![ウズベキスタンの自動車事情[後] ウズベキスタンの自動車事情[後]](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/049/064/022/49064022/p1m.jpg?ct=6b3a2beaeb49)
これはソ連時代を象徴する名車,ラーダ2106型(通称:ジグリ)。
むしろ,こんな旧車のほうが私には刺さる。
ベースはフィアット124(白黒写真)だが,「ソ連のベンツ」と呼ばれた高級車で,1970年代から2000年代まで生産。
エンジンはOHVからOHCに積み替え,未舗装路に備えて足回りや車体の強化を図り,ブレーキは雪道対策でディスクからドラムに変更された。
噂では,ロータリーエンジンを搭載したモデルも存在するらしい。
だが,マツダへのライセンス料は支払われておらず,その存在は闇である。
この2106は,ソ連市民にとっては憧れのステータスシンボルで,今でも後期高齢者世代には絶大な人気を誇るとのこと。
オーナーのおじいちゃんとは笑顔で挨拶を交わしたが,走り去ったときのドヤ顔が印象的だった。
時代は,さらに遡る。
写真は,素晴らしいコンディションのモスクヴィッチ412(1966年式)。
412の最大の特徴は,BMWの名機「M10」を徹底的に研究したアルミブロックの1・5リッター直列4気筒エンジン。
当時,アルミ鋳造技術は門外不出だったので,ミグ戦闘機の工場で作られていたという。
そのこだわりは,エンジンを斜めに傾けて設置する手法(重心を下げ,ボンネットを低くできる)までBMWにそっくりだった。
この412は,1960年代後半から80年代にかけて大量生産され,ソ連のカローラ的な大衆車として人気を博した。
しかし,前出のイタリアンデザインをまとった都会的なラーダ(ジグリ)が発売されると,次第にその座を奪われるのであった。
実はこの412は,現地ガイドO氏の愛車。
彼は,ウズベキスタンのクルマ事情をしつこく訊く私と意気投合し,観光以外はクルマのことばかりを語り合った。
そうしたら,2日目の朝,宿泊先に愛車412で突然現れたのである。
すなわち前後編に渡り,ウズベキスタンの自動車事情を書き連ねたが,すべて彼からの受売りである。
ところで,「非常に貴重な丸目2灯の412」と言われても,それが分かる日本人なんて誰一人としていない。
しかし,レアなクルマを自慢する気持ちは「みんカラ」ユーザー150万人なら,国境を越えて共感できるはずだ。
![ウズベキスタンの自動車事情[前] ウズベキスタンの自動車事情[前]](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/049/060/002/49060002/p1m.jpg?ct=f0eec0afdbf7)
どこにでもありそうな,地方都市の大通り。
だが,右側通行。
揃いも揃って,逆走しているわけじゃない。
ここはウズベキスタン・サマルカンド。
白いクルマがやけに多い。
誰の目にも,白が優勢のオセロだ。
さらによく見ると,全部シボレー。
しかも軽ワゴンまで。
つまりこの国では,街中でワンメイク・レースを開催しているらしい。
ここは海から遠く離れた大陸性気候で,冬はマイナス20℃に達する一方で,夏は45℃以上も記録する。
すなわち,ウズベク人は白いクルマが好きというより,砂漠を行くキャラバンのコーデを真似ているのだ。
次になぜ全部シボレーなのか?
国営公社ウズオート・モータースは,当初,韓国の大宇(デーウ)との合弁で操業を開始したが,2000年に大宇が経営破綻。
その後,GMが大宇を買収したことで,そのまま新たなパートナーとなり,シボレーブランドを生産する運びとなった。
さらにウズベキスタンでは,国産車に対して強力な保護政策が敷かれており,輸入車の関税率は何と100%!
輸入車なんて,とてもじゃないが手が出ないのがシボレーだらけの真相だ。
スズキ・エブリイまでシボレーなのは,元々大宇がライセンス契約で生産していたものをそのまま引き継いでいるから。
日本では,ほぼ見掛けなくなった旧型エブリイ。
だが,ウズベキスタンでは30年以上経った今なお作られ続け,愛される国民車なのだ。
どの国にも金持ちは存在する。
メルセデスベンツ・スプリンターは,カスタムされた車両でおよそ1500~2000万円なので,ウズベキスタンでは3000万円以上に相当する。
ここまでくると,もはや「走るモスク」で,道路に頭をつけて祈りたくなった。
なーんだトヨタもあるじゃん!
…と思ったら,ナンバーが「KG」隣国キルギスだった。
さすが大陸,すべての道はサマルカンドに通ず。
パトカーを見た瞬間,なぜか「善良な市民」の役作りを始めてしまうのは,どの国へ行っても変わらない。
後車はご存じシボレーだが,前車はBYD。
輸入車は原則100%の関税だが,EV車は掛からない。
ウズオート・モータースは,2024年からBYDとも提携し,着実に販売台数を増やしている。
テスラは見なかったが,中国系EV車はチラホラ走っていた。
燃料に話を移すと,日本のガソリンはレギュラーとハイオクの二種類だが…
ウズベキスタンでは,オクタン価が80,92,95,98と細かく分かれている。
値段は産油国だが日本と大して変わらない。
しかし,ガソリン車は全体の三分の一ほどで,大半はメタンガス車とLPガス車だ。
掘っても掘っても温泉は出ないが,ガスはよく出る。
だから,ガソリンの半値程度。
厄介なのは,ガソリンと比べて充填時間が5倍以上かかるそうだが,やはり値段には抗えないようだ。
これは滅多に見られない赤いパトカー。
言ってみれば,幻の新幹線ドクター・イエローみたいな車両。
ウガンダから国賓級が来日していたらしく,その先導・警護に向かっていたものと見られる。
警官がこちらをチラチラ見ていたが,「え!自分,国際指名手配犯に似てる!?」と自意識過剰が爆発し,勝手に脳内でアリバイ工作が始まった。

