
なんとも気ぜわしい日々が続き、すっかり更新が滞ってしまっていた。
さらに先日も書いたように「ヘルペス騒動」があったため、体調もなんだかパッとしなかったことも一因だった。
今はおかげさまですっかり元気になった。
ただ、更新できなかったのは他にも理由があった。
156に洗浄系のオイル添加剤を入れたため、1か月にも満たない期間で3000㎞を走らなければならなかった。
結果的には2000㎞しか走れなかったけれど、なかなかハードな日々だったことは間違いない。
さらにそんな中でも0541MEETINGの準備もやり、
しかも本業が「半期に一度の大決算」ではないが、上半期の総決算的な業務もあってけっこう忙しい。
今週がそのピークなので、なんとかスッキリ片付けて十勝に向かいたい。
さて前置きが長くなってしまった。
忙しい毎日ではあるけれど、なんとも清々しい月曜の朝を迎えた。
昨日のF1イタリアGPのおかげだ。
ガスリー、優勝おめでとう!
断っておくが、私はホンダファンではない。
むしろ「ホンダF1」などと書く一部メディアに辟易しているくらいだ。
百歩譲って「F1、ホンダ」なら分かるが、
「ホンダF1」などというコンストラクターは世界中どこを探しても存在しない。
そしてレッドブルもアルファタウリも応援していない。
ドライバーの顔ぶれも私の好みではないし、
特に応援する動機が見当たらない。
ただ、私はホンダというメーカーを尊敬している。
応援はしないが尊敬はしている。
今の我が国の自動車メーカーで、F1に打って出るなどという
ある意味無謀とも言えるほどの「レース魂」があるのはホンダだけだ。
そんなひねくれた私でも、昨日のレースは近年稀に見る
非常にいいレースだったと思っている。
メルセデス1強というのが、いかに現在のF1を盛り「下げて」いるかが分かる。
どちらが勝っても初優勝の若い二人が1秒前後で争う姿に感動しないわけがない。
ファイナルラップにDRSが使える1秒以内に詰め寄ったサインツJrも天晴!
そしてそんな猛攻にも終始乱れることなく、逃げ切ったガスリーに拍手!
フィニッシュ後、ヘルメットのまま子供みたいはしゃぐガスリーに
真っ先に「おめでとう」と肩を叩いたライコネンがカッコよかった。
そして次々と祝福していくドライバーの面々・・・
やっぱりF1にはスポーツマンシップがちゃんとあったんだ。
トドメは散々な結果に終わり、もう着替えていたルクレールが駆け付けたこと。
今、私がもっとも注目しているのは、この若きフェラーリのエースだ。
それにしても見どころ満載のレースだった。
レッドクロス後の再スタートで一瞬ではあれど
アルファロメオ2台が2位と3位を走ったのは最高の眺めだった。
惜しくも入賞にはならなかったが、やはりライコネンは素晴らしいドライバーだ。
最後尾から怒涛のオーバーテイクを見せたハミルトンの走りも圧巻だった。
きっとハミルトンはあの状況を楽しんでいたんじゃないだろうか。
そりゃね・・・いつもは抜く相手がいないわけだから。
ただ、フェラーリの窮状は見るに堪えないものがある。
今シーズンは恐らくここから脱出することは難しいだろう。
来季フェラーリのシートに収まるサインツJrの心境は如何ばかりか・・・。
そして、久々の初優勝という感動的なレースの舞台裏で、
ひとつの時代が終わりを告げていた。
みなさんもご存じのとおり、ウイリアムズがその歴史の幕を閉じた。
もちろんウィリアムズという名前が消えるわけではないし、
チームは今後も存続するらしい。
しかし創立当時からウィリアムズ家で運営していたこのチームは
アメリカの会社に売却されることになり、
これまでの運営陣でのレースはこのイタリアGPが最後となった。
色々言われたこともあるが、父親の会社を引き継いだクレア ウィリアムズは
立派な人物であり良い娘さんではないだろうか。
この日のウイリアムズはジョージ ラッセルのドライブで11位が最高位だった。
41年前、1979年イギリスGPでこのチームは初優勝を遂げた。
ドライバーはクレイ レガッツォーニ。
珍しくTV中継があり、幸運にもこのレースをテレビで観ることができた。
それまでは弱小チームの代表みたいな戦績で、
すくなくともトップドライバーが好んで行くようなチームではなかった。
しかしパトリック ヘッドがデザインしたFW07は
堅実な造りで他のマシンを圧倒していった。
ウイングカー時代、史上最強のマシンはロータス79ではない。
間違いなくウイリアムズFW07である。
そこからのウィリアムズの快進撃はみなさんもご存じのとおり。
80年にはアラン ジョーンズがタイトルを獲得し、
その後もケケ ロズベルグ、ネルソン ピケ、ナイジェル マンセル、
アラン プロスト、デーモン ヒル、ジャック ヴィルヌーヴと、
そうそうたる顔ぶれがチャンピオンとなった。
あの時代を知る者として、まさかウィリアムズがこんなカタチで終わるとは
夢にも思わなかった。
しかし同時期にトップコンデンターだったロータスもブラバムも
ティレルもリジェも、F1サーカスから姿を消した。
気が付けば時代と共に多くが変わっている。
そこには必ず「喪失」が伴う。
しかし普遍的なものまた、確かに存在している。
どんなに技術が進んでも、時代が変わっても、
やはりモーター「スポーツ」であり、それは生身の人間にしかできないものだ。
だからこそ感動があり、我々は熱狂する。
トップカテゴリーにおける若い二人のドライバーの一騎打ちを見て、
一人のサンデーレーサーはモータースポーツの原点を見た気がした。