開発と実用化が急がれている
合成燃料(e-Fuel)。EUの方針変換に伴い、2035年以降も内燃機関は存続することになりましたが、「カーボンニュートラルな燃料である合成燃料(e-Fuel)等を使用する新車の販売に限定」されるのでは、と推察されています。合成燃料(e-Fuel)はタイトル画像のように、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料の事を言い、 “人工的な原油”とも言われています。
発電所や工場などから排出されたCO2を資源として利用するのため「カーボンリサイクル」に貢献できるとされ、出来た合成燃料は「脱炭素燃料」とみなされるとされています。なんだか
屁理屈のような感じがしなくもありませんが、理論上はそういう事になっています。で、こんな何もかもに都合の良い合成燃料が2035年頃までに世界的に流通するのかどうかが鍵だとは思いますが、それが実現できれば、エネルギー資源を輸入に頼っている日本は、自給自足でエネルギー資源を得るという夢のような話だと思います。 日本では公表しているだけでもエネオスが2028年頃に、東芝が2025年頃に実用化のプランを進めています。
EVの失速が深刻な欧州ではご存知の通りポルシェが既にチリにパイロットプラントを稼働させており2028年には
年間1億2千万ガロン(5億5千万リットル)の合成燃料を作る予定としているそうです。この数字だけを見ても良くわかないので、英国の1日のガソリン消費量を見てみると、2022年時点で4400万リットルとなっています。1日でこの量ですから、1年365日とすると、
160億リットル以上という計算となります。ありゃ??・・となると英国だけで年間
155億リットルの不足、これが世界で・・となると・・ハイ、
全然足りません。現状では正に
絵にかいた餅と言えます。
しかし!ポルシェ一社では限界がありますが、世界中の燃料インダストリーが力を合わせれば20年後、30年後には実用的なレベルの燃料が手に入るかもしれません。これに加えて当然電池技術やハイブリッド技術の革新、そしてトヨタが推し進める水素エンジンなどの開発も急務です。いずれにせよ、EV一辺倒では限界があると明確になった以上、内燃機関存続に向けて世界各国
あらゆる努力をしていくことは想像に難しくありません。内燃機関の長い歴史が、2035年で幕を閉じるのはあまりにも惜しいですし、是非とも何かしらの形で生き残ってもらいたいと切に願います!
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2024/03/14 14:23:16