「ガルト」いうカフェのお話

生まれ育った町に、ガルトという喫茶店がありました。

車好きならピンと来ると思いますが、ドイツ車の聖地「シュトゥット・ガルト」から命名されたお店です。喫茶店というには、料理もおいしかったしJBLの巨大なモニターからはJazzがガンガン鳴っていて、80名ぐらいまでのライヴも可能でした。オーナー自らがバイク、ポルシェやアルファロメオなど外車を所有、自身で整備もされ、常連さんも当然こだわりの車好きの方が多かったと思います。

高校生ぐらいから仲間と、出入りするようになった訳ですが、時にはオーナーのクルーザーで海へ、ポルシェを借り出してドライブ、日が暮れるまで遊んで夜になると遅くまで年上の常連さんと、Jazz、クルマ、バイク、ファッション、女性談義、、、とても楽しい大学時代を経験させてもらいました。

就職のため、東京へ出る事になったのですが、しばらくして仲間から電話が入り
「ガルト、やめちまったぞ、店じまいだ。」
1980年代の終わりの事だったと思います。一つの時代が終わったなと思いました。

今、私もあの時のマスターぐらいの年齢になり、幸い慕ってくれる仲間も後輩もいます。
あんな事は出来る訳がないですが、クルマや音楽のすばらしさを若い人に少しでも伝えられたらなーと思います。