
ホンダではオデッセイを11年ぶりにフルモデルチェンジさせる。
新型オデッセイでは、従来のRC型が高価格帯の車でありながらコンパクトカーで一般的なトーションビームのサスペンションとなりオーソドックスなファミリーカーとしてのミニバンに近づいたことが不評であったこと、
それに伴い競合車との差別化に失敗し販売低迷したこと、加えて競合車であるアルファードのモデルチェンジでさらに装備が充実し、設計の古いオデッセイの旧態化が目立っていた。
これを踏まえて、全高は高くスライドドアの利便性を確保したままとしながらも、サスペンションをダブルウィッシュボーン式に回帰させるなど、これまでのオデッセイの特徴でもあったセダンと同等の運動性能を持ち、「低床」「低重心」のプラットフォームを使った走りの良いミニバン、としてキャラクターに原点回帰させつつ、高級ミニバンに相応しい快適性の高い広々とした空間を持つモデルとした。
なお本モデルがよりスポーティー志向のオリジナリティあるキャラクターとなったため、より正統派な高級ミニバン(※アルファード対抗)を求めるユーザー向けに、姉妹車としてエリシオンを日本市場にも導入し、こちらがホンダの最高級車/フラッグシップとなる予定である。
型式名はこれまでのオデッセイでは初代から4代目までRA1/2、RA3/4、RB1/2、RB3/4と進化してきたものの、先代モデルではRC1/2/4まで使っていることから、今回の新型モデルでは新たにRD1型となっている。
・エクステリア

デザインはこれまでと比べて直線基調のロー&ワイドなプロポーションとし、全高は従来型並みを確保しながらも、横長基調のスタイリングによりヒットしたRB1/2系オデッセイを彷彿とさせるよりスポーティで存在感のあるデザインとした。CR-Vとよく似たシャープなヘッドライトとヘキサゴングリルが特徴となっている。
フロントグリルやフロントバンバーとの一体感をそこなわないように、フルLEDヘッドライトはメッキ部を専用でデザインしている。またボディー下部を囲むメッキモールとテールゲートスポイラーがより力強く伸びやかなシルエットとしている。
・インテリア

水平基調のデザインや統一感のあるコーディネートを採用し、また手に触れやすい部分にソフト素材を使用し上質な仕上げを行い、心地良くくつろげる室内空間を提供している。
エアコンパネルは表面のパンチングメタルによって精緻かつ上質な印象を持たせたエアコンアウトレットを採用した。またアルミペダルも装備しておりスポーティーなミニバンに相応しいコックピットとした。
ナビゲーションシステムは11.4インチのHonda CONNECTナビを設定し、新世代コネクテッド技術「Honda CONNECT」を使用してさまざまな情報にアクセス可能としている。

先代モデルで好評であったクレードルシートはさらに進化させ、全グレードでリクライニング・スライド・オットマン動作が電動となっている。また1列目・2列目のシートヒーターも全車に標準装備としている。
3列目を格納して奥までスライドさせることが可能なロングスライド機能や、背もたれの中折れ機構、ヘッドレストの角度・折れ部の調整も可能とする。

上級グレードのアブソルートZには、プレミアムクレードルシートを装備し、メッキ加飾の入った専用アームレストコンソールを装備しており。格納式のプライベートテーブルを装備し、またアームレスト部にあるタッチパネルでの電動調整やシートヒーターのON/OFFなどを可能としている。
インテリアカラーは標準ではボルドー・ホワイト・ブラックの3種類を設定する。ただしブラックエディションにおいてはブラックのみの設定となる。
また電動パノラミックサンルーフも2世代ぶりにオプションで設定され、1列目と2列目を分離したタイプとなる。
・メカニズム
パワードレインはアコードやCR-Vと似たシステムが採用されており、2.0Lハイブリッドシステムと1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンの2種類が用意されている。
なお先代モデルで廃止されたガソリンモデルを再設定した理由は、先代モデルがハイブリッド車のみに絞ったことで価格が大幅に上昇したためで、従来モデルからの乗り換えが進まなかった反省によるものである。
ハイブリッド車はドライブモードにおいて、SPORT・NORMAL・ECON以外にパワーやステアリングフィールなどを自分好みに設定できる「Individual」モードが設定されている。
e:HEV車は先代モデルと比べて最大トルクを大きく向上させながら優れた静粛性を実現している。ガソリン車にはパドルシフトを、e;HEV車にはメタル製減速セレクターを装備し、操る楽しさも備えている。
またアクティブサウンドコントロールを装備し、ドライブモードスイッチの「SPORTモード」選択時に、エンジン回転とシンクロした加速サウンドをプラスすることで、リニアで軽快な加速感を演出する。
・ボディカラー

プラチナホワイト・パール

ルナシルバー・メタリック

スーパープラチナグレー・メタリック

クリスタルブラック・パール

トワイライトミストブラック・パール

ミッドナイトブルービーム・メタリック

プレミアムクリスタルガーネット・メタリック
・グレード

*ABSOLUTE/e:HEV ABSOLUTE
ベーシックなグレードで、クレードルシート・1列目2列目シートヒーター・プライムスムース/ファブリックのコンビシートを装備する。
このグレードのみメーカーオプションで8人乗り仕様が設定されており、その場合はクレードルシートでは無くステップワゴンと共通(※生地は異なる)のオーソドックスなベンチシートとなり、価格も8万円安となる。

*ABSOLUTE X/e:HEV ABSOLUTE X
中級グレードで、本革シート・LEDアクティブコーナリングライト・ステアリングヒーター・メタル製パドルシフト/減速セレクター・アルミペダルを装備する。

*ABSOLUTE Z/e:HEV ABSOLUTE Z
最上級グレードで、プライベートテーブルやタッチパネル式調整も備えたプレミアムクレードルシートを装備し、BOSEプレミアムサウンドシステムやLEDアンビエントランプなども装備した充実装備ぶりとなっている。

*ABSOLUTE X BLACK EDITION/e:HEV ABSOLUTE X BLACK EDITION
専用のブラック塗装のグリル・ガーニッシュ・アルミホイールを装備し、それ以外の装備は標準のABSOLUTE X/e:HEV ABSOLUTE Xに準ずる。

*ABSOLUTE Z BLACK EDITION/e:HEV ABSOLUTE Z BLACK EDITION
専用のブラック塗装のグリル・ガーニッシュ・アルミホイールを装備し、それ以外の装備は標準のABSOLUTE Z/e:HEV ABSOLUTE Zに準ずる。