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2010年07月25日 イイね!

マーチに乗ってみました

マーチに乗ってみました 新型マーチに乗ってきました。

 グレードは売れ筋の中間グレード・12X、ボディカラーはピュアブラックです。車両本体価格が100万円を切った注目のグレード・12Sに乗れなかったのは残念でしたが・・・




○だった点
・3気筒としては静かで振動の少ないエンジン
 排気量が大きくシリンダー数の少ないエンジンはシリンダー1本当たりの爆発エネルギーが大きく、振動・騒音が大きくなりがちですが、新型マーチのHR12DE型エンジンはよく押さえ込んでいます。
 同じ3気筒エンジンのヴィッツパッソの1Lエンジン(1KR-FE型)がちょっとアクセルを踏み込むとガーガーゴーゴーとうるさいのと対称的です。
 フリクションの低減やエンジン本体の軽量化の点から少シリンダー化は効果的だと思いますが、このぐらい騒音・振動を抑えてくれるといいですね。
 
・取り回しのしやすさ
 コンパクトなサイズ、大きなグラスエリア、サイドウインドウ見切りの低さ、4.5mと小さな最小回転半径など、先代K12型譲りの取り回しのしやすさです。
 また、新型は車体の軽量高剛性化を進めていますが、そのための車体構造の見直しの中でピラーが細くなっていて、視界が非常に良好です。

・クラストップレベルの低燃費
 10・15モードで26km/Lとフィットヴィッツを凌ぐ低燃費です。車体価格の安さとあいまって、これなら高いハイブリッド車を買わなくてもいいかと思えますね。

・戦略的な価格設定
 最廉価グレードの12Sは車両本体価格99.96万円と100万円を切る戦略的な価格ですが、価格対策のための何も付いていないグレードではなく、車速感応式ワイパー、シートリフター、リモコンキー、フルホイールカバーなど、現代の車としては必要なものが一通り備わっています。


もう少し頑張ってほしい点
・シートが小さい
 シートのサイズが小さいです。背もたれも大きくはないのですが、それより座面がすごく短いことが気になります。日本国内ではこの車は主に女性向けだからシートのサイズが小さくてもいいのかもしれませんが、グローバルでこのサイズだとちょっと「?」ですね。
 マーチの試乗を終えてスイフトに乗り込んだら、シートがデカくて驚きました(笑)

・実燃費とカタログ数値の乖離が大きい?
 燃費のカタログ数値は26Km/Lと非常に優秀ですが、試乗時の燃費は燃費計表示値で12Km/Lでした。試乗コースはすべて市街地で、半分ぐらい渋滞だったという不利な条件ではあったのですが、カタログ数値との乖離がちょっと大きすぎるように思います。
 ちなみに私のスイフトのカタログ燃費18.8km/Lは、今までの総平均は17.2km/Lです。

・先代と変わらない室内空間
 全長約3.78m×全幅約1.67mと先代とほぼ同じ外寸です。最近はモデルチェンジの度にどんどん大きくなる車が多い中、むやみにボディサイズを拡大させなかったのはいいのですが、室内空間が広くないのもそのままです。外寸を変えずに室内を拡大する工夫はしてないのかと思ってしまいます。

・グレード間で差が大きい価格
 最廉価グレード12Sの99.96万円という価格はなかなかインパクトがあるのですが、そのすぐ上の12Xは約123万円と価格差が大きいです。12Sはオプションでも選べない装備が多く、一般的なグレードは12Xになりますが、12Sは単なる客寄せのような印象です。

・ちょっと見づらくなった前方視界
 長所で書いた通り、取り回し性は大変良いのですが、ボンネットがやや高くなり、先代よりも前方が見づらくなっています。先代にはヘッドライト上に突起があり、運転席からそれが見えて車両感覚の把握に役だったのですが、新型はそれもなくなっているのが残念です。

・国内産業の空洞化につながる??
 すでに各方面でアナウンスされているとおり、日本国内で販売される新型マーチは全量タイで生産されます。一昔前は、自動車は家電と違って嗜好品的意味合いもあるから、海外、特に途上国で生産されたものは受け入れられないと言われていました。
 確かにこれまで日本に輸入される海外生産車は、アメリカ、イギリス、オーストラリア、オランダ等の先進国で生産されたものが主でしたが、工業生産の進展で生産される車の品質が向上するにつれ、徐々に新興国・途上国で生産された車が日本に輸入されるようになりました。
 タイ産の日本ブランド車は、すでにホンダのフィットアリア三菱トライトンなどが輸入販売されているので特に目新しいわけではないのですが、フィットアリアトライトンはあくまでも販売台数の多くないニッチ車種であったのに対し、マーチのような基幹車種を全量輸入するのは初めての例ではないでしょうか。
 この事が日本国内産業の空洞化に拍車を掛けないか心配です。ノートやキューブ、モコ、オッティなどに押されて一時期よりも少なくなったとはいえ、それでも新型マーチの月販目標台数は4000台(2010年中は6500台)と相当なボリュームです。
 もしも新型マーチがタイ産であることのネガを補うぐらい売れれば、コンパクトカーを中心に続々と新興国産に切り替わっていく可能性もあります。
 今後日産は実用車種・量販車種は新興国製、付加価値の高い車種は日本製という住み分けをしていくつもりなのかもしれませんが、現状では日産の車で付加価値の高いものはあまり育ってないように思います。ハイブリッド車や電気自動車、インフィニティブランド車などをより一層育成していく必要があるでしょう。


