その2その3その4
実は今年、車高調を導入する計画を立てています。
おじさんはずっと純正脚にこだわってきました。
純正脚はメーカーが多額の予算を組み、どんな路面でも破綻しないように車体設計レベルで作った超万能サスペンションです。雪道からサーキットまで、初心者からプロドライバーまで、どんな道でもどんなドライバーでも80点で走れるように設計された化け物パーツです。
実際サーキットでも元々がスポーツカーなのでタイムを気にせず走るなら全く純正脚で十分と思います。
しかしどうせ走るなら速く走りたい。昨今のハイグリップタイヤに合わせた強化をしたい、80点の先へ行きたいと思うようになりました。
そしてうちの子も8万kmを超え、弄れるうちに車高調を入れて遊んでおきたいという気持ちが出てきました。
車高調を入れるのであればいろいろ考えることがありますが、まずは使用目的からターゲットとするスプリングレートを決める必要があります。
車高調のバネは後から変えられるから考えなくていい、という考えもあります。しかし吊しで狙いに近いレートであれば、ダンパーケースの剛性などの基本設計も私の求める物である可能性が高いです。
そこでまずはターゲットとなるバネレートを決定することにします。
基本的には今と変わらず街乗りしながらサーキットも走る通勤快速仕様です。そのためガチガチの脚にするつもりもないし、かといって純正+α程度の仕様に留めるつもりもないです。きちんとハイグリップラジアルタイヤのグリップを使えるバネが必要です。
サスペンションのスプリングレートを決めるための重要(便利)な概念に
固有振動数
というものがあります。
Gran TurismoシリーズでもGT Sportからスプリングの設定がレートから固有振動数になったので知っている人もそれなりに増えたのではないでしょうか。
元々の概念はバネの硬さをばね定数(スプリングレート)だけでなく、バネが支える質量を考慮した振動系全体として捉え、振動数[Hz]を用いて表現する物のようです。
サスペンションも重量物を支えるバネです。
同じ3kgf/mmのバネでも、1トンに満たない軽自動車を支えるのと10トントラックを支えるのでは硬い/柔らかいの相対的な評価が変わります。そこで固有振動数を用いて表現すれば軽自動車もトラックもスポーツカーもレーシングカーも同じ物差しの上で比較できるようになるという話です。
計算式(メイン画像)も「ばね定数/質量」の平方根に定数をかけるものなので、本質は質量に対するばね定数の比率と言ってもいいのではないかと思います。
まぁおじさんは物理屋さんではないので、正しい知識が欲しい人はググってください。
で。
この固有振動数を用いてスプリングレートを決定することにします。
走行ステージごとの固有振動数がどの程度か、これは諸説ありますがGT6の時は装着するタイヤによって以下のような基準でセッティングをしていました。
コンフォートタイヤ:1Hz(ほとんど使わない)
スポーツタイヤ:2.0~2.5Hz
レーシングタイヤ:3.0Hz以上
実車でもスポーツ走行をするのであれば2Hz程度が理想的とされています。
GT6のRX-8ではスポーツタイヤのソフトを使用するときに2.4Hzとしていたので、これをSタイヤと位置づけるとラジアルを履くのであればもう少し柔らかめ、2.0~2.2Hz程度が目標値となるかなと思います。
もちろん現実とシミュレーターは違うのですが、参考値として当たりを付ける分には十分なデータだと思います。
他に物差し持ってないし。
ということで車検証に書かれた前後軸重の他、レバー比、バネ下重量(適当)を用いて目標とするスプリングレートを計算しました。
Excel先生が。
その結果、固有振動数2.0Hzとなるスプリングレートが決まりました。
F 10.8k/R 5.4k
これが一つの目安となります。
ここから前後バランスを考えて最終的なスプリングレートを決定していきます。
・・・長くなったので今回はここまで。
次回は純正セッティングを参考に前後バランスを決めていきます。
Posted at 2022/03/13 11:46:23 | |
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