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2009年05月15日

F-1ドライバー列伝Vol.7~Tom-Pryce

F-1ドライバー列伝Vol.7~Tom-Pryce 志半ばにしてこの世を去ったドライバーの中で、「もし生きていたらチャンピンになっていた」と言われる人は多い。
恐らくG-ヴィルヌーヴあたりがその筆頭に挙げられると思うが、私は密かにヴィルヌーヴよりもこの人だと思っている。

Tom-Pryce~トム-プライスだ。

実際にF-1を走ったのは1974年から77年までの4年間だけ。
しかもフェラーリやロータスのような「メジャーどころ」で走ったわけではないので、あまり著名とは言えないかも知れない。

しかし・・・
私がトム-プライスが「生きていたらチャンピオンになっていた」と思えるのは、それなりに理由がある。
それは、あのコーリン-チャップマンに見出されていたからだ。

今から30年以上も前のこと、私が小学生のときに読んだAUTO-SPORT誌にはそのことが書かれていた。
1975年のオフ、チャップマンを取材した記事にはこんな小見出しがあった。

『どうしても欲しかったトム-プライス』

1975年オフの記事だが、このときエースドライバーのロニー-ピーターソンとチャップマンの関係は既に険悪なものになっていた。
大方の予想通りピーターソンはチームを飛び出し、マーチに移籍が決まった。
チャップマンはピーターソンに変わるエースドライバーを探していたが
そのとき狙いを付けたのがプライスだったというわけだ。

このときチャップマンはジェームズ-ハントにも声をかけたのだが
これは金銭面で破談になっている。
「ヤツはチャンピオンになりたいのではなく、チャンピオンがもらうだけの金がほしいだけだった」とチャップマンは嘆いている。

この事実でもわかるように、チャップマンは後にチャンピオンとなるハントと同じくらいプライスを評価していたことになる。
(しかしプライスはシャドウに残留を選んだ)
クラークやリント、ピーターソンやフィッティパルディ、そしてマンセルなど、
チャップマンに見出されたドライバーに「ハズレ」はない。
恐らくドライバーとしての才能で言えばトム-プライスはトップクラスだったに違いない。

ホワイトにブラックのストライプがアイキャッチャーだった。
マシンはやはりUOPカラーのシャドウが似合う。



現にプライスはF-1デビューの翌年、早くも表彰台に上がり
地元のイギリスGPではポールポジションも獲っている。
近代では開催されないがノンタイトルレースでは優勝もしている。

しかし、悲劇は突然訪れた。
デビューから4年目の1977年、南アフリカGP決勝。
初仕事だったという若いオフィシャルがキャラミサーキットの長いストレートを
不用意に横切り、プライスはよけ切れず彼を跳ね飛ばしてしまった。
オフィシャルが持っていた巨大化学消火器は凶器となりプライスの頭部を直撃。
アクセル全開のまま即死だったという。(マーシャルも即死)

ニューマシンになりカラーリングも一新された77年。
希望に満ちたシーズンが始まったはずだったが・・・・



GP史上最悪の事故とも言われたこの77年南アフリカGPで、
勝ったのはラウダだった。
前年の瀕死の事故から復帰してから初めての優勝・・・
しかしプライスのマシンから吹き飛んだロールバーがラウダのフェラーリのボディサイドに引っかかり、ラウダはそれをフィニッシュまで引きずりながら走った。
チェッカーが振られた瞬間マシンをコース脇に停め、それを確認する写真も残っている。

瀕死の重傷から奇跡的に復活したラウダ。
将来有望と期待されながら、考えられないような事故でこの世を去ったプライス。
F-1を長いこと見ているが、ひとつのレースでこれほど「明と暗」を見たような気持ちになったことはない。


トム-プライス
1977年3月5日没。
南アフリカ、キャラミサーキットにて。
享年27歳。
ブログ一覧 | F-1ドライバー列伝 | 日記
Posted at 2009/05/15 22:41:03

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この記事へのコメント

2009年5月16日 0:37
そんな側面があったことは初めて聞きました。

いくつか当方も画像を持ってますが、運命の日に撮られた写真もあります。
あまりにも運命と述べるには非情かもしれませんね。

彼のエピソードとしてはクラッシュだけが述べられがちですが、こういう個性の強いドライバーが数多かったからこそ、ブランビッラのように雨の優勝でクラッシュさせたとか枚挙にいとまが無いですよね。
UOPといえばシャドウカーズ、シャドウカーズといえばUOPというイメージで語れる仲間も居ませんね。
コメントへの返答
2009年5月16日 8:43
晴太郎さんでも知らないなら、ちょっとした「特ダネ」かも(^0^)です!

