
地震の影響で第3戦がキャンセルとなったため、今回が最終戦となったNHGT第4戦。
久しぶりに前日から十勝入りをすることに。
しかしいつもの前日入りと異なり、カントリーパークにチェックインあとすぐに、ジュニアコースへ向かった。
ただし私自身が走るためではなく、0541RACINGジュニアチームのNoieクンのサーキットデビューのお手伝いをするため。
シーズン開幕当初の予定では、9月の0541MEETINGの前に一度サーキットを走っておこうという確認だったが、色々と調整がつかないまま9月になってしまった。
やむを得ず0541MEETINGでサーキットデビューということにしたが、NHGT第3戦同様、地震の影響で走行会そのものがキャンセルという事態に。
「このままだと一度も走らないまま終わってしまうんですよ」というNoieクンの気持ちは察するに余りある。
そんなわけで、土曜午後からはフリー枠が空いていたので、念願のサーキットデビューをすることに。
結果としては少々ほろ苦な部分もあったけれど、本人も十分楽しめたようだ。
誰でも必ず「初めてサーキットを走った日」があったわけで、
この日が今後のクルマ趣味において「忘れられない日」になることは間違いないだろう。
家内とNoieクンと3人で夕食を済ませ、コテージに戻り秋の夜長を過ごす。
そして翌日曜日、今シーズン最後のレース、NHGT最終戦である。
ただ、正直、気持ちはあまり盛り上がっていなかった。
これまででもっとも低いテンションで臨んだと言ってもいい。
理由は複数あるので割愛するが、とにかく著しくモチベーションは低かった。
一方でこういうときは何か不測の事態を引き起こす気がして、それはそれでイヤな感じもしていた。
そんなわけで、いつもとは違った心持でクラブマンコースのピットに入った。
【フリー走行&予選】
8月のEuro&World Cup以来の走行となるので、まずは慎重に走ることを念頭にコースに出る。
ただし自分なりに注意点は頭に置いていた。
ウイングの装着によって1コーナー手前のブレーキングが安定したおかげで
思い切りブレーキが踏めるようになったけれど、
副作用として必要以上にブレーキを踏んでいるではないか?という反省点もあった。
そこでブレーキの使い方を意識して走ってみた。
アタックしたのは1周のみ。
クルマの感触はすこぶるよかった。
ブレーキもこれまで少し「踏みすぎ」だったことも分かった。
「まずはベストの2秒落ちくらいかな」とピットに戻る。
ところが・・・
モニターを凝視していたNoieクンが「タイム、いいんじゃないですか?」と。
自己ベストが出ていた。
しかも長い間目標タイムと設定していたタイムが。
本音を言えば「でき過ぎ」のタイムである。
Noieクン、good-eyeさん、そして家内の3人と抱き合ってしまうほど嬉しかった。
「原因はなんですか?」とgood-eyeさんに尋ねられたが
すぐには思い当たることがない。
8月のEuro&World Cupから、156Bにはこれといって何もしていない。
しかしそのときのクラブマンコースのベストより2秒も速い。
走り方で少し変えただけで2秒の短縮はないだろう。
「!」
ひとつだけあった!
エアフロを交換していた。
ストレートの伸びがイイと感じたのはそのせいだ。
冷静になって考えて見れば、昨シーズンのオフからクルマに手をいれたことは
どれも間違いではない。
しかし結果は出なかった。
「クルマは調和的でなければならない」~Niki Lauda
ウイングでトラクションを上げても、フロントの補強を増やしても、
バネレートを適正化しても、ブレーキバランスを良くしても、
エンジンが本来のパワーを出していなければ、すべてはパァである。
今回、エアフロを換えたことにより、本来のエンジンパワーが戻り、
ようやくウイングをはじめとする今シーズンのアップグレードが数字になって表れたようだ。
フリー2本目のタイムも、状況を考えれば悪くなかった。
ただ、その後の予選では思ったほどのタイムを出すことができなかった。
結局1本目に出したベストの0.8秒落ちで予選を終えた。
高回転の伸びも、中低速のトルクも戻った感がある。エアフロはセンサー部が徐々に壊れる「チョイ壊れ現象」だったのかも知れない。photo by good-eyeさん
【決 勝】
予選の結果は今一歩という感じだったが、気持ちの上では余裕があった。
タイトルはもう決まってしまっているし、ベストも更新した。
これで決勝に色気など出すとロクなことにならない。
しかも同じようなタイムのR-GTクラスはタイトルが絡んでいる。
そこに自分が割り込んでチャンピオン争いに水を差すようなことはしたくない。
まずは無事に走り切ることを念頭にレッドシグナルを待つ。
決勝のグリッドは1秒以内に何台ものクルマがひしめく緊張感漂うものに。photo by good-eyeさん
今年からスタートのシグナルが変わった。
昨年までのレッド点灯→消灯→グリーン点灯(スタート!)ではなく、
レッド点灯→消灯(スタート!)となった。
一足先に行われたDTCCの決勝でのシグナルを見て
自分が思ったより消灯が早いタイミングであることは覚えていた。
スタートのタイミングは申し分なかった。
ところが・・・・久しぶりに、というかほとんど初めてというほどひどいクラッチミートだったらしい。
クラッチが思い切り滑っている!
回転は上がれどスピードは上がらない。
これではマズイとすぐに2速にシフトアップ。
しかしなぜかポジションは下げずに済んで、そのまま1コーナーへ。
その後は、実に久しぶりに前に後ろに絶えずライバルがいるという
かなりエキサイティングな展開に。
This is The Hokkaido GT !という感じである。
やはり接近したタイムのドライバーたちとレースをやるのは最高だ。
結果的に最終ラップでブレーキの不調(恐らくエア噛み)で順位を大幅に落としたけれど
充分にレースを楽しむことができた。
今回のレースに限っては順位などどうでもいい。
156Bも、自分自身もまだまだレースで戦えることが分かっただけで十分だ。
今シーズンが始まってからというもの、
期待に反して結果は極めて不本意なものだった。
先が見えないモヤモヤの中で悩み、考え、手を動かした。
それが無駄ではなかったことが数字になって表れたことには手放しで喜んでいる。
まだまだもっと・・という気持ちはあるけれど、
とりあえず来シーズンにつながる最高の終わり方ができた。
今から来年が楽しみだ。