚を軽く吹き飛ばす。
ξ゚⊿゚)ξ
(;゚ω゚)「ヒィィィィィィィ!!!!!」
244 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:20:56.24 ID:oHkXx/KEO
(;゚ω゚)「待て!ツン落ち着け!!腹上死させると言ったのはシューの方だお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……あぁ、シューちゃんが言ったのね」
(;^ω^)「そうだお!僕はそんな事言うわけないお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなの。言った事自体はホントなのね」
(;^ω^)「そうだお!そう………え?」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたは、このかわいい幼女と」
ξ゚⊿゚)ξ「腹上死という単語が出るような」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなセクハラまがいの会話をしていたのは事実なのね?」
(;゚ω゚)「あ………」
ブーンの絶叫が、図書館の静寂を殺した。
270 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:25:50.41 ID:oHkXx/KEO
(;´_ゝ`)「うるっせえな…ちょっと静かにしろよ…体に響く…」
(´<_` )《あ、兄者。起きたか》
(;´_ゝ`)「ツンさん暴れてんのか?うるせぇんだよ。ちょっと黙らしてくれよ」
(´<_` )《ああ、それなんだが……》
ξ#゚゚⊿゚゚)ξ
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「………」
(´<_` )《なぁ兄者》
(´<_` )《この図書館、静かだろ?》
( ´_ゝ`)「………うん。ごめん間違えた静かだわ。もう一回寝てくる」
(´<_` )《はいはい》
川 ゚ -゚)「女って怖いな」
303 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:33:01.00 ID:oHkXx/KEO
lw´‐ _‐ノv「やめてよツン姉さん!」
そこでやっと、ニヤニヤしながら傍観していたシューが止めに入る。
お前、もうちょいはよ止めにこいよ。
(;#)ωメ)(シュー…お前はホントに……)
ξ#゚゚⊿゚゚)ξ「なんだ小娘。なんかよう……」
ξ゚⊿゚)ξ「姉さん?」
lw´‐ _‐ノv「姉さんが怒るのももっともだけど、ブーンに罪はないよ」
lw´‐ _‐ノv「もともと私がたぶらかしたようなものなんです。あ、でも私は本気です。本気であなたの弟を愛してるんです」
ξ゚⊿゚)ξ「え、ちょ、待て待て待て」
ξ゚⊿゚)ξ「おとーと?」
lw´‐ _‐ノv「え?違うの?あ、ごめんなさい」
lw´‐ _‐ノv「だってめちゃくちゃ仲良さそうだったし」
lw´‐ _‐ノv「て っ き り 姉 弟 だ と 思 っ ち ゃ っ た (笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)」
ξ# ⊿ )ξ
何かが弾ける音がして、図書館の文庫本コーナーは瓦礫へと変化した。
330 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:38:27.84 ID:oHkXx/KEO
おっす!ウリはニダー!
かっこよくて頭が良くて、欠点がない事が欠点の天才ニダ!
突然だけど、ウリは凄いものを見たニダ!
なんと、選択者《アレンジ》の覚醒の瞬間をこの目で見たニダ!
あれはすごかった。もし、あんなやつを仲間に出来たら
<ヽ`∀´>「ウリの優勝は、ほぼ間違いなくなるニダ……!」
というわけで、今回は図書館にやってきたニダ。
367 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:43:55.40 ID:oHkXx/KEO
<ヽ`∀´>「どうやらあのブーンってやつには仲間がいるらしいニダ…」
つまり、内部にいる人間とは戦闘になるという事。
でもウリは、まったく心配なんかしてないニダ。
なぜならウリには………
<ヽ`∀´>「この【ザ・ハンド】があるニダ!!」
ニダーの隣から、スタンドが発現。
【ザ・ハンド】。
ジョジョ第4部に出てくる、右手の手のひらで触れたものを全て『消す』スタンド。
<ヽ`∀´>「これがあれば、ウリはそこらのやつには負けないニダ。まさにチート………ホルホルホル」
しかしその時に、何かの波動砲のようなものが図書館から射出された。
<ヽ;゚∀゚>「ファビョーン!!?」
391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:48:14.84 ID:oHkXx/KEO
<ヽ;`∀´>「ニダー!!」
突如迫り来るその波動砲に向かい、右手をふるう。
ガオン!!という音とともに、その波動砲は消し去った。
<ヽ`∀´>「ま、まさか………」
まさか、もうウリが潜伏したのがバレたニダ?
先手を撃ったつもりが、まさか先に攻撃されるとは…
<ヽ`∀´>「もういい、なら強行突破ニダ!!」
バァン!と大きな音をたて、ニダーは図書館に突撃した。
409 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:52:22.12 ID:oHkXx/KEO
<ヽ`∀´>「やいお前ら!その選択者《アレンジ》をウリにおとなしく渡すニ………」
<ヽ`∀´>
そこでニダーが見たものは。
(〃#)ωメメ)
ボロ雑巾のようにに汚い男と、
lw´‐ _‐ノv
天使のように可愛い少女と、
ξ#゚⊿゚)ξ
悪魔のように、って言うか悪魔。
<ヽ`∀´>「………」
<ヽ;`∀´>「………ニダ?」
あれ?何この空気。
432 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:57:27.51 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「ちょうど良かった。あのね、君」
lw´‐ _‐ノv「ちょうど良かった。あのね、君」
ξ゚⊿゚)ξ「私いま、とぉぉぉぉぉぉっても気分が悪かったの」
lw´‐ _‐ノv「私いま、とぉぉぉぉぉぉっても気分が良かったの」
ξ゚⊿゚)ξ「だから」
lw´‐ _‐ノv「だから」
ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっくらストレス解消に付き合えや!!!」
lw´#‐ _‐ノv「せっかくのドロドロ雰囲気ぶち壊すなや!!!」
<ヽ;`∀´>「ニダー!!!?」
天使と悪魔に、同時に襲いかかられるニダー。
(;^ω^)「あーらららららららら」
ようやく解放されたブーンだけが、それをどうやって止めようかと考えていた。
(´<_` )
川 ゚ -゚)
二人はまったくの無反応だった。
455 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:03:50.35 ID:oHkXx/KEO
lw´‐ _‐ノv「いけ!!」
ニダーの足を、無数のピクミンが掴む。
<ヽ;`∀´>「ニダ!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「ぬぁあああ!!!」
そして身動きのとれなくなったニダーを、ツンの北斗神拳、北斗剛掌波が襲う。
<ヽ;`∀´>「あわわわわわ!!!」
慌てて右手で、先ほどのようにツンから放たれたそれを消し去るニダー。
しかし、今の一連でさすがのニダーもわかったのだろう。
<ヽ;`∀´>「に、に、逃げるニダー!!!」
ニダーは にげだした!
ξ゚⊿゚)ξ「どこへ行く?」
おわった! かんたんに かこまれてしまった!