総評
 新型マーチは何はなくともタイ産であることが話題です。車の造りをざっとチェックしてみましたが、いかにも新興国産であることを感じる雑な部分はありませんでした。現代の車ですから、原産国が云々ということはあまり気にしないでもいいでしょう。
 ただし全体的な印象としては、原産国云々を別としても思いきってチープに仕上げてきたなという感じです。コンパクトカーなので高級感いっぱいに…とは言いませんが、このクラスの中でもかなり安普請な感じで、先日乗ったトヨタパッソ並み、同じ日産の軽自動車・ルークスよりも安っぽさ丸出しです。
 特にルークスは軽自動車の制限の中で、内外装や走りなどできるだけ良いものを作ろうという意志を感じますが、マーチはただひたすらにコスト削減まっしぐらです。
 また、マーチといえば先代K12型も決して質感は高くありませんでしたが、かわいらしい内外装デザインやカラーリングが魅力的でしたし、オートライトなど便利な装備をコンパクトクラスとしてはいち早く採用したりと、意欲的な車でした。
 それに比べるとK13型の力の抜き方は、「どうせ日本国内ではこのクラスの車を買う人は車に関心ないから、安くて装備が適当に付いてればいいや、タイ産でも安っぽくても誰も気にしないだろ」とメーカーが考えてるんじゃないかと思えてしまいます。
 実際にはエントリークラスのこの車こそ、自動車の本質的な魅力を磨いて、車は楽しいものだ、素晴らしいものだとエントリーユーザーに理解してもらうという重要な役割があるはずなんですが、K13型の出来では運転が単なる作業としか思えません。
 パッソでも感じたのですが、露骨にコストダウンしていて、程々・ソコソコを旨とした新型車が出ると、「日本車は大丈夫か?近いうちに中国や韓国の車に追い越されてしまうのではないか?」と思ってしまいます。日本メーカー各社はもう一度誠実な車作りをしていくべきではないでしょうか・・・


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(ルークスはパレットのバッジエンジニアリング車)
Posted at 2010/07/25 23:09:35 | コメント(10) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2010年06月29日 イイね!

ジュークに乗ってみました

ジュークに乗ってみました 日産の新型コンパクトクロスオーバー
ジュークに乗ってみました。

 グレードは2種類あるうちの上級グレード「15RX」、ボディカラーはラディアントレッドです。写真は先日福岡に行った時に日産福岡ギャラリーで撮影したものですが、試乗車と全く同一外観のものです。
○だった点
・個性的なスタイル
 ジュークといえばジュネーブショーでの参考出品の時からその個性的過ぎるスタイルが話題で、なおかつ、ほぼこの外観のまま市販されるということで物議を醸していました。
 私もショーモデルの際には「これはねぇだろ…」と思っていたのですが、実際に市販仕様を見ると、ショーモデルにあった行き過ぎた奇抜さがなくなりました。
 ショーモデルではフロントに目玉のようなヘッドライトがギョロリと二つありましたが、市販仕様ではボンネット上のマーカー&ウインカーが大型化されて一見切れ長のヘッドライトのようにも見えるため、アクが薄まっています。個性を生かしながらうまく一般化できていてなかなかかっこいいです。

・取り回しがしやすい
 全長4135mmというコンパクトカー並のサイズである上に、高いアイポジションによって取り回しがしやすいです。
 また、この車のデザイン上の特徴でもあるボンネット上の大型マーカー&ウインカーが、かなり盛り上がっていて運転席からよく見えるので、車両感覚の把握に役立ちます。
 全幅1765mmはなので、この1.5Lクラスの車としては相当幅が広いのですが、それをあまり感じさせません。

・遊び心のあるユニークな装備
 エアコン操作パネルの表示画面が鮮やかなフルカラー液晶なのが目新しいですが、この画面がスイッチ操作によってパワーモニターや省燃費運転モニターにも切り替わるというユニークな装備が備わっています。また、これは液晶画面だけでなく、スイッチに表示されている文字も切り替わるのが面白いです。
 センターコンソールはバイクのタンクをイメージした赤色のものが設定されています。SUVらしい遊び心があって楽しいですね。

・質感の高い内外装
 コンパクトクラスの車ながら、内外装の質感はなかなか高いです。ダッシュボード上面のソフトパッドなどは使われていませんが、できるだけ質感を向上させようという意志が感じられます。
 外装も抑揚が強くアグレッシブで、平坦でコスト優先な印象の強いコンパクトカークラスを越えた印象です。

