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イイね!
2022年02月27日

想像してみる

想像してみる  なんとも憂鬱な日々が続く。
巷に流れるニュースはなかなか明るい話題がないけれど、そこにとどめを刺すかのようにロシアのウクライナ侵攻である。

 私が若いころにはこういった軍事衝突はいくつもあった。
子どもの頃は「第3次世界大戦」という言葉は流通していたし、米ソ冷戦時代の真っ只中だった。
考えてみれば、自分が生まれたのは第2次世界が終わって20年ほどしか経っていなかったのだから、まだまだ戦争の「キナ臭さ」が残っていたのだろう。
 
 しかしまさかこの21世紀に、まるで19世紀のような軍事侵攻が起こるとは。
既に多くの人の命が失われているこの事態を、
一体誰が歓迎し、一体誰が喜び、一体どういう未来があるというのだろうか。
双方に主張があるのは、ある程度理解できる。
しかし、いかなる理由があるにせよ、暴力で解決する手段には賛成できない。

 私は左寄りの人間だ。
いかなる理由があっても戦争は反対の立場だし、核保有も迷わず反対する。

 さて、みんカラの本来的な使い方をしよう。
ニキ ラウダがF1に復帰した1982年、フォークランド戦争が勃発した。
我が国ではフォークランド「紛争」と表記していたが、
世界的には「フォークランド戦争」と言われている。
大西洋のフォークランド諸島の領有権をめぐり、
イギリスとアルゼンチンが軍事衝突した戦争だった。

当時、このフォークランド紛争の最中、静かにGPを去ったドライバーがいる。
カルロス ロイテマンである。



GP出場146戦、優勝12回、ランキング最高位2位(’81年)
ブラバム、フェラーリ、ロータス、ウイリアムズと、トップチームを渡り歩いた。
私のような古いF1ファンにしてみれば、チャンピオンにならなかったのが
不思議なくらいの実力派だった。
このロイテマン、フォークランド戦争前年の81年、
ブラバムのネルソン ピケと最終戦までもつれ込むタイトル争いを繰り広げた。
しかし僅か1ポイントでタイトルを逃すことに。
翌年もウイリアムズに残り、この年からアラン ジョーンズに替って加入した、
ケケ ロズベルグと組むことになった。

 開幕戦の南アフリカGPでは、2位表彰台と順調なスタート。
ところが第2戦のブラジルGP(リタイア)を終えたところで、
呆気なく引退を表明しGPサーカスから姿を消した。
ウイリアムズはイギリスのチーム。
そしてロイテマンはアルゼンチン出身である。

 このロイテマンの引退についてウイリアムズのパトリック ヘッドなどは
フォークランド戦争が理由ということに懐疑的なコメントをしているが、
私は理由の一つであることは間違いないと思っている。
確かにウイリアムズというチーム内でロイテマンは
決して「うまくいっていた」とは言えなかった。
現にロイテマンが81年のタイトル争いをしていた当時、
AUTO-SPORT誌のインタビュー記事には
「フェラーリを離れたのはミステイクだった。
~中略~ 最近、私は一人のことが多く、少し寂しい。」と語っている。
お世辞にも社交的とは言えない性格から、
チーム内で孤立していたのはいくつかの記事に残っている。

 皮肉なことに、ロイテマンが開幕から僅か2戦でチームを離れたこの年、
ウイリアムズのロズベルグはF1史上稀に見る混戦を制しチャンピオンとなる。
フォークランド戦争など起こらずに、ロイテマンがウイリアムズに残っていたら。
そう思わずにいられなかった。

 フォークランド戦争から約10年後、
イギリスとアルゼンチンは国交を回復させた。
しかし、今なお両国はフォークランドの領有権については主張を変えていない。
アルゼンチン兵の遺骨の問題も未解決のままだという。
死して尚、自分の家に帰ることはおろか、国境も越えられない人がいる。

 今の世の中、戦争にしても感染症にしても数字だけで語られてしまう気がする。
何人死んで、何人感染して、何人助かった。
確かに事態を把握する上で数字は重要だ。
ただ、数字に表れないことから目を背けてはならないだろうと思う。
感染した人の生活はどう変わったのか。
感染せずとも、このコロナ感染で変わってしまった今の社会でどんな影響を受けたのか。
爆撃を受け負傷した人、財産を失った人、人としての尊厳を踏みつけられた人。
命を失った人、大切な人を失った人。

 平和な国に住み、パソコンの前にいる私には何もできないけれど、
ただ一つできることはある。
それは想像することだ。

数字には表れない、痛みを感じている人たちのことを想像してみることだ。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2022/02/27 20:54:40

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この記事へのコメント

2022年2月27日 21:20
つい先週くらいまでは、露の報道官が「侵攻するのはいつ?
その時に私は休暇を取る」なんて言ってたのに??

