新潟県上越地方は長野県北部や富山県東部と生活圏が一体になっており、県境を跨いだ移動は公私問わず日常的なものとなっています。直江津の海岸から下道でも1時間程南へ行けばもう長野県、西へ1.5時間走ればもう富山県です。
そんな新潟県上越地方と長野県北部。地図を眺めてみると県境を跨いで通っている道路が数多く存在し、その実態を探ってみました。(今回は国道、県道+αの探索です)
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国道148号線

「国界橋」という橋で沢を跨ぐ県境。
1995年の「7.11水害」を機に現在の位置に移動。復旧工事中にも犠牲者を出す規模の土石流が発生し、事故の犠牲者を弔うために慰霊碑が建てられています。
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新潟県道280号線 長野県道119号線

新潟県側は杉ノ沢地区 長野県側は黒姫高原と両県の行楽地を結ぶ路線に架かる、地震滝(ないのたき)橋という橋で関川を跨ぎます。
名前の由来のひとつは近くにある苗名滝(なえなたき)。
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国道18号線

1997年竣工の妙高野尻バイパスを成す「信越大橋」によって県境の関川を跨ぎます。

信越大橋は下から見ると高速道路と見間違えるほどの立派な造り。
橋の上、真ん中あたりに突っ立っているのは県境を示す標識。実際の県境とほぼ狂い無く設置されているようです。
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国道18号線旧道

1997年まで国道に指定されていた旧道は、現道のすぐ下流側に現存。一之橋というトラス橋で関川を跨ぎます。
現在は妙高市道、信濃町道となっています。

一之橋わきの駐車場に設置されている看板。
色褪せて見辛いものの、上信越道開通前のものがそのまま残されています。

デリニエーターには「建設省」の文字が残されていました。
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新潟・長野県道96号線

一之橋より1本下流側の道路橋「両境橋」で県境を跨ぎます。妙高高原駅にほど近い位置にあります。

橋のすぐそばにはこのような事業所が。

橋から東の方を見てみると、山頂に建物、そしてスキージャンプ台のようなものが確認できます。2000年代前半まで営業していた「妙高パノラマパーク」というスキー場の跡地らしいです。
長野県と新潟県にまたがっていたスキー場でしたが、登記上は長野県のスキー場となっていたそうです。
○長野県道504号線「
万坂峠」

県境にまたがって広がる斑尾高原の途中にある峠。

切り通しの壁面には、さり気なく県境を示す看板が埋もれていました。
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新潟・長野県道97号線

斑尾高原の中を走る県境。

この「斑尾高原ホテル」は地図を見る限り手前の駐車場は新潟県、奥の建物は長野県にあるように見えます。

県境に沿った道路の区間。跨ぐのは結構ありますが、「沿う」というのは珍しいのではないでしょうか。赤線より左側が新潟県、右側が長野県です。
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国道292号線

群馬県内には「国道最高地点」がある道路。
新潟-長野県境には雨量制限の案内が書かれ、遮断棒が用意されています。

新潟県側には長沢トンネルが通っています。
○新潟県道412号・長野県道411号線「
平丸峠」

峠のサミットは長野県内。サミットへの途中に県境があります。
写真をご覧いただいて分かる通り、県境に舗装の切れ目があり管轄が変わることが分かります。
○新潟・長野県道95号線「
関田峠」

新潟県側には「光ヶ原高原」がある県境の峠。

峠には開通記念碑が建てられています。

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信越トレイル」なる、各峠を稜線に沿って結ぶ登山道の入り口があります。2010年頃から順次整備されている登山道らしいです。
○国道403号線「
伏野峠」

新潟県側からだとキューピットバレイスキー場脇をずっと登っていくと辿り着く峠。
国道のくせに前出の県道よりも道幅が狭い典型的な酷道です。

ここにも信越トレイルの登山口があります。
以上が県道以上の長野県と新潟県上越地方の県境です。
○おまけ
他にも何本か林道、市道で県境を越える道があるそうですが、その中の1本をご紹介。
・林道妙高小谷線「
乙見山峠」

新潟-長野県境を唯一トンネルで貫く道路?
例年7月-11月頃のわずかな期間しか通行することが出来ず、未舗装区間もあり走行できる車種がある程度絞られる道です。

コンクリート吹き付けながら素掘りなのか、表面に凹凸が見られます。

県境を示す標識?は支柱が傾いた上に落ちてしまっています(^^;
ただ、その奥に広がるパノラマは見事なものです。
メインルートである国道148号線、国道18号線は近代的な橋で跨ぐように改良されていますが、他の箇所には道が開拓された頃の名残を感じることができる造りのままのところもありました。そして意外にも林道がトンネルという高規格な造りでの越境というのは面白い発見でした。
他に2、3程クルマで通れる県境があるので、また後日巡ってみたいと思います。
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Posted at
2021/10/09 22:09:53