<ヽ;`∀´>「ヒィィィィィィィ!!!」
(;^ω^)「……さてと、とめる準備に入るかお…」
(;^ω^)「………【気分次第《アンカーテイク》】」
478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:07:00.67 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「どうもみなさん、ブーンです」
( ^ω^)「まさか仲間を止める為にこの力をつかう日がくるとはね」
( ^ω^)「もし止められないような能力が来たら、その時は…その……ニダーさんごめん」
( ^ω^)「では、窮地にたたされたニダーさんを救う、あなたの厨二妄想を。指定アンカーは………」
――――――>>500
500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/31(日) 23:07:25.06 ID:MdeZ9n0pO
体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力
575 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:09:38.43 ID:oHkXx/KEO
『能力が決定しました。』
>>500 体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力
( ^ω^)「………なぁ」
( ^ω^)「これもしかして、ぼくしぬんじゃね」
613 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:13:49.95 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「とりあえず、出しにいくか」
目の前のポッポLV5対ミニリューLV42&ギャラドスLV91と悲惨な乱闘を尻目に、ブーンはトイレへ。
( ^ω^)「おかずは何にするかな………」
うーん、と考えて一言。
( ^ω^)「クーちゃんにするか。文学少女まじ萌える」
本来、一番選らんではいけない道を選ぶ。
658 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:20:13.56 ID:oHkXx/KEO
その頃、図書館内の情勢は大きく変わっていた。
<ヽ;`∀´>「もうマジですんませんニダほんと許してほしいニダ……」
完全に屈伏させられていたニダー。
lw´‐ _‐ノv「ねぇツンさん、爪何枚で許してあげる?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねシューちゃん。とりあえず二人で30枚ずつくらいはいかないとね」
なぜか意気投合した二人。
そして
「そこまでだお!!」
<ヽ;`∀´>「ニダ………?」
( ^ω^)
凛々しい顔で現れた、ニダーの為の救世主。
678 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:24:04.00 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「………ふっ」
そのブーンの足元には
呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉
呉「ですぞー」呉「ですぞー」呉「ニケどのー」呉「私の踊りがー」呉「ですぞー」呉「ブーンどのー」呉「ですぞー」
小さいが大量の、キタキタおやじ。
713 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:28:36.12 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン…あなた、私が目を離したわずか約1分のうちに、何を……」
( ^ω^)「言いたくないが、いいことを教えてやるお」
( ^ω^)「これは全部」
( ^ω^)「僕の精子だ」
呉呉呉呉呉呉呉「な、なんだってー!!!」
( ^ω^)「今すぐニダーさんを許してやれお。さもなくば………」
――――――この大量の元精子のキタキタおやじを……お前ら初いも若き乙女の肉体に、大量にまとわりつかせるぞ?
747 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:31:55.02 ID:oHkXx/KEO
地獄絵図だった。
大量の紫ピクミンが飛来した。
無数のキタキタおやじがぷちぷちと潰されていく。
ツンから闘気の塊が放たれた。
無数のキタキタおやじが吹き飛ばされていく。
結局、キタキタおやじ達はニダーにしかまとわりつけなかった。
776 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:36:50.05 ID:oHkXx/KEO
ニダーさんは虚ろな目をして帰った。
シューは未だに僕にむかって紫ピクミンを投げていた。
ツンは僕の胸ぐらをつかみ、しこたま殴った。
クーもなぜか入ってきて、僕に向けて弾幕をあびせた。
弟者は《すげぇ、これだけの攻撃の中、誰一人巻き添えをくらう事なく、かつブーンに全ての攻撃が当たっている。物凄いチームワークだ》と冷静に評していた。
キタキタおやじはどこかに帰っていった。
804 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:42:21.42 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ…ハァ……!!」
lw´;‐ _‐ノv「ふーっ!ふーっ!」
川;゚ -゚)「ぜぇ…ぜぇ……」
※※※※←ブーン(自主規制)「………」
ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ……ねぇ、…ハァ……二人とも」
lw´;‐ _‐ノv「………なに……姉さん」
川;゚ -゚)「……なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「すこし、思ったんだけど」
――――――私たち、とっても仲のいい友達になれると思う。
lw´‐ _‐ノv「………」
川 ゚ -゚)「………」
lw´‐ _‐ノv「えへへ」
川 ゚ー゚)「そうだな」
こうして、謎の友情が芽生えた。
29 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:57:35.59 ID:oHkXx/KEO
( ´_ゝ`)「うぃー…よく寝た……」
(´<_` )《あぁ、おはよう兄者。もういいのか?》
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「…なぁ、弟者。聞いていいか」
(´<_` )《ん?なんだ?》
( ´_ゝ`)「俺バカだからまったくわからないんだ。まったくわからない。全然わからない。なんでブーンがあんなボッコボコになってて、図書館が図書館とは呼べないような状態になってて、女三人が意気投合してるんだ?」
(´<_` )《それは俺の演算でも解析不可能だな》
( ´_ゝ`)「そうか。だよな………」
兄者はブーンに近より、具合を確かめる。
どうやら生きているようだが、ひどいものだ。どうやったらこんな事になるんだろう。
………いや、詳しい説明は無しにするが。
44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:01:55.65 ID:0ykJ2X0BO
