2020年05月16日
210系クラウンアスリートS-Tインプレ
以前から試乗をしたかった210系クラウンアスリートSTを1日レンタルしたので書いてみようと思う。
本当はもう少しCOVID-19が落ち着いてからにしようと思っていたが、問い合わせたトヨタレンタカーが車内外共に消毒を徹底しているとのことなのでそれなら大丈夫だろうと言うことで借りることに。
率直な感想からになるが、正直自分には少し合わない車だったという印象だ。
というより、期待値が高すぎたのかもしれない。イイ車だとは思う。
気になった点を先に3点あげる。
まず、2.0Tということで、どんなものか期待していたが、過給機搭載とはいえ、如何せんやはり4気筒モデル。
4気筒エンジン音は最近のトヨタの5ナンバーの4気筒車(シエンタ等)と同じ音で、V6の音には程遠いブオオオー!というやや安っぽい音。
高級車の部類には入るので、振動はよく抑えられているが、音までは上質にできなかったのだと思う。
ただ、加速力は充分。2.5LのV6よりもスムーズな加速だった。
エンジンに何を求めるかでこの車の評価が人によって分かれると思う。
2点目。気になったのがアイドリングストップ。
これが自分には我慢できなかった。ハイブリッド車などは初速はモーターで走り、力が足りなければエンジンがかかり補う形なので音はある程度ごまかせる。
だがガソリン車の場合停止からブレーキを離した瞬間にゴゴン!とエンジンかかかるので不快な振動とギクシャク感が伝わってくる。最初は結構驚いた。
ガソリン車を好んで乗る人にぶっちゃけアイドリングストップなんていらないと思うし、乗り心地を犠牲にしてまで、ここまでエコに拘る必要はないかと。せめて設定でアイドリングストップのONとOFFを切り替えれるようにできていればまた評価も変わったいたかもしれない。
3点目。これは走りの部分ではないのだが、ナビの画面位置が結構気になった。
ナビの画面が手前すぎて、ナビを確認する際、頭と視線を動かすのにかなり疲れる。
自分の乗っているシーマハイブリッドや最近のレクサス車などではナビのオンプット位置が奥(ボンネット寄り)に配置されているため、頭と視線を動かす量が少なくて済む。その分疲れない。
以上3点が気になった点だ。
次に良かった点を挙げていく。
まず、面構えや見た目は非常に立派。かっこいいと思う。オーナーの所有欲を満たしてくれるツボをうまく抑えたトヨタらしいデザインだと思う。外見で安っぽさは全くなく、外車と並べても見劣りは一切しないと個人的に思う。
稲妻のようなフロントフェイス、大胆で大きめなテールレンズもなかなかかっこいい。特に近くで見るフロントフェイスは写真と違ってまさに高級車の面構え。迫力満点。Cピラーがダサい点を除けば非常に満足度の高いエクステリアだと思う。
次は足回り。これは個人的には好みのしなやかな感じで、振動の収束も早く、硬からず、柔らかすぎてふわふわすることもなく、実に丁度いいという言葉通りの味付けだった。ハンドリングも素晴らしく、コーナーリングで速度を一定に保ったままでもよく曲がり、地面に吸い付き、滑らかなステアリングフィーリングを実現している。
ISにも似ているが、ISよりはしなやか、そこは乗り心地を重視するのが伝統のクラウンだからだと思う。
あと足回りでこれは凄い、と思ったのが、路面のインデックスを殆ど伝えてこない事。どういった仕組みなのか詳しく調べてないのでよくわからないが、とにかくどんな悪路でもゴツゴツ、とか、ブツブツ、とか、ガダダダダ、、、といった、路面の凹凸の振動が殆どキャビン内に伝わってこないのだ。フェンダーに近いダッシュパネル付近でも感じない。
音はそれなりに入ってくるが、振動が入ってこないのは疲れにくいだとか、乗り心地に大きく影響する。これは本当に素晴らしい足回りだと思う。
車内に入り込む振動を徹底的に消している。ここはクラウンのポリシーなのだろうか。シーマよりも上だった。
あとはシートのホールド性が非常に良かった。腰をしっかり包んでくれるので体がぶれず、常に一定に姿勢を保って運転ができる。疲れにくいシートだ。
高速でも数百キロ試したが、非常にまっすぐ安定して走る。
街乗りとは別の車のようにまた別の一面を出す。
加速が滑らか。気づけば120キロくらいスーーーっと出てしまう。
そしてステアリングがブレない、静か、疲れない。つまり怖さを感じない。
まさに高速向けの車。
あとはドアミラーの配置位置がいい。
フロントピラーの間に隙間があるので死角が軽減されている。視界が広く感じて運転しやすかった。
以上が良かったと思う点。
静粛性に関しては、最近の車はどの車もよく音をシャットダウンしているので、おお!特別に凄い!とは感じなかったが、騒音レベルで例えるなら、以前試乗した現行後期型現行プリウスとよく似た印象だった。
試乗車は17インチのタイヤだったが、ロードノイズはそれなりに聞こえる。特に荒れた路面でタイヤ内で反響する空洞共鳴音はそれなりに気になる。ただ、これはレンタカーに装着されていたタイヤが、レグノなどのコンフォートタイヤではなく汎用性のある一般的なラジアルタイヤだったのでそのせいもあったと思う。銘柄については伏せておく。
総評としては、実際に乗ってみて買いたい!という意欲は多少薄くなってしまったが、それは今乗っているシーマハイブリッドが3.5LV6ハイブリッドであったり、ナビが見やすかったり、静粛性が高いせいもあるからで、色々と荒が見えてしまったためだと思う。
面構えや見た目は非常に立派な高級車なのだが、普段このクラスの車に乗っている身としては、ドアを閉める音や、内装の重厚感などで所々コストダウンの爪痕を感じる。内装もパッと見は高級で立派!だが、よく見ればGグレードでもリアアームレストに一切スイッチ類がついていなかったり、リクライニングが出来ないなど、気になる点がポロポロ出てくる。
せめてエアコンと長旅用に後席リクライニングくらいは付けてもいいのではないだろうか。このクラスの車なら。あと液晶パネルのエアコン操作が非常にしにくかった。これは慣れなのだろうか。無理に液晶にする必要なかったのでは。風流調整の画面に変わるにもパッと変わらず、少し時間がかかるし、運転しながら操作するのはもってのほか。一旦停止してから操作した。
走行制御モードスイッチも液晶操作なので、従来通りワンタッチでいけないのは煩わしい。ボタンを徹底して省略しようとしたんだろうが、ちょっとやりすぎだと思う。モータージャーナリストの意見を真に受けて取り入れすぎかと。笑
維持費の面で見れば、非常に経済的で優れたエコガソリンカーだと思う。
ハイオクとはいえ、ガソリン車でリッター13.4の燃費は非常に魅力的。
排気量も少ないので税金も安く、オイル量も少ないので交換費用も安く済む。
小回りも効く。高速道路をメインで使う人には快適でまさにうってつけの車かと。
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Posted at
2020/05/16 02:57:54
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