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きリぎリすのブログ一覧

2026年03月27日 イイね!

スパイスとオイル

スパイスとオイル

まだ冷蔵庫がなかった中世ヨーロッパ。
肉をメインディッシュとする欧州人にとって,香辛料は塩に次ぐ保存料として不可欠だった。

ところが,香辛料の産地は東南アジア。
そのためアラビア半島から陸揚げし,地中海を経由して輸送していた。

だが中継地であるアラブ諸国にとって,ただ素通りさせるのは面白くない。
そこで彼らが編み出したのが,いわゆる「関税」である。
それが隣国へ隣国へと何重にも課税されて,欧州へ届くころには…
「肉に砂金を振って食べているようだ」と揶揄されるほど,香辛料は高騰した。

そこで,欧州西端に位置するポルトガル,スペインは打開策を講じる。
関税の掛かる陸路を避け,海路を利用することを見い出したのだ。
大航海時代の幕開けである。

結果,貿易に止(とど)まらず,新たな航路の開拓や植民地の獲得へと動くことになる。
こうして遠征先の征服,欧州列強どうしの植民地の奪い合いへと拡大した。



20世紀初頭,帆船だった船舶は,蒸気機関から内燃機関に移行し,エネルギーの主役も石炭から石油へと変わる。

当初注目された産油国は,中東ペルシャ(イラン)。
1914年,英国のチャーチル(後の首相)は,ペルシャ王から石油の全権を買収した英国企業を,ちゃっかり国営にする。

次に英国は,オスマン帝国支配下のアラブ諸国に武器を与え独立をそそのかし,ユダヤ人とは反乱の代償にパレスチナの地に建国を約束する。
そして,あらかじめ密約していたフランスと労せずして手に入れた石油利権を分け合う。
ちなみに,英国将校の大活躍で独立を支援する「アラビアのロレンス」では,この三枚舌外交について,ほとんど触れられていない。

1951年,イラン・モサッデク首相は,英国にぶん捕られた石油利権を取り戻すべく国有化を推進。
しかし,米国CIAと英国MI6は連携し,軍事クーデターを扇動して,民主政権を転覆させる。
米国は,国民を裏切り国を売ったパーレビ2世を玉座に座らせ,中東における石油利権の足掛かりとした。

1979年,これに怒った国民によってイラン革命が起きる。
暴徒化した民衆は,米国大使館を444日にわたって占拠し,これが後の米国に禍根を残す。

翌年,イラン・イラク戦争が勃発。
イラク・フセイン大統領は,イスラム教シーア派によるイラン革命の飛び火を恐れイランに侵攻する。
それまで米国は,イラクを親ソ連のテロ支援国家に指定して,さんざん罵っていた。
ところが,敵の敵は味方ということで,米国はイラクを支援した。

やがてイラン・イラク戦争は8年に及ぶ消耗戦となり,双方に百万人規模の死傷者を出して終結する。

1990年,財政危機のイラク・フセイン政権は,隣国クウェートの石油まで必要になり,米国の黙認を得て侵攻する。
ところが,米国のパパブッシュは手のひらを返してイラクに弓を引き,湾岸戦争が勃発。
表向きの理由は主権国家への侵略だが,本音は石油を取られてたまるかといったところ。
罠にかかったイラクは敗北し撤退する。

1999年,ロシア政府は,モスクワなどで多くの死者が出た爆破テロ事件はチェチェンによるものと断定し,二度目の軍事進攻を開始。
プーチン政権は,10年後にチェチェンを制圧し,親ロシア政権を樹立させる。
これによって,世界第2位のカスピ海石油のパイプラインを確保。
後に,侵攻を正当化した爆破テロ事件は,自作自演だと暴露され,内部告発した諜報部員はロンドンで毒殺された。

