
今回取り上げるのはマツダのワンボックスバン、ボンゴバンです。
このボンゴバンは1999年に登場したSK型となります。
1983年以来16年ぶりとなるフルモデルチェンジで登場しましたが、当時マツダが
バブル期の失敗による業績悪化で余裕が無かったため基本的なボディは旧型と変わらず、フロント周りを安全対策で延長された新設計の物としています。この他にもドアや内装などが変更されています。
また旧型同様日産にバネットとしてOEM供給される他、この代からは三菱にもデリカとしてOEM供給されるようになりました。またオセアニア地域ではフォード向けにエコノバンとしてOEM供給される他、マツダ版には無い乗用モデルとしてスペクトロンもあります。
当初はボンゴフレンディのボディを流用してセミキャブオーバーとする話もあったようですね。タウンエース/ライトエースはモデルチェンジでセミキャブオーバーになったものの、ボンゴでは積載量などの制約が無いキャブオーバーを貫きました。その後マツダの経営は好転しましたが、残念なことに乗用車に絞る戦略を打ち出したためモデルチェンジは行われず今に至っています…
つまり1983年から基本的な設計が変わらず、36年もの間生産を続けているのです!!!!
しかも1983年と言えばギリギリ社名が東洋工業だった時代となります!!!!
まさに
化石、シーラカンスという言葉がピッタリの車なのです。しかも顔ですら1999年から20年変わっていないのでデビュー当初は何とか現代風に見せていたデザインも今となっては古臭さしか無いものとなりました。
しかしライバルがセミキャブオーバーに移行したのに対しボンゴは今やこのクラスでは唯一となったキャブオーバーを貫いているため荷室の広さはダントツで1位となります。現行車でも軽トラ/バンやタウンエース/ライトエース、NV200では積めず、かと言ってハイエースやキャラバンではデカい…だから昔ながらのボンゴでないとダメという会社も結構あるみたいです。
しかしそんなボンゴも
2020年をもって生産終了が決定していました…どうやらVSCが付けられず安全基準に適合しないのが理由みたいです…
中の人も結構好きな車種なので残念な話ではありますが、昭和・平成・令和を同じボディで37年間貫いたことは偉業だと思います!
今回のカタログは2010年のマイナーチェンジ以降のものとなります。最廉価グレードのCDや最上級グレードのGLスーパー、ディーゼル車が廃止されています。現在販売されているものとは少し異なりワイドローの設定が健在です。

コンセプトのページです。フロントデザインは分かりにくいものの、マツダ車共通の5角形グリルを備えたものとなっています。延長されたデザインは丸みを帯びたもので同じ時期に登場したMPVやプレマシー、ファミリアとも似ています。
ドアはタイタン同様に視認性向上のために先端が伸びたものとなり、流れるようなラインとブラックのステッカーが入ったものとなっています。

インテリアのページです。フルフラットシートはGLのみに設定されている他、運転席にはランバーサポートもあるなど快適なシートとなっています。
実際に座ったことありますが、GLのシートは設計の古さの割に快適だと思いますね。ただDXはビニールレザーなのでお察しください…
なおセンターコンソールが標準装備となったことで6人乗りの設定は廃止されました。このセンターコンソールはアームレスト代わりにもなるので結構便利です。

荷室のページです。荷台の種類としては低床とワイドローがあります。またDXとGLではリアシートの形状が異なりDXではコンパクトにたためることを重視したシートとなっています。

メカニズムのページです。エンジンは北米向けNCロードスター向けと同じ直4・1800ccのL8型ガソリンエンジンのみが設定されています。このエンジンは2010年のマイナーチェンジでそれまでの2.0LのFE-E型に代わって搭載されました。トランスミッションは4速ATがコラムシフト・5速MTがフロアシフトを採用しています。
4WD車は昔ながらのパートタイム式で電子制御なども無く4WDトランスファーを手動で入れて切り替える方式です。昔のワンボックスの4WD車は全てこの方式でしたが、電子制御フルタイム4WDへの移行が進み今ではボンゴのみとなっています。また4WDトランスファーのシフトノブ自体も1983年当時から変わっていませんが、どうやらこれ溝によく小さいものが入ってしまいがちのようですね…

荷台のページです。低床とワイドローがあり、前者はタイヤハウス(タイヤがある部分の出っ張り)がある変わりに荷室が低く、後者はタイヤハウスが無く平らな荷室を実現した一方で高くなっていっています。なおワイドローはこの後2016年のマイナーチェンジで廃止されました。またルーフも標準ルーフとハイルーフがあります。

荷台のページとグレード一覧です。4WD車は低床のみの設定となっています。DXはCD無き今廉価グレードとなり、樹脂製バンパーやビニールレザーのシートが特徴です。

グレード一覧と主要装備です。GLはカラードバンパーやフルフラットシートなど快適装備が充実したグレードです。なお荷物の輸送はもちろん送迎もOKと書いてありますがリアのヘッドレストも無い車ではちょっと…と思いますね…
実はこのグレードの紹介文、1999年にフルモデルチェンジした当時のカタログから全く変わっていません。

装備と特装車の紹介です。特装車にはここで載っているリフターバン以外にフレッシュバンもあるのですが何故か掲載されていません。

主要諸元です。

裏表紙です。

ここからはオプションカタログに入ります。

ルーフキャリアは設定されていますが背面のはしごの設定はありません。この車名ロゴ入り大型フラップは中々カッコイイですね!昔のワンボックスではよくあったアイテムだと思います。

ドレスアップのパーツはメッキパーツが2点あるのみです。アルミホイールとかエアロパーツもあればいいのに…って思います…

オーディオの設定はありますが1DINのスペースしか無いためナビや2DINサイズのオーディオの設定はありません。

裏表紙です。
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カタログ マツダ | 日記
Posted at
2019/11/08 11:10:46