( ´_ゝ`)「あのー、ブーン。生きてる?」
聞こえてるのかもわからないが、話しかける兄者。
「…お……あんた…には…この状態の人間が…生きてるように…見えるのか……お………?」
( ´_ゝ`)「わかった。ベストコンディションなんだな。起きれるか?」
どうやら聞こえていたらしいので、しれっとした顔で兄者は続ける。
「………お?」
( ´_ゝ`)「ちょっと外に出ようか」
( ´_ゝ`)「話したい事がいくつかある」
60 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:08:01.57 ID:0ykJ2X0BO
「嫌だお……誰があんたについてくかよ…」
( ´_ゝ`)「『ロリ巨乳はダメ絶対』。」
「!!!」
ピクン、と倒れたままのブーンが起き上がる。
兄者はさらに続ける。
( ´_ゝ`)「『ポニーテールよりツインテールよりサイドテール』『ニーソは白ニーソが最強』『シュシュは場合によりけり』」
「………!!!」
( ´_ゝ`)「『黒髪×黒髪の百合は桃源郷』『ドSは幸せの塊』『ドM女の犬口調はメシア』」
( ^ω^)「ちょっと話を聞こうか」
( ´_ゝ`)「よく言った」
この瞬間、この二人は心で語り会える友達というものが、この世には存在するのだという事を実感した。
かけがえのない最後の親友が、見つかった気分だった。
81 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:13:25.25 ID:0ykJ2X0BO
図書館の奥深く、司書室と書かれた場所に、二人が入った。
( ^ω^)「………で、なんだお話って」
ブーンはわくわくしていた。自分の趣味がここまで被る人間を、いま目の前にしている。その事実が、ブーンを高揚させた。
( ´_ゝ`)「あー、その…なんだ」
対して兄者は、頭をぼりぼりとかきながらめんどくさそうに言った。
( ´_ゝ`)「単刀直入に言おう。覚醒した時の事を教えて欲しい。どうやってお前は、選択者《アレンジ》になれたんだ?」
( ^ω^)「え?」
94 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:16:24.02 ID:0ykJ2X0BO
( ´_ゝ`)「お前には話しておきたいんだ。弟者以外信用出来ない俺だが、お前になら話せる。多分、なんだが……」
( ´_ゝ`)「………俺はもうじき、誰かに殺されると思う」
( ^ω^)「………」
(;゚ω゚)「………え?」
何を、いきなり。
126 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:21:35.82 ID:0ykJ2X0BO
二人しかいない静かな部屋に、重い空気が雪崩れこむ。
( ´_ゝ`)「俺の能力をお前は知らなかったな」
(;^ω^)「……おぉ…」
( ´_ゝ`)「俺の能力は【強制規制《ストッパーテイク》】って言う。自分に危機だと、害だと感じた他人の動作を『規制』する力だ」
( ´_ゝ`)「この能力のせいなのか、俺は人一倍…いや、何倍も危機感を感じる力が強くなってる」
( ´_ゝ`)「それが最近になって、とんでもない危機感を覚えるようになってるんだ」
(;^ω^)「………」
( ´_ゝ`)「当然俺は死にたくない。だから、抗う力が欲しい」
( ´_ゝ`)「だから、聞きたい」
( ´_ゝ`)「お前はあの時、どうやって覚醒したんだ?」
148 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:26:55.08 ID:0ykJ2X0BO
つかの間の沈黙。
ブーンは押し黙った。無理もないのかも知れない。二人を埋めたのは、言い表しようもない負の感情だった。
そして、数十秒後。ブーンが、口を開く。
( ^ω^)「その前に聞かせてくれお」
( ´_ゝ`)「ん?」
( ^ω^)「その、選択者《アレンジ》ってなんだお?主謀者《オリジナル》ってのもよくわからない。そこらへんを教えてくれお」
( ´_ゝ`)「そうだな。まずそっからだよな」
兄者は語り出す。自らの未来を開く為に。
172 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:34:45.57 ID:0ykJ2X0BO
兄者の説明はなかなかわかりやすかった。
まず、主謀者《オリジナル》。
自分や、兄者、荒巻といった者達を指す言葉だ。
これはゲームの首謀者『マスター』からじきじきに作られた能力らしい。
続いて、模倣者《フェイク》。
これは他のみんなのような、どこかの漫画などにある能力を使う者達の事。
そして、選択者《アレンジ》。
オリジナルとフェイクが、何らかの相互干渉を起こして発する、『チートのチート進化』をした者達
………と、言われているらしい。
(;^ω^)「そんなのが、僕に……」
( ´_ゝ`)「多分、お前のあのアレンジ………【自分次第《アンカーコール》】だったか。あれはまだ、完全じゃない。まだまだ先があるはずだ。なんせ、『チートのチート進化』。あんなもんで済むはずがない」
( ´_ゝ`)「だが、俺がお前を尋ねる理由にしては十分すぎる。なんせ始めての覚醒者だからな。さて、俺の話はここまでだ」
( ^ω^)「………」
187 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:39:41.65 ID:0ykJ2X0BO
( ^ω^)「僕にも、よくわからないお」
( ´_ゝ`)「ちょっとでいいんだ。何かないのか?」
( ^ω^)「………」
あの時、シューがやられて。
ツンがピンチになって。
それで
それで……。
( ^ω^)「僕はただ」
( ^ω^)「二人を守りたい。そう思っただけだお」
( ´_ゝ`)「二人を守りたい、ねぇ……」
なるほど、と兄者は思う。
あの二つの大きな手は、二人を守るという覚悟だったらしい。
まだまだわからないが、トリガーというものに感情の要因はありそうだ、と考えた。
( ´_ゝ`)「俺も、守れるかな」
( ^ω^)「お?」
203 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:45:10.89 ID:0ykJ2X0BO
( ´_ゝ`)「俺の弟、弟者は俺より遥かに優秀だった」
( ^ω^)「………お」
( ´_ゝ`)「はっきり言って、嫌いだった。自分のコンプレックスの裏返しみたいなもんなんだがな」
( ´_ゝ`)「だが、あいつはいつまでも俺を見捨てなかった。俺を兄と慕ってくれたんだ」
( ´_ゝ`)「俺は死にたくない。弟者は所詮二次元空間内の存在だ。誰かに、守ってもらわないといけない」
( ´_ゝ`)「こんなダメ兄貴を守ってくれてたんだ。この世界であいつを守るのは、俺の役目だ」
( ^ω^)「………お」
強い決意を聞かされたブーン。
その時ブーンは、自分にはない何かを、この兄者に感じていた。
( ´_ゝ`)「……長話が過ぎたな、出ようか」
こうして司書室の扉が、再び開かれた。
218 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:50:10.06 ID:0ykJ2X0BO
――――――所変わって、某所
('A`)「そろそろ、俺も本格的に動きたい」
ドクオがその場にいる二人に言った。
いや、言ったというよりは問いかけたという方が正しいのかも知れない。
/ ,' 3「……そうじゃな。最初の覚醒が、起きた。それはこの老人でもちゃんと感じたからな」
(#゚;;-゚)「……そうだけど、あせる必要はあるの?」
('A`)「俺はまだまだ弱いんだ」