・手頃な価格
 ベースグレードの「15RS」で約169万円からとSUVとしては手頃な価格です。最近は安くて悪いものはもちろん、高くていいものもなかなか売れない中、安くて質感の高いジュークは時代にピッタリですね。
 この価格であれば若い人達にもアピール度が高いでしょう。


もう少し頑張ってほしい点
・やや重さを感じる走り
 1170Kgとティーダなどと比べても極端に車重があるわけではないのですが、走りにやや重さを感じます。アクセルを踏み込めばそこそこ加速するのですが…
 この車の兄貴分たるデュアリスは欧州車譲りの質が高く活発でキレのいいだっただけに、ちょっと残念です。
 同じようなコンパクトSUVのRVRや昔のRAV4などは2Lですから、1.5LでSUVを成立させるのはさすがに多少無理があるかもしれないですね。

・ターボと4WDの登場が遅れている
 上記の通り動力性能が多少厳しいのですが、それは日産も十分認識しているようで、秋口には1.6Lターボと、同時に四輪駆動が追加されるようです。動力性能的にはターボが真打でしょうし、車の性格を考えると降雪地域やウインタースポーツに使われる四輪駆動が登場するのは歓迎できると思うのですが、エコカー減税&補助金が9月までとされているので、それに間に合わないのは残念です。

・最終的には高くなってしまう価格
 試乗車の15RXはディーラーオプションのHDDナビやメーカーオプションの17インチアルミホイールなどを装着して、車両本体価格がおよそ224万円にもなる仕様でした。オプションで思いのほか高額になってしまうのはジュークに限ったことではありませんが、1.5Lの車としてはちょっと高いですね。 

・圧迫感のある後席空間
 スタイル優先の外観のせいか後席空間に圧迫感があります。空間の大きさはマーチ並みかなあというところですが、ピラーの傾斜が強くて側頭部ギリギリで狭苦しさを感じます。
 また、側窓が小さいため実際よりもさらに狭く感じさせられます。

・後方の車両感覚の掴みづらさ 
 上記の窓の小ささにも関係するのですが、外観スタイルを優先した結果、特に後方の車両感覚が掴みにくく、車の後ろ端がわかりません。オプションでバックモニターは設定されていますが、やはり直接目視の視界が良いことが安全性の基本だと思います。


総評
 発売前からその個性的過ぎるスタイルが話題になっていたジュークですが、市販仕様はなかなかバランスよくまとまっていて安心(笑)しました。
 発売後の売れ行きは好調なようで、一週間で月販目標の4倍の5000台以上を受注したそうです。街中を走っている姿もちらほら見掛けますが、アクティブでスタイリッシュな外観でなかなか目立ちますね。
 乗り味については、エンジンパワーがあまり十分とは言えずやや緩慢な印象はあるものの、コンパクトSUVらしく高いアイポジションで視界が良く、街中を元気に走るにはピッタリの車です。
 キューブやフィットなどのコンパクトカーには飽き足らないが、大きな車を買うほどにはお金を掛けられない(掛ける気がない)若い人にお勧めしたい車です。
 また意外と30~40代の男性にも似合いそうですね。


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Posted at 2010/06/29 22:46:47 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2009年08月30日 イイね!

プレジデントに乗ってみました

プレジデントに乗ってみました 仕事柄珍しい車を運転することがあるのですが、最近たまに運転する機会があるのが写真のこの車です。

 というわけで日産プレジデントに乗ってみました。
 グレードはソブリン5人乗り・ボディカラーはスーパーブラックです。

 ご存知の方もおられるかと思いますが、この車、トヨタセンチュリーと並んで、VIPが運転手付きで乗るという車で、これをオーナーとして運転する機会はほとんどないであろうと思われます。
 プレジデントでみんカラに登録しているユーザー数は、旧モデルまで含めて92台、現行F50型はなんと3台(オーナーさんではないものも含む)というレア度です。
(ちなみに中古車情報のGooのサイトで調べても在庫は20台)

 このような希少車なので所有者個人が特定される恐れがあるため、写真は撮っていません。
 画像は以前日産ギャラリーで私が撮影したものですが、試乗車と同一外観・同一ボディカラーのものです。
 また、試乗車は走行距離が3万キロほど走っており新車とは言い難いのと、基本的にこの車は2003年登場という古い車ですが、レア度に免じてご容赦下さい。


○だった点
・希少価値がある
 この車の販売台数は年間数百台と、下手な輸入車よりも希少です。人と違った車に乗りたいという方には最適でしょう。

・大柄なわりに取り回しが良い 
 全長5,060mm・全幅1,845mmと大柄なボディサイズですが、車両感覚が掴みやすく狭い道でも比較的安心して入っていく事が出来ますし、最小回転半径は5.3mとサイズの割には非常に小回りが利くので、思いのほか取り回しがいいです。
(ちなみに私のスイフトの最小回転半径は5.2m(笑)
 全幅が広過ぎないので、一般的な駐車スペースにもきちんと収める事ができます。
 また、この車のヘッドライトは「アクティブAFS」というハンドルを切った方向に連動するライトが装備されていますが、照射範囲が広くて明るいので狭い夜道や交差点でも安心です。ウインカーが点灯している時に同時点灯するコーナーリングランプよりも圧倒的に有効です。
 