ウズベキスタンへ行っていた。
帰国すると,ありがたいことにコメントが多数寄せられていたが,まだ返信していない。
旅に浮かれ,みん友さんたちを忘れていたわけではない。
モバイルバッテリーを忘れ,スマホが電池切れだったのでもない。
みんカラにログインできなかったのだ。
まさかの中央アジアインターネット事情というやつ?
シルクロードは栄えても,Wi-Fiは砂漠の蜃気楼と化すのか?
理由は簡単。
Yahoo! JAPANは,欧州経済領域(EEA)およびイギリスからは利用できないのだ。
(※ウズベキスタンはEEAではないが,モバイルWi-Fiだと経由する)
建て前は,欧州の一般データ保護規則が厳格で,あやまって違反すると莫大な制裁金を科されるから。
でも本音は,日本の広告収入で運営しているのに,ヨーロッパでは誰も見ていないからといったところか。
つまり私は,みんカラのサイトをのぞけない環境に置かれていたのである。
砂漠でも,山岳地帯でもない。
ただのウズベキスタンなのに。
シルクロードでは東西交易が行われていたというのに,私はコメントの返信ひとつ届けられなかった。
中央アジアには国境が多いが,今回分かったことがある。
Yahoo! JAPANは,入国審査をパスできないということを。

ウズベキスタンへ遊びに行くことになった。
人生初の「〜スタン」である。
日本人が答えられる「スタン」のつく国は,せいぜい数ヶ国。
パキスタン,アフガニスタン,あとは───その周辺のスタンである。
それは,遠い遠い関わりの薄い異国だからじゃない。
いったい我々は,「山」のつく県をいくつ言えるだろう?
すなわち日本人の教養レベルとは,その程度なのだ。
実際,私もついこの前までそうだった。
「どこ行くの?」
「えーと…ウズベキスタン!」
「そこって危なくない?」
この反応が,今のところ9割。
残りの1割はこうだ。
「それってヨーロッパ?」
どちらも教養レベル丸出しである。
調べてみると「スタン」はペルシャ語で「〜の国」という意味らしい。
つまりウズベキスタンは,ウズベク人の国。
ちゃんとした語源なのだ。
しかし,日本人の耳にはどうしても,「どこか遠くの,ちょっと事情が複雑そうな国」という響きに聞こえる。
カザフスタン,キルギスタン,タジキスタン,トルクメニスタン…
オリンピックになると,重量挙げ,柔道,レスリング会場に急に現れ,しかも強い。
競技というより,どうも日常生活の延長のにおいがする。
ところが,歴史的には大物である。
シルクロードの要衝。
サマルカンド,ブハラ,ヒヴァ,シャフリサブスと世界遺産が軒を並べる。
世界史の教科書では,やたら神秘的に書かれていた。
青の都,隊商,東西交易───
ただし今の私には,そんなロマンよりも先に気になることがある。
Wi-Fiはあるのか?トイレは洋式なのか?クレジットカードは使えるのか?
シルクロードの商人に知れたら,ド突かれそうな疑問である。
彼らはラクダに揺られ,何ヶ月も旅をした。
不毛の砂漠を越え,盗賊から身を守り,命がけの交易だった。
それに比べ私は───
機内食を食べながら映画を観て,寝て起きたら,首都タシュケントだ。
ともあれ,人生初のウズベキスタンである。
帰国したら,きっと聞かれる。
「危なくなかった?」
私は答える。
「いえ,普通でした」
だが,これでは相手は納得しない。
なぜなら日本人は,スターウォーズに出てくるような,砂漠に覆われた辺境惑星を期待しているのだ。
だから私は,こう答える。
「危なかったですよ。危うく投げ飛ばされそうになりましたから」
きっと相手は,笑みを浮かべ,逆に安心するだろう。

夜空に地球が浮かぶ。
いま人類は,半世紀ぶりに月周回軌道から地球を眺めている。
宇宙船オリオンを送り出したアルテミス計画の最終目標は壮大だ。
月に人類の拠点をつくり,そこから火星を目指すという。
人類はいよいよ太陽系へ乗り出すのだ。
随分と夢のある話じゃないか。
もっとも,その地球の上では,人類は相変わらず争っている。
国家の威信に始まり,領土問題だの歴史認識だのと騒いでいても,上空38万キロから見下ろせば,町内会のゴミ当番をめぐる口論くらいにしか見えない。
しかも,腹を立てると,人間が人間を「人間以下だ」と罵ってしまう。
宇宙から見れば,みんな同じ星で暮らす仲間なのに…
まるで同じ森の中で「お前は虫けら以下だ」と言っている昆虫のようなものなのだろう。
それでも人類は夢を諦めない。
ときにつまずきながらも,ふと空を見上げて月を目指す。
漆黒の闇の中で,青い地球は美しく光を放っている。
その星は今日も,何も語らず静かに回り続けるのだ。
※Photo by Bill Anders, Public domain, via Wikimedia Commons
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