うう、
ダイハツの新型ムーヴを発売直後に試乗したんですが、試乗記が進みません(汗)
試乗した印象は良かったのですが、コレだ!というところが個人的に今一つ・・・。「良い人なんだけどねぇ」という感じでそのあとが続かず(^^; いずれアップしたいと思います。
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さて、先週の土曜は日産ディーラーに行ってきました。
というのも、我が家のサクラ、空調をつけると出だしにムッとするカビ臭が!(>o<;
販売店での在庫期間が長かったせいか(詳細はいずれ)、納車時からなんとなく匂ってたのがここ最近の高湿度で一気に。
すると、いつもは展示車すら見たことのなかったアリアが試乗車として用意されているじゃありませんか!
ということで、待ち時間の間に運よく試乗させてもらいました!
感想としては・・・最近の日産車あるある組のメンバーですね。つまり「乗ってみると良さが判る(乗らないと分らない)」(^^; そしてやっぱり割高かな(^^;
※以下の画像はクルマ関連サイトからリンク
■良かったところ。
・内外装デザイン
エクステリアデザインは完成度高いですねぇ。下の写真のキャラクターカラーのブラウンというかカッパー色は正直自分の好みに合わないせいか、デビュー時は値段の高さばかりが気になってピンときてませんでした。
が、間近でみると練りこまれた造形にびっくり。プレスラインもさることながら面の抑揚が素晴らしいと思いました。試乗車は白一色でしたが、むしろシンプルなカラーリングが虚飾を廃してデザインの持つチカラそのもので勝負している潔さを感じられて好印象。日産の「高級」のセンスが邪魔している気がしたのは自分だけかもしれませんが(^^; なんだか勿体ない気がしました。
インテリアの印象も写真より数倍良く感じました(^^;
左右対称を基本にして横に伸びやかに展開するインパネデザインは、突起を極力廃したシンプルさもあいまって自己主張が少なく解放感があり、シートに座った瞬間から落ち着ける感じ。
木目調パネルも単純な「木の色」でない抑えめのトーンが絶妙に高質感があり、デザイナーの意図が伝わってきました。
そして特筆すべき点として、インテリア全体で非日常感を演出しつつも、従来の自動車の運転席の雰囲気を残した演出を維持することで、運転に自信のない方もすぐに慣れてドライブできる、安心感を抱かせる、よく考えられたデザイン・造形です。
このあたり、テスラをはじめとした他社・輸入EVの多くはひたすら従来と異なるデザインをおって先進性をアピールしていますが、従来通りのインパネが安心できる、という保守層は一定数いるはず(殊に日本では)。奇をてらわないなかでも非日常感を漂わせる、このあたりのデザインの妙、技術力の高さは、日産はもっとアピールしても良いのではないでしょうか。いずれにしても、写真より生で見たときの印象が全然違うのが意外でした。実車を見て、触れて、さらにオーナーになって生活を共にした人の方が悦びが増す、というのはユーザにとって嬉しい理想的なプロダクトですが、販売には苦労しますね(^^;
・車幅感覚のとりやすさ
実際に運転開始。これは偶然の産物?だと思いますが、ドアミラーからウエストのプレスラインが見えて、その下がスパッと垂直に近い面になっているので、車幅感覚をつかむのに一役買っています。また、ボンネットは殆ど見えませんが、グラスエリアが意外と広め、ピラーの死角が少なめなのも好印象でした。全幅が1800mmを超える巨体(日本国内では)でも、街中のセンターラインのあるような道路であれば、ボディサイズからくる扱いにくさは殆ど感じることがないのでは、と思いました。
・高い質感のドライブフィール
そしてなんといっても特筆はドライブフィールの質感の高さ。
2トンを超える車重を感じさせずドライバーの加減速に反応してボディを走らせるモーターならではの出力と、その一方でアクセルペダルの微妙な操作にシームレスながらも過敏に反応せずしっとりと反応するセッティングは絶妙で、これぞEV! 日産の長年のEVへの技術の蓄積を感じさせます。
足回りも試乗車は235/55R19と最近では普通になってきたとはいえ超扁平タイヤですが、サスセッティングがよく練られていて路面の凹凸をいなし不快な振動は皆無。そして静粛性もさすがこのクラスだけによく抑えられていました。
■残念なところ
・少なくとも日本では高いとはいえないコストパフォーマンス
感動もひとしおのドライブフィールだったのですが、カタログでプライスを見ると現実に引き戻されます(^_^; クルマの出来と値段のアンバランス。要はコスパの悪さが台無しにしていると思いました。
最新では最廉価グレードでも659万円から。補助金適用して500万円台になるとはいえ、この内容では正直高いなぁ、という印象。内外装の質感は高いけれど、このプライスに価値を見出せるユーザは(もともと価格帯から限定されるのに加えて)相当に絞られるのが正直なところかと思います。街中でもポツポツとは見かけますが、その売れ行き具合にもむべなるかな、と。
