
先日のブログに書いたとおり、コレクタータンクを交換した際に発生した不具合。
アイドリングが激しく不安定で、ときどきパンッ!という爆発音みたいな音がする。
自身の作業を思い出しながら、アレコレ原因を考えていた。
こういうとき、アルファV6特有の症状、原因は考えられるにせよ、燃料が来ていないか火花が飛んでいないかのどちらかではないか?と思って準備することにした。
疑わしいのはインジェクター。
以前も書いたけれど、ひょっとしたら作業中に1~3番のインジェクター先端を傷めてしまったかも知れない。
そこでまずはインジェクターを取り外す。
しかし、残念ながら(?)これといった不具合は見当たらなかった。
ただ、それはあくまで目視によるもの。
実際に動かしてみないことには、本当のところは分からない。
そこでネットの情報を集め、自分でもインジェクターの作動状況をこの目で確かめることに。
一部の人たちによると、インジェクターを作動させるには1.5Vもあれば充分とのこと。
1.5Vといえば単3電池1本で事足りる。
それならと、外したインジェクターを手持ちの単3電池に繋いでみる。
ウンともスンとも言わない。
再度調べてみると、どうやらアルファに装着されているボッシュのインジェクターは、
9V以上でないと作動しないということが分かった。
そうなると筒形の電池では何本も繋がなければならず、作業が煩わしい。
四角形のタイプなら9Vのモノがあるので、そちらをチョイス。
そして作ったのがこちら・・・・
なんとも不細工である。
インジェクターと、注射器を繋ぐ適当なサイズのチューブがなかったため、
椅子用のラバーを加工して接続。
これでインジェクターが開いた状態にして、注射器でパーツクリーナーを充填してみることに。
結果として、2番と5番が若干「勢いがないかな?」という程度で、
明らかに作動不良というインジェクターはなかった。
そんな作業をしているうちに、ふと思いついたのが、
ここまでやったらいっそのことオーバーホールしたほうが・・・というもの。
こういう部品は海外のほうが圧倒的に見つけやすい。
送料を入れても3,000円チョイで買えるのが嬉しい。
英国から遠路はるばるご苦労様です。
インジェクターのOHはそれほど難しい作業ではない。
しかしいかんせんやったことのない作業の上に、
先端が極細のピンになっているのでちょっと神経を使う。
さらにフィルターがなかなか取り出し難い。
こんな感じでドリル状になったドライバーでグリグリやらないと外れてこない。
中にはこんな感じで、ほとんど破壊しないと外れないモノもあった。
ちなみにピントルキャップと呼ばれる先端のキャップは
カッター等で切れ込みを入れないと外れない。
外した部品。
黒いゴミみたいの物体は、フィルターを外す際にちぎれたプラスチック部分。
ただ、外したフィルターをよく見たが、ほとんど汚れはなかった。
キャップのほうも異常なし。
こうなると、ますますインジェクターが原因というのは可能性が低くなる。
そんな中、もう一度インマニの塗装をやることにした。
以前ペイントした耐熱塗料は、熱には強いようだが、
塗膜があまり強くない印象。
そこでウレタン塗料を上塗りすることに。
すべて塗装が終わり、ガスケットが当たる部分をキレイにしようとすると、
ちょっと気になることが・・・・。
画像ではチョット分かり難いと思うが、
上のほうに模様のような帯状のモノが見える。
ガソリンが混ざった空気が通った跡のようにも見える。
先日お猿さんが教えてくれた「インマニのエア漏れ」か?
