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むらっち2のブログ一覧

2012年11月23日 イイね!

むらっち劇場26 ≪鼬鮫≫②

T と名乗る女は 「それではよろしくお願いします」 と言い残し
フォードのV8サウンドを響かせ去っていった



「お願いしますだと!? なんだそりゃ??」



む携帯
「チャ~チャチャ~チャ~チャラチャ~チャ~チャ~♪」
(こだわりのボーントゥービーワイルド・サビの着メロw)



着信は K からだった




「はい。むらっち・・・」



K
「いよ~~う、元気してっかぁ~♪」




「なんだお前! まさかこんな昼間っから呑んでんのか!?」



K
「はっはw 固てぇーこと言うなよw 二日酔いにゃ迎酒が一番なんだよ♪」



その暢気な声を聞いて妙に腹が立った。そのままガチャ切りしてやろうとも思ったが
まだ聞きたい事があったので俺はその衝動をぐっと堪えた・・・ 俺ってオトナだなぁ~www




「バカな奴め! お前はそのうち酒で身を滅ぼすぞ!!」



K
「はっ! お袋みてーなこと言うんじゃねーよ! それよりそろそろバイク届いたか?」



本当に鼻の良い奴だ。いつもタイミング良く電話してくる。




「ああ今さっき受け取った・・・ どういうつもりだ?こりゃイタチの “タイガーシャーク” だろ!?」



K
「そうだ。間違いなくイタチのバイクだ」




「どうやって手に入れたんだ?」



K
「あん?それより T はどうだった? イイ女だったろw? 案外お前好みだと思ったんだけどよwww」




「おう!なんなんだ!? 分からない事だらけじゃねーかよ!!」



K
「オイオイ、分からなかったのか? T はイタチの妹なんだぜ!!」




「妹!?」





確かに! そのキツイ目元にはイタチの面影がある!!


そのとき俺の頭の中でフラッシュバックした
イタチの強烈な走りを。誰にも負けなかった無敵の走り屋イタチ・・・
どんな相手の挑戦も受け、片っ端から負かしていったその走り!

彼は当時のストリートゼロヨンにおいても、峠においても
街中のすり抜けバトルにおいても素晴らしい走りを見せてくれた!

400の軽い車体に 615㏄ の強烈なエンジンは雑なアクセルワークを一切受け付けない!
3速でもぽんぽんフロントが浮き、コーナーではテールスライドを誘発する
イタチはそのジャジャ馬を絶妙なアクセルワークとクラッチワークとブレーキワークで見事に手懐けた

たとえ先行されても最後まで食いつきプレッシャーを与え続け必ず勝利した

だから皆に 「イタチ」 と呼ばれ、そのバイクは
「イタチザメ(鼬鮫)・タイガーシャーク」
 

と畏怖の念で呼ばれたのだ・・・






K
「~~~~~、オイ・・・オイ!聞いてんのか!?」




「ああ、悪い・・・ ちょっとイタチを思い出してた・・・・」



K
「そうだよな・・・ イタチの最後はあまりにもあっけなかったもんな・・・」






つづく
Posted at 2012/11/23 21:49:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記
2012年11月22日 イイね!

むらっち劇場26 ≪鼬鮫≫


「アンタむらっち2でしょ!」



ガレージの片付けをしていた時、突然後ろから話しかけられた




「いや違うね!」




「じゃあ、桑畑さん?それとも椿さん!?」



なんと手の内を読まれている!