例えばシート。試乗車はパワーシートで微妙な角度調整に対応しており、また革シートも相まって硬めで疲れにくいクッション圧、形状で印象は良かったです。が、価格帯に見合った印象は・・・。もちろん、もっと豪華絢爛に、とか、もっと革の質感を良く、とか、リビングの革ソファのように!とかを望むわけではないんですが、完成度としてはコスパに見合ってないのでは、という物足りなさを拭えませんでした。
というか、サクラでも考察した、バッテリーのコスト高とのせめぎあい、車両販売価格相応の質感を非EVの競合車なみに実現するための日産開発陣の激闘の結果がこれ、ということなんでしょうけれども。
・高い床に低く乗る パッケージング
その昔、日産にルネッサというクルマがありました。
世のクロカン・マルチパーパスビークルブームに追い付け・追い越せ!という感じで登場した一台。ちょうど初代CR-Vの販売後に登場し、本格SUVしかラインアップになかった日産がリリースした一台でした(エクストレイルが発売になるのはまだ先)。「床の凹凸がない!」というのがウリでしたが、その代償にとにかく床が高い。その上室内高を稼げないので、座面高は低く足を投げ出す着座姿勢、「高い床に低く座らせる」パッケージ。
これは長所短所とも副次的なもので、
ルネッサはEVの構想もあり、床下にバッテリーを格納するスペースを確保する必要がありました。そのため苦肉の策?として床が高くなったパッケージングと思います。当時はベンツのAクラスとかもこの設計思想でしたね。
で、話しもどってアリアですが、アリアもパッケージングがこの「高い床に低く座らせる」思想。
結構な全高があるのに、床が高めのため、シートに座ると背の低いセダンに乗っている姿勢となります。床下に収納するバッテリ容量とのトレードオフと考えて差し支えないと思います。
自分はまっさきにルネッサを思い出した次第。いつの時代のクルマですか?と。
まぁ慣れてしまえばどうということはないし、アリアとはそういうクルマだ!と納得できれば良いのでしょうけれど、果たしてそれを享受できるユーザーはどれほどいるでしょう。
■廉価グレードをご検討を!
ということで、普通乗用車並みの航続距離を確保したい⇒それなりの大容量バッテリーの格納が必要⇒高コスト⇒高級車路線で ということでしょうけれど、もう1ランク下のカテゴリでも良いのかな、と。まぁ自分が革シートが苦手というのもあるんですが、シートをファブリックに、外装もフェンダーアーチをボディ同色にして、タイヤも17インチとか(場合によっては鉄チンホイールに)、当然ノーマルルーフ、その他豪華装備はレス仕様、そんな割り切りの代わりに値段を150万円くらい下げた廉価・低価格グレード(補助金で300万円台後半からスタート。それでも高いけど)を設定してみてはどうでしょうか>日産さん
ただしモーターのレスポンスと足回りのセッティングは廉価グレードにも継承する。
そういったカンフル剤投入が必要と思います。実際には、デビュー直後から販売停止していたこともあって、投資回収のためにおいそれと値段は下げらないでしょうけどね。そして忘れてはならない、日産EVとしてあのクルマの存在も(後述)
もっと言ってしまえば、少なくとも日本でアリアが大ヒットする目算は日産ももっていなかったかもしれませんが、走りの質感が良いだけに、もったいないですね。
■アリア でなくて リーフ で良かったんじゃない?
上記の廉価グレードが作れない最大の理由は、もちろんリーフの存在でしょう。
EVラインアップのヒエラルキー上、アリアの廉価グレードを設定すれば、リーフと被ってきます。仕様・技術の新しさなどからリーフがひたすら不利になってしまう。そんな要因もあったのでは、と邪推してしまいます。
ならば、廉価グレードを最初から設定して、それを新型リーフとしてリリース、現在の価格帯を「リーフ・オーラ」として売れば良かったのでは・・・などと素人のも妄想は終わりません(^^)
そして、新型リーフが、さらには欧州ではEVマイクラも控えていますのでラインアップが刷新・充実されます。こうなると逆にアリアはますます影が薄くなってしまうかもしれませんね。
■日産のマジメな技術開発姿勢
脱臭作業終わって、内外装洗車もばっちりしてくれて、作業終了したサクラに乗って自宅へ。
走りの質感はもちろんアリアの方が上ではありますが、サクラが全体的に大きく低いわけではなく、内外装・動力性能・足回り・静粛性etc・・・軽自動車であることを考慮すれば大健闘といっても良いと思いました。
バッテリー容量の問題が大きなネガになっていない(航続距離短くて良い)せいか、パッケージング(乗員の姿勢)はむしろアリアより健康的かもしれません。
ん~思いのほか「サクラで十分」感が(^^;
このあたり、手を抜かない日産の開発姿勢は素晴らしい。こういうところこそ「技術の日産」の本領発揮の部分ではないでしょうか。もっとアピールして然るべき。かえすがえすも空回りしている感じが勿体ない限りです。