(#゚;;-゚)「そんな事ないよ」
('A`)「あるさ」
ふーっ、と息を吐き、続ける
('A`)「俺は実際、この【一方通行《アクセラレータ》】をもて余してる」
239 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:56:27.90 ID:0ykJ2X0BO
(#゚;;-゚)「…持て余してる、って……」
でぃは目の当たりにしている。このドクオという男の、暴れっぷりを。
邪魔する者を、物を軒並み破壊しつくす、あの圧倒的な『ベクトル操作の力』を。
('A`)「持て余す原因は、俺の頭なんだがな」
それでもなお、言う。
(#゚;;-゚)「あたま?」
('A`)「膨大な計算が追いついてない部分があるのさ。どうやらあの【一方通行《アクセラレータ》】って人間の一番凄いところは、この力自体じゃなくその力を行使する為の計算をずっと行う頭だったらしい」
/ ,' 3「………」
('A`)「しかし俺はまだまだ先を行くつもりだ。覚醒なんかに頼らずとも、自力で進化して『選択者《アレンジ》』を目指してやる」
/ ,' 3「…そんな事、出来るわけ」
('A`)「出来るさ」
('A`)「出来る方法を、見つけたんだ」
250 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:59:47.16 ID:0ykJ2X0BO
(#゚;;-゚)「………」
/ ,' 3「ワシにゃわからんな。なんだ、その方法ってのは」
('A`)「よく考えたら簡単な事だよ」
('A`)「誰かに、代理演算を頼めばいい」
あっけらかんとした顔で、しかし冷静にドクオは言った。
265 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:03:18.33 ID:0ykJ2X0BO
――――――図書館
二人が、みんなの元へ戻る。
lw´‐ _‐ノv「あ、ダーリンおかえり!」
ξ;゚⊿゚)ξ「んなっ!!シューてめえ!!」
川 ゚ -゚)「………」
(;^ω^)「ちょ、いきなりややこしいわお前ら!!」
幸せだった。
この時がいつまで続くかは知らないが、少なくとも今は………。
その時、
『ピンポンパンポーン!!二度目の回復タイムだよー!!!なんせ、めっちゃくちゃ建造物をぶっこわしてくれたやつが出たからね!!』
天からの声が響く。
287 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:06:52.67 ID:0ykJ2X0BO
(´<_` )《お、きたか回復タイム。まぁ当たり前だよな》
( ´_ゝ`)「そうだな。あんま腹減ってないけど、なんかよぼっかな?ロリっ娘とか、頼んだらこないかなぁ」
(´<_` )《なぁ兄者》
( ´_ゝ`)「ん?」
自分のボケを華麗にスルーした弟を見るが、何やら真剣そうな顔をしていたので不問にする事にした。
(´<_` )《ブーンと、何の話をしていたんだ?》
( ´_ゝ`)「別に。ちょっとな」
( ´_ゝ`)「覚醒について、話してただけさ」
(´<_` )《なるほど。おんなじオリジナルだしな》
299 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:11:01.35 ID:0ykJ2X0BO
二人は、一瞬沈黙。
そして出来損ないと呼ばれた兄は、語り出す。
( ´_ゝ`)「………なぁ、弟者」
(´<_` )《ん?》
( ´_ゝ`)「前に話した通り、俺には危機が迫ってる。それまでに、必ず覚醒してやる。何があってもな」
出来損ないの兄は、熱い心のままに語る。それは、優秀な弟の為に。
兄と弟が、
出来損ないと優秀が、
人間とパソコンが、正面から向き合う。
そして兄者が、言う。
( ´_ゝ`)「必ず守る。何があってもな。お前を守る役目は、俺のもんだろ」
(´<_` )《………兄者》
313 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:15:22.97 ID:0ykJ2X0BO
(´<_` )《ごめんな、俺を守ってくれる人間って、実はお前以外にもいるんだわ》
( ´_ゝ`)「え――――――」
パッ、と
弟者の移る画面が切り替わる。
それは、画像データ。
しかしただの画像データではない。
見た人間の視覚に通じて、脳の中に直接作用し洗脳する、最悪の『それ』
( ´_ゝ`)(『電子ドラッグ』――――――)
もう、間に合わなかった。
339 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:18:50.94 ID:0ykJ2X0BO
( _ゝ )
(´<_` )《洗脳完了、と》
(´<_` )《ははは、兄者。出来損ないのアンタが、俺を守るって?》
(´<_` )《そんな不安しか残らない選択肢、誰が選ぶかよ》
――――――俺は、ドクオと組む。
演算を無限に出来る俺が、あいつの代理演算を行なって、そしてあいつに守ってもらう。
そっちの方が、有益だろ?
なぁ、兄者。
366 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:23:32.85 ID:0ykJ2X0BO
――――――どこか
从;'ー'从「『―――――え?』」
渡辺は突如、目を覚ます。
从;'ー'从「『な、なにが―――――』」
と、辺りを見渡すと、他にもたくさんの人がいる。
(;・∀・)「なんだよ、これ……」
モララーもその一人だった。
確か、自分はブーンという少年に負けたはずだ。
それが………なぜ?
「はぁーい、みなさん注もーく!」
呼びかける誰かの声が、聞こえる。
398 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:28:35.68 ID:0ykJ2X0BO
('、`*川「はーいアタシをみてー」
一人の女の子が、いた。
从;'ー'从「『ペニちゃん!?』」
そこにいた自分の親友に、驚きを隠せない渡辺。
だってそう、このペニサスは………
('、`*川「あらナベちゃん」
('、`*川「あの時は、殺してくれてありがとね」
从;'ー'从「『なんで……』」
('、`*川「あなたのお陰で、私は自分の能力を発現できた。だからそのお礼に、あなたにもチャンスをあげるよ」
从;'ー'从「!?」
('、`*川「みんな!よく聞いてね!」
('、`*川「『てめえら達の命は、なくなりました。 新しい命を どう使おうと 私の勝手です』。」
――――――新しい何かが、始まる。
第十話、終わり。
Posted at 2011/08/11 19:09:59 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月09日
12 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:02:18.57 ID:gNnFpEI2O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第九話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
シューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう途中に敵勢力に出会い、そのボスのデミタスに2人は敗北してしまったのであった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
冬の寒さで作者のストマックが土石流なのだが、本当にちゃんと投下できるのか!?
