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2017年03月09日

ブラバムBT48というマシン

ブラバムBT48というマシン  昨年、156Bを作るにあたってカラーリングも若干の変更を施した。
それまでの156に比べて、デザインにも時間をかけ、ロゴも丁寧に製作した。
そしてそれは、何もかにも急造の「やっつけ仕事」だった前回の156では実現できなかったことができたということにもなった。

 自分がもっとも好きなF1マシン、ブラバムBT48のイメージにすることができた。

そんなわけで、いつかは書いてみたいと思っていたこと。
歴代のF1でもっとも好きなマシン、ブラバムBT48について書いてみようと思う。

 私がこのマシンを好きなのはいくつかの理由がある。
まずラウダがドライブしたこと。そしてアルファロメオエンジンであること。
ただ、最近になって思うのだが、こと「美しさ」という点では先代のBT46のほうに軍配が上がる。
それでもやはりこのBT48に魅力を感じる。

 それにはこの写真をご覧いただきたい。

 ド迫力のリアビュー!
鬼才ゴードン マレーがウイングカー時代に突入した1979シーズンへの回答が
この強烈なフォルムを持ったBT48だった。
リアウイングの位置が極端に低く、マシン全体を「一枚の翼」と考えたことがうかがえる。
同時期のロータス80同様、グランドエフェクトを最大限に突き詰めた
攻めに攻めたデザインである。
先代のBT46のようなエレガントさはないが、迫力や凄みのあるフォルムが
このBT48の最大の魅力だった。

 そしてエンジンはこのウイングカーのために新設計されたV12(60度)。


「アルファV12の前ではターボは小者に見えてしまう。」とラウダに言わしめたエンジン。
スペックはともかく、この風貌だけでも芸術的なエンジンだと思えてならない。

 しかしこのBT48、周囲の期待とは裏腹に
デビューは実に悲惨なものだった。
開幕戦のアルゼンチンGPでは、なんとラウダが危うく予選落ちするところだった。(26台中23位!)
調べてみると前年BT46で走った予選タイムよりも遅いものだった。
当時AUTO‐SPORT誌を読んでガッカリしたことは、今でも鮮明に覚えている。

 結果としてこのシーズンはラウダのキャリアの中でも惨憺たるもので、
優勝はおろか表彰台にも届かず、リタイアの連続だった。
ラウダとフルシーズンデビューのピケと合わせて完走はわずかに6回(ピケ4回、ラウダ2回)、
最高位は両ドライバー共に4位。(予選はピケの3位)

 完走が6回では話にならない。
そんなわけで、このマシンは私の中で「好きだけど遅いマシン」という認識だった。

 しかし、本当にそうなのか・・・
世の中が’79年当時に比べて驚くほど便利になった今、
そのことを今一度調べてみることにした。
そう、数字やリザルトには表れない、その走りの「内容」はどんなものだったのか。
 
 するとこれまでとは違った見方ができることになった。
確かに開幕直後は悲惨だったが、そこはさすがG、マレー率いるブラバムチーム。
すぐさま対策が施され、第3戦の南アフリカGPでは予選4位につけている。
そしてYouTubeで観た第5戦のスペインGPでは予選6番手からスタートし、
終盤この年のチャンピオンになるフェラーリのJ,シェクターをかわし
3位にポジションアップしていた。
しかしその直後、残り12周というところでエンジントラブルでリタイアしている。

 第7戦のモナコGPでもラウダは4番グリッドを獲得。
中盤までフェラーリ2台には離されるが、
リジェやウイリアムズを抑えて3位を走行していた。
しかし当時なかなか荒っぽい運転と言われていたティレルのD,ピローニに
1コーナーで追突されレースを終えている。

 その後も予選ではラウダ、ピケ共にコンスタントに10位以内、
シングルグリッドを獲得している。

 このブラバムBT48アルファロメオというマシン、
言われているような「失敗作」ではないし、決して遅いマシンでもなかった。
現にノンタイトルレースではあるが、
イモラ行われたレースではこの年のチャンピオンとなるフェラーリを追い上げ
ラウダは見事優勝を飾っている。

