
今回は久しぶりの「2階建て」である。
先週末に行われたEuro&World Cup第2戦(30日)と翌日のNHGT第2戦。
ブログ全体が長くなることをお許しいただきたい。
まずは土曜日早朝に札幌を出て十勝へ向かう。
なぜか今回は、TS(十勝スピードウェイ)のサイトではまったく詳細がUPされていなかったが、恐らくいつもと同じだろうと10時前に到着。
ジュニアコースから始まる時程も同じだった。
この週末で、今シーズンに入ってから既に6回目の走行となるが、まずはトラブルフリーで走り切りたいところ。
もちろんそればかりではない。
ウイング装着による「曲がらない」をなんとかするため、少しばかり足のセッティングを変更した。
まずはジュニア1本目。
やはり以前とそれほどの違いは感じられなかった。
タイムはベストの約1秒落ち。まずますといったところか。
しかし、その後も2本目、3本目と積極的にコースに出たが、
結局のところ1本目のタイムを上回ることはできなかった。
僅かではあるけれど、走れば走るほどタイムは落ちていく。
ではCM(クラブマン)コースではどうか?
あまり期待はできないが、結果としてはそれ以上に期待外れなものとなった。
ストレートも伸びがない感じがしたし、「曲がらない」のは以前と同じ。
タイムもしばらく見たこともないような惨憺たるものだった。
2本走って終了。
かなり蒸し暑く、すっかり夏のような天候だったけれど、それはあまり結果には関係ない。
モヤモヤどころか、かなり落胆して宿に戻った。
今回は家内と二人なのでいつものコテージではなく、トレーラーハウスに泊まる。
長いことカントリーパークを利用しているが、このトレーラーハウスは初めてだ。
でもなかなかイイ。
最近リフォームしたらしく、内装は新築のようだし、
二人ならこのこじんまり感はちょうどいいと思える。
そして今回、自転車を156に積んで十勝に持ち込んでいた。
家内が購入したBianchiのクロスバイク、カメレオンテというエントリーモデルだ。
私がコースで走っている間、家内は嬉々として更別の道路を走っていた。
あの広大な土地、しかも交通量は少なく、まるで一帯すべてがサイクリングロードみたいなものだ。
夕方、私もカメレオンテを借りて走ってみた。
カントリーパークからTSの正面ゲート前を通り、サウスゲート周りで戻るルートだ。
夕焼けが美しい。
風を切る音と、鳥のさえずりしか聞こえない。
速度を落とすと風切り音は小さくなり、今度は鳥のさえずりがよく聞こえる。
暑かった日中とは違って、全身を抜けていく風が気持ちいい。
確かに不本意な結果ではあるけれど、
サーキットを走って美味しい豚丼をいただいて、
さらにはこんな大自然の中をクロスバイクで走っているのだから、
落ち込んだりしたら、それは贅沢ってもんだろう。
そんなことを考えながら、家内の待つトレーラーハウスへ戻った。
開けて日曜。
今回のNHGTはジュニア戦となる。
時程もいつもと違い、ドラミの前にフリー走行から始まる。
そのことを踏まえ、前日から準備はしていたが、
朝になって外を見るとなんと雨。
昨日はあれほど夕焼けがキレイだったのに・・・。
予定変更でフリー走行はパスすることに。
フリー走行のタイム順で予選アタックとなる(下から始まる)が、
自分の場合はどの道あまり影響はないという判断もあった。
しかし、この判断が後になって思わぬ状況を生むことになろうとは・・・。
11時過ぎにコースに着くと、意外なことに路面は乾いている。
みんな排気音を響かせてガンガン走っているではないか。
聞くとそれはフリー走行後半になってからで、開始直後はウエットだったとのこと。
ドラミを終え、グループ毎のフリー走行が始まるころには、
もうすっかりドライコンディションになった。
前日も走っているので1本目は5周で切り上げる。
感触は悪くなかったが前日の0.2秒落ち。
このあとB、Cグループのフリー1本目が続く。
家内はクロスバイクで走りに行っている。
一人色々と考えてふと思った。
「ウイング・・・外してみるか・・・」
自分で付けたのだから外すのも簡単だ。
マウントだけを残すカタチにすれば10分で外せる。