二枚目のDN8の画像も、恐らく77年の南アGPのものだと思います。
そうですね・・・あまりに非情な運命という気がします。

あのクラッシュはその後のオフィシャルのあり方にも一石を投じたものだと思いますから、どうもプライスのドライバーとしての評価がされてない感じです。ブランビッラ!別名「モンツァゴリラ」ですね!雨の富士でハントを追い掛け回してましたね!
ブラックのUOPシャドウは凄みがありました。ジャリエも速かったし・・・。今でもUOPという会社はあるんでしょうかね?
2009年5月16日 5:29
ホント。
旧日のF1ドライバーと比べると、今のF1パイロットは女学生(笑

シャドゥ。。。カッコエエなぁ~。。。
コメントへの返答
2009年5月16日 8:44
図らずもリカルド-パトレーゼもインタビューの中でまったく同じことを申しております。

さすが監督さん!

今見てもシャドウは迫力ありますね~。
2009年5月16日 8:01
切なくなる話です・・・

なんともいえない気持ちになりました・・・

トム-プライスに黙とうを捧げます。
コメントへの返答
2009年5月16日 8:47
F-1ドライバーというと、雲の上の人達なのですが、この人達の「不幸な事故」からサーキットの安全性が進化したのだと思います。

我々もそれを享受しているのですよね。
2009年5月16日 8:38
私は映画で、プライスの事故を観ましたが・・・
あれは本当に悲惨な事故でした。

新人のコースマーシャルの考えられない行動に
本当にそこを運悪く通過したプライス・・・

本当に惜しいドライバーですね、あのチャップマン
に見いだされてたというくらい凄いドライバーだった
だけに本当に惜しいです。

マシンもメットのカラーリングも本当にカッコいい!
コメントへの返答
2009年5月16日 8:53
あのシーンは「POLE POSITION」のハイライトシーンみたいな扱いでした。
オフィシャルがレース中にコースを、それもストレートを横切るなんて今では考えられないですよね。確かこのとき、赤旗中断にはならなかったような(記憶違いかも知れませんが)。

プライスが生きていたら、恐らくロータスに入ったと思います。そうしたらロータス79でチャンピオンになったのはアンドレッティではなく、トム-プライスだったかも知れません。

ヘルメットも渋いでしょう~!
これはプライスが父親から「白だと他と区別がつかないから、何かラインを入れてくれ」と言われてカラーリングしたものだそうです。
2009年5月16日 10:51
書き込まないつもりでいたんですけれど…

あの時目にした事故の連続写真が、今でも忘れられないっす。
富士の1コーナーで観客が飛ばされたビルニューブの事故も悲惨でしたけれど。
コメントへの返答
2009年5月16日 11:02
私も実際にサーキットを走るようになってからは、過去の悲惨な事故はまともに見ることができません。

富士の事故は、残念ながら当時の日本はまだまだ安全への意識が低かったということなんでしょうね・・・・。
2009年5月16日 23:49
自分もだんだんと記憶が戻ってきました。
確かに映画で観ましたね。。。
何故か不思議とのんびりとした雰囲気の、
スタート直前のプライスの映像があった気がします。

富士のやつは、、、
TVでライブで見ていて凄いショックでした。
セナの時も夜中に見てたなぁ。。。

今は本当に安全になりましたね。
コメントへの返答
2009年5月17日 7:17
映画「POLE POSITION」ですね。イタリア映画らしくなんとも突っ込みどころ満載ですが、ドキュメンタリーとしての価値はあると思いますね。そうなんです、スタート前ののどかな雰囲気の写真はけっこうネットでも見られました。

私もTV中継で富士の事故はリアルで観ていましたが、もうなにがなんだか?という印象でした。翌日の新聞で『暴走!F-1』という見出しだったのを見て悲しくなりましたね。

プロフィール

「@ぼうんのう さん、バッテリーとエアコンまでやれば、走り出してすぐに効果を体感できますよ(^^)」
何シテル?   06/04 11:05
アルファ156 2.5V6で走ってます。 家内用にGTV3.0V6。
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