中国は,軍事侵攻という手段を用いず,借金まみれにさせて手足を縛る「資源担保融資」を世界中で展開する。
悲劇的な代表格が,アフリカ最大の産油国アンゴラと南米エクアドル。
アンゴラは内戦復興のための巨額融資。
その返済は,原油で支払う契約を結ばせ,原油価格が下がると,より多くの原油が中国に入る仕組み。
エクアドルはダム建設などのインフラ資金で,同じく担保は原油。
こちらは定額返済で,原油価格が高いときに返済を要求すれば,市場価格より安く中国に入ってくる。
すなわち中国は,原油価格が上がっても下がっても利益を得ることになる。

2003年,ブッシュジュニアは石油欲しさで,大量破壊兵器の存在を理由にイラク戦争を開始。
サダム・フセイン大統領は処刑され,一定期間米国の暫定統治となる。
しかし,最後まで大量破壊兵器は発見されず,その後に誕生した新政権は皮肉にもシーア派でイラン寄りとなった。

イラクという緩衝地帯が崩れたことで,中東地域ではイランの影響力が急速に拡大する。
また,イランの核開発問題が国際政治の大きな焦点となっていく。

2015年,イランと米英仏独中露は,イラン核合意を締結し,核開発の制限と引き換えに経済制裁を緩和することで合意した。
ところが2018年,突然トランプ大統領は一方的に離脱し,合意は空中分解。
それに乗じて中国はイランから石油を買い,イランは売ったカネでロシアから武器を買っている。

2026年,米国はベネズエラに対し,麻薬密輸対策と法執行を理由に,マドゥロ大統領を拉致した。
その真の狙いは,世界最大の埋蔵量をほこるベネズエラの石油と中国との関係阻止が見て取れる。
しかし,国連安保理を無視したこの軍事作戦には,中国やロシアのみならず,米国の友好国からも批判が相次ぐ事態となる。

先月,米軍・イスラエル軍はイランを空爆し,最高指導者ハメネイ師を含む,政府高官および軍幹部ら約40名を殺害。
それまで,昨年6月の米軍による核施設攻撃後も,断続的に協議は続けられていた。
しかし,奇襲による攻撃で,協議は単なる時間稼ぎや情報収集のためだったとの批判が強く上がっている。
もちろんイラン側は協議に応じる姿勢を見せておらず,現在も応酬は止まない。



時代が変わり,求められる資源が変わっても,本質は変わらない。
それらを巡って醜い争いが起き,大国が介入し,力を持たない国から利益を吸い上げる。
人類は,その構図を形を変えて,ただ繰り返してきただけである。

Posted at 2026/03/30 06:53:27 | コメント(10) | トラックバック(1) | 日記
2026年03月20日 イイね!

ドナルド

ドナルド

ドナルドと聞くと,まず思い浮かぶのはネズミーランドのドナルドダック。
怒りっぽくて,がなり声で,よく騒ぎを起こすけれど,なぜか憎めないキャラクターだ。

そのアヒルの名前を,日本の首相が米国の大統領に向かって,「ドナルド」と気軽に呼びかける。

「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」

真顔で言えば同盟国。
だが,サナエ・スマイルだと,平和を乱す相手を小馬鹿にしているようにも見える。

これはヨイショか,それとも高度なブラックジョークか。
いやいや,マジな外交か。

ドナルド───

近所のオバさんが,庭でしつけの悪いペットを呼んでいる感じだ。
ホワイトハウスの芝が,だんだん奈良公園に見えてくる。

Posted at 2026/03/26 17:53:35 | コメント(13) | トラックバック(0) | ニュース
2026年03月18日 イイね!

一般論で言えば…

一般論で言えば…

日米首脳会談が終わった。
一部では,「対米隷属の媚態外交」と揶揄されたが…
一般論で言えば,───まずまず成功。

米国の軍事侵攻を否定しないが,軍事参加も約束しない。
まるでホルムズ海峡を通るタンカーのように,波も立てず,煙だけを残して通り過ぎた。

そこで,会談前に書いたこのエッセイを,そのまま再掲してみる。

──────────────────────────────


いっぱん‐ろん【一般論】
個別的・具体的な問題を保留したまま,一般的な事柄だけを論ずる議論。「─に終始する」
(岩波書店『広辞苑』第四版)



野党議員が予算委員会で質問に立ち,米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃をめぐる対米支援の可能性について,政府の考え方をただした。

これに対してM外相は,「一般論で申し上げると,国際法上認められない行為を行っている国に対する支援はできない」と答弁。

そりゃあそうだ!ごもっとも!