「誰だコイツ!? なぜ俺の偽名を知っている!?」






緊張が走るのと同時に顔の筋肉が強張っていくのを実感した
しかし俺は動じていないフリをして何食わぬ顔で言ってやった




「いきなりそう尋ねてくる輩はロクなのが居ないんだけどねぇ」




「ああ違う違うw Kさんからのお届物。絶対受け取り拒否はしないからってw」




「Kから??」



むM(モノローグ)
「なるほど!K が絡んでんのか!どおりでw」



ちょいとキツメの顔のその女は裏路地まで俺を案内した
そこにはフォード・エコノラインが停まっていた

なんとまあパネルバン仕様になっている! 俺は「ひゅ~う」と口を鳴らし呟いた






「このクルマはアンタのか?」




「あらごめんなさい。自己紹介まだでしたねw 私●●ラインって運送屋やってる T といいます」






そのTと名乗った女は形の良いヒップが納まるスリムデニムのバックポケットから名刺を出してきたが
俺はその名刺を無造作に受け取り、たいした見もせずに作業服の胸ポケットへ仕舞い込んだ

T は俺を見ながらいかにも営業スマイルで微笑み、エコノラインのリヤゲートを開けた




何となく気が進まない俺・・・ 渋々室内を見る・・・




「オイオイ・・・まさか・・・」



俺は荷室のバイクを見てハッとする。思わず室内に飛び込み
薄汚れたタンクを作業服の袖でこすりカラーリングを確認した

パープルブルーベースのタイガーカラーだ





「見覚えどころか・・・ ゼファー400・・・改・・・ コイツの名前は・・・」



          「タイガーシャーク・・・」



T
「ええ。伺っています。大切な車両だから丁重に扱えと K様から言われております」




「ああ。確かに特別だ。550クランクでストロークアップして更にボアアップで615㏄ に・・・」



T
「受け取り証にサインを」



Tは後ろからにこやかに声をかけて来た




「確かに。こりゃ拒否できんわ。よく知った車両だよ。まったく K のヤツこんなモン寄越しやがって!」




俺はエコノラインの室内で久々に再会したその車両を見つめながら受け取り証にサインをした







つづく


Posted at 2012/11/22 19:39:41 | コメント(4) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記
2012年11月02日 イイね!

むらっち劇場25 ≪目が合う瞬間≫

忙しい10月が終わりホッと一息…




そんな時いつもコイツは俺の心の隙間にスッと入ってくる




1974年式(S49)S30Z 中期モデル






ずっとZは好きだった。 なんとなく同い年のZに特別な感情も抱いてた




しかしカテーのジジョーってやつで

「ごめん。引き取ってやれないよ」

なんて半分… いや半ば強制的に諦めている




しかし目が合ったんだな




ガンメタのボディは埃まみれで白くなり、ひっそりと息を潜めているかのようだったが
その眼光がギラギラとガレージ内の暗闇にひかり俺を見つめていた

そう、まるで大型の猫科の猛獣のように…










俺の魂はこの獣達に喰われて死ぬのか?はたまた雷に打たれて死ねのか!?







嘘っぱちだらけの世の中にある真実の2%を求めて今日も走る!










明日はどっちだ!
Posted at 2012/11/02 14:43:53 | コメント(5) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | モブログ
2012年10月16日 イイね!

むらっち劇場24 ≪folly≫②

空気がキンっと冷気を帯び澄み渡り、清浄な風が俺を包む

MkⅡは快調そのもの!
高速コーナーを気持ちよく駆け抜ける





そうそう!特別のナイショバナシを教えよう!!
俺の目の前にはいつも3台のバイクが走っているんだ



1台目は紅いCBR1100XX
5速7000rpmで更に加速しているMkⅡをコイツはいつもその世界に置き去りにする
す~~っと離れていく後ろ姿・・・ 大丈夫まだイケるぞ!そんな勇気を残して

2台目はGPZ750R
フロント16インチの見事なコーナーリングで切れ味よくアスファルトを切りつけるように走る
コイツの跡には綺麗なラインが残る・・・ 上手くなぞって来い!そんな教示を残して

3台目はZXR250・・・
19000rpmまで回された超高回転型ユニットは
カーーーーン!!と澄んだ音を奏でながらヒラリヒラリを気持ちよさそうにコーナーを抜け
「ちゃんと真似して付いておいで」 と言わんばかりにリズム良くリードしてくれるのだ
ライディングのお手本のようなスムーズな走りを残して