・滑らかでありながらみなぎるようなエンジンパワー
 この車のエンジンはシーマと同じV型8気筒のVK45DE型で、パワーは現代の水準としてはごく普通の280PSですが、1.9トン近い車重をものともしないパワフルな走りです。アクセルをひと踏みすれば高い静粛性を保ったまま強烈な加速を体感できます。
 ちなみにエンジン形式こそシーマと同一ですが、乗り比べてみるとエンジンフィールはプレジデントの方が滑らかなように感じられますし、車内騒音についてはプレジデントの方が明らかに静かです。
(遮音材の量はプレジデントの方が多いそうです。)


もう少し頑張ってほしい点
・高級車としてのオーラのなさ
 初代プレジデントは当時のセドリックなどオーナーカーとは一線画すボディサイズ・排気量・価格など、いかにも政治家や企業経営者向けの特別な車という印象でした。
 しかし時代の流れや日産の経営危機等の影響で、先代はインフィニティQ45がベース、現行型はシーマがベースとだんだんとランクダウンしていきました。
 ライバルのトヨタセンチュリーはレクサスやクラウンとは一線を画す「雲の上カー」ですが、現行プレジデントはあくまでも一般の人が乗る車の延長線上の車という印象です。
 パッと見のシルエットはシーマと変わらず、センチュリーのような特別感がありません。

・ブレーキが効かない
 上記の通り加速性能は申し分ないのですが、ブレーキの効きは不満です。調子に乗って加速を楽しんでいていざブレーキとなると、重い車重とあいまってなかなか止まらず怖い思いをします。
 更に踏み込んでいけばよいのかもしれませんが、現代の車としては異例にサスペンションセッティングが柔らかい(というよりフワフワと言う方が近い)ため、強いGがかかるブレーキでの姿勢変化(ノーズダイブ)が大きく、踏むのが躊躇われます。
 ショーファードリブンは脚が柔らかくないといけないというのは、ひと昔前の常識だと思うのですが…

・どこか雑なエンジンフィール
 絶対的なエンジンフィールは滑らかなのですが、センチュリー、クラウン、レクサスなどトヨタ各車に比べるとどこかラフです。日産の最高級車というにはちょっとレベルが低いです。 ついでに言うと、シーマはもっとラフで、静かで滑らかなトヨタ各車に比べるとちょっとがっかりします。

・そもそも、今この車の需要があるのか?
 昔のプレジデントといえば、トヨタセンチュリーと並んでショーファードリブンの双璧として、政治家や企業経営者のための車でしたが、日産グループの系列解体や、政治家や行政機関がハイブリッドカーやミニバンを使用するようになり、現行型はきわめてマイナーな存在になってしまったように思います。
 センチュリーは依然として一定の需要がありますが、プレジデントはもうあまり需要もないのに惰性だけで販売されているようなら、もういっそのこと生産中止にしてしまっては?と思ってしまいますね。


総評
 上記のように、もう少し頑張ってほしい点をたくさん書きましたが、何と言っても日産の最高級車なので、別に車を使用する上での致命的な欠点ではなく、いわば粗探しです。
 それにこの車は一般人がオーナーとして乗る車ではないので、多少の長所・短所があっても大勢に影響はないでしょう。
 
 この車の問題はハード面でなく、ソフト面にあります。
 日産のショーファードリブンといえば、天皇陛下の御料車だった日産プリンスロイヤルが思い浮かびますが、日産は老朽化を理由としてプリンスロイヤルのメンテナンスの継続を断り、後継モデルの開発も行いませんでした。
 結局新御料車はトヨタがセンチュリーをベースで開発した「センチュリーロイヤル」となりましたが、このことは日産にとって有形無形のきわめて大きな損失です。
 おそらく開発コスト的に採算が取れないので断ったのでしょうが、それなら新御料車をベースとしてプレジデントを開発し、それを世界的に販売すれば多少なりとも開発費を回収でき、なおかつプレジデントが御料車直系の車であるという、他の車が絶対に追随できないブランド性を得ることができたのにと思うと大変残念です。

 御料車を開発するというのはどのメーカーでも出来ることではありません。日産はプリンスロイヤル納車以降40年近い御料車に対する歴史とノウハウを持っていたのに、それをあっさり捨ててしまいました。
 こういった点にルノーの子会社になってしまった日産の悲哀を感じます。フランスのような革命で王制を打倒した国の人間には、皇室・王室を戴くことの重みは理解できないのでしょう。
 日産が日本の会社だったらこんな不敬な、こんなもったいないことは絶対にしなかったはずです。
 自動車メーカーには採算を度外視してもやらなければいけないことがあるはずです。GT-Rも大事ですが、御料車はそれ以上に大事です。
 取り返しのつかないことをしてしまった日産には、怒りというか深い落胆を感じます。今後二度と日産が御料車を開発することはないでしょう。
 またプレジデントも次期型があるかどうかわかりませんし、あったとしても今度はフーガ辺りをベースとした貫禄のない車になりそうな予感がしてなりません。
 日産が御料車を開発していればこんなことにもならないのに…と思うと大変悔やまれます。
Posted at 2009/08/30 21:22:30 | コメント(7) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2009年06月14日 イイね!

