*旧ブログからの移行記事です。
久しぶりの自動車カタログの更新ですねw
今回紹介するカタログはいすゞの4代目フォワードの1994年2月のデビュー当初のカタログです。320フォワードの通称でも呼ばれてますね。この時はまだ4t積のみのラインナップで5tや7tは7月に追加されました。海外ではFシリーズの名称で販売されており、この代はシボレー・GMCブランドで販売されている地域もありました。
キャブの基本設計を同年12月にデビューした初代ギガと共通しており、こちらは13年目の2007年にフルモデルチェンジしたのに対し、ギガは日野との共同開発が頓挫するなど色々あったために21年も続いた長寿モデルになっちゃいましたね。
320という名は開発コードに由来し、いすゞの開発コードは数字3桁のものが多く、
中の人の知ってるものだと
117…117クーペ、フローリアン
960…2代目ビッグホーン
145…2代目ウィザード・ミュー
810…810
840…3代目フォワード
320…4代目フォワード
210…初代ガーラ
といったところです。よく320は馬力に由来するという誤解を見ますが中型で320馬力は大きすぎます。
VIDEO
当時のCMです。同時期の中型トラックは日野がクルージングレンジャーにダイアン・レインを起用したのを皮切りにふそうもフルコンファイターにジャッキー・チェンを起用するなどCMに外国人を起用することが流行してましたが、320フォワードはいすゞらしく?CMに芸能人を起用せずイメージ映像のみのCMでした。現行型フォワードは車種としてのCMを放送していない(企業CMに出演したのみ)なのでもしかしたらフォワードがCMを放送したのはこの時が最後かもしれませんね。
ペーパークラフト いすゞ・フォワード320 94モデル
↑さらに追記ですがペーパークラフトを扱う別ブログで本車種のペーパークラフトを制作したのでリンク載せておきます。
ページを開くといすゞの320フォワードに対する意気込み?が出てきます。同時期の5代目エルフ登場時のカタログ(平ボディのカタログを持ってます。いずれ公開する予定です)もこのような作りで意気込みが書いてあるので恐らく初代ギガ登場時のカタログもこんな感じでしょう。キャブの左側には永久磁石式リターダが装備されていることを表すRETARDERの文字が見えます。
CMでも使われた「ここから未来が始まる NewReader」のキャッチコピーが使われてますが、CMでは「ここから未来が始まる」の部分は省略されてました。箱の「FORWARD」の下に書いてある英語は「Prior to The of a New Century. We have Acomplished a Higher Level of Reil-ability and safety. Here Lies a Beautiful Harmony of Humanity and Society. This New-Generation Transpoter has been Deveioped from The Consept "TOUGH&HARMONY"」と書いてあります。和訳したら面白そうですがw
追記
和訳してみましたw
「新しい世紀の前に、ライル能力と安全性の高いレベルは実現されます。社会と人類の美しい調和がここにあります。この新世代のトランスポーターは、コンセプト「タフ・ ハーモニー」から開発されています。」
翻訳サイトで和訳したらこんな感じでしたw 翻訳サイトでは多少日本語としておかしな表現になるので少し修正しています。
イメージ写真です。ロケ地は羽田空港かお台場あたりでしょうか?何となくそんな雰囲気を感じますw 今のトラックのカタログは環境性のことばかりなのでこの頃と比べて面白みが無いのが残念です。もっともこのカタログの場合は新型車だからというのもあるのでしょう。
デザインと外装部品の紹介です。貴重な320フォワードのデザインスケッチが載っています。「21世紀を予感させるニューリーディング・スタイル」というのが時代を感じさせます。
実際、途中で大幅なデザインの変更を受けた5代目エルフや初代ギガとは異なりグリル上部のラインの追加やバンパー形状の変更こそあったものの、2007年に絶版になるまで全体的な印象はあまり変わりませんでした。
デザインスケッチを見ると当初はグリルをヘッドライトとより一体化したデザインにする構想もあったのかもしれませんね。当時のスケッチやデザイン過程の資料とか見たくなってきます。いすゞの社内に残っているでしょうが、見たくても見せてと言えるようなものではありませんw
インテリアのページです。初代ギガと似ていますが運転席側がラウンドタイプではないことが異なります。当初はベージュのインテリアで同時期の5代目エルフや初代ギガもデビュー当初はこんな感じでした。その後すぐにグレーのインテリアになりましたが。ロケ地は横浜ベイブリッジでしょうか。