18 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:04:45.41 ID:gNnFpEI2O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:08:35.11 ID:gNnFpEI2O
廃ビル、という表現で正しいのだろう。そこにはあるグループのアジトがある。
そこに一つの足音があった
爪'ー`)y-「たっだいまー」
(`∠´)「おお。遅かったな。誰かと戦いでもしたか?」
爪'ー`)y-「いや、べつに」
(`∠´)「そうか。しかしみんな遅いな。回復タイムでしこたま酒を手に入れたんだ。早くまた飲みたいもんだ」
爪'ー`)y-「こんな廃ビルじゃ襲われる心配もないもんな」
(`∠´)「お前もどうだ?フォックスよ」
爪'ー`)y-「あー…いやさ。俺ってばタバコはいけるけど酒はからっきしなもんで。ベルさん酒強くていいよなぁ」
30 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:11:50.14 ID:gNnFpEI2O
(`∠´)「はは、残念だな。この戦いに生き残ったら、いい店を紹介してやりたいんだがな」
爪'ー`)y-「ベルさんそれ死亡フラグw」
爪'ー`)y-「まぁ、実際あんた今から死ぬんだけどな」
(`∠´)「え」
ドスッ…、と何かが何かに刺さる音がする。
ベルは自分の脇腹を見る。それは実にわかりやすかった。
仲間の、フォックスの持つナイフが、自分の脇腹に刺さっている。
( ∠ ;)
いや………フォックス、じゃない
/ ,' 3「どーも偽物です」
誰だ、この老人は。
47 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:20:12.79 ID:gNnFpEI2O
(`∠´;)「ぐ…あ……」
/ ,' 3「【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】、『完全模倣』。騙された事には恥じなくていい。言わばドッペルなんとかみたいなもんだからな、ワシは」
(`∠´;)「きッ…さまァァァァ!!」
/ ,' 3「あら、まだ死なないか。仕方ない。【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】…」
/ ,' 3「この、『ナイフの切れ味』」
そう言いながら、ベルの首に手刀をかます荒巻。
しかし、彼の手はおよそ人間のものとは思えない切れ味で、ベルの首を断ち切った。
/ ,' 3「………ふぅ」
これが、荒巻の力。
彼にコピー出来ないものは、何もない。
56 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:25:03.60 ID:gNnFpEI2O
体に浴びた返り血に嫌気をさしながら、荒巻は携帯電話を取り出す。
/ ,' 3「……もしもし、ドクオか?終わったぞい」
『ああ、ありがとうな。そろそろ戻ってこいよ』
電話相手は、ドクオ。彼の所属するチームのリーダー的存在だ。
/ ,' 3「そうじゃな。そうし………」
荒巻の言葉は、ふとそこで止まる。
『………どうした?』
/ ,' 3「いや、なんでもない。じゃあまた後でな」
『ああ』
ピッ、と電話を切り、荒巻は呟く。
/ ,' 3「……なんか…嫌な予感のする日じゃのぅ…」
65 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:31:20.99 ID:gNnFpEI2O
長岡ジョルジュは公園にいた。
同時に、何かの不穏な空気を感じていた。
_
( ゚∀゚)「……なんだろなぁ…」
公園のベンチに寝そべりながら、呟く。
_
( ゚∀゚)「何がこんなに、俺を不安にさせてんだか……」
「おーい!!ジョルジュー!!」
_
( ゚∀゚)「んお」
(;´∀`)「大変だモナ!ベルの一味が…潰されたって!!」
_
( ゚∀゚)「………」
(;´∀`)「あのドクオとかいうやつらのチーム、最近やたらと活発だモナ。なんか怖いモナ……」
_
( ゚∀゚)「……いや、それじゃあないんだよなぁ」
( ´∀`)「え?」
_
( ゚∀゚)「あ、いや、何もない」
73 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:35:07.86 ID:gNnFpEI2O
( ´∀`)「でもどうするモナ?僕らも、もっと仲間増やした方がいいんじゃ…」
_
( ゚∀゚)「あせんなよ。どーせザコが増えたところで一緒だっつの」
_
( ゚∀゚)「それより俺は、そろそろ出ると思ってる。そいつに、俺は会いに行きたいんだよな」
( ´∀`)「………?」
_
( ゚∀゚)「わかんねぇか?『選択者《アレンジ》』だよ。『選択者《アレンジ》』」
84 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:42:16.25 ID:gNnFpEI2O
――――ビル街
都心部の整備された道路を、男1人、女が2人走っている。
いや、正確に言うなれば男がぶさらげているノートパソコンの中の人間も男なので、男は2人だ。
ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!…弟者!まだつかないの!?」
(´<_`;)《もうすぐだ!このあたりで間違いないんだが、どうもマップがうまく使えない!》
(;´_ゝ`)「どういう事だ!?」
(´<_`;)《俺のマップは、強いやつがいると少し乱れちまうんだ!多分、デミタスに反応してるんだと思う!》
川;゚ -゚)「そのデミタスってのは強いのか!?」
(´<_`;)《おいおい、答えはわかってんだろ》
《ありゃ、チートだよ》
95 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:46:48.59 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ(ブーン…あんた…大丈夫なの…!?)
心配ばかりが募る少女。
ふと、その時。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「!!」
川 ゚ -゚)「え!?」
(´<_` )《…!》
(;´_ゝ`)「な…!!」
目の前のビルから、とてつもない怒号が響く。
そして、その声の主をツンは知っていた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!!!?」
110 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:52:05.13 ID:gNnFpEI2O
…ふぅ、と一人ため息をつく男がいた。
(´・_ゝ・`)「右手はもうダメだなこりゃ…」
先の戦いで、ブーンに右腕を捻り潰されたデミタスだ。
いや、もはや腕とは呼べない。ぐちゃぐちゃした肉塊が、右肩から伸びている。
(´・_ゝ・`)「………」
取り出したのは、『神剣フラガラッハ』。
【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】の固有能力の一つで、刃先が単分子レベルの厚みしか持たないという、まさに鋭さだけを追求した片刃の剣だ。
その刀で、なんの躊躇いもなく右腕を切り落とした。
あまりの切れ味に、まったく痛みはなかった。
しかしその凄まじさを、そこから流れる血量が物語る。
118 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:57:19.49 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「………」
ふと、足元の少年を見やる。
( ω )
しかし、強かった。
もしこのブーンという男が怒り狂ってなければ、自分はいま立ってはいなかっただろうと思う。
なんなら、この子の能力も吸収しておけば良かったのかな?などとも思う。
(´・_ゝ・`)(…まぁ、そんな事しなくても十分強いからな、俺)
おごった発言ではない。
彼、デミタスは自分に出来る事を把握出来る人間なのだ。
もし戦闘に勝機が見えた中で、取捨選択に右腕が出てきたならば
それを喜んで差し出す。
そんな男だった。
133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:02:04.07 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「……あーらら」
しかし利き腕を失うというのは辛いものだ。
血はARMSの力なのか、すぐ止まったが再生はしなさそうだ。
これではタバコもうまく吸えやしない。
これもあの『回復タイム』とやらで戻ってくれるのだろうか?
(´・_ゝ・`)「まぁ、別に無くてもいいんだがな……」
そう言ってビルを出ようとした、その時だった。
光のように見えるが、違う。
それは、闘気。
億千の闘気が、すさまじい勢いでデミタスを襲った。
146 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:10:04.73 ID:gNnFpEI2O
ツンが肩で息をしながら、そこにいた。
ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!」
(;´_ゝ`)「やったか!?」
(´<_`;)《兄者、せっかくツンさんが全力でやったのに生存フラグをたてんな!それよりクー!お前回復系の魔法使えたよな!?》
川;゚ -゚)「残念ながら回復魔法はない…が、再生魔法なら少しある!それを応用させて治療をしてみる…」
そこに倒れていた麦わら帽子の少女の前でクーが本を開き、治療を始める。
川;゚ -゚)「傷自体は大丈夫そうだ……だが、それより出血量が……間に合うか……?」
クーの手から溢れる光が、その少女を包む。
162 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:15:45.20 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「それより、その子がシューちゃんでしょ!?じゃあ、ブーンは!?」
(´<_`;)《わからないが、近くにいるのは確かなハズなんだ》
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!どこなのよ!いるなら、返事しなさいよ!!」
ツンが叫ぶ。しかし、返事は返ってこない。
ツンの焦りだけが、溜まっていく。
しかし兄者は、そこに何かを発見する。
(;´_ゝ`)「…おい、あれ…もしかして…」
兄者が震える指先で指した方向を、ツンも見やる。
そこには、何か赤黒ずんだ物体があった。
ξ゚⊿゚)ξ「え………」
( ω )
………ブーン?
