2014年11月24日
昨日のアブダビGPで2014シーズンのF-1チャンピオンが決まった。
珍しく翌日の月曜が祝日ということもあり、最後までTVでレースを観た。
既にご存じの方々には説明不要だが、今年のF-1は「最終戦ダブルポイント制」が導入された。
まるでどこかの国のクイズ番組のような話だが、
そのおかげで(?)、17ポイント差という、
例年なら最終戦を待たずしてタイトルが決まるポイント差でも逆転の可能性は残った。
さて、果たしてこのダブルポイント制が、
ルイス‐ハミルトンとニコ‐ロズベルグのタイトル争いに影響するのか?
どちらがチャンピオンになるのかという興味より、
そちらへの関心のほうが強くなってしまった。
しかし、結果的にはドラマも何もない結末となった。
ロズベルグのマシンにトラブルが発生した点については少々後味の悪さはあるが、
これが逆だったら世界中のF-1ファンが白けただろう。
シーズンを通して、確かにロズベルグは予選の速さが際立っていたが
勝負どころでは反対にハミルトンの強さが光った。
勝利数でいっても、やはりハミルトンがチャンピオンにふさわしいと思う。
’Ohhhhhhh! World champion!!!!’とヘルメットの中で絶叫したハミルトンの声に
F-1ドライバーにとってのチャンピオンの価値というものがよく分かった。
でも、この感動の少なさはなんだろう。
なんだか若い人達にケチをつける年寄りみたいでイヤなのだが
それが正直な感想なのだ。
私は今のF-1に、かつてのような魅力は感じていない。
しかしそれは時代の流れと共にやむを得ないことであり、
イチイチ「昔はよかった」などと言うつもりもない。
しかし、歴史的に見ても特筆するほど大きくレギュレーションが変わった今シーズン。
以前にもましてハッキリと分かったことがある。
F-1はF-1というモータースポーツの最高峰にしかない魅力を
自ら放棄してしまっている。
別の言い方をすれば、ある意味「第三者」のような人間が
スポーツの純度が低いレギュレーションを作っていることに問題がある。
競争でありながら、それは作られた競争でしかない。
野球において9回に入った得点だけ倍になるというルールがあったらどうだろう?
サッカーで終了5分前のゴールは2点になるとしたら?
それで勝敗が決まって誰が納得するだろうか。
それだけではない。
DRSシステムも極めて「作られた競争」のひとつになっている。
そもそも「空力パーツは可動してならない」と決められていた(安全のため)のに
姑息な演出のためにはOKにするのも理解に苦しむ。
メーカーやチームは自分たちの利益、すなわち自分たちが有利なレギュレーションを支持する。
それは今も昔も変わらない。
その上でFIAがルールを作ればいい。
ところが今はTV放映権、つまりTVにかかわる利権がF-1に莫大な利益をもたらすものだから
エンターテイメントとしてみんながテレビを観ることを第一に運営がなされている。
毎年タイトル争いが最終戦までもつれることを誰もが望んでいるのか?
かつてのセナやシューマッハのような「常勝」は許されないのか?
それは違うだろう。
競争としてまっとうなルールの上で競い合い、
その上で誰かが圧倒することがあるのは歴史が物語っている。
そしてこの世界ではそれが長きに渡って続かないことも。
ファンが観たいのはいびつな規則で縛られたマシンや
不可解なルールの中でのレースではない。
1979年7月9日 ディジョンブレノアサーキットで行われたフランスGPである。
この日は長いF-1の歴史に永遠に刻まれる日となった。
F-1において、ターボ車が初めてトップチェッカーを受けた。
しかし、この日、もうひとつ歴史に残る出来事があった。
ジル‐ヴィルヌーヴVSルネ‐アルヌーのバトルである。
当時のAUTO-SPORT誌にはこう書かれていた。
「この二人の素晴らしいファイトは後世に語り継がれるだろう」
当時のフェラーリとルノー。
まったく性格の異なるエンジンであることも興味深い。
フェラーリは3リッターフラット12、
一方でルノーは1.5リッターV6ターボ。
今となってはこの時代は単なるノスタルジーなのだろうか。
いや、あの当時と同じようなF-1なる必要はないけれど、
モータースポーツの頂点がなんたるかは
やはり歴史に学ぶべきではないだろうか。
F-1が向かうべき道は、その長い歴史の中にある。
Posted at 2014/11/24 12:26:49 | |
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2014年11月22日
ずいぶんと長い間ブログを更新していなかった。
前回がNHGTの最終戦だったから、もう一カ月以上のご無沙汰である。
いつもの年ならNHGT最終戦でシーズン終了となるのだが、
今年はそのあとも「もう一回くらいどこかで走りたい」という思いが強く
Euro&World Cupの最終戦あたりにエントリーしようかと考えていた。
しかし思った以上に公私共に忙しく、なかなか調整がつかなかった。
そして気がつけば11月も下旬。
タイムアウト、シーズン終了である。
とはいえ、序盤は色々トラブルもあって思うように走れなかったが
NHGT最終戦でベストを更新するなど「良いカタチ」でシーズンを終われたのだから
ここは良しとすべきだろう。
シーズン序盤のトラブル続発はけっこう深刻で、
さらにそのトラブルが解消されても
今度は大型補強の影響でクルマの性格が激変するなど難しいレースが続いた。
エンジニアリング的には間違ったことはしていないという自信はあったが
タイムを目の当たりにすると「ホントに以前と同じペースで走れるのか?」とも思った。
そして迎えたNHGT最終戦。
頭の中で走り方を整理し、ギクシャクしながらもそのイメージで走ったところ
1秒以上も遠のいていた自己ベストがあっさり出る。
さらに次の走行枠ではさらに0.4秒の更新。
正直、あのときはキツネにつままれたような心境だった。
しかし今は違う。
自分で考えて走り方を変え、それが結果に表れたのだから
これ以上嬉しいことはない。
来シーズンに向けて、そして目標タイムに向けて準備はできた。
ただ、オフの宿題は残ってしまった。
ブレーキラインに若干の不安がある。
実はベストを出したNHGT最終戦でもその症状は顕著だった。
1コーナーの進入で車体が暴れる。
200km/hからのフルブレーキングができない。
例の大型補強をした直後は驚きの安定感を体感できたが
補強する以前よりひどい状態になってしまった。
しかし順番に考えていくと、原因はおおよその見当がつく。
サスペンションアームは昨年セットで新調しているし、
ボディ剛性は例の大型補強で格段に上がっている。
そういうわけで疑わしい二つの原因は、かなりの確率で「シロ」である。
そうなると浮上してくるのがブレーキ周り。
主治医に話すと「フルードのエア噛みなど、まずは初歩的なところから疑ったほうがいいですよ」
とアドバイスをもらった。
というわけでオフから来年の春にかけては、その辺をチェックしていこうと思っている。
なにはともあれ無事にシーズンを終えることができた。
さて、長いオフは他に何をしてみようかな・・・・
Posted at 2014/11/22 11:53:14 | |
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