NV200バネット乗ってみました

NV200バネット乗ってみました 日産から登場した新型商用車NV200バネットに乗ってみました。グレードは7人乗りワゴンの16S、ボディカラーはローズレッドです。


○だった点
・スタイリッシュな外観
 外観デザインは商用車離れしたスタイリッシュなデザインです。ライバルのトヨタタウンエース/ライトエースがちょっともっさりしたデザインなだけにスタイリッシュさが際立ちます。

・前輪駆動ならではのスクエアかつフラットで使い易い荷室
 開口部の高さが低くてホイールハウスが小さく、荷室が立方体に近いため、使い勝手が非常によさそうです。このあたりは前輪駆動ならではのメリットですね。
 この荷室を実現するためにリヤサスペンションの形式はリーフリジッドを採用していますが、空車状態での乗り心地も結構良く、路面のギャップでポンポン跳ねる感じもありません。

・意外と活発な走り
 1.3トンを越える車重に1.6リッター109PSエンジンということで動力性能は期待していなかったのですが、空車状態なら結構活発な走りで、流れが速いバイパスでもそれほど不安は感じません。


もう少し頑張って欲しい点
・ディーゼルエンジンが欲しい
 エンジンのラインナップが1.6Lのガソリンのみですが、現代の商用車ですから新世代ディーゼルエンジンは必須ではないかと思います。ルノー製などの新世代ディーゼルエンジン搭載車を早急に追加してはいかがでしょうか。

・リヤサイドウインドウ小さ過ぎ
 外からは大きく見えるリヤサイドウインドウですが、中から見ると窓の面積が小さくて室内に圧迫感があります。その上開口部も小さくて換気ぐらいしか使いようがなさそうです。
(開き方は独特でかっこいいんですが…)

・最大積載量が少ない
 車体の容積の大きいワンボックスタイプにもかかわらず最大積載量が600kgと少ないです。ボンネットタイプのADバンが450kg、ライバルのタウンエースが750kgですから、もうちょっと頑張って欲しいところです。

・前輪駆動で大丈夫?
 最新の商用車らしくNVは前輪駆動ですが、荷物を大量に積載する可能性のあるワンボックスタイプの車で前輪駆動は、走行性能の点で不安があります。
 以前私が営業マンをやっていたとき、カローラバンに荷物満載で走ることが多かったのですが、雨の日や上り坂、低μ路での発進で駆動輪が簡単に空転したり、高速道路やコーナーでフラフラしたりということがありました。
 これらの弊害を避けるために、上記のようにボディサイズのわりに最大積載量が制限されているのだと思いますが…

・バンのリヤシートベルトがオプション
 コスト面や使用頻度を考慮して省かれたのでしょうけど、今時定員分のシートベルトを装備するのは常識だと思うんですが…

・名前長過ぎ
 「にっさん・えぬぶいにーまるまるばねっと」って、どう考えても名前長過ぎです(笑)。普通に「バネット」でいいんじゃないですか?


総評
 先代(一部グレードは継続生産)バネットは基本設計が昭和58年登場のマツダボンゴを起源とする古い車でしたが、久しぶりのモデルチェンジで世界戦略車として生まれ変わりました。
 NV200は新世代の商用車らしく前輪駆動・ボンネットタイプと欧州車的な成り立ちですが、スペース効率に関してはキャブオーバータイプに分があります。
 以前トヨタハイエースにはキャブオーバータイプ(レジアスバン)がありましたが、スペース効率が劣るためか、いつの間にか消滅してしまいました。バネットには4WDとディーゼルにはキャブオーバーが残りますが、キャブオーバー化が失敗しなければいいのですが…

 基本的にこの車は4ナンバーの商用車ですが、試乗車の16Sのように5ナンバーのグレードも設定されています。これは本体価格186万円と結構お手ごろ価格なのですが、内装などはそれ相応に簡素(というか、ほぼ商用車)なので、お買い得だと勘違いしないほうがいいと思います。装備は非常にシンプルで、電動格納ミラーすら備わっていないませんし、セカンドシート以降は内貼りも最低限で、鉄板やシートフレーム、ボルトの頭がむき出しの部分があり、この車が乗用車的なミニバンでなく、あくまでも商用車であることを感じさせられます。
 
 ただ、最近の豪華装備で至れり尽くせりのミニバンを見慣れた目にはNV200は新鮮に映ります。積載性が高く、商用車としての実力が高い割りに、乗り心地や動力性能は乗用車として納得できる範囲に収まっているので、アウトドアスポーツが趣味の方や、平日は仕事・休日は家族の車を共用したい方、自営業の方などには、スタイリッシュで商用車臭さが少ないこの車はお勧めできると思います。
Posted at 2009/06/14 19:56:50 | コメント(9) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | モブログ
2009年04月01日 イイね!