インテリアの細部紹介です。広めのベッドや冷温庫、助手席側のヘッダートレイなど現行型と比べて充実していることがわかります。OA機器のスペースがあり、白黒のバックビューモニターがあるのが時代を感じさせます。すでにカーナビタイプのバックビューモニターが普及していた頃の最終型にはありませんでした。この頃はフォワードジャストンが存在していたため、ベッドレス車は存在しません。(ベッドレス車は1998年のフォワードVが最初)
インテリアの細部紹介その2です。シートが現行型と比べて遥かに快適そうな感じですね。ヘッドレストの調整が出来ますし、クッションも厚いですし、アームレストも標準装備なうえに現行より長いです。ただし、リクライニング角度は現行型の方が大きいですね。
エンジン&トランスミッションの紹介です。1990年に登場した6HE1エンジンを採用しており、現行型のエンジンも基本的な設計は共通しています。この代より全車SOHCエンジンに統一されました。よく見るとヘッドカバーに古いISUZUロゴが表記されてますね。トランスミッションは6速MTのみで旧型の840フォワードに存在した4速ATやその後設定されるスムーサーFはありません。
走行性能のページです。永久磁石式リダーダは1992年のマイナーチェンジの際に装備され始めました。250ps車のみ標準装備なのは840の時と同様です。HSAやABSの設定も840より拡大されました。
防錆対策と整備性のページです。他のカタログでも中々見られないフロントパネルの内部が見れます。しかし、左下のフルディップ前処理工程の写真をよく見ると・・・
奥に840フォワードが写っているではないか!
新旧モデルが生産ラインで混合しているのはモデルチェンジの前後にはよく見られる光景ですが、840の製造中の写真なんて中々見れないと思いますw
カスタムの紹介です。電動カーテンやゴールドエンブレム、空気清浄機などやはり現行型のカスタムより充実していますね。特にエアコンとカセットデッキ用のリモコンがあるのが興味を引きます。リモコンは同時期の初代ギガのカスタムにもあり、ギガの場合はスペースクルーザー(ダンプはキングダンプ)、ハイカスタム、カスタムと4種類もカスタムが存在しました。そのため標準仕様とリミテッドを加えた5グレードだったのでとても充実していました。320フォワードの場合はカスタム・標準仕様・リミテッドの3グレードでした。話がずれましたがリモコンは320の最終型には無く、恐らく1999年のマイナーチェンジの際に無くなったと思われます。(初代ギガも2000年のマイナーチェンジの際に無くなり、さらにカスタムと標準仕様の2グレードになりました)
完成車ラインナップのページです。最下級グレードのリミテッドにはエアコンも装備されません。これが1997年のマイナーチェンジの際にはさらにコスト削減がされて無塗装バンパーになり、助手席すらない1シーター仕様になりました。
装備一覧とオプションと一覧表の表紙です。一覧表は切り離せるようになっていますが21年前のカタログなのでそんなこと勿体無くて出来ません…平ボディや箱車用のカーゴルーフとダンプ・ミキサー用特装ルーフがあり、ギガにハイウェイキャブとオフロードキャブが存在したのと同様、ニーズに合わせてキャブが選べるのが特徴です。オプションを見ているとオプションカタログが欲しくなってきますが、21年も前のトラックのオプションカタログなんて中々見つけられません…
荷台バリエーション一覧表です。前述した通りこの時はまだ4t車のみのラインナップでした。
主要車型図面です。
主要車型図面その2です。
主要車型図面その3です。
主要車型走行性能曲線です。
主要諸元表です。
主要諸元表その2です。
主要諸元表その3です。
主要諸元表その4です。
主要諸元表その5です。
全車種展開表です。
ウイング車と平ボディの4面・5面写真です。恐らく名入れ・架装の指定用と思われますが、こういったものには図を使うことが多く、写真を使うのは珍しいです。
裏表紙です。この裏表紙の作りは1990年代初頭のいすゞ車に共通しており、JT151ジェミニやJT221ピアッツァ、5代目エルフ登場時のカタログも裏表紙はこんな感じでした。
320フォワード自体はまだまだ見かけますが、1999年~2005年式の後期型や2005年~2007年式の最終型ばかりでこのカタログの初期型や1997年~1999年の中期型はあまり見かけなくなりましたね…少し前までよく見た印象がありますが…
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Posted at
2020/01/04 01:32:52