
待ちに待ったシーズンが開幕した。
NEW HOKKAIDO GT SERIES第1戦がGW最終日の5月6日、十勝スピードウェイクラブマンコースで行われた。
連休中なので宿泊はあきらめていたが、奇跡的に宿を確保できたので前日から十勝入り。
時間的に余裕のある行程となった。
この時間的な余裕を使わない手はない。
当日はドライバーズミーティングの前に1本走っておくことに。
この時点で空は薄曇りではあるけれど、雨は降っていない。
先日のテスト走行で発生したトラブルもあるので、まずはリアブレーキが正常に機能するか、
そしてエンジン不調は完治しているか、の二つに注意することを念頭にコースイン。
まずブレーキはまったく問題はない。
そればかりか、前日にウイングの角度を調整したこともあり、なかなかの好感触。
しかし、徐々にペースを上げていくとやはり出てしまったエンジン不調。
強い横Gがかかるとガクンとパワーが落ち、チェックランプが点灯。
アクセルにもまったく反応しない。
ピットに戻り、エアフロ周辺のコネクターを触るくらいしかできない。
しかし一旦エンジンを止め、再度キーをひねると症状は消える。
再びコースに出るが、1周もできないうちにまたチェックランプ点灯。
ピットではどぅーさんがボンネットを開け、コネクターのチェックをしてくれた。
あとで聞くと、エアフロのコネクターを抜き、再度入れただけとのこと。
しかしこのどぅーさんのゴッドハンドのおかげで、ここからレースが終わるまで
再び症状が出ることはなかった。
今シーズン、また症状が出ない限りエアフロ周辺は触らないと誓った。
4N走行時の一枚。
快音を響かせてストレートを疾走する白RSさんのランサー。
遠くに見える山々にはまだ雪が残っている。
【フリー走行&予選】
ドライバーズミーティングを終え、下に降りるとすでに雨が落ちていた。
予報では午後3時ころということだったが、これはもうドライでの走行は無理そうだ。
コースに出るが、雨の量はそれほどでもないのにけっこう滑る感じがする。
それもそのはず、気温は10℃ちょっとしかないのだから。
3周ほどで早々に切り上げる。
12台中4位のタイムだが、参考にもならない。
雨は徐々に本降りとなり、2本目の走行時はもう完全なウエットコンディション。
おっかなびっくりの走行しかできない。
たくさん走るより、少しでもスピンやコースアウトの確立を減らすべく、4周でピットに戻る。
12台中3位のタイムも喜べない。
予選の時間帯になっても雨は衰えず、気温も上がらない。
予選なのでそれなりに頑張って走るが、6コーナー手前などは川になっている。
クルマの仕様も変わっていることもあり、無理せず4周で切り上げる。
12台中8位というのは妥当なところだろう。
一方GTV Cupのどぅーさんはフロントロウ獲得。
あの条件下であのタイムは見事としか言いようがない。
しかし、予選結果を見ると2位のどぅーさんから9位までのタイム差は約2秒。
かなりの接近戦になることは必至である。
このコンディションでの接近戦はなかなか痺れる展開だが、
無事に帰ることを肝に銘じ、グリッドへ向かう。
【決 勝】
今年から十勝のレースはスタートの方法が変更になった。
これまでのレッド→グリーンから、レッド→レッド消灯というカタチになった。
しかし、頭では分かっていたものの、実際にはわずかに反応が遅れた気がする。
それでもすぐ前のインテグラのMATSUさんの横に並ぶことができたし、
さらに前を行くくらちゃんの背後をうかがう。
ところが次の瞬間、SEEDS BRZが瞬間移動のようなスピードで視界に飛び込んできた。
一気にくらちゃんの横に並ぶ。
そのポジションを狙っていたが、止む無くブレーキを踏むことに。
それでも3コーナー脱出でMATSUさんをかわし、
4コーナー手前ではタイヤのグリップ不足に苦しむこんちんさんの前に出る。
前方には4位のDaiさんセリカと5位のくらちゃんBRZ。
最終コーナーを抜けるころには若干後方との差が広がり始めた。
そうなるとあとは前を見るだけ。
所々に水たまりやら川ができているので、なかなか緊張を強いられるレースだが、
前を見ながら必死にプッシュし続ける。
しかしいかんせん前方の視界が悪い。
特に1コーナー手前はほとんど前が見えない。
いつも目印にしている200M、150Mの看板は直前まで来ないと
その存在も確認できないありさま。
いくつかシフトミスやブレーキングミスをしたせいで
BRZとセリカは徐々に離れていく。
残り2周の時点で今度はMATSUさんのインテグラがミラーに見える。
それでもなんとかセリカとBRZが視界から消えることはなく、
インテグラからも逃げ切ることができた。
ハラハラドキドキのレースではあったけれど、無事にチェッカー。
Aグループ12台中6位、EURO2クラス2位というリザルトだった。
どぅーさんは堂々のトップチェッカー!
あの雨の中、一人53秒台は圧巻だ。
どぅーさん、おめでとう~!
それにしてもあの雨の中、一緒に走ったAグループのドライバーたちは
誰一人としてスピンやコースアウトをしなかったのはサスガだと感じた。
そんな仲間たちと走れることは、やはり幸せなことだと思う。
残念ながらBグループはレッドクロス、そのまま終了となってしまったけれど、
誰も好き好んでコースアウトするわけではない。
あの日、クルマを傷めてしまった方々の心中をお察しすると共に
一日も早い復活をお祈りしています。
無事にレースを終え、胸をなでおろしていたが、
実はそれで終わることができなかった。
フィニッシュラインをくぐったあと、ふと気が付いた。
ワイパーが動いていない。
恐らくリンクのボルトが緩んだのだろうと思っていたが、
その見立ては甘かった。
ボルトは緩んでおらず、カウルを開けると自作リンクがおかしなカタチに歪んでいる。
そうか・・・先日ワイパーのセンター位置を修正したときに、
ワイパーのスイッチが入っているのを忘れ、ふいにアームが動き
無理な力をかけてしまったことを思い出した。
ペンチで歪みを修正し、外れたボルトは使えなくなったので
径の違うタッピングネジを無理やり押し込んだ。
表彰式は出なきゃいけないのだが、さすがにワイパーを直さないと
この天気では230㎞の道のりは走れない。
どぅーさんのお祝いもしたかったけれど、一人ひたすらワイパーリンクと格闘。
表彰式が終わるころ、なんとか修理することができた。
最後の最後までなんだかドタバタな開幕戦だったが、
結果も内容も十分納得できるものだった。
帰りは終始雨だったが、ここでふとこれまでにない感覚を覚えた。
運転がラク。
今まで十勝の行き帰りで雨だったことは何度もある。
しかしそのときの感覚に比べ、明らかにクルマは安定し、運転がラクな感じがする。
そういえばサーキットでも、今までとは違っていた。
以前は踏めないような感じでも、今回はアクセルONで抜けることができた場所がある。
ただ、ウエットでよかったからといって、ドライでもイイとは限らない。
そのことは頭に留めておくべきだろう。
ただ、その効果がウイングによるものなのか
オフに入れた補強パーツによるものなのかは分からないが、
明るい材料であることは間違いないと思っている。
そうなると早くドライで走ってみたくなる。
補強パーツはまだすべてをインストールしたわけではないこともあり、
完成した状態で一日も早くドライ路面で走りたい。
さて、今週末のEuro&World Cupに間に合うか・・・13日の天気は大丈夫か・・・