先代デリカミニ4WDで自分には合わなかったのはまさに足回り(その他諸々も不満があり、結局ekクロススペースを選択)、それがどのように変わっているのか、これはチェックしないと! ということで、試乗させてもらいました。
珍しく写真を撮りました(^^;
三菱としてはekスペースよりデリカミニ推し、しかも4WD推し、ということで試乗車は価格帯の最上位の T Premium DELIMARU Package 4WD です。
車両価格がおよそ300万円!・・で、我が家の選択肢にはぜったい上らないグレード(^^;で、個人的には素のモデルである、ekスペースが試乗したかったのですが、現時点では千葉には1台もありません。ひとまず最上級モデルでの試乗としましょう。
ODOメーターはわずか50㎞弱。ちなみに前に駐車しているのは我が家のekクロススペースです(^^)
■良かったところ
・軽自動車規格を感じさせないワイドなボディ、内外装の高い質感。
・KYB製ダンパーは大正解!の軽自動車の範疇を超えてしなやかになった足回り
・面質がよくなり疲れにくく座り心地の良い前後シート(特にリアシートの質感が大きく向上)
・死角が減るとともに質感も改善された前方視界(ワイパーが殆ど見えない! ボンネットが良く見えて運転し易い!)
・ハイブリットを廃し扱いやすくなったパワートレイン(モーターの切り替え、ターボの切り替え、制御が入り神経質なところが当然スムーズに)
■残念なところ
・車重負けしているパワートレイン(64psで1トン超のデリカミニ4WDの車重はさすがに厳しいです)
・先代と同じエンジンか?と思わせるエンジンノイズの大きさ(車重負けしているところを補うのに吹かし気味になるからか? ロードノイズを抑えているからか、エンジンノイズが良く入ってきます。音も3気筒感が強まった感じで、先代と同じパワーユニットと思えないサウンドです。)
・ハイブリットを廃したことでガサツになったアイストのエンジン再始動(再始動時のエンジンの挙動が、スズキ系からホンダ・ダイハツ系に。)
・アルミホイールのデザインがアレ(個人的な印象かもしれませんが、4WD用の15インチのアルミの意匠が生物ぽいというかヘビのウロコを連想してちょっとイヤンです(^^;
ここは2WD版の14インチ用のホイールデザインがすっきりしてて好みです。カタログの写真がほぼないのが残念。
■先代デリカミニと比較して
前述のように、先代のデリカミニ4WDを試乗してまさに真っ先に気になったのが足回りでした。舗装路を走るにはバタつき、振動の収束性も若干軽薄な気がしていたのですが、今回、KYB製ショックになり見違えてよくなったと感じました。路面の凹凸によるショックの入力をしっかり吸収しつつ、その後の戻しはゆっくりとすることで、しなやかかつゆったり穏やか。神経質さがなくなり多くのユーザに好印象を与える乗り味になったと思います。正直これが先代のデリカミニにあれば・・・という、ないものねだりになる乗り味です。
一方、ハイブリットが廃止、加減速にモーターの介入がなくなったことでアクセルペダルに対してのレスポンスがよりシームレスに扱いやすくなった一方でモーターのアシストがなくなったことによるパワーの低下は結構歴然とわかるレベル。加速がモッサリしていて、あきらかに車重にパワーが負けている感じ。
こういうものだ、と受け入れられるかどうか、試乗して少しでも気になる人は2WDを試乗することをお勧めします。デリカミニの2WDもしばらく試乗車はないでしょうけれども・・・。
■ekクロススペース(FFターボ)と比較して
我が家の愛車、ekクロススペース(FFターボ)と比較すると、足回りのしなやかな動きは新型デリカミニの方が上と感じました。一方で、ekクロススペースの足回りも剛性感が高く、硬質でしっかり感があり、路面の凹凸もほぼ吸収しており、どちらかというと両者はテーマ・理想とする方向性が異なる、という印象もあります。
また愛車は2WDで車重が4WDより軽く、マイルドハイブリットであることも手伝って、出足は愛車の方がスムーズでストレスが低いです(アイドリングストップからの復帰もモーターを使用していて静か。)
そういう意味では、比較のためにやっぱり2WDのデリカミニを試乗してみたいですね。上記のように試乗車はしばらくないでしょうから、厳密にはセッティングが異なりますが、ルークスのターボグレード(ハイウェイスター)を試乗するのも手かな、とも思います。
■”デリカ・イオ”が欲しい!
新しいデリカミニの質感の向上した足回りを体験すると、車重負け感のあるパワートレインがなんとも惜しい。軽自動車規格の限界を感じました。
もうすこしエンジン排気量を大きくしたモデルにのってみたくなります。幸いなことに、デリカミニ・ルークス系はシャシーもエンジンも、ルノーのAセグメント用を軽規格にダウンサイズして使用していますので技術的に拡張は可能なのでは、とも思います。
そう、往年のパジェロミニをベースに普通車規格で開発されたパジェロイオのような、『デリカ・イオ』!というか、それを次期デリカD:2として販売!はいかがですか!?>ミツビシさん!!
まぁ実際は、パジェロイオの頃の時代背景であればいざしらず、現在のユーザー層とコストからはとても実現は難しいでしょうね。なんとも残念です。
■今回の開発主導権は?
「デリカミニ&ekスペースのすべて」を読んでいて意外だったのは、開発体制。デザインは(書籍のコンセプトもあって)デリカミニのための開発、という風に見えますが、よくよく読むと、基本は先代同様日産主導だった様子です。しかしながらDピラー回りや、ドアノブ付近の「山のせライン」は三菱側の提案のようで、先代ルークス・ekスペースよりもぐっと日産・三菱のコラボ体制が対等に近い関係を伺わせます。
デリカミニのデザインの完成度、特にボンネットフードなどオリジナルパーツの多さを考えると、NMKVとしてもデリカミニの販売を重要視している、ということでしょう。
個人的にはやっぱりマイルドハイブリットを廃止したことで先代とは別物になってしまったのが違和感がありますが、それもそのうち慣れるのでしょうか・・・。まずは三菱(NMKV)にはデリカミニ・ekスペースの熟成を期待したいと思います。
ただこの内容でこのお値段・・・メーカーは強気ですが果たして、ですね(^^;