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　長い間ずっと探していたモノが手に入った。
ディアドラのレーシングシューズである。
中古ではあるが、何回使ったのかと思わせるほど良好なコンディションのモノだった。

　ご存じの方も多いと思うが、このディアドラのレーシングシューズ、既に廃盤になってしまったものである。ディアドラというメーカーとその背景、デザイン、そして80～90年代のF-1ドライバーたちが愛用していたということもあり、ずっと欲しいと思っていた。

　しかし残念ながらメーカーがモータースポーツ部門から撤退したらしく、新品はおろか中古もなかなか見つからなかった。
　ネットを駆使して世界中を探せば、ないこともないのだがサイズが合わなかったり、色やモデルが好みでなかったりする。
　それが今回、国内で発見できたのだからラッキーだ。


　内装は鮮やかなオレンジ。
生地はレーシングスーツ等に使用されているノーメックスというのが、手触りで分かる。
Made in ITALYの表記に嬉しくなる。
　

　感動したのがコチラ。
ヒール＆トゥがしやすいように、右足だけ側面部分までラバーが回り込んでいる。
アルファロメオの右ハンドルはペダルの間隔がかなり狭いが、
慣れればこれは間違いなくヒール＆トゥがしやすくなるだろう。


　さて、ディアドラといえば、あのアイルトン‐セナが使っていたことでも有名だが、
やっぱり知名度という点ではこの人ではないだろうか。

『イタリアの至宝』と言われた男、ロベルト‐バッジョだ。
以前、ディアドラのスニーカーを履いていたら職場の若い人に声をかけられた。
「ディアドラ！懐かしいっすね～！バッジョが全盛の頃はけっこう流行ったんですけどね」

　どうやらロベルト‐バッジョが引退してからというもの、
サッカーの世界でもディアドラはかつてのような勢いはないらしい。
調べてみたが、ナイキやアディダス、プーマ等に押され
専属契約しているメジャー選手もほんの僅かなようだ。

　それでもファッションの世界では、ディアドラは元気だ。
日本のLEON誌などでもよく登場するし、BEAMS等のセレクトショップでは店頭に並んでいる。
今ではどちらかというと、スタイリッシュなイタリア製スニーカーというほうが
ディアドラのキャラクターになっているのかも知れない。

　しかし、冒頭でも述べたように、80～90年代のモータースポーツシーンでは
ディアドラはメジャーな存在だった。
F-1ドライバーの足元まで写っている写真というのがあまり見当たらなかったが
面白い写真がいくつかあった。

　マクラーレン時代のラウダとプロスト。
恐らく1984年か85年のものと思われる。
二人ともディアドラを履いているではないか！

そしてこちら・・・

　90年代前半、無敵を誇ったウイリアムズのナイジェル‐マンセルとリカルド‐パトレーゼ。
92年当時の写真だろうか。
イタリア人のパトレーゼはディアドラを履いているが、マンセルは違うようだ。
恐らくマンセルはフェラーリ在籍当時から契約していたOMPを着用していたのだろうか・・・。

　さらに興味深い写真も見つかった。

　ウイリアムズホンダ時代のケケ‐ロズベルグとナイジェル‐マンセルである。
なんともキャラの濃い二人であるが、足元にご注目。
コレはアディダスのMONZAというモデルと思われる。
このモデルは恐らくディアドラよりもメジャーで、
70年代から多くのドライバー達が愛用したらしい。
コレもディアドラ同様、探せば手に入らないこともないが、
いかんせん古いモノなのでそれなりに覚悟は必要だろう。
しかし、もし復刻版なんかが登場したら考えてしまう。

　そして最後にもう１枚。

　向かって右側、ミハエル‐シューマッハの足元をご覧いただきたい。
このラインは、なんとランバード！すなわち日本のミズノである。
シューマッハがミズノのレーシングシューズを愛用していたなんて知らなかった。
思えば、アイルトン‐セナもディアドラのあとはミズノ製を愛用していた。
調べてはいないが、今でもミズノはレーシングシューズを作っているのだろうか・・・・。

　さて、今回のレーシングシューズ購入、
実は来シーズンに向けてのこととなった。
というのも、今後の日程や諸条件を考慮すると、
今シーズンは終了という判断をすることにした。
もう少し走りたかったが、今年の天候を考えるとやむを得ない。
それなら来年に向けてオフを楽しもうと思っている。

　去年はイチからクルマを作るような状況だったので
けっこう苦しい場面もあったが、今年は違う。
オフはじっくり来シーズンの準備ができる。
さて、次は何をしようか・・・・。