ん?でも聞いているのはそこじゃない。
米国は国際法違反なのか?違反じゃないのか?政府の見解は?
そこを答えず一般論───逃げている。

だが,「違反」と言えば外交問題に発展し,「シロ」と言えば世論が炎上する。

なるほど~。
どっちも言わない模範回答ね。

続くK防衛相は,「あくまで一般論として答えれば………日本関係船舶を護衛することは制度上は可能だ」と答弁。

おっ!一般論のパス回し。
しかも,対米支援から日本船籍限定の護衛に変わっているし。
聞いているのは,対米支援「やるのか」だ。
話をすり替えている。

…と思ったが,「やる」と言ったら責任問題,「やらない」と言えば弱腰発言。
だから,制度上可能。

なるほど~。
どちらにも転べるリスクヘッジで,さすが主要閣僚。

ラスボスのT首相は,「あくまでも一般論」と断ったうえで,「国民の命を守り,国益を守る」,「法律にのっとって出来ることをする」と答弁した。

でたぁ~!一般論ハットトリック!
だが,あえて国民に不安が募らないよう,配慮のことだ。

いやいや,将来が描けないと,かえって不安になる。
だから,聞いているのだ。
対米支援の可能性を。

…と思ったが,首相が断言したら,またまた国論を二分して国民会議。

なるほど~。
世論調査が出るまでは一般論,賢い答弁だ。

三人とも正しい。
だが,誰も答えていない。

むかし流行語になった「記憶にございません」。
記憶喪失のフリをして,質問をかわす決まり文句だ。
そしていま,新たなトレンド───
「一般論で言えば…」

これが国権の最高機関である「国会」のありさまだ。
レベルが低いんだか…
もしくは,さらに一段イッちゃっているんだか…

最後に…
一般論で言えば,トマホークで約200名の女子児童を殺害したら,例え誤爆でも国際法違反だ。

台湾有事発言では,遠回しに対米支援を明確にした。
ところが,国益を守るどころか,逆に損いかねない事態に陥ってきている。

ホルムズ海峡で国益を優先すれば,米国の意向には添えない。
ならば日米首脳会談では片棒を担がされないよう,一般論ループ発動。

清濁併せ呑むと見せかけ,不都合なことは煙に巻く。
それもまた,日本政治のお家芸なのだから(笑)


Posted at 2026/03/23 17:07:06 | コメント(14) | トラックバック(0) | ニュース
2026年03月09日 イイね!

この2年は,下ばかり見て生きてきた。

この2年は,下ばかり見て生きてきた。

今日で,交通違反から丸2年が経った。

交通違反の点数制度というのは,コーヒー以上に味わい深い。

1年間,無事故無違反ならば累積点数はリセットされる。
そして,さらに1年,通算2年経つと意味が変わる。
その後に3点以内の違反なら,1年待たずとも3ヶ月でチャラになるのだ。

携帯電話の料金プラン並みに解りづらいが…
すなわち,1年だと仮釈放だが,2年なら社会復帰ということだ。

そんな長い更生生活の出発点になったのが,2年前の信号無視である。

信号無視と聞くと,赤信号を蛇行する田舎のヤンキーか…
映画ならば,カーチェイスで激突炎上シーンのときにやるやつである。

しかし,私のそれは違う。
もっと地味で間抜けな交通トラップだった。

信号が黄色から赤へ変わった。
私はアクセルを緩めながら,停止線を探す。

ところが───ない!
停止線が,ない。

いや正確にはあった。
ただし信号よりも,横断歩道よりも,ずっと手前だったのだ。

「普通,横断歩道の直前にあるだろー」

それに気づいた瞬間───
物陰から,大きな旗を振った警官が,笛を吹きながら飛び出してきた。

あんたらは,忍者か!
しかも交通課の。

私が切符を切られている間も,信号が変わるたびに次々と止められていく。
その光景は,なんというか───ゴキブリホイホイ。
この場合,ゴキブリ野郎は,罠に掛かった側なのか?掛ける側なのか?

