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　昨日、十勝スピードウェイの年間表彰式＆忘年会が札幌市内で開催された。
忘年会も兼ねているあたりが、「表彰対象でない方々もウエルカム」というスタンスが感じられてイイ。

　今回は昨年と会場が変わり、自宅から徒歩で行けるのがありがたい。
さらに今年の会場であるホテルニューオータニインの食事が素晴らしかった。
バイキング方式でホテルの料理がいただけるのは嬉しい。
寿司などはその場で職人さんが握ってくれる！
美味しい料理に舌鼓を打ちながら、楽しい時間は過ぎていった。

　私はNew Hokkaido GT SriesとEuro&World Cupのふたつで表彰していただいた。
好きでやっているというだけで、こんな立派な楯をいただけるのだから
関係各位には感謝しなくてはいけない。

　いろんな方々とお話していると、自然と「今年はどうだった」「来年はどうする？」という話題になる。
そうやって人と話しているうちに、自分の考えに微調整みたいなことをしているのも確か。
このオフに私がやろうとしている内容も、いろんな人たちからヒントをもらったことだ。
ただ、根本的な部分は、レースを始めたころからほとんど変わっていない。

　私は好きでレース、サーキット走行をやっている。
それは誰のためでもない、自分のためだ。
そしてそのことは、自分の趣味趣向の上に成り立っている。

サーキット走行はスポーツだ。
スポーツである以上、勝つか負けるかの二つであり、それ以外はない。
しかし、その二つで割り切れないのが人生だ。

　物事は人生単位で考えたほうがいい。

　勝ち負けが正義であるなら、やるべきことはいたってシンプルだ。
タイムが絶対であり、順位は何よりも優先されるべきだ。
その考えに異論はないし、そういうスタンスで取り組んでいる人を私は心から尊敬する。

　ただ、私はそうではないというだけだ。

　私は相当に頑固で偏屈な人間であることを自覚しているが、
他人の価値観を認めないほど偏屈ではないし、
自分のスタンスを他人に押し付けるほど頑固でもない。

私は自分の中にある「好み」だけで走っているようなものだ。
人生の中では自分の好み通りにいかないことなどゴマンとある。
一日三食たべて、毎日自分の好み通りになることだってなかなか難しい。
まあ、食事に関しては好き嫌いのないほうなので、この点は自分は幸せだが・・・。
しかしながら、日々の生活の中で真っすぐに自分の「好み」を押し通せる場面など、
ほとんどないと言えるのではないだろうか。

　だからこそ、趣味でやってるサーキット走行は
自分の「好み」を最優先することにしている。

　具体的に言えば、自分の趣味趣向から外れたことをやってタイムが出たとしても嬉しくないし、
上位に入賞したとしても素直には喜べない。

　使える手段はなんでも使って、タイムを削ったり上位入賞を目指そうとは思っていない。　

そういう考えならアルファロメオ156なんていう
まったくもってサーキットに不向きなクルマは選んでいない。
重く、しかも極端なフロントへヴィー、ボディ剛性は低く、
全体的な信頼性は言うに及ばず・・・。
じゃあ、なんでそんなクルマを選んだの？と聞かれそうだが、
その答えは単純なものだ。

　アルファロメオというブランドが好きなだけだ。

　19年前、145を新車で購入したときは、あまりそんなことは思わなかったけれど、
今ではその思いがゆるぎないものになった。
そして幸いなことに、歴史的なブランド力と別として
90年代のアルファロメオは私にとって分相応なクルマだ。

　言い方を変えれば、好きなクルマで
自分が十代のころに憧れたF-1マシンのカラーリングを纏ってサーキットを走れるなら
こんなに幸せなことはない。
しかもシリーズで参戦できるレースまであるのだから。

　タイムや順位はオマケみたいなもの。
来年の目標はと問われれば、「できるだけたくさん走りたい」に尽きる。
そうなるとオフのメニューも、そのことを基本に考えることになる。
一発の高性能よりも、少し長く使えるほうがいい・・・等々。

　もちろん私にだって目標タイムはあるし、
ライバル視している車種やドライバーだっている。
ただ、そこに執着するのではなくトータルでサーキット趣味、クルマ遊びを考えている。
物事はやはりトータルで、人生単位で考えたほうがいい。
誰のものでもない、自分の人生なのだから。