NISSAN GT-R乗ってみました

NISSAN GT-R乗ってみました 新年度を記念しての特別企画、
日産GT-R乗ってみました!!
 あ、エイプリルフールじゃないですよ…(汗

 一昨年12月の発売以来GT-Rにはずっと乗ってみたいと思っていたのですが、何分高額&このような特殊なスポーツカーゆえに、おいそれと乗る機会に恵まれずにここまで来てしまいました。
 本当は発売直後の昨年1月にごく短時間運転できそうなチャンスはあったのですが、当日が仕事だったため泣く泣くあきらめていました。
 今回、市街地・高速道路・山道など丸一日いろんなシチュエーションでたっぷりと乗ってみる機会があったので、今更ではありますがレポートしたいと思います。

 試乗車のグレードはプレミアムエディション、ボディカラーはブリリアントホワイトパール、シートカラーはブラックです。
 なお、GT-Rは昨年12月に最高出力が向上するなどの小改良が施されましたが、試乗車は改良前の2008年1月登録の初期型車であることをご了承下さい。

 それから、一般道での試乗でこのスーパースポーツカーのポテンシャルを発揮させることはできませんので、あくまでも日常的な使用+α程度の走り方をした印象とお考え下さい。



○だった点
・GT-Rが存在していること
 私は特定メーカーや特定車種に対するこだわりというのはあまり持っていないのですが、それでもGT-Rは特別中の特別な車であると思います。
 環境問題、エネルギー問題に加え、昨年来の金融危機や景気後退など、車を取り巻く環境が厳しさを増す中、金融危機前でタイミングがよかったとはいえ、GT-Rのようなスーパースポーツカーが日本のメーカーから出てきたことを一人の車好きとして大変うれしく思います。
 いろんなインターネット掲示板等を見ていると「ガソリンが高くて、環境問題も厳しいのに、スポーツモデルを出すのは時代錯誤だ」という意見も見られます。たしかにこのご時勢、高性能なスポーツモデルには反社会的な側面を感じざるを得ません。

 しかし、それならば道路上を走るすべての車が実用的で経済的なミニバンやコンパクトカー、ハイブリッドカー、軽自動車ばかりになってしまう社会が、多様で豊かな楽しい社会だと思えるでしょうか?私はそんな世の中はあまりにもつまらない寂しいものだと思います。力の強いもの、速く走れるものに人間が憧れてきたからこそ自動車の技術が進歩し、結果として人間の生活が改善されてきたのではないでしょうか。もちろんスポーツモデルであっても自動車を取り巻く諸問題を無視してよいわけではありませんが、スポーツモデルを完全否定することは自動車そのものの死につながるのではないでしょうか。

 自動車メーカーが努力を続けることはもちろん、ユーザー一人ひとりが自動車を正しく使うことによって、GT-Rのような高性能車と将来の生活との共存を図っていけたらいいなと思います。 

 
・実用性が高く日常使用がしやすい
 メーカーの日産自身が「マルチパフォーマンススーパーカー」と謳うだけのことはあり、GT-Rは超高性能車にもかかわらず非常に実用性に優れています。大人がなんとか座ることの出来る後席、実用的なトランクルーム、全幅1.9m近い全幅にもかかわらず狭い道でも扱いやすいなど、日常使用でも我慢を強いられたり不便を感じることが少ないです。
 超高性能でありながら実用性にも優れているというのは、新時代のスーパーカーとしてふさわしい資質であると思います。

 
・疲れにくいシート
 今回の試乗は半日運転しっぱなしという状況でしたが、体圧の分布が適切なようで、シートが原因で疲れたり身体の一部が痛くなるということがなく、楽に運転できました。



もう少し頑張ってほしい点
・手動変速トランスミッションがないこと
 GT-Rのトランスミッションは今流行のツインクラッチ式のGR6型トランスミッションです。ツインクラッチ式トランスミッションはギアチェンジに要する時間が短い、シフトミスの危険性が少ない、トルコンAT並みのイージードライブができるなどのメリットがあります。
 VWのDSGを皮切りに、三菱ランサーエボリューションのTC-SST、BMWのM-DCT、さらに最近ビッグマイナーチェンジしたポルシェ911にもPDKと称するツインクラッチ式ミッションが搭載されましたが、ポルシェの場合変速に要する時間や加速タイム等は、PDKがMTをすでに上回っています。
 従来、自動変速は運転は簡単だが性能は手動変速よりも劣るのが常識でしたが、ツインクラッチ式トランスミッションの登場によりイージードライブと高性能が両立できるようになりました。

