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2009年10月02日

F-1ドライバー列伝Vol.10~Didier-Pironi

F-1ドライバー列伝Vol.10~Didier-Pironi フェルナンド-アロンソのフェラーリ入りが正式に発表されたらしい。

今回の移籍はアロンソがルノーに加入する前から決まっていたらしく、
公然の秘密のようなニュアンスがあったのも事実だろう。
どうも「ああ、やっぱりね」という空気がある。

「アロンソ、フェラーリへ移籍」のニュースを見て、真っ先に思い出したのが今回の『F-1ドライバー列伝』で取り上げるディディエ-ピローニだ。

1978年、名門ティレルからデビュー。
しかしマシンの戦闘力不足もあってティレル在籍の2年間はそれほど目立った成績は挙げられなかった。

そして80年からリジェ入り。
そこからピローニの才能が開花する。
ベルギーGPで初優勝を挙げ、モナコGPではリタイアに終わったもののポールポジションを獲得した。
確かに多少ドライビングは荒っぽいところはあったが
3年目でここまでの走りをすればフェラーリからオファーがあっても不思議ではない。

当時トップチームだったリジェに移籍し才能が開花した80年。
グラフィック的にも最高にカッコ良かった。



そして翌年の80年、F-1挑戦4年目にしてフェラーリ入りを果たした。
ところが・・・
当時誰もが驚いたことがあった。

それはリジェ入りする前から既にフェラーリとの間に「密約」があったというのだ。

ということは、まだ1勝もしていなかったピローニに、
フェラーリ陣営はその才能を見出していたことになる。
最近知ったことなのだが、実はこれには裏話があって、
本当はリカルド-パトレーゼが「内定」していたというのだ。
パトレーゼ自身にもそのことは伝えられていたが
直前になって「内定取り消し」の憂き目に遭う。
そのときパトレーゼは「自分はフェラーリと縁がない」と悟ったという。

移籍した81年はチームメイトのヴィルヌーヴと比べて成績は振るわなかったが
翌82年はヴィルヌーヴと互角の速さを見せた。

そして運命のサンマリノGP。
「チームオーダー無視事件」、「ピローニ裏切り事件」などと言われた一件。
これについてはwikipediaをはじめ、多くのサイトに書かれているので割愛するが
ピローニもヴィルヌーヴも既に故人となった今、真相は永遠に分からないだろう。

1982年のワンショット。
第12戦以降は出走できなかったにも関わらずランキング2位でシーズンを終えた。
もしドイツGPでの事故がなかったら・・・。



私個人としてはピローには類稀なる才能を持ったドライバーだと思っている。
生きていたら恐らくプロストの前にフランス人初のチャンピオンになっていただろう。

しかし運命に翻弄された人だったように思う。

1982年というシーズンは長いF-1史の中でもっとも「血塗られたシーズン」だった。
ベルギーGPでヴィルヌーヴが壮絶な死を遂げ、
そのあとのカナダGPではリカルド-パレッティが事故死している。
さらに後半戦に突入したドイツGPではピローニ自身が大クラッシュに遭ってしまう。
このシーズンに起きた三つの大事故は間接的な部分も含め
すべてピローニが関わっている。

パレッティの事故ではポールのピローニがスタートミスで止まってしまい、
後方からスタートしたパレッティはそれに気付かずフルスロットルで追突した。
ピローニ自身の事故は豪雨の中、プロストのルノーに追突し大破したものだった。
プロストが引退するまで雨のレースを嫌っていたのは
この事故がトラウマになっていたからとも言われている。

82年ドイツGPでの壮絶な事故現場。
ピローニは一命を取り留めたが、二度とGPの世界に戻ることはできなかった。
当時カーボンモノコックを採用していたのはマクラーレンだけだった。



その時点でポイントリーダーだったにもかかわらず、
この大事故でピローニはドライバー生命を絶たれることになる。
その後ピローニがレーシングマシンでレースに出ることはなかった。
(F-1マシンのテストは何度かしていた)
それでもスピードに対する情熱は衰えることはなかったらしく、
数年後AUTO-SPORT誌の片隅にピローニがパワーボートレースに転向したというニュースがあった。

しかし血塗られた運命はピローニを執拗に追いかけた。
パワーボートに転向した数ヵ月後、ピローニ最後のニュースは
「ピローニ、パワーボートで事故死」というものだった。

