今回、フレームで買ってコンポーネントを組み上げていくという作業をすると決心したはいけれど、その時点では自分の中で解決できていない疑問がいくつかあった。
ある意味「見切り発車」である。
1:インナーワイヤーの取り回し
これは最近主流となっている「フレーム内蔵式」のため。
カーボン製のフームの中にワイヤーを通すので、かなり難しいと聞いた。
実際、この作業で挫折した人も多く、結局プロに頼んだ例も多々あるらしい。
さて、自分にできるのか?
2:アウターケーブルの装着(固定?)
これはリアだけなのだが、なかなか解決策が見つからなかった。
チェーンステーの後端部にワイヤーの出口があるのだが、
その出口の穴から始まるアウターワイヤーは、
リアディレイラーまで固定されなければならない。
ディレイラー側は固定できる構造になっているが、
フレーム側はアウターケーブルよりも明らかに大きい穴が開いているだけで
どうやってもケーブルを固定することはできない。
これはケーブルストッパーを探すしかない。
なければ自作か???
3:スルーアクスルって???である。
ちょっと調べればスルーアクスルが何たるかは容易に分かる。
しかしこのスルーアクスル、まだロードバイクでは普及し始めたばかりで
メーカー毎の規格が微妙に違う。
果たしてPinarelloのスルーアクスルはどんな規格なのか?
上記3点に関しては、事前に確かな情報を入手することはできなかった。
それにしてもカンパの情報は極端に少ない。
そりゃそうだ、わが国はあの「世界No1シェア」を誇るSHIMANOの国なのだから。
それでもカンパ装着に関するブログを上げてくれている人たちは上級者が多く、
その内容は正確かつ親切に解説してくれている。
諸先輩方に心から感謝、である。
1:まずインナーワイヤーだが、結果的にはあっけなく成功した。
勝因はこの工具である。
この工具、何かお分かりだろうか?
多少クルマを触る方ならすぐに「ああ~、アレね!」となるだろう。
そう、先端にマグネットが付いていて、
手が入らないところにボルト等を落とした際に使うツールだ。
156のエンジンを触ったときにコイツが重宝したが、今回も大活躍だった。
コレがなかったら、今回の作業はとん挫、強制終了で
プロか上級者に泣きつくことになっただろう。
2:次にアウターケーブルの固定。
左下の〇(リアディレイラー)は固定できるようになっているが、
右上の〇(シートステイ側)はストッパーを入れないとケーブルが遊んでしまう。
これには頭を悩ませた。
カンパの情報も少ないが、ピナレロをフレームから組んだという情報もそれ以上に少ない。
しかもこんな小さなパーツの情報など、まったくヒットしない。
それでも「ケーブルストッパー」をキーワードに色々と調べた結果、
なんとかソレらしいパーツを見つけることができた。
アメリカのJagwireから販売されているケーブルストッパー。
ところが・・・国内で簡単に手に入ると思いきや、
ネットではほとんど見つからない。
こんな小さなパーツを海外から買うのも・・・と思ったものの、
背に腹は代えられない。
するとeBayで10個セット900円(送料込み!)を発見。
大陸から無事に届いた。
逸る気持ちを押さえて、ケーブルの穴に合わせてみると・・・・
ピッタリだった!
これでアウターケーブルの問題もクリアできた。
3:そしてスルーアクスルの問題。
確かに国内でもピナレロ純正のスルーアクスルは手に入るが
2本で2万円近い金額はちょっと躊躇してしまう。
そこで代替品がないか調べることに。
けっこう時間がかかったが、海外サイトで突き止めることができた。
Pinarello純正のスルーアクスルはDT Swiss製であることが判明。
それが分かれば次はサイズ(規格)である。
手持ちのボルトでフロントとリアのピッチを探ってみると
1.5であることが確認できた。
ということはM12、ピッチ1.5のスルーアクスルから、
Dogmaに適した長さを探せばいい。
しかしここでも難儀した。
M12、ピッチ1.5で絞り込んでいくと、
「一体どっち???」というサイズが残る。
すると、カンパのクランクなどを購入したBike24で
2本セットでDT Swissのスルーアクスルを販売しているではないか!
ひょっとしてこのサイズがメジャーなのか?と思い注文。
ちなみに値段は送料を入れてもピナレロ純正の半額以下である。
届いたスルーアクスルを付けてみると
まさに適正サイズ!ちょうどよい長さである。
純正との違いはセンター部分の色(Pinarelloはグレー、DT Swissはレッド)と
ロゴだけである。
色々と難儀した部分もったけれど、
その都度わからない点を調べていく作業はなかなか面白いものだった。
途中、私の勘違いというか発想の乏しさから
ブレーキホースを1本破損してしまうなど
それなりに失敗はあったのも、ある意味ほどよい授業料だと思っている。
構造を理解し(クルマに比べたら難しくない)自分で考えて作業していけば、
フレームから組み上げていく作業は決して困難ではないと知った。
何よりリビングで作業できるのが嬉しい。
工具も細々とした専用工具(カンパ用)を買い足したりはしたが、
手持ちのBetaが大活躍だった。
1/1プラモデルを作っているような
実に楽しい時間を過ごすことができた。
疑問をひとつひとつ解決し、残るは最大の難関「ディレイラー調整」のみとなった。