フロントブレーキ整備

今回はフロントブレーキの清掃とグリスアップそれとパッドの減り具合確認を行います。
キャリパーボルトを緩める前にパッドピンを緩めます。パッドピンにはマイナスドライバーでアクセスする蓋がついています。太くて短いイモネジです。

２ヶ所あります。

蓋をとるとパッドピンの頭が見えます。アーレンキー（六角レンチ）でこれを緩めておくとパッドを外すときに楽です。

これも２ヶ所緩めます。

いよいよキャリパーボルトを緩めます。
ボックスレンチかメガネレンチがあると楽に緩みますが、自分的にはラチェットでカリカリやるのが好きです。サイズは12㎜です。

これも２ヶ所あります。

キャリパーが外れました。いつもながら、パッドがローターに引っ掛かって一筋縄では外れません。

キャリパーからスライドピンを抜いてブレーキレバーを何回か握るとこうなります。パッドは入れたままなのでパッドの減り具合ではピストンがかなり出てきます。
ローターの厚み分が出現したところで、ピストンを掃除してやります。前回のオーバーホールから間がないので、まだきれいな状態でした。

それでも軽くウエスで拭いておきます。

そしたら、早速ですが戻しの準備に掛かります。レンチなどを使いテコの原理でピストンを押せば簡単に引っ込みます。簡単に引っ込まないようなら、面倒でもピストンを引き出してシリンダー内部を清掃する必要があります。そうなるともはや清掃とかグリスアップの域を超えてオーバーホール＆ブレーキフルード交換になってしまいます。

ピストンが引っ込んだらパッドを入れます。今回はまだ交換時期ではないので今まで使っていたパッドを再利用します。画像にありませんが、ついでにパッドピンは薄くグリスアップしておきます。

最後にブラケットの清掃とスライドピンのグリスアップです。受け側にも少量を注入して合体させます。

困ったのはこの部品です。スライドピンを外したときにコロンと落ちてきたのですが、さて、どこにつけるのやら。

スライドピンを観察してみると、付いていた場所が分かりました。間違いありません。ここです。

スライドピンにハマっていたと思われるのですが、ゆるゆるですぐ落ちてしまいます。開いてしまった部分をこのようにプライヤーで曲げ、スプリング効果を復活させてやります。

これで落ちない程度にハマりました。

今回のグリスですが、スライドピンの受け側がゴムなのでラバーグリスを選択しました。

スライドピンをブーツに差し込んで、数回スライドさせてグリスを馴染ませたら、一旦スライドピンを引き抜いて余分なグリスを拭っておきます。

ここでトルクレンチ登場ですが、スペイシー100のフロントブレーキキャリパーの締付けトルクが分からない。仕方がないので、他車種の情報を参考にして28Nmで締め付けることにしました。

パッドピンについては、どうやら20Nmで締めるらしいので、多少の誤差には目を瞑って28Nm-8Nmと言うことで、レンチの調整範囲外ですが、妥協してこれで締めることにしました。

今回の整備時の走行距離は16,643㎞。