171 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:19:45.28 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「あ…」
( ω )
ひどい状態だった。
右足はちぎれかけていて、あらぬ方向へ曲がっている。
左腕は、ない。どこかに消失したか……と思えば、遥かに先の場所に吹き飛んでいたのを発見する。
それが、ブーンだった。
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ……」
ツンの会いたかった、ブーンだった。
ξ;⊿;)ξ「あああああああ!!!」
絶望が、押し寄せてきた。
(´・_ゝ・`)「どこを見ている?」
もう一つの絶望も、押し寄せてきた。
188 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:24:24.75 ID:gNnFpEI2O
ξ;⊿;)ξ「あああああああ!!!」
涙のままに、ツンは後ろにいたデミタスへ拳を奮う。
(´・_ゝ・`)「ふん」
しかし、デミタスは消え、いつの間にか割れた窓から見える外
地上へ、降りていた。
ξ;⊿;)ξ「………ぐすっ」
ξ゚⊿゚)ξ
(´<_`;)《みんな、もう一度いっとくぞ。そいつはデミタス。力は【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】。能力吸収が出来、様々な能力を持っている》
兄者の持つノートパソコンから、弟者の声だけがその場に響く。
206 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:32:30.78 ID:gNnFpEI2O
【幻獣《グリフォン》】。
超音波、超振動にて振るった対象を分子レベルから破壊する、『震動子ブレード』を持つ。
【帽子屋《マッドハッター》】
荷電粒子砲『ブリューナクの槍』を持つ。
【チェシャ猫《チェシャ・キャット》】
「空間干渉能力」にて空間転移をしたり、空間に歪みを生ませあらゆる物体を裂き破壊する「空間の断裂」、『魔剣アンサラー』を持つ。
【三月兎《マーチ・ヘア》】
ホログラムやビームを放つ「バロールの魔眼」を持つ。
【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】は、その全てを持つ。
(´<_`;)《…といっても、これは俺の知る限りの情報だ。能力吸収が出来るなら、今はそれ以上かも…》
(´・_ゝ・`)「それはないよ」
(´<_`;)《!?》
否定したのは、意外にも本人だった
217 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:37:57.34 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「俺はわかってる。俺が今のままでも、十分他を圧倒出来る事を。だから、これ以上の力は欲さない」
(´・_ゝ・`)「俺は奢らない。いつだって自分に出来る事をやる」
(´・_ゝ・`)「俺は負けない。だって俺は、負けないから」
ξ゚⊿゚)ξ「うあああああああああ!!!」
ツンが二度目の遠距離波動を放つ。
北斗伸拳奥義、北斗剛掌派。
それが、デミタスに襲いかかる。
(´・_ゝ・`)「……『ブリューナクの槍』」
対するは荷電粒子砲、『ブリューナクの槍』。
二つは正面衝突しながら、激しい余波を生み、辺りに衝撃を撒き散らした。
226 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:44:48.96 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「あーらら。今日はそんなに暴れるつもりはなかったのになぁ」
(´<_` )《兄者!!》
( ´_ゝ`)「わかってるよ。ちょっくら逝ってきます!」
兄者が弟者のいるノートパソコンを置き、ツンの元へ駆け寄っていく。
川;゚ -゚)「弟者!シューちゃんの方、終わったぞ!!」
(´<_` )《よくやった!!直ぐ様、このブーンってのに取りかかれ!!》
川;゚ -゚)「おいおい、ひどいなこりゃ。私の力はあくまで『再生』の応用だから、傷が癒えるんじゃなく消えるだけだぞ?こんなの、もし再生したって生きてられるか……」
(´<_` )《つべこべ言うな!早く!》
川;゚ -゚)「把握………!!」
シューにやった事を、今度は同じくブーンにもやる。
光が、壊れたブーンを包む。
238 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:53:31.45 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!」
(´・_ゝ・`)「いけ。『空間の断裂』」
ξ;゚⊿゚)ξ「!!」
その言葉に、ツンが左へ回避。
すると、右にあったビルが綺麗に真っ二つに裂ける。
(´・_ゝ・`)「ふ……!!」
しかし、ツンが避けた間にもデミタスはツンに接近していた。
ξ;゚⊿゚)ξ「やば…!!」
(´・_ゝ・`)「ふん。『ブリューナクの槍』」
( ´_ゝ`)「遅ぇよ!!それは既に『規制対象』だ!!」
そこで動いたのが兄者だった。
放たれるはずの『ブリューナクの槍』が、出ない。
(;´・_ゝ・`)「!?」
ξ゚⊿゚)ξ「うあああああああああ!!!」
その一瞬の隙をつき、ツンが拳をふるう。
その最強の拳を、目の前にいるデミタスのこめかみに。
257 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:01:42.73 ID:gNnFpEI2O
(;´・_ゝ・`)「ぐっ…あーららぁ…!!」
その拳の勢いで、隣にあったビルにもの凄い勢いで突っ込んでいくデミタス。
ξ゚⊿゚)ξ「ありがと、兄者!あなたの力…」
( ´_ゝ`)「あぁ、説明いるか?敵としてしか使った事ないもんな」
( ´_ゝ`)「俺の能力は【強制規制《ストッパーテイク》】。俺が見た中で『自分に害がある』と思ったものが自分や自分の近くに向いた時、それを強制的に停止させる力さ」
ξ゚⊿゚)ξ「なかなか便利なもんじゃない…」
( ´_ゝ`)「あとは簡単。ツンさんがあいつの力を全て引き出してくれりゃ、俺が全て『規制』する。そうなりゃ、俺らの勝ちさ」
ξ゚⊿゚)ξ「倒さなくていいってのは、ありがたい事ね…!!でも…」
デミタスの突っ込んでいったビルから爆音が鳴り響く。
中から出てきたのは、当然のようにデミタスだ。
(´・_ゝ・`)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「向こうもやる気みたいよ…!!」
272 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:08:55.54 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「……!!」
デミタスは、走るわけでもなく、立っていただけだ。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
しかし
( ´_ゝ`)「【強制規制《ストッパーテイク》】!!」
(;´・_ゝ・`)「!!?」
デミタスが、ガクンと膝を崩しかける。
( ´_ゝ`)「甘いよ。俺に見えないその『空間転移』ってやつなら規制にひっかからないと思ったか?」
デミタスは『空間転移』…すなわちテレポートを使い、二人の後ろに回りこもうとしていたのだ。
しかし、それは先ほど、戦いが始まった当初に兄者が見ていた。
ξ゚⊿゚)ξ「隙あり!!」
そこにまた、ツンが飛び込む。
ξ゚⊿゚)ξ「うらぁぁぁぁぁぁ!!!」
後ろ回し蹴り。すさまじい速度で打ち出されたそれを、デミタスは回避出来なかった。
303 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:15:38.00 ID:gNnFpEI2O
ツンの回された踵が、正確にデミタスの脇腹を貫いた。
はずだった、が。
三三三三・`)
ξ;゚⊿゚)ξ「え!!?」
そのデミタスは、光の影を作り、そして消える。
空振りしたツンが驚き、体が一旦硬直する。
(;´_ゝ`)「しまった!ホログラム―――!!」
(´・_ゝ・`)「正解」
(;´_ゝ`)
本体は、後ろにいた。
そしてその左手からは、対象を必ず分子レベルから破壊する、震動子ブレード。
ξ;゚⊿゚)ξ「兄者――――――」
314 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:18:21.68 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「これ、見てなかったよな?」
(;´_ゝ`)(やば………!!)
