ハスラーが欲しかった。
人が乗って、荷物が載って、車中泊もできて、気軽に乗れる小さな車。
馴染みの車屋さんに探してもらったけど、4駆ターボのイエローはなかなか見つからなかった。
そうこうして半年が経った頃、義母さんの車の買い替えで、クロスビーが我が家へ。そうなると僕がハスラーを買う意味は少なくなる。
「ユー、ミニ買っちゃいなyo!」
と奥さんの鶴の一声。
義母さんの車選びの時に試乗したMINIの剛性感、古いドイツ車然とした乗り味に奥さんも僕も感心していた。
しかし、
「マニュアル以外はノーセンキュー」
とのことなので新車は無くなった。調べてみると1世代目、2世代目のミニの方が楽しいとのこと。壊れやすいリスクはあったものの、買っちまえとのことだったので後先考えずにR56を探すことに。
ちっと値段は張ったものの、運良くマニュアルのR56クーパーSが見つかり、即購入。今考えると、もうちょっと選んでもよかったかも。
BRZに比べると全てにおいて大味で、古臭い感じがした。
クラッチは重く、ステアリングセンターはスポーツカーよりちょっとダルで、シフトストロークは大きい。
でも、でもである。
程よいパワー、フロント周りの剛性感、クロス過ぎないミッション、味わいのある出力特性…。
ヒール&トーも決まりやすく、少しくらいラフな運転でも受け止める懐の深さがある。
この3か月で3000キロ走り、その内2500キロは峠道。
MINIなんてちょっとしたオシャレ車だろう?と思っていたが、いや、この車は車好き以外は手を出しちゃいけない車と気がついた。
そして、今日もまた、あの座席に座りたいと思ってしまう僕は、もうR56の魔力にやられてしまっているのかもしれない。
きつめの左コーナーをグッとブレーキングしながら3速から2速へヒール&トー。ストレートに差し掛かり、アクセルをグッと踏み込み盛り上がるエンジンサウンドと加速感に恍惚となった瞬間。
「ポーン」
という警告音と共に、パワーダウン。ガタガタと異音を発したと思ったらエンジンチェックランプが光った。
そうだった。
僕はやばい車に手を出してしまったんだった。
誰もいない朝の峠道で、急に厳しい現実に引き戻されてしまった。
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Posted at
2024/05/10 23:02:51