今回取り上げるのはマツダのワンボックスバン、ボンゴブローニィバンです。
ボンゴブローニィはそれまでの2代目ボンゴのロングボディ車の後継として1983年に登場し、ただ延長しただけだった従来型と比べて幅も広がりフロントデザインが専用デザインとなるなど差別化が図られています。
ボンゴがタウンエース/ライトエースやバネットなどがライバルなのに対し、ボンゴブローニィは1クラス上のハイエースやキャラバン/ホーミーなどがライバルとなりました。
登場時はワゴン/バン/トラックの3種類で豊富なバリエーションを設定し、特にワゴンはモケット張りのシートや大型バンパーなどで高級感を演出しました。その後1987年・1990年・1997年・1999年にフロントデザインを含む大掛かりな変更を行いますが、ワゴンは1995年をもって絶版となっています。
↑登場当時のCMです。故山城新吾さんが出演していました。
今回取り上げるのは1999年にビッグマイナーチェンジで登場したSK型となります。同時期にフルモデルチェンジしたボンゴ(これも基本的なボディは変わらずフロント周りを安全対策で延長された新設計の物としています)のデザインを取り入れたものとなり、インパネやドアなどが共通となりました。
ヘッドライトは1997年のマイナーチェンジで採用したものと変わらない異型ライトですが、フロントパネルは変更されてエンブレムはそれまでのMAZDAロゴから現行のMの字を模したカモメマークと呼ばれるものに変更され、またマツダ車共通の5角形グリルを模したモールドが入っています。
ボンゴ同様に変更されたドアは視認性向上のために先端が伸びたものとなり、流れるようなラインと上級グレードにはブラックのステッカーが入ったものとなっています。
しかしフルモデルチェンジ扱いではないためボンゴと比べてあまり外観は変わっておらず、フロント周りもデザインこそ変更されましたがボンゴと異なり設計は変わりません。そのためビッグマイナーチェンジ扱いとなっています。
皮肉にもこの延長しなかったことで元々4ナンバーサイズの限界まで達していたボディをそのまま維持することが出来、ライバルがフルモデルチェンジで荷室が狭くなったり、ロングボディの1ナンバーになってしまったことで、クラス最大級の荷室を実現していました。
このビッグマイナーチェンジした当初はバン・トラックが存在し、さらにバンには輸出仕様のE2200と同じフロントデザインでかつて存在したワゴンのような大型ガーニッシュ・バンパーを装備する乗用向けグレードのGLスーパーも存在しました。
しかし翌2000年にはタイタンダッシュの登場でトラックがわずか1年で廃止となり、2007年にはGLスーパーと4WD車が廃止となりました。
平成の世に入り新しいボディにフルモデルチェンジしたハイエースやキャラバンと比べて、昭和のままマイナーチェンジのみで生き長らえてきたボンゴブローニィは陳腐化が著しく、ライバルがカスタムカー需要などで人気が高まる中で販売も低迷しました。
それでも荷室の広さと安さ、そして
当時のマツダお得意の大幅値引きで一定の需要をキープし、特に自治体や警察などの公的機関には多く導入されていました。
しかし販売低迷は続き、2010年をもってとうとう生産終了してしまい27年の歴史に幕を閉じました。
ところが2019年現在、新型が登場してボンゴブローニィは復活しました!!!
まあ、ハイエースのOEMなんですけどね…
本当ならマツダ自社製で作って欲しかったところですが(中の人は以前コラで作ってます)、魂動デザインの乗用車に特化してこれまでのような安売りはしない方針のようなので難しいのでしょう…
コンセプトのページです。昔から変わらない箱型のボディです。現在販売されているボンゴも基本的には変わりません。
荷室のページです。荷台の種類としては低床とワイドローがあります。またDXとGLではリアシートの形状が異なりDXではコンパクトにたためることを重視したシートとなっています。
インテリアのページです。フルフラットシートはGLのみに設定されこれは1983年の登場時から変わりません。運転席にはランバーサポートもあるなど快適なシートとなっています。
ボンゴでなら座ったことありますが、GLのシートは設計の古さの割に快適だと思いますね。ただDXはビニールレザーで固定ヘッドレストなのでお察しください…
エンジンのページです。直4・2.0LのMZR-CD型ディーゼルエンジンは2004年のマイナーチェンジで従来のWL型に代わって搭載されています。元は欧州向けアテンザ(mazda6)のエンジンとして開発されたものです。
排ガス規制基準を満たすためにDPFと呼ばれるフィルターがついているのですが、これが中々のくせ者でよく壊れるみたいです…
メカニズムと安全性のページです。ガソリンエンジンは名称こそ書いていませんが直4・2.0LのFE-E型を搭載しています。トランスミッションは4速ATがコラムシフト・5速MTがフロアシフトを採用しています。基本的にフロントシートは3人掛けのみとなるためAT車は必ずベンチシートとなります。
4WD車は昔ながらパートタイム式で設定がありますが、前述の通り末期モデルでは廃止されました。
荷台のページです。低床とワイドローがあり、前者はタイヤハウス(タイヤがある部分の出っ張り)がある変わりに荷室が低く、後者はタイヤハウスが無く平らな荷室を実現した一方で高くなっていっています。
グレード一覧です。CDは最廉価グレードで3人乗りのみの設定となります。パワーウィンドウもついていません。確か新車当時のメーカー希望小売価格が99万だった気がします…間違っていたらすみません…
DXは外観こそCDと同じですが6人乗りや9人乗りも選べます。ヘッドレストが分割式となりパワーウィンドウも装備されます。
グレード一覧と特装車と紹介です。GLはカラードバンパーやフルフラットシートなど快適装備が充実したグレードです。6人乗りのみで以前は9人乗りもあったはずですが廃止されています。
特装車としてフレッシュバン(保冷車/冷蔵車/冷凍車)とリフターバンが用意されています。以前は車椅子用福祉車両の設定もありました。
装備のページです。助手席のエアバッグはCDの場合メーカーオプションとなります。
主要諸元です。
オプションと機種一覧です。
裏表紙です。そういやこのイラストはヘッドライトが実車より長い気がします…昔のボンゴワゴンみたいです。
オプションカタログです。よく見るとナンバープレートの書体が本カタログとは異なります。これが2001年まで使われていた旧タイプの車名フォントで1991年登場のクロノスより使われ始めた各車種共通のものです。
そういやこのフロントグリルは同じ樹脂製でも何故かCD/DXの樹脂製バンパーより色褪せしやすいんですよね…よく薄汚れた状態で走ってたりそこだけ黒く塗装した個体をよく見ます…
ルーフキャリアは設定されていますが背面のはしごの設定はありません。
リアビューレンズはモロにルーペと同じ原理ですね…バックモニターが普及した今となっては過去の物になってきています…
この車名ロゴ入り大型フラップは中々カッコイイですね!昔のワンボックスではよくあったアイテムだと思います。
本革キーホルダーは2000年代後半のマツダ車共通のアイテムですね。オーディオの設定はありますが1DINのスペースしか無いためナビや2DINサイズのオーディオの設定はありません。
チャイルドシートの紹介と裏表紙です。