日ごとに変わる情勢というか情報もどれが真実でフェイクか
わからなくなってますよね。

1年後の今頃はどうなってるのか不安です。
コメントへの返答
2022年2月27日 21:31
結局のところ、戦争というのは「嘘と暴力」ですから、その国の報道官は信用しちゃいけないということなんでしょうね。
日ごとに情勢は変わりますが、今の時代さまざまなソースから情報が出されるので、そこから自分の目と頭で判断することになりますね。

1年後には落ち着いてくれればいいのですが・・・。
2022年2月28日 8:30
ウクライナという国は、地政学上悲惨な歴史を歩んで来ており、今回またそれに1ページが加えられてしまった訳です。
ロシアというかプーチンの権力を固持したい、またそれが崩れたときには自らが殺されるその運命故にこのようなことが起きてしまったのだと考えられます。
いずれにせよ我々は軍事衝突以外のいかなる方法でこの侵略戦争を止めねばなりません。資源国で軍事力のあるところだけ画生き残れるような戦前の世の中に戻してはなりません。私はHataさんはと逆の右寄りですが、世界が平和で繁栄出来ればと思うことは普遍的な概念で、100%賛同致します。
コメントへの返答
2022年2月28日 20:21
まずは、本当にありがとうございます。お猿さんのように自らはっきりと「右寄り」と意思表示をしてくれる方が、お考えを述べてくれることに感謝です。結局のところ「軍事衝突以外のいかなる方法でこの侵略戦争を止めねば」「資源国で軍事力のあるところだけが生き残れるような戦前の世の中に戻してはならない」という考えは、右左関係ない「普遍的な概念」であるべきだと思うのです。それが、著名人をはじめとする影響力のある人たちが安易に軍事衝突もやむを得ないかのような表現をすることに危惧を感じます。
話は前後しますが、お猿さんの冒頭の解説は、この件が戦前どころか19世紀以前の状況のようだと痛感します。「人類が戦争をやめなければ、戦争が人類を滅ぼしてしまう」というJFケネディの言葉を思いだします。
2022年3月4日 5:40
私も、Hataさん同様、東西冷戦を間近に見て(感じて)育ち、その脅威(恐怖)は忘れていません。

そんなこともあってか、所詮は齧った程度ですが、自分なりに、ほぼ均等に左右と古今東西の紛争を学んでみて、結局「力なき正義」は踏みにじられるという、冷酷で矛盾に満ちた事実が横たわる人類史に愕然とするばかりです。21世紀になったって、1ミリも変わらないんだなぁ、と(嘆)

なんだかんだ、概ね20ケ国程度の知人友人と接してみて実感したのは、陸続きの地に住む人々が持つ危機感は長い歴史に基づく肌感覚なんだなぁ、ということでした。

「抑止力」のみが互いの自制を促すという現実に沿えば、脅威には脅威、が必要なんだと痛感しています。

軍備は自衛も侵略も可能ならしめますが、自主独立を確立(防衛)するための必須な事項だという考えは、世界を見れば、その左右を問いません。ただ、それは厳然として「防衛」のためのものであるべきで、さもなくば、人類は一体何を過去から学んだというんでしょうか。

他方で、抑止力を抑止力ならしめているのは、敵対する互いが「合理的判断」を理解、共有する奇妙な信頼関係に基づくという、なんとも曖昧で矛盾した、不安で不確かな現実。

そこを思えば、確かに「核全廃」が理想であり、その進展に期待したいところですが・・・。

今回、かつてないレベルの経済制裁を中心に様々な方策が取られていますが、平和的解決、あるいは「有事を未然に防ぐ手法」として期待されますよね。未来のためにも、ここで人類の英知を絞り出さねば。

「武器よさらば」と言える日は、未来は、果たして人類に訪れるんでしょうか・・・。

長文(なるべく簡潔にと思いましたが・・・汗)駄文、誠に失礼しました。
コメントへの返答
2022年3月4日 20:25
やはりそうですか!?私も子供の頃は親が戦争の話をよくしていたものですから、「戦争が起きたら怖いな~」と本気で思ってました。
「力なき正義」は踏みにじられるというのは、人類の歴史が証明しているのでしょうけれど、そこから新しい価値観が生まれるのはまだまだ先ということなのでしょうかね?
海に囲まれ、鎖国という特殊な歴史を歩んできた我が国と、陸続きの国々とは文化が違いますね。人種の問題もまたしかりで、おっしゃるように根本的に「肌感覚」が違うのでしょうね。
人類が過去から学んでいるという事実は、第2次大戦から今日に至るまで多少はあると思います。「抑止力」や「脅威には脅威」という発想は、いずれ過去のものになるんじゃないかと私は思っています。一旦豊かになった人類が国のために命はおろか、豊かな生活を手放すとは思えないのですよ。結局のところ、抑止力だ脅威だと言ってるのは権力にしがみつきたい連中だけのように思います。

「核廃絶」は難しいと思います。なぜなら廃絶するにはハードルがあり過ぎるからです。原子力発電所だって、一旦作ったら廃炉にしたとしても未来永劫面倒を見なくちゃいけませんから。そう考えると、100年後には核兵器は単なる危険な金食い虫になる気がします。