70~80年代の名門チームを渡り歩き、才能溢れるドライバーだったピローニ。
伝説となったヴィルヌーヴの影に隠れる存在だったかも知れないが
そのドライビングは紛れもなくトップクラスだった。
しかしこの人ほど波乱万丈の人生を歩んだ人もいないかも知れない。
ヘルメットのカラーリングと共に、私にとって忘れられないドライバーの一人である。
ブログ一覧 | F-1ドライバー列伝 | 日記
Posted at 2009/10/02 21:29:10

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この記事へのコメント

2009年10月3日 17:52
ども!!久々のコメントですが、よろしくお願いしま~す(^^)

リジェ。そして、"GITANES"のロゴ。実に懐かしいです。といいますのも、実は小学校6年生の時に、一生懸命貯めたお小遣いで買った、TAMIYAの本格的(だったと思う)電動ラジコンカーが、何を隠そう、リジェ・ジタンのF-1モデルでした。記憶では、"JS7"だったと思うのですが、定かではありません(^^;

"GITANES"のロゴが好きで、タバコ吸い出した時も、専売公社の直営店まで買いに行ったのも懐かしい思い出です。鈴鹿F-1の出店で買った"GITANES"の大きなステッカーをランタボのリアウィンドウに貼ってましたが、他に貼ってるクルマは見たことがなかったですね~。ま、三菱のクルマに貼るのもアレですが(^^;

今はタバコも吸いませんので、"GITANES"と接する機会も無くなりましたが、やっぱり印象的なロゴですね♪

ちなみに、せっかく買ったラジコンは、わずか1週間程でクラッシュ、サスペンションを大破してしてしまい、そのままお蔵入り、という忘れようにも忘れられないオチもあったりします(^^;
コメントへの返答
2009年10月3日 18:36
いやいやそんな他人行儀はよして下さいな。マニアックな日記にコメントありがとうございます。

このGITANESのロゴは後期型でありまして、79年まではもっと丸みのあるデザインでしたね。
リジェのラジコン!覚えてますよ!当時は何故成績不振のリジェをタミヤがモデル化したのか分かりませんでしたが、マニアックなクルマにも目を向けるタミヤらしい展開だったと思いますね。

私もGITANESのグラフィックデザインは好きです。女性ダンサーのシルエットになってるマークもカッコイイですね。でもタバコとしてはちょっと・・・。一時期コンビニでも買えるGITANESがあったのですが、やっぱり日本人には好まれなかったようで、姿を消してしまいましたね。
今ではタバコのスポンサードが禁止になってしまったので、カッコイイカラーリングが少なくなって残念です。

私もラジコンはよくやってました。どちらかというと走らせるよりもフルスクラッチでボディを作ることのほうが多かったですね。
傑作だったブラバムBT49ピケ仕様はリターンライダーさん同様、レースでクラッシュしちゃいました。
2009年10月3日 19:45
>ルノーに加入する前から決まっていたらしく
アロンソのフェラーリ入りの一報を聞いた時に「やっとかぁ~」
と思いました(笑)

でも実はルノー時代に既に密約・・・というのには驚きました。
そして今回のピロー二の件も。

もしもあの大事故がなかったら・・・フランス人初のチャンピオン
も夢ではなかったという話は本当に悔やまれる話です。

80年代のF1マシンはカッコいいっす♪
コメントへの返答
2009年10月3日 19:54
どうも人材不足というか役者が足りない今のF-1ではアロンソのフェラーリ入りは妥当なセンですよね。押し出されたライコネンはやっぱり引退でしょうかね?

フェラーリはそのあたり、抜け目ないですよ(^^;
某国のプロ野球球団のようでもありまして・・・。
ピローニの件はアロンソと背景が違うので驚きです。
プロストがタイトルを獲るまでフランス人は呪われたとしか言いようのない結果でしたからね。
その分プロストが3回も獲りましたが、あとが続かない状況です。

この時代のF-1はホントにカッコイイです。
個人的にはフロントウイング無しのマシンが好きなのですよ(^^)

プロフィール

「@ぼうんのう さん、バッテリーとエアコンまでやれば、走り出してすぐに効果を体感できますよ(^^)」
何シテル?   06/04 11:05
アルファ156 2.5V6で走ってます。 家内用にGTV3.0V6。
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