第2弾。
皆は 「笑えないけど笑える話し」 なんてのはあるかい?
そう、その時は知らなかったから笑えたが、後に冷汗みたいな!
知らない方が幸せなんてこともあるよね!?
今日はそんなお話し。 以下長文だよw
みんな、「風の谷のナウシカ」ってジブリの作品を覚えてるかい?
その作品の中でナウシカの回想シーンとラスト付近に使われていた挿入歌で
小さい女の子の声で「ラン、ランララ、ランランラン♪」って歌ってるヤツ
突然その歌がドタマの中で流れるような事件あったんだ。
今から16年前の5月、俺はとある自動車教習所にいた
勿論それはバイクの限定解除のため!教習所で練習していたんだ
既にMkⅡが手元にあったから必死だったねw
今や自動車学校で比較的簡単に大型自動二輪の免許が取得可能だけど
当時は教習所で練習してから公安委員会に本試験を受けに行くか
一発公安委員会へ乗り込むかのどちらかしか選択肢が無かったんだ
いわゆる「鬼も逃げ出す限定解除」と言われ厳しかったのなんのってw
引き回し8の字で落とされ、本試験ではバイクに跨るところで落とされ
発進して交差点を一つ曲がるまでに落とされ
コースを周回するまでに平均3回落とされ
コースを周回できるようになってもまた落とされ・・・
公安の試験官は元白バイ隊員だったりとかで
「テメェーーバカヤロー!そんなヘタクソなのに試験なんか受けに来んじゃネーーー!!」
な~~んて大変お優しい暴言は茶飯事的に飛び交うwww
で、話しを戻し教習所で練習中の俺
その教習所はチト山側にあり、プレハブの校舎?に簡易トイレ
しかも路面は荒れ放題で轍だらけ・・・日陰になるような休憩場所もろくになくて
バイク教習の人達は嫌でも日差しの中で休憩を取り、日差しの中で昼飯を食う事になる。
もちろん食堂なんかは無いので弁当は自分で用意する事になる・・・
俺はというと金なんか全然無いから少しでも節約するため近くのコンビニでおにぎり1個とコーラ1本を買ってきて、ゆっくりおにぎりを租借しコーラで流し込み腹を満たす方法を取っていた!
だけど悪い事ばかりでもない!同じく教習に来ていた娘なんかが弁当のおかずを恵んでくれたりもしたし違うモンまで食べさせてくれたので大変ご馳走様だったw
それにバイクさえ空いていてばほぼ無制限に練習できたし、休憩中に教習仲間達とやるゲームも楽しかったw
8の字の引き回し用に描かれた白線上をバイクで超遅速で周り誰が一番遅く走れるか!とかw
また、クルマの方向変換の中にバイクで侵入し、足を付かないで回ってくるとかw
で、負けたヤツが皆のジュースを奢る!なんてね具合にね♪
ん?それにしてもなんでそんな場所を選んだんだって?
それは金額が他の教習所より安かったからさw
ミステイクその1
教習車の殆どはCBX750ホライゾン (通称ボロイゾンw)
うち2台が本試験と同じVFR750K (教習車仕様)だった。しかしここでも落とし穴が・・・
バイク教習を受ける際、どこぞのバイク屋の紹介なんつって話しを通して貰っていないと酷い冷遇を受けることになる。 これはいまだにバイク屋と自動車学校・教習所との風習?や繋がりがあるからだそうだ 「ウチの客は大切に扱えよ!」 といった密談があるらしいw 当然そんな事を知らない俺は ≪漢の飛び込み教習!≫ ぜんっぜんVFRに乗せてくれねぇーでやんの (T_T)
何故乗せてくれないのか聞いてみた事もあったが 「まだ最終のレベルに達していないからだ!」 の一点張り! そして明らかに自分よりヘタクソなヤツがVFRに乗ってたりするんだから・・・
ひでぇーよな~・・・
ミステイクその2
そんなこんなで一度も本試験に出ることを許されず2カ月が経ち
7月後半に差しかかろうとしていた時だった
教官
「むらっちさん、わざわざ遠くから来て日帰りするのも大変だろうから、教習所内でテント張って泊まり込んでもいいよ!キャンプ好きだって言ってたよね?それに教習が終わった後だったら自分のバイクで走り放題だよ♪」
などと言われ、俺は素直に従う事にした。7月の最終週は業務の都合上5日間ほど休暇が取れそうだったので一人合宿を行い、自分に追い込みを掛けようとも考えていたのだ。
ダラダラやっていてもラチが明かないし、このままじゃ自分の懐も体力的にも限界が近い
そう考えたからだ。
ミステイクその3・・・
7月後半某日。
最終の金曜に本試験の予約をして、その事前の4日間でみっちり特訓をするべくキャンプ道具をZ400FXにパッキングし、意気揚々と教習所に乗り込んだ! しかし俺はそこで愕然とする事となる
ゲートは開いているのだが
「本日から3日間休校」 の文字が!!