もともとこの日がドライだったらやってみようと思っていたので迷いはない。
久しぶりに「元のカタチ」に戻った156Bでフリー2本目を走る。
予想通りの挙動だが、思ったほどピーキーな感じはない。
サスペンション4本のストロークが分かりやすく、リアの滑り出しも掴みやすい。
5~6周アタックしてみたが久しぶりということもあり、
ところどころでミスをしている。
厳密には元の仕様からは変更しているところもあり、
挙動を完全には掴んでいない。
ピットに戻りタイムを確認すると、昨日のベストをコンマ2秒上回っている。
このあとの予選~決勝もウイングレスでいこうと決めた。
ところが、予選が始まるころにはポツポツと雨が降り始めた。
空を見ても雨が上がる感じがしない。
ウエットならウイングの効果は期待できる。
再びウイングを装着することに。
予選は前述のようにフリー走行のタイム順で4台ずつ走るが、
私と同じようにキャンセル組は他にもいたらしく、
その人たちと一緒に最初の組となった。
一人に許される周回は5周。(コントロールラインを通過するのは4回まで)
ワイパーが必要なほどの雨だ。
ゼブラは使わないほうが無難だ。
イチかバチか勝負してコースアウトでもしようものなら、全体の進行にも影響してしまう。
慎重に3周走って切り上げる。
この日は29台のエントリーだったので、
すべての車両の予選を終えるにはそれなりに時間がかかる。
その間、徐々に雨脚が強くなっている。
トップ10のドライバーがコースに出るころにはヘヴィーウエットになろうかという状態。
それでも無事に全組の予選を終え、スターティンググリッドが発表される。
昨日から不本意な状態である。
しかしレースの神様はイタズラ好きなようだ。
なんとAグループ予選2位。
フロントロウである。
ドライコンディションでガチの勝負なら前にいる人たちが後方にウヨウヨいる。
違和感満載である。
しかしここで色気は禁物。
ウエットだろうがドライだろうが「無事に帰る」ということより優先するものはない。
「みなさんお先にどうぞ~」くらいの気持ちでいこう。
降りしきる雨の中、グリッドに付く。
こんなに見晴らしの良いポジションなんていつ以来だ?
前には銀クーペさん、後ろには86、EK、NB8など常連が並ぶ。
このポジションで終われるはずがない。
ならばオープニングラップくらいはトップで戻って来られたら・・・などと欲を出してみる。
スタートは悪くなかった。
思い切って低い回転からクラッチミートしたのは正解だった。
パワーにモノを言わせて銀クーペさんに並びかける・・・ところまではいったが、
1コーナーではしっかり抑えられる。
さらに怒涛のスタートダッシュを決めたと思われるNB8がすぐに後方に。
完全にロックオンされ、あっさりパスされる。
その後もEK、86、DC5にも先行を許し6位まで順位を落とす。
ミラーを見るとナンテグラ2号のMさんや、セリカのDaiさんが迫ってくる。
無事に帰ることは最優先だが、5周を過ぎたあたりから
なんだかレースらしくて面白い。
こうなると必死で逃げるのみ。
ウイングの効果はやはり絶大で、アクセルONでアンダーこそ出るが、
ターンインでリアが出る不安はない。
むしろ「ここまでブレーキ残しても(リアが)まだ出ない?」といった感じ。
しかし雨でも曲がらないという一面もあり、
特に最終コーナーはついに一度もクリップに付けなかった。
その後、順位に変動はなく、10台中6位でチェッカー。
クルマのセッティングが悩ましい中での6位入賞は素直に嬉しい。
レース後、DC5のKさんが訪ねて来てくれた。
「ボクなんかにインを空けてくれてありがとうございます」
いやいや、確かに1台分は空けていたけれど、
それはミラーで「このDC5は速い」と判断したから。
あのコンディションで接近戦をするのもレースの醍醐味ではあるけれど、
ギリギリの勝負をするのリスクが大き過ぎる。
それよりわざわざ御礼を言うために、若い人が来てくれたことが嬉しい。
色々と悩ましい部分はあるけれど、
無事に終われたこともあり、すっかりイイ気分で十勝をあとにした。
さて、次は再来週のEuro&World Cup第3戦だ~!