
2018年4月14日㈯、現在地に移転してから約60年間使用されてきた新潟駅在来線地上ホームがその役目を終えました。15日㈰からは新規に造られた高架ホームの供用が開始されます。
私も幼いころから度々利用し、その慣れ親しんだ光景を最後に見ておこうと14日㈯に新潟駅周辺を散策。いわゆる"葬式鉄"をしました。

新潟駅1番線から見た在来線地上ホーム。左上に見えているのは15日㈰から供用を開始した高架ホーム。

続けて西側跨線橋から見た地上ホーム。写真右側の地上ホームが4番線。
もともと在来線ホームは1~7番線までありましたが、5~7番線を潰してその上に高架ホームが新たに造られました。4番線は見ての通りかろうじて残ってる程度の幅しかなく、列車入線時は中々の緊張感を味わいました。

次に真逆の東側にある8、9番線ホームから眺めます。8、9番線は先に閉鎖された5~7番線の代替として造られたホーム。駅東側に伸びる信越線、白新線のみの乗り入れが可能。このホームだけは15日㈰以降も使用されます。

1番線に特急「しらゆき」号が、2番線に信越線普通列車が入線。この線路に列車が入るのもこの日限り。
私が見ていた限りですと、8、9番線を優先的に使い、たまに1、2番線が使われ3、4番線に至ってはほとんど使われていない様子でした。既に午前中から新潟駅西側から乗り入れる越後線は休止され、東側から乗り入れる2路線しか使用していなかった為でしょうか。

2、3番線ホームにあったキオスク。13日㈮を以って閉店しこの日は商品が撤去されていました。何気にNewDaysにならずにキオスクとして残っていたのは貴重であったように思います。

地下商店街「COCOLO万代」にあった改札口と地下通路。地下通路もろともこの日限りで閉鎖。
ここで工事の影響で各路線がどうなっているか調べようと、一旦新潟駅から離れてみました。
上の写真の通り、信越線は日中は臨時ダイヤながらそこそこな本数が運行されていました。一方で、東側に伸びるもう一本の路線、白新線は日中から通常とは大きく異なる運行体制が採られていました。
白新線は電化路線で、通常は電車ばかりが走っている路線です。しかしこの日は新潟駅西側に伸びる越後線の線路が既に休止されているなど、車両のやり繰りがイレギュラーとなり、

何とディーゼルカーが投入されていました。通常白新線に入るディーゼルと言ったら快速「べにばな」の一往復くらいだけではないでしょうか。
このディーゼルは豊栄までの往復運転となり、豊栄以遠は別の車両が往復運行を行っていました。

新潟地区のディーゼルは豊栄止まりの運用が想定されていないため、幕には何も表示されず。
白新線下り列車は新潟駅の隣、東新潟駅を通常通り停車するものの、上り列車は通過扱いとなっていました。これは新潟駅と東新潟駅の間にある"上沼垂信号場"で既に線路付け替え工事が行われていた為、東新潟駅上り線が使用できなかったことによるもの。
では上り列車はどうやって新潟まで帰ってきたかと言うと、

隣接している新潟貨物ターミナル駅を経由していました。通常の旅客列車では使用されない貨物線、貨物駅を旅客列車で通ることができました。
濃い話になってしまいますが、新潟駅東側の配線は複雑で、旅客案内上は白新線の東新潟、信越線の越後石山が隣接駅となっているものの、実際の鉄道関連施設を見てみると下のような状況に。赤線が現在も使用されている路線。(wikipediaより)

この図にはありませんが、上沼垂~越後石山間には電車の車庫「新潟車両センター」もあります。今回の工事では白新線と信越線のジャンクションである上沼垂信号場を中心に工事が行われた為、このような特殊な運用が採られるようになった訳です。
白新線に投入されたディーゼルは上の写真のJRになってから造られたものと、

巷では"インディアン"とやら呼ばれている国鉄時代から活躍している2種類がありました。
通常では味わえない少し特殊な白新線を堪能したところで新潟駅まで引き返しました。
続いて新潟駅西側に伸びる越後線に乗ってみました。
越後線は前記の通り午前中から新潟~白山間で運転が休止され、代行バスが運行されていました。

LED行先表示器搭載車は「貸切」のみならず代替輸送の表示まで掲載する力の入れっぷり。最近の新潟交通のLED表示は季節によって変えるものがあるなどバリエーションに富んでいて面白いです。どこかみたく「すみません」と書かれた回送表示はいつか出ないものでしょうか(笑)

既に日中の時点で新潟交通だけではバスの台数が足りないらしく、長岡市の越後交通なども応援に駆け付けていました。長岡市の路線バスが新潟駅に乗り入れているこの光景も貴重です。

越後交通の車両なのに貸切元の表示は新潟交通のデザイン。JRから直接呼んだのではなく新潟交通から呼んだのでしょうか。

夜には全路線がバス代替輸送になる為、夕方からは更にバスの応援隊が到着。
通常タクシープールとして使用されている場所はバスプールとなり、タクシーは一般車の整理場をプールとして利用していました。JR客の迎えに来た一般車は整理場に入ることができず駅前の東大通はいつも以上に混雑しているように見えました。南口への誘導案内は十分だったのでしょうか。

白山駅に到着。通常なら5分足らずで来る距離を15分程かけて移動。鉄道の速さを実感。
越後線はこの白山までの折り返し運行。こちらも車両の運用がイレギュラーとなっており、

一往復を除き弥彦線ばかりを走っているE127系も数年ぶりに越後線に応援に出ていました。「内野」行きを掲げたのは数年ぶりのことと思われます。
再び新潟駅に戻ります。

2番線に列車が入線しており、私と同じく最後の光景を収めようと何人か写真を撮っている人がいました。相当な混雑を予想していましたが、通常の利用客もいつもと違う電車の乗り方や所要時間に抵抗を感じて利用を控えていたのか、パニック状態に陥るような混乱はありませんでした。
高架ホームとなり新たな歴史を刻み始めた新潟駅。今後は8、9番線の高架化や南北縦貫道路の開通、駅前広場の整理などが控えています。新潟県の玄関口である新潟駅とその周辺がどのような光景になるのか、楽しみです。
最後に2番線ホームのパノラマ写真を2枚。
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2018/04/15 12:41:03