地球温暖化が叫ばれ二酸化炭素排出が神経質に監視されるようになって来ると、これまで隆盛を誇っていた化石燃料を用いた内燃機関は動力源としては安心して使える物とは言い難くなって来た。そこで世界中で次なる動力源として何が良いのか模索され、電気を用いたモーターや水素やバイオエタノールなど化石燃料によらない内燃機関が提案されて来て居る。またエネルギー源が何で有ろうとも効率追及の必要性が有る為、それぞれのハイブリッドも出て来て居るのが現状と言えるだろう。
自動車好きの私としては未来の自動車の動力源やエネルギー源が何になるのか気になるので、現在提案されている物をそれなりにまとめてみた。
動力源について
内燃機関
①ガソリンや軽油など化石燃料、水素、バイオエタノールなどの燃焼
②燃焼した熱で膨張した気体で運動エネルギーに変換
使用した燃料から取り出せる運動エネルギーはカルノーサイクルとかディーゼルサイクルとかの効率に支配される(ピストン使ってるレシプロエンジンやロータリーエンジン)。燃焼温度に限界が有り効率はそんなに良くは無い。タービンエンジンは燃焼温度をもっと高く設定でき小型軽量大出力エンジンが作れるが、事故を起こした時の危険性が飛び抜けて高い為一般用動力源として実用化は見送られているが戦車には使われてますね。化石燃料など燃料が液体の高エネルギー物質で有れば、今迄のように燃料タンクに入れて現在のような車の形で実用物たりえるが水素の場合は液化が困難、かつ気体なので貯蔵が難しく水素吸蔵合金使ってみたり高圧タンク装備してみたりしないと短距離走行しかできない。
燃料は燃やしたらそれで終わり。減速時など運動エネルギーを減らす行為のときエネルギー回収できない。
電気モーター
歴史は古いが常に電源が原因で実用化に至ってなかった。鉛蓄電池など使っても数十キロ走れれば良い程度だったから。しかし良い電源が有れば、使った電気エネルギー→運動エネルギーの変換効率は大変高い。またモーターは得てして発電もできるので、運動エネルギー→電気エネルギーの変換も容易である。
エネルギー源について
化石燃料
これはエネルギー密度が高く扱いが簡便なので現在の主流エネルギー源となった。しかし燃焼により二酸化炭素を放出しこれが環境破壊の元凶とされ、先行きは暗い。
バイオエタノールなど
従来のガソリンエンジン、ディーゼルエンジンからバイオエタノールなど燃料に対応させる事は他と比べて極めて容易なため既に実用化されてます。ただ、現状では砂糖やトウモロコシなど食料を用いてバイオエタノールが精製されて居る為、既に発生し初めている将来の食糧危機の事を考えると、もう一捻り技術開発が必要。藁などバイオマスを用いたバイオエタノール精製技術が完成すると主力になる可能性大。
水素
エネルギー密度が低く常温で気体なので自動車に大量に搭載する方法が難しい。水素吸蔵合金を用いたり高圧タンクを使用せざるをえないが、水素吸蔵合金を用いても重量当たりのエネルギー貯蔵量はさほどでもない。高圧タンクは事故を起こした時とても怖いと思うのだけど、ドイツ人は水素が好きですね。ヒンデンブルグ号の事故は悲惨でしたが。また水素をどうやって調達するかって問題も有りますね。水を精製する為に化石燃料使ってしまうと意味が無いです。
電池
電池には使いきりの1次電池、充放電可能な2次電池、そして酸化剤を任意に追加投入できる燃料電池とその他ありますね。燃料電池は2次電池ではないので充電できません。よって燃料電池とガソリンエンジンのハイブリッド何て事は有り得ないので注意が必要です。
1次電池は電気容量が限られ電気が無くなれば電池ごと交換。これじゃ自動車に使うには不便すぎます。
2次電池はパソコンが流行ってくれたおかげで長~い鉛蓄電池の性能に制限されてきた歴史が変わりそうです。鉛蓄電池は安定し実績のある2次電池ですが、体積重量当たりの電気量はそんなに多くないです。自動車は電池だけ搭載して使うってわけじゃないので、今迄、主要エネルギー源としては自動車にはあんまり使われませんでした。潜水艦には今でも使われてますが。しかしニッケル水素電池、リチウムイオン電池が開発され、エネルギー貯蔵量が増えた結果、電気自動車の実用可能性が高まってきてます。ただリチウムはレアメタルなので世界中の車を賄うって所までは行かないでしょう。ただ、モーターを使って運動エネルギー→電気エネルギーの変換をした時の貯蔵を考えると2次電池は必須です。今後レアメタルを使わず安価に大量に軽量に小型に作れる2次電池の登場が待たれます。電気の調達コストを考えると家庭で充電できるようになった方が有利な事は言うまでもありません。
電池じゃないですが、コンデンサーは急に大電流が流れた時の充電性能と短時間に大電流を流す性能に優れておりこれも補助として使われてます。
燃料電池は内燃機関と異なり、燃料(というか酸化剤)から熱ではなく電気を直接取り出す手法です。動力源は当然電気モーターとなります。発電効率は大変良く酸化剤によっては二酸化炭素を出さないし同じ水素を燃料としても内燃機関を用いたものよりエネルギー効率高いです。また電気モーターを使用するので現在のハイブリッド車みたいに内燃機関と電気モーターの二つを動力源として搭載しなくても良いです。内燃機関重量体積分空間と重量を節約できます。
以上考えてみるとエネルギー源としてバイオマスから精製されたバイオエタノール
を用い燃料電池で電気エネルギーとし、リチウムイオン電池など2次電池とコンデンサー搭載の電気自動車が有望って気がします。
更に重要な話ですが、原油を用いている限り日本はエネルギー輸入国です。しかしバイオエタノールってなると話は違います。こちらは精製に水が必須です。水の豊富な日本は将来エネルギー輸出国になれるかもしれません。国をあげてバイオマスを用いたエタノール精製技術の完成に向けて動いてほしいものです。また食料も輸入に頼らない体制にしてほしいものです。そうなれば車なんて輸出しなくても食べていけるんじゃないでしょうか・・。
Posted at 2008/12/15 04:09:47 | |
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