その震動子ブレードが、
ξ;゚⊿゚)ξ「兄者ァ!!!」
兄者の腹へ突き刺さる。
335 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:22:55.82 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「あーらら。こいつ、死んじゃったかな?」
(; _ゝ )「がっ………はァ゛……!!!」
デミタスがそのまま剣を横に降り、兄者は地面に投げ捨てられる。
その紅い血を吹き出す腹には、風穴が空いていた。
ξ;゚⊿゚)ξ「兄者ぁぁぁぁ!!!」
(´・_ゝ・`)「これで、規制は使えないな」
(´・_ゝ・`)「さて………」
――――――今度はお前の番だよ、小娘。
354 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:28:07.90 ID:gNnFpEI2O
ふぁーあ…。なんかよく寝たお。
あれ、ここはどこだお?
何が、どうなってるんだ?
川;゚ -゚)
この女の子は誰だ?かわいい。自分に向かって何かをしているのは見えるが、体が動かないからよくわからない。
(´<_`;)
あ、パソコンだ。この世界でも見れるのかな。ならvipに行きたいな。今日こそは腹筋スレ踏まねーぞ。
(; _ゝ )
うわ。人が死にかけてる。やばいな。お腹に穴空いてるじゃん。なんでこんな事になってんだお?
ξ;゚⊿゚)ξ
あれ
ツンだ。
389 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:33:31.44 ID:gNnFpEI2O
――――公園
( ´∀`)「そういやジョルジュ。その、選択者《アレンジ》ってなんなの?まだ聞いた事なかったけど、それってかなり重要モナ?」
_
( ゚∀゚)「あ?おお、言った事なかったっけか。気になる?」
( ´∀`)「そう何べんも会話に使われちゃ、気にすんなってのが無理モナ」
_
( ゚∀゚)「まぁそうさな。じゃあ、教えてやるとするか」
二人の男が、ベンチの上で会話していた。
颯爽と風が吹き抜ける中、一呼吸置いてジョルジュが話し出す。
_
( ゚∀゚)「『選択者《アレンジ》』ってのは、簡単に言や『自分の持つチートを強化したやつ』みたいなもんさ」
425 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:40:22.23 ID:gNnFpEI2O
(;´∀`)「そ、そんな都合のいいやつがいるモナ?」
_
( ゚∀゚)「今はまだいない。俺がどこぞのパソコン馬鹿から聞いた話じゃ、『主謀者《オリジナル》』と『模倣者《フェイク》』が相互干渉をしてうんたらかんたら、そして進化したやつを『選択者《アレンジ》』って呼ぶんだとよ」
(;´∀`)「ちょ、なんかちょっと重要なとこがアバウト……」
_
( ゚∀゚)「仕方ねーだろ。あくまでこんなの噂の域で聞いとけ。まぁあのパソコン馬鹿は、『マスター』達のとこに直接ハックしてそのデータを見たらしいがな」
(;´∀`)「モナ………」
_
( ゚∀゚)「重要なのは、そのトリガー。何をすればいいのか知らんが、未だに自分の能力を進化させたやつはいない。それだけは事実だ」
( ´∀`)「……でも、じゃあなんでさっき『そろそろ出るぞ』みたいな事言ったモナ?」
_
( ゚∀゚)「………」
_
( ゚∀゚)「何か、嫌な予感がすんのさ。俺も一応主謀者《オリジナル》なんだからな」
440 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:43:41.76 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)
あれは、僕を倒した敵だ。
名前は確か、デミタス。
ξ;゚⊿゚)ξ
ああ神様。
あなたは、僕から、ツンも奪っていくのかお?
シューを守れなかった僕から。
今度はツンまで奪っていくのかお?
そんなの、嫌だお
――――――力が欲しい。
463 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:46:39.60 ID:gNnFpEI2O
デミタスは、こう思う。
人間ならば、殺せる。例えば空気を吸えなくなる、例えばものを食えなくなる、内蔵を潰す、頭を破壊する。そんな理由で、簡単に人は死ぬ。
だから自分は今まで生きてた。どんな相手もいつかは死ぬから。知恵を駆使し、取捨選択を正しく、かつ迅速に。
それが彼が生きてきた道だった。
だが。
(;´・_ゝ・`)(……だが…)
あいつ、ホントに人間か?