 ただしこのことが運転の楽しさを向上させることと直結するとは思いません。確かにツインクラッチ式トランスミッションによって、オートマチック的なイージードライブもできるのと同時に、クラッチペダルがないことによりシフトミスを防いだり、両手をハンドルから離さずギアチェンジできることによりステアリング操作に集中できるなど、イージードライブとハイスピードドライブを高度に両立させることができるのですが、大多数のドライバーは素人で、そんなにしょっちゅうコンマ1秒を削る突き詰めた運転をしているわけではないでしょう。サーキットアタックでタイムを削ることも大事でしょうが、自分でギアを選択して運転をアレンジする楽しみ、回転をあわせてシフトダウンする楽しみなど手動変速ならではの醍醐味を残してほしいものです。
 従来型の6速MTとツインクラッチを併売するべきではないでしょうか。
(ちなみにポルシェ、BMW M3ともMTとツインクラッチが併売されています。)


・そこそこレベルのドライバーが運転への関心を失う?
 上記のようにGT-Rはどんな技量のドライバーでも簡単に高性能を引き出すことができますが、逆に私のようなある程度運転に自信のある「そこそこレベル」のドライバーにとっては、ヒール&トーなど全く無意味、かなり頑張ってもカウンターを当てるような領域に達しないというこの車は、運転がつまらないと感じるかもしれません。
 私はこの車を試乗した際、少しでもこの車の限界に迫ろうと思い山道(箱根ターンパイク)で結構頑張って走ってみたのですが、相当高い速度域でも極めて平和で何も起こりませんでした。(恐らくターンパイクだと200kオーバーの世界までさらっと達しそう)
 この車のドライビングの世界というのは、プロ級のドライバーがサーキットを攻めて、高度な限界域を見ることができるか、もしくは初心者級のドライバーが「うわ~すごいスピードが出るな~」と喜ぶか、どちらか両極端という印象です。

  
・極低速域でのトランスミッションの変速マナー
 GR6型ツインクラッチ式トランスミッションは街中でゆっくり走っているときにはオートマチック的なイージードライブを許容しますが、時速20km以下の極低速域ではアクセルのオンオフで、トルコンATにはないギクシャクしたスナッチを感じることがあります。VWのDSGではこのようなことはなかったので、もう一歩極低速域でのドライバビリティを洗練させてほしいものです。

 
・180km/hリミッターの解除が難しい
 GT-Rには他の日本車同様時速180kmで作動する速度リミッターが装着されていますが、この車の登場時から話題になっていましたが、一般道路でリミッターを解除すると車にログが残り、保証が効かなくなるそうです。
 反社会的との誹りを恐れずに言うと、エンジン性能だけでなく回避性能も優れたこの車にとって時速180kmというのは日常的巡航領域であると思います。今回の試乗では東名高速の秦野中井~御殿場のような比較的きついコーナーが連続する高速道路も走ることが出来たのですが、一般的な車なら手に汗握る状況でも、この車は本当にストレスなく、かつハイペースで安全に走ることができます。
 時折高速道路でプロボックスやADバンなど営業車が180km/h前後と思われるえらいスピードでブッ飛ばしているのを見かけますが、GT-Rのような全ての動力性能を磨き上げた車も180km/h、ABSが備わっているかどうかもわからず、細いタイヤに荷物満載でヨタヨタ走る営業車もリミットが180km/hというのはちょっとおかしいのではないでしょうか。
 それから輸入車はリミッターが装備されていない、もしくはBMWやメルセデスなど250km/hですが、GT-RがVWゴルフあたりに高速で煽られるのもつらいものがありますね。
(参考までに、スピードメーターは189㎞/hまで表示されることが確認できました。)


・ヒルスタートアシストの設定
 ツインクラッチミッション車には基本的にクリープ現象がないため、登り坂の途中で一時停止してからの再発進を補助するヒルスタートアシストが装備されていますが、停止時のブレーキの踏み方が浅いとヒルスタートアシストが作動せず、止まった瞬間後ろにずり下がってちょっとあせります。止まったときにきちんと床いっぱいまで踏み込む必要があるのですが、この特性を知らないとちょっと危険なことがあるかもしれません。


・ぶっちゃけ運転が疲れる
 ○だった点で、実用性が高くて運転がしやすいと書きましたが、長距離・長時間の運転はあまりしたくない車です。エンジンをかけた瞬間から「ズドウゥン!!」と豪快なエンジン音が響き、街中での走行中もミッション・デフのノイズが絶え間なく室内に伝わってきます。体調が万全ならいいのですが、疲れているときは運転したくない車です。
 きちんと運転すれば圧倒的なパフォーマンスでそれに応えてくれる車なのですが、常に真面目に運転することが要求されているかのようで、運転が楽しみというよりも仕事とか作業のように思えてきます。

