フルバケを入れて半年ほど経過しました。
4点式ハーネスが違和感なく装着でき、HANSにも対応でき、縦横のGに楽に対応できるフルバケはある程度腰を据えてサーキット遊びしようと思ったらもはや必需品レベルかと思います。
では、街乗りユーザーにはどうなのか?というのを、半年間通勤とレジャーで使用して感じた素直な想いを書こうと思います。
先に結論を書きますと、
街乗りオンリーなら絶対にお勧めしません。
主な理由を順番に説明します。
1、3点式シートベルトが正しく装着できない
最もお勧めできない理由はこれです。
3点式シートベルトは腸骨で2点、鎖骨で1点、合計3点で体を支えます。
常に体に接触した状態から、大きな衝撃が加わるとロックがかかり乗員の体をその場で固定します。
体重を支えるのは人体の中でもかなり頑丈な部類である腸骨≒骨盤です。
大きな事故なら鎖骨はまぁ折れるでしょうがこんな骨が折れたところで死にはしません。
(折れた鎖骨による機械的な血気胸や脈管損傷などすれば話は別ですが)
では、フルバケでは3点式シートベルトが正しく装着できるのか。
こちらの写真をご覧ください。

純正3点式シートベルトと4点式の腰ベルトを同時に装着した状態です。
当然、4点式腰ベルトは最も理想的な腸骨の上を通っています。
しかし3点式は高いサイドサポートの影響で完全に浮いてしまい、しかも腹部の上を通っています。
ではこの状態の3点式シートベルトで事故ったときどうなるか。
腹部には骨などの頑丈な組織がありません。
鎖骨で受け止めきれなかったエネルギーは、柔らかい腹壁とその中のにある腹腔内臓器で全て受け止めることになります。
しかも、ちょっと浮いているのでシートベルトに接触するまで数cm前方に加速します。
加速度が付いた自分の体重+αの衝撃を軟弱な腹部で受け止めるのです。
まぁ死ぬでしょう。
死ななくていい事故で死ぬでしょう。
正直4点式ハーネス+HANSで安全にサーキットを楽しむためにフルバケ入れた結果、公道を安全に走れなくなったのは想定外でした。
おじさんはまだ死にたくないので、公道では4点式の腰ベルトのみ併用しています。
おかしな話ですが、3点式シートベルトを併用していれば4点式ハーネスで体を固定していても一応適法らしいです。
2、身動きがとれない
後ろの座席に置いた鞄の中にある財布を取ろうと思ったら脇腹痛めます。
センターコンソールの小物入れの蓋を開けようと思ったら脇腹痛めます。
ドリンクホルダーにお茶を置こうと思ったら脇腹痛めます。
ホールド性の高さ故のデメリットですね。
おじさんの体が固すぎる可能性は否定できない
ちなみに街乗りでもホールド性が高いほうが運転しやすい、というのは間違い無い事実ですが、そこを超えてフルバケのホールド性に頼らないといけないような運転はするべきではありません。
公道でシートのホールド性が気になりだしたら、シートではなく自分の運転を見直してください。
3、死角が増える
フルバケは純正比で視点が下がります。
単純にそれだけで死角が増えますね。
あとこれは一般的ではなく個人的な体格の不一致な可能性もありますが、ショルダー部の張り出しが大きいので斜め後方の死角が増えました。
高速で追い越し車線に出ようとするときや左巻き込み確認をするときにショルダー部の張り出しがすごく邪魔。
背中をシートバックから少し起こさないといけなくなりました。
だいたいこんなところでしょうか。
フルバケはサーキットを楽しくかつ安全に楽しむための装備です。
街乗りオンリーのユーザーには不要だとおじさんは思います。
もちろん、フルバケにしかないメリットはたくさんありますし、これらのデメリットを十分に理解した上で公道でフルバケを楽しむのは個人の自由だと思います。
ただ、1番目のシートベルトに関しては予想はしていたけどその予想を遙かに上回る身の危険を感じたのでこうして記事にしました。
10万円以上出してからこんなはずじゃなかった、は面白くないですからね。
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Posted at
2021/04/10 18:35:16