私はその様子を眺めながら思った。
これは交通安全ではない。
定置網漁である。
しかも大漁。

あの日以来,私の認識は変わった。
停止線は,気づいたときにはもう遅い場所にあることがある。

そして今日,ついに違反から2年。
この2年は,停止線だけを見つめる人生だった。
ここまで来れば,私の黒歴史はかなり薄まったと言っていい。

だが,油断は禁物だ。
年度末になると,忍者警官がトリッキーな罠を仕掛けてくる。
物陰から,今か今かと,大漁旗をかかえながら…


Posted at 2026/03/18 17:05:06 | コメント(22) | トラックバック(0) | クルマ
2026年03月03日 イイね!

二人の〝サラ〟

二人の〝サラ〟

今回の冬季オリンピックも,数々の感動が生まれた。
大逆転で金メダルを手にしたりくりゅうペアや,連日の大活躍で話題をさらった日本スノーボード陣。

そんな中に,スキージャンプ混合団体での高梨沙羅選手の銅メダルがある。

前回北京大会ではまさかの失格で,責任を感じ引退まで考えたという。
あれから4年,彼女は再びオリンピックの舞台に立ち雪辱を果たした。

その姿を見て,14年前のひな祭の日に書いた一篇の文章が,ふと脳裏によみがえった。

──────────────────────────────


今年は,オリンピック・イヤーである。
今回のロンドン五輪(英国)から女子ボクシングが正式種目に加わり,すべての競技で女子が出場できることとなった。
女子サッカーなでしこジャパンも,金メダルへの期待で国民の注目を一身に集めている。
女性の社会進出が目覚しいこの時世にあって,スポーツの世界もまた例外ではないということだろう。

そんな中,ノルディックスキー・女子ジャンプのワールドカップ第10戦・第11戦が今日,山形市蔵王ジャンプ台を舞台に開催された。
女子ジャンプは今季からW杯が始まり,2年後のソチ冬季五輪(ロシア)では,正式種目となる注目の高い競技だ。

日本期待の高梨沙羅(サラ)選手は,第11戦の1回目にジャンプ台記録に並ぶ102・5メートルを叩き出し首位になる。
2回目は滑走路のコンディションが悪化して中止となったため,そのまま初優勝を果たした。
まだ,あどけなさの残る史上最年少,若干15歳での快挙である。

一方,2位に着けたのはサラ・ヘンドリクソン選手(米国)。
ここまで7勝を挙げており,あと2戦を残して総合優勝を決めた。

彼女も高梨選手とは二つしか違わぬ17歳。
二人は生まれ育った場所や話す言葉こそ違えど,世代も同じなら,奇しくも名前も同じ〝サラ〟。

星占いは信じないが,同じ星の下に生まれるというのは,あるもんだと感じた。
以前,冬季五輪を題材にイメージを膨らませ創作した『二人のハンス』は,今日の出来事と似通った点も多く奇遇に思える。

今日はひな祭。
女の子の成長と幸福を祝う桃の節句であるが,初の頂点と初代女王に輝いた二人のサラには,きっと忘れ得ぬ日となったことであろう…


Posted at 2026/03/11 17:35:43 | コメント(3) | トラックバック(0) | スポーツ

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きりぎりす(旧GRASSHOPPER)と申します。 ここ10年ほどで,やっと実用性0(ゼロ)のセカンドカーを持てるようになりました。 サルはエクスタシー...
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