 また、サスペンションの固さが「COMFORT」モードとして任意で柔らかく調整することができるのですが、COMFORTモードにしてもあまり乗り心地が変わらず固いままです。せっかく調整ができるのならもっと柔らかくできてもいいのではないでしょうか。
 試乗時は嫁さんと一緒だったのですが、パッセンジャーには気を遣います。この車の騒音や乗り心地は、ドライバー自身が許容できても同乗者には不快に感じるかもしれません。


・いまひとつ魅力のない内外装
 GT-Rにせよランエボ、インプレッサにせよ、日本車のスーパースポーツのスタイルというのはなぜこのようなガンダムルックになってしまうのでしょうか?
 GT-Rに乗っているからといって常にサーキットに行くわけでもなく、時にはフォーマルな場やおしゃれをして女性と一緒に…という状況もあろうかと思いますが、正直この車のこのスタイルでおしゃれな場に女性と…とは到底思えません。
 ポルシェやフェラーリは高性能スポーツカーでありながらフォーマル・ドレッシーな装いもよく似合うのに対し、GT-Rには全く似合いません。800万円級の車ならもう少し相応の大人っぽさがあってもいいのではないでしょうか。

 それからGT-Rはインテリアもあまり魅力的とは思えません。プラスチック類の質感は800万円級の車とは思えない安っぽさですし、シート生地も皮やアルカンターラを使ってはいるのですがデザインが野暮ったいせいか高級感がありません。
 また、ナビ、エアコンなどに付帯するスイッチ類が非常に多く煩雑な印象です。同じ機能を持つスイッチがインパネとステアリングで反復しているため使いにくいです。GT-Rのようなスーパースポーツはもっとシンプルで機能的であるべきだと思うのですが…
 
 
・紙カタログがないこと(笑)
 GT-Rは登場時から紙のカタログがなくDVDのみですが、気軽にカタログを眺めることが出来ないのは面倒ですね。諸元などをちょっと確認したいというときも大変です。
 また今年になって登場した上位バージョンのスペックVに至っては紙カタログはおろかDVDカタログもなく、車の内容はウェブ上でしか見ることができないのは、ちょっといかがなものかと思います。



総評 
 念願だったGT-Rに丸一日いろんなシチュエーションで乗ってみることができ、非常に有意義でした。
 環境問題やエネルギー問題に加え昨年からは金融危機や景気後退の影響で、日本メーカーのスポーツカーの中にはホンダNSXのように次期型の開発が凍結されてしまったものもあります。
 そんな中、金融危機が表面化する前に登場したというタイミング的なラッキーがあったとはいえ、GT-Rが我々の前に市販車のかたちで姿を現したことは、車好きとして非常に嬉しく思います。GT-Rは日本車の精神的支柱としてGなくてはならない存在で、これからも生き続けてほしい車です。
 スポーツカーの人気低下や若者の車離れが言われる昨今ですが、GT-Rを走らせているときの注目度は非常に高く、すれ違うほかの車のドライバーや街行く人からの視線を感じましたし、駐車場に停めていると写メまで撮られました(笑)。社会の車に対する関心が極端に低下したわけでなく、GT-Rのような魅力的な車には依然として人をひきつける魅力があるのだと認識できました。

 ただ、GT-Rの中長期的な将来については予断を許さない状況と言えるでしょう。環境・エネルギー問題はGT-Rのようなスポーツカーにとって非常に大きな問題ですし、メーカーの日産はハイブリッド車や次世代燃料車の開発に関してはトヨタ・ホンダに大きな遅れを取っています。日産がGT-Rを出してきたことには車好きとして感謝したいのですが、逆に「こんな車にかまけてていいの?」と心配にもなります。
 世界のスーパーカーを見渡すと、フェラーリやアストンマーティンには美術工芸品的な美しさがあり、ポルシェには機械式腕時計のような緻密さ、ランボルギーニには前衛芸術的な魅力、メルセデスベンツには圧倒的なブランド性があるのですが、GT-Rは残念ながら「速くて扱いやすいだけ」の車です。自動車が速さやパワーを前面に押し出すことができなくなりつつある昨今、デザインの美しさやブランド性といったプラスアルファ(というよりもそっちのほうがメイン?)の魅力を訴求できないと、今後が厳しいのではないかと危惧してしまいます。

 …と、厳しいことをたくさん書いてきたのですが、やっぱりGT-Rは日本の至宝!もしかしたらガソリンエンジンで走るGT-Rはこれで最後になるかもしれませんが、大事に磨きぬいて次世代のGT-Rによりよい形で引き継がれていかれることを切に願います。

↓↓フォトギャラリーもご覧ください↓↓
NISSAN GT-R乗ってみました その1
NISSAN GT-R乗ってみました その2
NISSAN GT-R乗ってみました その3
GT-R スペックVとノーマルの比較 その1
GT-R スペックVとノーマルの比較 その2
GT-R スペックVとノーマルの比較 その3
GT-R スペックVとノーマルの比較 その4
Posted at 2009/04/01 01:40:04 | コメント(6) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記

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