先日、スバルの2.5l水平対向ターボエンジンが何やら賞を貰ったと思ったら、今度はポルシェが3.6l水平対向ターボエンジンで賞を貰った。水平対向エンジンの致命的?欠陥は皆様ご存じの如く、車幅に影響されて思うままにストロークが取れない事ですが、最近自動車が大きくなって来てるのと、適材適所に上手に使ってる事が評価というか未だ存続している一因かと思われる。スバルのエンジンの場合特に目立って新しい機構が付いているわけではないので、地道にいろいろ積み上げてきた”素”の状態での評価だと思う。一方ポルシェも長い間培ってきたものもあろうが、実は今回面白い過給システムになっているのだ。
黎明期の自動車ターボエンジンと言えばBMWの2002ターボとかスカイラインとか思い当たる。当時、過給する事でエンジン出力向上が見込めるといろいろな試みがあったけど、過給すると吸気温が上昇し、ノッキングに見舞われ、現在のような大きな成果は見られなかった。そこで中間冷却器(すなわちインタークーラー)を使用し吸気温を下げノッキングを抑え高出力を得ようとしたわけだ。航空機エンジンの場合、水メタノール噴射も併用して吸気温度を下げていたけど、これはエンジンオイルに混ざるとオイルの潤滑性を低下させメンテナンス頻度が異様に上がってしまうので、自動車には(一般的には)用いられなかった。この中間冷却器についてはいままでいろいろその効率を上げるために試みられてきたが、(大きくするとかクレイが良いか水冷が良いかなど)結局は空冷大型化の方向でまとまり、最近行き詰り気味。そこで今回ポルシェは新しいブレークスルーを出してきた。
熱効率の点からすれば同じ冷却器を使って吸気温度を下げるには空冷の場合外気温度と過給されてる吸気温度の温度差が大きければ大きい程、効率良く熱を奪う。
といって大きな過給圧をかけると冷却不十分でノッキングが出るし、冷却器を馬鹿みたいに大きくする事はスペース上無理である。そこで、冷却器までの過給圧を不必要なまでに上げ、十分高温にして冷却器を通す、そのあと、チャンバー状に開いた太い吸気管に噴出させ、圧力自体を下げる、同時にそれだけでも吸気温度は下がるという仕組みを提供してきた。これは現在ターボチャージャーを装着するあらゆるターボエンジンにも流用できる技術である。(タービンの強度の問題は出るかもしれないけど)既存のインタークーラーの効率上昇に役立つこと請け合いの技術というわけだ。私もお金あったらそういう風に改造してみたいもんだ。
ネタ元:スバル
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エンジンオブザイヤー
土曜日は一日仕事、天気は曇り時々雨。夜は夕食後、睡魔に負けて椅子寝してしまった。
Posted at 2008/05/11 20:04:16 | |
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みんから | 日記