2010年04月16日
むらっち劇場
桜の花はまだ咲かないが春の兆しは見えてきているので相棒を目覚めさせてやる事にした。
その漆黒の獣はガレージの中で静かに佇み、約半年間の眠りについていた。
古いオイルを抜きエレメントを新品に換え新しいオイルを注入。そしてバッテリーを付ける。
キーを捻るとシナプスに電気信号が走るように、何かを思い出したかの如く獣も一瞬身震いをするが
その時点ではまだ目覚めない・・・。
チョーク機能が無く加速ポンプしか持っていないFCRの扱いは少しコツがいる
アクセルを数回捻りガスを燃焼室へ送ってやる。
そしてとっておきの呪文を一言
むらっち「さあ、お姫様のキスだ!」
そう呟きセルボタンを押す。
MkⅡ「キュキュキュキュキュキュ…ボッ…ボッ…ボッ…ボボボボボォーー!」
MkⅡ「ガリュゥゥゥーーー!ゴルッゴルッゴル!」
そのいにしえの獣は威嚇ともとれる雄々しい咆哮と共に攻撃的な熱気を浴びせかけてくる。
そして眠りから目覚めた獣は雄弁に語りかけてきた。
MkⅡ 「よォ~!久しぶりじゃねェ~の。元気だったか?」
獣も年を取ると随分お喋りになるようだ。
最新の獣達は「もっとアクセルを開けろ!」としか語りかけてこないのに・・・。
MkⅡ 「どうした?走るんだろ、さあ乗れよ!」
むらっち「ん!?まだ雪がある。今日はメンテだけだ!走りはまた今度な」
MkⅡ 「そうか・・・」
獣はゴロゴロと喉を鳴らし焼けたオイルの甘い匂いを漂わす。
この匂いはいつも俺を狂わせる。
腹の底からアドレナリンが湧きだし精神も肉体もこの漆黒の獣と同化してゆくのだ。
しかし俺は荒ぶる魂を抑えつつ調子が良さそうな獣の誘惑を尻目に
ショートホープに火を点け気持ちを落ち着かせる。
むらっち「ふぅ~・・・危ない危ない・・・またノセられるとこだった(汗)」
ニヤリと笑う相棒( ̄ー ̄)
その時だった。「こんにちは」
ガレージの入口から女に声を掛けられた。
少し面を喰らい気味に振り向いた俺は少々驚きの表情を見せてしまった。
そこには姿かたちが大きく変わってしまった●●ミ●がいた。
●●ミ●は某P社の血族で没落貴族ではあるが由緒正しい女なのだ。
しかし俺の知る●●ミ●はそんな事は関係なく全然気取らない女だった。
この辺に住んでいた頃は典型的な田舎娘だった
器量も気立てもよく包容力があり大変な働き者だったのだ。
数年前、都会の殿方の元へ嫁いで行ったのだが・・・。
都落ち・・・。その姿を見る限り色々な事が激変してしまったようだ。
派手な服装、派手なメイク。派手な香水・・・
おそらくメッキに包まれた仮初の派手な生活・・・。
その時の彼女はボロボロに見えてしまっていた。
むらっち「やあ、久しぶりだね・・・元気?・・・なのかな?」
少々戸惑いながら話しかけたのだが●●ミ●はそんな月並みな挨拶は意にも介さず自分の要件を話し出した。
●●ミ●「お願いがあるんだ・・・私をここに置いて貰えないかな!?」
むらっち「!?」
MkⅡ 「!?」
しばしの沈黙のあと最初に口を開いたのは MkⅡ だった。
MkⅡ 「おいおい!なに寝惚けたこと言い出してんだテメェーは!そんなボロボロのナリで恥ずかしく
ねェーのかよ?」
●●ミ●「煩い!30年前のロートルは黙ってなさいよ!大体アンタこそまともに走れんの!?ボロは
アンタの方じゃないの!!」
MkⅡ 「ふざけんな!俺は数年前コイツ(むらっち)に新しい命を吹き込んで貰ったんだ!この新しい
エンジンは文字通り魂を削って造り上げたんだよ!!
事実、獣のエンジンを組み上げる時、レストアも同時にやっていたので
一時期俺の手の指紋は消えていたwww ん?それは関係ない?
ともあれ●●ミ●は凄い剣幕である。
その後もこの2人は理解出来ない獣の言葉で暫く吼え続けていた。
そんなやり取りを聞いていた俺は少し悲しくなってきていた。
●●ミ●はこんな喧々諤々できるような娘じゃなかったはず・・・きっと劣悪な環境化に置かれていた彼女の心はゆとりを失い穏やかな気持ちを失いつつあるのだろう・・・。
俺は約10年前の事を思い出していた。俺達のサーキット遊びをよく手伝ってくれていた○ラ○○という娘の事だった。
なんとその娘は●●ミ●と姉妹だったのだ。
●●ミ●と○ラ○○は本当に良く似ていた。器量も気立てもよく包容力があり大変な働き者・・・。
その時、俺はある事にハタと気付いた!
むらっち「●●ミ●・・・もしかして君はここに○ラ○○が既にいない事を知っていたのかい?」
さっきまでMkⅡと怒鳴りあっていた●●ミ●は急にしおらしく頷いた。
むらっち「やはりそうか・・・君は俺達の事を手伝いに来てくれたのかい?」
●●ミ●はまた無言で頷く。
むらっち「そうか。わかった!これ以上深くは詮索しないよ。Garage SANTANA へようこそ。
今日から君はここの一員だ!」
●●ミ●の顔が急に明るくなる。
●●ミ●「ありがとう!本当はここを手伝わせてって言おうとしてたのに・・・つい興奮して・・・
ごめんなさいMkⅡ」
MkⅡ 「ふん!甘ェんじゃねーのか?」
MkⅡが語りかけてくる。
むらっち「いいんだよ。お前だって待ち人だったんじゃないのか?」
苦笑いのMkⅡ。
MkⅡ 「●●ミ●よォ。俺達と一緒にやりたいんなら、心と体をレストアしてこい!
今のお前は棘々しすぎる!まずはそれからだ!!」
●●ミ●「ふんっ!アンタこそしっかり走んなさいよ!!」
負けん気は競技における必要な才能・・・^^; アセアセ
今日から6輪生活に向け頼もしい仲間が加わった。
さあ解説!
※ちょっと擬人化してみました ^^;
○日産プリンス・ホーミー(E24)である。キャラバンとは姉妹車。。
ホーミーは日産に吸収合併となったプリンスの登録商標車だった。
○沖縄県ではホーミーの名が使えず日産プリンスででもキャラバンが売られていた
何故なら沖縄県の言葉で女性器を指すホーミ(宝味)に似ていたからだとかw
○派手な服装=フルエアロ
派手なメイク=全塗装
派手な香水=ルームコロン
派手な生活=イベント等
ボロボロ=外見だけのメンテ不足
ともあれ今日からE24ホーミーバンがむらっちファミリーに加わった!!
(一時抹消だけどねw タダだったしwww)
それに丈夫なディーゼルエンジンTD27はまだ12万㎞!
写真は “大車輪の会” でUPしてます♪
さあどうなる6輪生活!
どうなるむらっち!そろそろ嫁さんに出て行かれるぞ(滝汗
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Posted at
2010/04/16 22:59:30
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