(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
496 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:50:26.92 ID:gNnFpEI2O
その事実に、一番驚愕していたのはクーだった。
川;゚ -゚)「な……!」
おかしい、とクーは素直に思う。
だって、クーはブーンを治療していた。
だからわかる。
彼はまだ、2割ほどしか再生が出来てなかったはずだ。
なのに、彼は五体満足で立っている。
今戦っている少女を助けに、前線に立っている。
これが………
川;゚ -゚)「これが、覚醒………!!?」
(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
539 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:55:44.91 ID:gNnFpEI2O
( ω )「………」
ブーンの絶叫が止む。
川;゚ -゚)
しかしその代わりにブーンの体を、
キィィィィィ…と言う音を発しながら光が収束する。
(;´・_ゝ・`)
その光が両手の回りに集中し
(´<_`;)
そして。
(; _ゝ )
光は、大きな手のひらの形になり、ブーンが広げた手に纏うように漂っている。
550 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:57:01.17 ID:gNnFpEI2O
( ω )「………」
広げた両手の先にある、その光の手。
纏われたその両手の光が、より一層輝きを放つ。
そして、ブーンが一言発する。
――――――「【自分次第《アンカーコール》】」
575 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:58:51.27 ID:gNnFpEI2O
( ω )
( ω )「みんな…」
( ^ω^)「ただいま」
――――――指定アンカー、右手に>>590左手に>>595
590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:18.59 ID:0JIWPfKo0
口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:20.76 ID:ZCe7/+YB0
どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力
695 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:02:24.33 ID:oHkXx/KEO
『能力が決定しました。』
右手>>590 口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力
左手>>595 どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力
( ω )「ありがとう」
――――――じゃあ、いくお
745 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:06:47.86 ID:gNnFpEI2O
(# ω )「おおおおお!!!」
光が、収束。
まず光ったのは、ブーンの手の先にある『光の左手』。
(;´・_ゝ・`)「なんだ!?」
異変に気付くのは早かった。なぜなら、辺りがいきなり光を失ったから。
突如、頭上から
フワッフワのパンケーキ1ホールが、悪魔のように降り注ぐ。
775 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:09:57.69 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶはっ!?」
全てを巻き込む巨大なフワッフワのパンケーキ。それにツンも嫌が応にも巻き込まれてしまった。
しかし、ダメージはない。
当たり前である。
それは
フワッフワなのだから。
しかしフワッフワのパンケーキにも、効力があった。
(;´・_ゝ・`)「しまった…!!身動きが…!!!」
拘束、である。
806 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:14:16.27 ID:oHkXx/KEO
(;´・_ゝ・`)「くっ…」
早く、「空間転移」でここから抜け出さねば。
そう思うも、回りは全てパンケーキ。
きついホットケーキミックスの臭いが充満し、何が何かわからない。
(;´・_ゝ・`)「なら……!!遥か頭上まで飛ぶまでだっ!!」
「空間転移」、作動。
ビルより高く飛んだデミタスだったが、そのフワッフワのパンケーキが着地の衝撃を緩和した。
だが、安心するわけにはいかなかった。
( ω )
そこに、悪魔がいたのだ。
悪魔は、今度は光の右手を輝かせる。
836 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:19:47.47 ID:oHkXx/KEO
(;´・_ゝ・`)「くっ…『空間の断れt」
( ω )「無駄だお」
光の手が、空間の断裂を凪ぎ払う。
それだけで、自分の攻撃は無効化された。
(;´・_ゝ・`)「な……!!!」
しかし、尚も右手の光はやまない。
そして
( ω )「はぁっ!!!」
秒速にして200mは越すであろうとてつもない勢いで、ブーンの口からは腐った牛乳が射出された。
(;´・_ゝ・`)「――――――!!」
その様は、まるで破壊し駆逐し殲滅する為だけに作られた、まさに兵器だった。
875 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:26:11.26 ID:oHkXx/KEO
腐った牛乳は、正面のビルを軒並み破壊し、やっと収まる。
(;´・_ゝ・`)「………!!」
間一髪、「空間転移」で避けたデミタス。
冷静に見てわかってしまった。
アレの前には、『ブリューナクの槍』も消し炭だ。
しかもあの光の手。自分の空間の断裂を
単なる力で消しさった。
不可視で不可避であるはずの、空間の断裂を
(;´・_ゝ・`)
頭のいいデミタスだからこそわかる。
彼に残された道は
( ω )
(´・_ゝ・`)「死ねッ!!」
「空間転移」による、不意打ちしかなかった。
906 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:32:46.65 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)「食らえ!!『神剣フラガラッハ』を!!」
しかし
( ω )「ふん」
左手が光り、ブーンの背後。
つまり自分の目の前に、フワッフワのパンケーキが出現する。
(;´・_ゝ・`)「なっ!!」
デミタスが切ったのは、その低反発マクラのように、柔軟性を嫌というほど使ったように柔らかいパンケーキだった。
ブーンには、届かない。
(;´・_ゝ・`)「くっ!!!」
デミタスが焦り、辺りを「空間の断裂」で刻みつける。
しかし、辺りにブーンはいなかった。
当たり前だ。
彼は、自分の遥か後ろで、その様子をあざけるように見ていたからだ。
24 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:43:18.79 ID:oHkXx/KEO
その差は、口に出すまでもなく圧倒的だった。
(;´・_ゝ・`)「………」
道路に走る、亀裂、亀裂、亀裂。
一面に渡る、パンケーキ、パンケーキ、パンケーキ。
その全てを、この数分間で作り出した男が、この目の前のブーンだ。
(;´・_ゝ・`)「あーららぁ……」
デミタスは、口癖にもなったその言葉を呟く。
もう、どうしようもない。
攻撃するにも、フワッフワのパンケーキがそれを阻害する。
力づくで行くにも、腐った牛乳にはかなわない。
(# ω )
「チェックメイト、だお」
ブーンは小さく、そう呟いた。
33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:47:31.52 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)
堅実に生きる。
それが、デミタスの生きる道だった。
無難な学校生活を乗り越え
平凡な成績を打ち出し
そこそこの会社勤めをし
まぁまぁな役割で生きる。
彼の生きる道はそれだった。
楽しい楽しくない、ではない。
生きる道だったのだ。
しかし
だからこそ、と彼は思う。
だからこそ
(´・_ゝ・`)「こんな世界でこんな状況。一回くらい、生きる道なんかかなぐり捨ててもいいんじゃねえか?」
( ω )「無駄だお」
(´・_ゝ・`)「言ってろ」
最後が、始まる。
51 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:53:17.48 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)
( ω )
(#´・_ゝ・`)「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
男が走る。
理屈でなく打算でもなく、ただ純粋な思いのみで。
( ω )「ふん」
ブーンはそのままに、光の左手と、光の右手
両手が、光輝く。
(#´・_ゝ・`)「うらぁ!!!」
空間の断裂。
しかし、フワッフワのパンケーキがその断裂を許さない。
ブーンは無傷のまま、パンケーキが3等分された。
56 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:54:47.65 ID:oHkXx/KEO
そして、頭上から流星群のように降るのは、
ブーンの最後の攻撃。
口からもの凄い勢いで吐き出された腐った牛乳で作られた、フワッフワのパンケーキ。
84 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:59:27.28 ID:oHkXx/KEO
(;´・_ゝ・`)「くそ、くそぉ………!!」
(;´・_ゝ・`)「うわああああああああああああああああああ!!!!」
ズシィィィィィン、と鈍い音がして
デミタスは生き埋めになる。
まだ生きてるのかも知れないが、もう無理だろう。
彼がいかなる攻撃手段を使ったところで
彼が空間転移を使ったところで
このパンケーキの厚みは、破れない。
( ω )「………」
戦いが、終わった。
110 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:03:47.57 ID:oHkXx/KEO
( ω )
シュウウウウウ、と
( ^ω^)
光が消えて
( ^ω^)「……お…」
いつものブーンが、戻ってきた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!」
( ^ω^)「……ツン…無事で」
( ω )「…よ…かっ…」
フラッと、ブーンはそこで倒れる。
144 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:10:59.57 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!?」
倒れたブーンに駆け寄るツン。いきなり強くなったかと思えば、今度は倒れる。こいつはいったいどうなってるのかと、頭はそれにしか回転しない。
( ω )「……すー…すー………」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ただ単に、過労で寝てるだけだった。
ξ;゚⊿゚)ξ「まったくこいつは……」
しかし、ツンは何かを感じていた。
置いていかれたような、もう二度と取り戻せないような、何かを。
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン…あんた………」
――――――いったい、なんなの………?
突如起きた何かの片鱗が、この後に全てを大きく変えるトリガーだった。
それを知るものは、まだ誰もいない。
第九話、終わり。
Posted at 2011/08/09 21:23:43 | |
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