2022年04月24日
最近、特にサーキット用途でのRX-8人気が高いようです。
少し前のEK9と同じで、手頃な値段で買えてそこそこ走るのが人気の秘密だそうです。
若い人の中にも、スポーツカーに乗りたいけど86/BRZは中古でもまだちょっと手が出ないと思っている人もいるかもしれません。
そんな人にもいい選択肢になるでしょう。
ですが、ここで立ちはだかる定説がこれ。
ロータリーはすぐ壊れる
本当にすぐ壊れるのか?
特にお金のない若い人たちには気になるポイントでしょう。
ただでさえ燃費の悪いロータリー、すぐに壊れたら維持できません。
実際サーキットでもロータリーってやっぱり壊れやすいの?と聞かれることがあります。
RX-8を街乗りオンリーで2年、街乗り+サーキットで3年、合計5.5万km乗ってきてこの定説に一定の答えを自分なりに持ったので、書いてみようと思います。
結論としては、
ある側面では正しく
ある側面では誤り
なんじゃそらと言わずに聞いてください。
まずは質問です。
航空機用ジェットエンジンを、航空機用レシプロエンジンと同じように扱ったらどうなるでしょう?
答えは簡単。壊れます。
そりゃそうでしょう。
ジェットエンジンとレシプロエンジンは違うエンジンですから。
最悪起動すら出来ないはずです。
では次の質問です。
自動車用ロータリーエンジンを、自動車レシプロエンジンと同じように扱ったらどうなるでしょう?
壊れるに
決まっている
たちが悪いのは、キーをひねれば起動は簡単に出来てしまうし、走れてしまうことです。
だからロータリーがレシプロとは違うエンジンだという認識がないままレシプロと同じように扱って壊すのです。
エンジンに存在する燃焼室容積の合計(3924)とシャフト2回転あたりの圧縮容積の合計(2616)と車検証の排気量表記(1308)と自動車税制上の排気量(1962)が全部違うくらいレシプロとは並列で語れない異次元なエンジンなのです。
(注:レシプロエンジンはこれらが全て同じ数字になります)
このことを忘れずロータリーの扱い方をすればそう簡単に壊れません。
そもそもそんなすぐ壊れるようなエンジンがルマンで勝てるわけがありませんよ。
一方で、レシプロエンジンはかなり熟成されたエンジンです。
車のことを何も知らない人が適当に扱っても10万km走れます。
それと比べてしまえば壊れやすいエンジンであることもまた純然たる事実です。
それがある側面では正しくある側面で誤りの意味です。
まぁ正直めんどくさいです。
世の中の常識は全てレシプロの常識なので、まずはロータリーの常識を知るところから始めなければなりません。
何も考えずメンテナンスフリーで走れる車が欲しいならおすすめできません。
ですが、裏を返せば車の扱い方をきちんと勉強するという極めて基本的な姿勢を教えてくれるという点で、今後車という趣味を続けていきたいのならいい先生になってくれると思います。
俺たちのロータリーは壊れない
project Xのルマン優勝回で耳にした台詞です。
この開発者の言葉通り、正しく扱えばそう簡単に壊れるようなエンジンではありません。
p.s.ロータリー(RENESIS)の扱い方については、また改めて記事を書こうと思います。
ざっくり言うと
1、点火系メンテナンスを怠るな
2、下手に吸気を弄るな
3、オイル残量に気をつけろ
4、時々ぶん回せ
というところでしょうか。
Posted at 2022/04/24 01:37:11 | |
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