ただ、残念ながらその時代ゆえか信頼性に乏しく、
レースディスタンスではその性能を発揮できなかったということか。



 ゴードン マレーの手による前衛的な攻めのデザイン、
そしてアルファロメオが作ったV12エンジンという贅沢な組み合わせ。
ラウダとピケという、その名を歴史に残す名ドライバー二人がステアリングを握ったBT48。
そのカラーリングも、シンプルかつセンスに溢れた美しいものだ。

こんなマシンに魅力がないわけがない。

 そんなわけで、自分にとってあこがれの1979年仕様をモチーフに
2017バージョンを作っている。
なにもラウダの戦績の芳しくなかった’79年にしなくても良さそうだが、
自分がレースをやっているのはタイムのためでもなければ順位のためでもない。
「楽しむ」などという安っぽい言葉ではなく、
10代のころからずっと心の中にある憧れや想いといったものを具現化することに
私は時間、労力、金といったものを使う。

 そしてこんな素晴らしい遊びができることに
この上ない幸せを感じるのである。
ブログ一覧 | 70~80年代F-1 | 日記
Posted at 2017/03/09 22:15:39

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この記事へのコメント

2017年3月10日 4:35
そそ、草なんだから楽しいコトが第1っスね。
その先で、速い遅いはアリなんかと。
オラはファンカーだなぁ〜ヤッパリ。
ギミック好きなモンで(爆)
コメントへの返答
2017年3月11日 0:52
自分のスタンスを見失いがちだったので、今一度「らしく」いくことにします(^^)
でもやっぱり、速い遅いも気にするのも間違いないですね。
おっしゃること、よ~く分かります!
ギミックこそ、この世界の醍醐味!
情熱から生まれる発想に、たまらない魅力を感じますね!
でも、ファンカーってけっこう理論に裏付けされていて、奇想天外な割には企画倒れじゃなくて速いし美しい!私もかなりツボな一台です。
2017年3月11日 0:57
コメント失礼いたします 。

70年代半ばから80年代初期にかけての特にグラウンドエフェクトカー 全盛時代は そのアイデアがうまくいくのかは実際に形にして走らせてみないとわからない面も多く最初の発表時とシーズン末期では大きくデザインが変わってしまうことも多かったですね 。 自分も ブラバム や ロータス ・ ティレル P34 等実戦を通じて変更されていった後よりも発表時の形状のほうに印象が残っているモデルが数多く有ります 。

この当時サイドポッド部を主としたボディ部で十分ダウンフォースが得られれば同時にドラッグ も生んでしまう前後ウイングは不要 とばかりに ウイングレスや小型化 ・ 整流を目的とした フラップ 形状 等が有りましたが 最終的には ほぼ どのチーム もコンベンショナル なタイプ に戻ってしまっていた ・・・ のが皮肉にも感じるところでした 。
コメントへの返答
2017年3月11日 14:44
ありがとうございます!

そこなんですよね。風洞実験がまだメジャーではなかった時代ですからね。発表時の奇想天外なデザインが、いつの間にか普通になってたりしましたね。おっしゃるとおり、私もBT48はローンチエディションと言われる、ローウイング仕様がもっとも好きです。今のF-1もどうせレギュレーションが変わるなら、思いっきりリアウイングの高さを低くすればいいのに・・・なんて思ってました(^^)

結局、空力というのはツメ過ぎると「過ぎたるは及ばざるが如し」で、逆効果だったようですね。ご存じと思いますが、もっとも空力をツメたロータス80は飛行機だったら墜落する、と言われたほど空力を追及し過ぎたようです。アンドレッティとロイテマン曰く「タイヤが四角化する」と感じるほどポーポシングがひどかったらしいです。しかしこういった不確定な部分もまた、当時のF-1の魅力だったようにも思えますね。

プロフィール

「@ぼうんのう さん、バッテリーとエアコンまでやれば、走り出してすぐに効果を体感できますよ(^^)」
何シテル?   06/04 11:05
アルファ156 2.5V6で走ってます。 家内用にGTV3.0V6。
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