
New Hokkaido GT Series 最終戦は、最高の秋晴れの中で行われた。
最高気温は18℃くらいまで上がり、この時期には珍しく陽射しが暑く感じるほど。
TS(十勝スピードウェイ)に向かう道中はすっかり紅葉が進んでおり、山間部には雪も見えたけれど、現地に到着すると願ってもないコンディションだった。
とはいえ、私の156Bには不安材料がある。
コンディションの良さに浮かれてラップを刻むわけにはいかない。
タイヤは「スリックじゃないの?」と冷やかされるくらいだし、ブレーキパッドも1回分あるかどうかのレベルである。
さらに先日DIYで修復したブーツバンドも心配のタネになっている。
【FP&予選】
FPはキャンセルも考えたが、ブレーキパッドに当たりを付けたかったのと、
ドライブシャフトブーツが果たして大丈夫なのか確認したかったため走ることに。
札幌~更別間の約230㎞、ほとんどが高速を走行したのだけれど、
CMコースのピットでドライイブシャフトブーツをチェックしたところグリスの飛散はなかった。
季節的なものなのか、それとも前日にエアフロクリーニングをしたせいか、今回エンジンはすこぶるフィーリングがよかった。1コーナー手前で200㎞/h(メーター読み)が出ていた。
ただ、タイヤがもうほとんど終わっている状態なので、
最初からアタックは1ラップと決めていた。
今回、NHGTのエントリーは32台。
それをグループ分け無しで、みんな一斉にコースに出る。
自分よりも速い人のほうが圧倒的に多いわけだから、後方には神経をとがらせる。
とはいえコースに出て3周目、運よくクリアラップが取れる。
慎重に走ったのが却ってよかったのか、ベストの0.4秒落ちのタイム。
もう走る必要はない。
ピットに戻り、タイヤの減り具合と空気圧のチェック。
もちろんブーツバンドの確認も。
FPで思いのほかよいタイムが出たとはいえ、予選は無理をしないことに。
ここで欲を出して頑張って、タイヤが完全に終わっては元も子もない。
ここでも運よくクリアラップが取れたが、
明らかなミスを2回もやってしまい平凡なタイムで終了。
「予選のアタックは1ラップのみ」と決めていたので、迷わずピットに戻る。
32台中28位 クラス2位
【決 勝】
FPと予選を走り、なんとか決勝7ラップを走り切れそうな感じはした。
しかし欲を出すとロクなことがない。
今回は完走し、シリーズタイトルを決めることが最優先だ。
出走32台ということから、今回はローリングスタートとなった。
実に久々のローリングスタートだが、グリッドスターよりは気持ちはラク。
特に混乱もなくスタートし、ほぼ予選順位の通り1コーナーへ。
1周目を終えた時点から私の目の前ではインプレッサ、白RSさんの208、
白黒セダンさんの3台が接近戦に。
さらに私の後方ではサラリーマンNEOさん、初老ドライバーさん、
シビック、BRZが続く。
ちょうど真ん中のポジションとなった私は
絶えず前後を見なければならないという痺れる展開。
しかし、どうもブレーキがおかしい。
段々と、しかし確実に効きが悪くなっている。
迎えた5周目、最終コーナー進入で顕著に効きが悪くなった。
これはもうレースはできない。
なんとか最終コーナーをクリアした直後、後方のドライバーに道を譲る。
そしてコントロールラインを抜け、1コーナーには控えめな速度で入ろうとしたが・・・
「と・・・止まらない・・・!」
しかもクルマがドンドン右方向に寄って行く。
グリーンまで行ってしまうか・・・などと思ったが、
1コーナー手前で減速でき、コースアウトは回避できた。
こういうとき、思考回路はフル回転になる。
「ブレーキパッドが剥離したか?
いや、それならヒドイ音が出るはず。」
「ブレーキホースの破損などでフルードが抜けたか?
いや、それならチェックランプが点くし、完全に効かなくなる。」
トップグループに周回遅れにされながらも、チェッカーを受ける。
クーリングラップでブレーキを踏むと、普通に効く。
ということはパッドの剥離でもなければ、ホースの破損でもない。
恐らく・・・・
ピットに戻りドライブシャフトブーツを見ると、やっぱりグリスが飛散していた。
ただ、完全にブーツバンドが外れているわけではなく、
一応バンドは締まっているが、熱と遠心力でブーツからグリスが飛散したようだ。
そのグリスがブレーキローターに付着し、
ブレーキの片効き状態を誘発したと考えるべきだろう。
帰りの高速もなんら問題なく走ることができたし、
帰ってからホイールもチェックしたが、以前のような派手なグリス飛散はない。
これは恐らく高速で使うような、100㎞/h程度の速度粋では発生しないのではないだろうか。
200㎞/h近い速度粋を連続で使うような状況で起こったのだろう。
32台中27位 クラス2位
今回の最優先事項は完走だった。
しかし終わってみればそれは簡単なことではなく、
けっこう薄氷を踏むような展開だった気がする。
とはいえ、無事に終われたことは手放しで喜びたい。
やっとの思いで完走した最終戦。おかげさまでシリーズタイトル獲得。
ウイングのステッカーも1枚増えることになる。
これでNHGT2021 EURO200クラスのタイトルを決めることができた。
どぅーさんがこっちを離れてから、ずっと1人でEURO200を走っていたけれど、
今年は白RSさんがプジョー206から208にスイッチしたことで、
シリーズを争う好敵手同士のレースをすることができた。
今回は終始208に先行され、決勝レースでは私のベストラップを超えるタイムをたたき出している。
来年もレースを楽しめるよう、白RSさんはじめみんなとレースができるよう、
このオフはメンテナンスしていこうと思っている。