SNSの発達により、戦争が過去とは違ったものになることは、今回の件で明確になりましたね。権力者が都合のイイように情報操作することは困難になり、権力者が捏造した正義も存在しなくなりました。もはや誰も「欲しがりません。勝つまでは」なんて言わなくなります。今回の件を国際情勢に詳しい職場の同僚に聞いたところ「欧米がプーチンの暴走を止めることはできないが、市民運動のような国内の不満からこの侵攻が止まる可能性が高い。」と言ってました。
「武器よさらば」という日が来るかは分かりませんが、武器よりも魅力的なモノやコトが溢れた近代社会で、誰が武器をとるのだろうか?と思います。
ロシアではクレジットカードが使えない、住宅ローンの金利が爆上がり等々・・・さまざまな戦争の影響が出ているそうですね。

平和や豊かさを知った人類が戦わなければならないのは、感染症や世界規模の格差などではないかと思う次第です。

2022年3月5日 16:59
いや、ホントに冷戦時代は怖かったですよね。まさか、あの時代に逆戻りな時が来るなんて・・・(涙)

と言いますか、連投スミマセン(汗)・・・。これにて、と思っておりますので、しばしのご容赦をm(_ _)m

英語学習に励んだ頃の名残で、CNBCやCNN、BBC、ついでに(?)TV5 MONDE(仏)を視聴していますが、その映像は、国内メディアとは一線を画した、より詳細な現地の惨状、人々の憤怒と悲壮を語る肉声をダイレクトに伝えるもので、ジャーナリストが被弾する映像もあり、戦場の残酷さ、苛烈さを痛感します。

リベラルとされるCNNでも、コーエン元国防長官(だったかな?)などが今後の厳しい攻撃(無差別空爆、包囲、兵糧攻め=レニングラード包囲戦に例えていました)を予測し、米国民に、自由世界に迫る危機の共有と、断固として対峙する覚悟を求める姿を放映するなど、当事者感のある強い危機感が漂ってきました。まぁ、これは観測気球の意味合いもあるとは思いますが。

強力な経済制裁は効果的で、内部崩壊も有り得えるものの「即効性」に欠けるため、上記の厳しい状況を鑑みれば、その間の犠牲者数は果たして・・・。そして、無いとは言い切れない我が国への侵略に当てはめると、冷戦を超える恐怖を覚えます。

それが故に「抑止力」に期待するのですが・・・「ある種の強固な信念に囚われた人物に合理性は期待できない」現実を突きつけられ、国連はもとより(嘆)、経済制裁も、核ですら(!)、真の意味での抑止力を発揮できないという事態に喪失感を覚えます。

仰るとおり「人類が戦うべきは、感染症や世界規模の格差」なんですが・・・。

とりあえず、せめて核兵器だけは、万が一の、宇宙からの巨大隕石や侵略者(?)向けにしてもらえませんかねぇ??

私も、Hataさんの言う「新しい価値観」が、いずれ生まれ、共有されることに、それが「間に合う」ことに期待したいと思います。

連投、長文お付き合いいただき有難うございましたm(_ _)m
コメントへの返答
2022年3月5日 17:23
連投、長文大歓迎です!(^^)
そうなんですよね、知れば知るほどコレ、ほとんど冷戦時代への逆戻りのような印象ですよね。

奇遇ですが、最近私が読んだ解説で、重要なニュースほど英語で発信されており、日本語の報道は信頼できないどころか害悪でさえあるとありました。かなり厳しい表現ですが、そう言い切るということはリターンライダーさんのように直接海外の報道に触れているからではないかと思います。やはりメディアの温度が違うと思います。

今後の展開という点でも、英BBCと米のメディアあたりでは見方がまったく異なる点も興味深いです。思うにコーエン氏のように国防の実績がある人が筋道を立てて解説、今後の予想を語ることは意義のあることだと思います。我が国のように報道とバラエティーの境界線もないような姿勢は、情報事態の信ぴょう性が極めて低いと言わざるを得ません。

コメントお読みして、ちょっとゾッとしたのが「「ある種の強固な信念に囚われた人物に合理性は期待できない」というところです。プーチンが追い詰められているという報道も散見されますが、もしそうだとすれば最後の最後に押してはならないボタンを押すのではないか?ということです。これに関しては、ボタンを押すプーチンを止められる誰かがいるかいないかで識者によって見解が分かれています。今はただただ、戦争によって発生するすべての不幸な出来事を想像し、戦争をいかなる理由があっても肯定しない声を上げていこうと思っています。

核兵器が対隕石や対地球外生命体だとすれば、なんとか使い道になりそうですね。映画「インディペンデンスデイ」みたいな感じでしょうかね?でもヤダな~あんなのが地球を攻めてきたら・・・(^^;
以前、漫画で「宇宙から地球を見ると、人種も国も関係なくひとつの地球として愛情が湧いてくる」というセリフがありました。某有名人も宇宙から帰って来て同じようなことを言ってましたね。

プロフィール

「@ぼうんのう さん、バッテリーとエアコンまでやれば、走り出してすぐに効果を体感できますよ(^^)」
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