2025年11月19日
ある老婆が玄関の前に座って、自分の人生を振り返っていた。
もう少し楽しく人生を過ごせば良かったわ・・。
彼女がそんなことを考えていると、突然、目の前に妖精が現れた。
妖精は老婆に微笑みかけて言った。
「あなたの3つの願いをかなえてさしあげましょう。」
「わ、な、何だい、いきなり。これは夢かい?」
「いいえ。夢ではありません。さ、願いをどうぞ。」
老婆はちょっと落ち着きを取り戻して言った。
「おや、まあ。じゃ、大金持ちにでもなりたいねぇ。」
妖精はこくっとうなずくと、持っていたステッキを軽く振った。
すると、彼女の座っていた揺り椅子が純金に変わり、
家は大邸宅になり、家の中は札束で溢れかえった。
「さあ、2番めの願いは何ですか?」
老婆はすぐさま返答した。
「そうかい。じゃ、若くて美しいお姫様になりたいねぇ。」
妖精がステッキを軽く振ると、老婆は見る見るうちに若返り、いつの間にか真っ白なドレスの美しいプリンセスになっていた。
「さあ、最後の願いを言ってみて下さい。」
元老婆は胸に抱いた黒猫をあやしながら、じっと考えた。
そして、その飼い猫の目を見ながら言った。
「この子を素敵な王子様にして、ずっと一緒に暮らしたいわ。」
妖精は大きくうなずくと、再度、ステッキを振った。
すると、薄汚れた黒猫はたちまち若くて、ハンサムな王子に変身した。
元飼い猫の王子は、どきどきして見ている彼女の元へ歩み寄ると、その耳元で残念そうにつぶやいた。
「ちぇっ。」
「なんで僕のこと、去勢しちゃったのさ(*`へ´*)」
Posted at 2025/11/19 22:01:53 | |
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