決定的に原因が掴めていないのだから、可能性はどんなに小さくても潰すべきである。
早速インマニのガスケットを探す。
こちらも海外通販万歳である。
国内流通価格の半額近い値段で手に入る!(もちろん純正品)
あまりにお買い得価格だったので、GTVの分もオーダー。
こちらもfrom United Kingdom、さすがは自動車文化大国である。
やはり使い古しのモノとは違って厚みもあり、印象は全然違う。
さらに監督さんからアドバイスをいただいた、カーボンコレクタータンクのウレタン塗装。
ピッカピカになった。
これで現状での出来る限りの準備はしたので、
まずは組み上げてみることに。
結果はあまり期待できないが、まずは試してみないことには前に進めない。
まずはOHしたインジェクターを取り付ける。
ラバーのOリングが新品で、さらに気温も低いせいか
なかなかすんなりと収まらない。
それでもなんとか収まったインジェクターを
デリバリーパイプごと1~3番を「エイヤッ!」とばかりにヘッド側のマウントに押し込む。
そのときふと思った。
前回の作業のとき、ここまで強く押し込んだだろうか?
ひょっとして、インジェクターがしっかり収まってなかったのか???
4~6番も同様の作業をし、何度もしっかり付いているか確認。
そしてインマニ装着。
これも作業自体は全然難しくはないが、うっかりシリンダーにボルトなど落としたら
それこそ目も当てられない。
緊張しながら1本1本付けていく。
そのあとはコレクタータンクを付け、
新調したガスケットと共にスロットルを装着して完了。
再度チェックをし、シートに座りキーを捻る。
エンジンは1発で目覚めた。
しかし、ボロロロロロロ~~~となんとも頼りないアイドリング。
ただ、以前のようなボ・・・ボッボッボ・・・パン!という恐ろしいものではない。
はて?これは直ったのか?
なんとも微妙な結果である。
苦笑いでクルマを降りたが、エンジンルームを覗き込むと
エンジンは極めて普通な感じである。
そして時間の経過と共に、徐々にエンジン音は聞き慣れた音に変わっていく。
しかし今度はアイドリングが下がらない。
ラジエターのファンが回るほど、水温は上がっているのに。
この症状はGTVでも似たようなことがあった。
吸気のレイアウトはもちろん、インジェクターのOHによって燃料噴射も変わってるはず。
ECUが学習して???な状態なのかも知れない。
さらに今回、スロットルにも原因があるかも知れないと思い、
スロットル本体も分解を試みたが、その際に元に戻せなくなったため
スペアのスロットルを使ったことも影響している可能性もある。
一旦エンジンを切り、スロットルの初期化をする。
再度エンジンをかけると・・・・
まるで何事もなかったかのように、静かなアイドリングをしている!
嬉しいようなホッとしたような心境だが、
原因に関しては決定的なことが言えないのが情けない。
ただ、まったくの原因不明というのではなく、
以下の点が原因ではないかと思っている。
可能性が高い順。
①インジェクターを取り付けた際の、単純な作業ミス。
ヘッド側のマウントにしっかりハマっていなかった。
→燃料が正しく噴射されなかった。
②作業途中、インジェクターの先端が押さえつけられたことで、
一時的に2番インジェクターが作動不良を起こしていた。
→これも燃料が正しく噴射されない。
③インマニからのエア漏れ。
古くなったガスケットのせいで、インマニとガスケットの間から
エア漏れがあった。
→混合気が正しく調合されていなかった。
上記の3点のいずれか、あるいは複合的に原因を作り出していたか、である。
今日もエンジンをかけてみたが、まったく問題はなかった。
ある意味、トラブルというよりは人災と言うべきものだったけれど、
自分としてはインジェクターのOHなど、良い経験ができたと思っている。
トラブルがあるたびに色々と調べ、勉強もするので
これはこれでよかったのではないか。
監督さんをはじめ、色々とご助言をいただいたみなさんには、感謝の言葉を申し上げます。
本当にありがとうございます。
エンジンルームはこんな感じ。
満足・・満足(^^)
主役はやはりコイツである。
なかなか充実のオフだが、実はまだ終わっちゃいない。
開幕戦まで1ヶ月を切った今でも、まだもう少しやることが残っている。
オフ満喫は続く・・・・