そう、この日、目の前を走っているのはZXR250
エアフォースタイプのジェッペルから流れる美しい黒髪
そして細いウエストの下に形よく納まった悩ましげなヒップ・・・

届く事のない想いと後悔と悔しさと憧れはこんな形で俺の目の前に現れる
闘争・競争・快走・挑戦・羨望・邂逅。そんな想いの具現化・・・ 
だが必ずその時の精神状態により、そのシーンに適切な1台が現われる

俺も気持ち良くヒラリヒラリとコーナーを抜け彼女を追う
永遠に終わりの来ない追いかけっこ・・・ もっとスムーズに、バイクの行きたい方向へ
上半身の力を抜き下半身でホールド。アクセル操作は大胆・丁寧、激しく・優しく




む(モノローグ)
「なあ、M・・・ お前さんはまだバイクに乗ってんのかい?成功の証にハーレーとか!? いや違うな!お前さんはきっとまた KAWASAKI のレプリカに乗ってる。狭いリヤシートに仕事道具のメイクボックスくくり付けて・・・ よく言ってたよな No medicine can cure folly (バカにつける薬は無い!)ってさw」






M(モノローグ)
「プロのメーキャップがバイクに乗ってたら大切な手を怪我する!? バカ言ってんじゃないよ!! そんなのどんな仕事してても同じさ! そんな事言うヤツはバイクに乗らない理由を探してるだけなんだ!! くじけそうになったらコレ見て思い出しな。キミに戦士の化粧をプレゼントしてあげる」




それは M から貰った大切なトライバル模様だ。



む(モノローグ)
「no risk no life イバラの道が安全って事はよくあることさ! なあ M 」


俺は漆黒の獣に鞭を入れ更に加速した

そして目の前の ZXR は GPZ750R にチェンジする・・・




おしまい







あとがきのようなもの


本日も最後までお付き合いありがとうございますm(_ _)m
なんとなく青春の一ページを思い出しノンフィクションも交えながら書いてみましたw

どことどこがフィクションで又はノンフィクションなのか!?
それぞれ想像しながら楽しんで頂ければ幸いです


ではまたw
Posted at 2012/10/16 07:44:44 | コメント(5) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記
2012年10月14日 イイね!

むらっち劇場24 ≪folly≫




「ああ!待ってくれ!!」

半分泣きそうな思いで俺は夢の中から目覚めた・・・


その俺を泣かした夢の主は M だった・・・ そう昔の彼女だ・・・



M は本当に美人だった。長く美しい黒髪、スッと通った鼻筋
そして大きな瞳はいつも俺に優しい眼差しを向けてくれた。








ただ、あの日は違っていたな・・・
洗面台に向い、瞼に溜まった血を抜いていた俺に彼女は鏡越しに言ったんだ




M
「そんな生き方をしてたらいつか死ぬよ!!」




大きな瞳からボロボロ涙を溢し激しく怒っていた。

今もMの泣き顔が脳裏に焼きついている・・・






当時 M は体にフィットした旧KAWASAKIワークスカラーのジャンプスーツに身を包み
ZXR250 を駆っていた。





4つも年上だった彼女はいつも優しかった
ツーリング、峠、ストリートゼロヨンetc・・・

俺達はそのバイクでよく出かけた
初めてダブルのライダースを買ってくれたのも彼女だ




M
「キミは上半身がガッシリしてるからこのジャケットがよく似合うよ♪」


なんてねw




一番調子に乗っていた時期だった
だが、そんな蜜月な日々はそう長く続かなかった



M
「どうしてそんな生き方を選ぶの?強さって何?人や自分を傷つけるのが強さなの?」




メガトン級の一撃・・・





程なくして M は自分の元を去っていった



その後の噂では単身アメリカに渡り、本業だったメーキャップの仕事を生かし
西海岸のある場所で成功を収めたとも聞く・・・







「ああ・・・ 行かないでくれ・・・ 」




当時の情けない俺の本音・・・ そして言えなかった一言・・・






つづく
Posted at 2012/10/14 14:57:05 | コメント(2) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記

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