む
「なんじゃゴリャー!聞いてないよーー!!」
本当に連絡など受けていない・・・ しかしまあ、仕方がない。
俺は手早くキャンプの用意をした後、自分のFXで教習コースに出て勝手に練習することにした。
そうして3日が過ぎ4日目(本試験の一日前)の朝。教習所へ次々と教官達が出勤して来る。
しかし誰一人として俺に声を掛けて来やがらない!
この時は流石に頭に血が昇った!孤独と疲労と空腹と本試験への焦りは怒りとなって爆発したのだ
む
「ねぇ、3日間も休みなのに連絡もないんすか?」
教官
「あ、いや、電話はしたんだけど居なかったみたいで・・・まさか本当にキャンプしてるなんて・・・」
む
「ふ~ん・・・俺、明日本試験なんすけど・・・VFR独占して乗らせて貰うよ。 文句ねーよな!? 文句ねーならさっさとバイク出してこいよ!!」
最悪の悪態だった・・・
教官
「あ・・・わかった。すぐ出すね」
この時、俺は愚かにも完全に怒りに身を任せてしまった・・・
バイク教官室(屋外のプレハブ)の横に置いてあった木製の古ぼけたベンチが犠牲になる・・・
俺はエンジニアブーツを履いた脚でそのベンチを完全に破壊してしまった。
金曜日(限定解除本試験の日)本試験会場の公安委員会・・・
コース内に設けられたバイク教習者用の待合室。15人の様々な顔ぶれの中に俺はいた。
試験の番号は確か12か13番くらいだったと思う
皆緊張の面持ちで5回落ちただの6回落ちただのを話している
そんな中にあって俺は緊張というより怒りにうち震えていた!
む(モノローグ)
「VFRに一日乗ったぐらいじゃ全然練習が足らん!あのク●ヤロー共・・・蹴り殺してやりてぇ・・・(ー”ーメ)」
しかし、そんなモチベーションが功を奏したのか、いつも通り走り何事もなくコースを周回し開始位置に戻ってきた。 そして試験管から拍子抜けするような言葉が
試験管
「1●番、むらっちさん。すごく良いね!スムーズで悪いとこ一つも無いよ!今回初めての試験みたいだけど何で今まで一度も試験受けに来なかったの?」
だってさwww
俺は引率でついてきている教官にも良くわかるように両手を軽く挙げ ≪分からない≫ というジェスチャーと共に大きな声で
む
「俺はヘタクソだからだそうです!!」
と答えてやった♪
そして試験の結果はなんと一発合格だったのだ!!
ちなみにその日の合格者は15人中3人で、俺以外の2人はいずれも5~6回目の挑戦だったという
(これはいまだに俺の小さな誇りだ♪)
公安委員会で限定解除の免許を貰った俺は意気揚々とFXに跨り、一路教習所へと向かった。
しかし教習所では相変わらず俺に話しかけてくる教官はいない・・・
む(モノローグ)
「試験は受かったが・・・ まあ、こんな胸クソ悪ィとこは二度と来ねぇー!」
全ての苦労が報われ本当に嬉しい気分でもあったが、対応の悪い教習所に怒りを感じつつ
俺はキャンプ道具をさっさと片付けその場を後にした。
時は流れそれから2年後・・・
限定解除は大型自動2輪となり 「自動車学校」 において容易に免許が取れるようになった
金欠と空腹と孤独に悩んだ限定解除が良い思い出になりかけていた時に俺はある事実を知ることになる!
それはとある 「自動車学校」 において友人が 「大型自動2輪」 の教習を受けていたときの事だ。
俺はたまたま友人の付き添いでその自動車学校に教習の様子を見に来ていた。
教官
「やあ、むらっちさん久しぶり。覚えてる?俺●●だけど」
それは余所の自動車学校からあの某教習所へ生徒を連れて練習に来ていた教官だった。
む
「ええ。よく覚えてますよ」
教官
「いや~、むらっちさんもあの時は本当に度胸が良かったよね~」
む
「いや~~(照)それほどでも~~w」
む(モノローグ)
「なんの事を言っている?本試験の事か?椅子を破壊した事か?」
教官
「むらっちさんの身に何も起きなくて本当に良かったよ~~。あの後みんなでさぁ、むらっちさんは本当に度胸があるなぁ!なんて話題になってたんだよw」
何を言っているのか全くもって意味不明だった??
む
「教官、何の話しをしているんですか?」
教官
「ん?あれ?むらっちさんもしかして知らないの?」
首を傾げる俺。困惑顔の教官。沈黙がその場に流れる・・・
む
「・・・」
教官
「・・・」
そしてその教官はようやく話しだした
教官
「実はむらっちさんがキャンプする2日前にさ・・・ あそこの校長が経営難を苦に首を吊ったんだよ!本当に知らなかったの!? しかもむらっちさんがキャンプしてた近くで! だから休校してたんだよ・・・」
む
「(; ̄□ ̄|||)・・・」
教官
「いや~~でも本当に何もなくて良かった♪」
この時だった!俺のドタマの中であの歌が流れたんだ!!
ラン、ランララ、ランランラン、ラン、ランラララン♪
ランラン、ランララ、ランランラン、ラララララ~ラ~ラ~ラ~♪