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2016年12月08日 イイね!

ジムニーのホイール考察について

ジムニーのホイール考察について
さて、本日はちょっとマジメなアルミホイールの考察

みなさんはアルミホイールに対しどのようなお考えをお持ちであろうか?
デザイン重視?ブランド重視?性能重視? ちなみに当方は、いちおう性能重視です!

しかも高価な高性能モデルではなく、安価に手に入る高性能を研究していますw




まあ、まかり間違って当方がリッチであれば、超高価なパーツをどんどん奢り、これみよがしに見せびらかすかもしれませんが、それじゃあ浪漫が無いですよねぇ~w





地味だけど質実剛健!しかも手を出しやすいパーツを! そんなのをテーマにして書いてみます







はじめに、主にアルミホイールにはどんな製造方法があるのか!?


もはや常識かもしれませんが 「鋳造と鍛造」 ってありますよね。更にはアルミの成形方法には鋳造と鍛造の中間のようなもの(ハイプレッシャーキャスティングや溶湯鍛造など)もあり、厳密には2種類で分類できない製造方法も数多くありますね。なので単純に、「鍛造は強い、鋳造は弱い」という定義にはあてはまらず、剛性と強度の違いや、それのメリット、デメリットまでは一般的では無いような気がします。









では「剛性」と「強度」の違いとは?


ざっくり言うと、 「剛性」 とはモノ全体に受けた力をどのように分散し 受け止め、変型しないようにするかということで、 「強度」 とは局部的にガツンと大きな 衝撃が加わったときに、どのように衝撃を吸収するかというように考えてください

わかりやすく車のモノコックボディでたとえるならば、 「剛性は走行中のボディの変型のしにくさ」 「強度は衝突時に キャビンを守る強さ」 と置き換えることができます。たとえば、一般に強いと思われている鍛造ホイールは、実はこの局部的な衝撃には弱く、あんがい割れやすいのです。逆に鋳造ホイールは鍛造ほど硬くないため、局部的衝撃が加わっても割れずに軽く変型するだけで済む場合があります

鍛造は「硬いが脆い」、対して鋳造は「軟らかいが粘り強い」と言えます。これは鉄や鋼と違い、アルミならではの特性ですね。なので一般的には 「鍛造ホイール=剛性が高い」 「鋳造ホイール=強度が高い」 という分け方ができます (個人的には鉄・鋼の方が大好物だが、書き出したらとんでもなく長く複雑になるので割愛w)

ちなみにあまり知られていない鋳造の「アルミダイキャスト」と呼ばれる製品は、金型を用いて適度な圧力をかけておこなう製法です。圧力をかけるので一般的な重力で流し込むだけの鋳造より強度が上がります。 「鋳造」と言ってもただ砂型に溶けた金属を流し込むだけの重力鋳造ばかりが精製方法ではないのです




あっと…ここまで一気に鋳造贔屓に書いてしまいましたが、決して鍛造ホイールをクサしているのではありません!むしろ鍛造は当方の大好物といっても過言ではありませんのであしからずw


で、鍛造は、剛性を上げることにより、ギリギリまで軽量化できるメリットは計り知れなく、普通車や車高を低くする必要のあるクルマであれば、バネ下の軽量化は運動性能やハンドリングの向上に繋がり、燃費だって多少なりとも軽減が見込めます!逆にバネ下重量の増加は、これらの反比例にあるとも言えます

そして強度を出すため重く肉厚に作らなくてはいけない鋳造については、オフロード走行に目を向けたジムニーに限ってコレが弊害とはならず、利点になる場合があります。色々な動画や画像でもUPされているように、脚を長々とストロークさせるように改造がされた時にはタイヤ&ホイール重量が重要で脚が延びきるような状態の時、路面へ確実にトラクションをかけるため、重量(重たいタイヤ&ホイール)が必要になってくるのです。



ここで当方の考えをいれますと、ことジムニーをオフロード(狩猟現場)で使用する場合には、ギリギリまで肉を削ぎ落とした 鍛造ホイールよりも、多少重くても肉厚に余裕をもたせた鋳造ホイールのほうがトラブルが少ない。 という結論が見えてきたのです。

たとえば、自分の使用環境において、オフロード走行中に、アクシデントでホイールに多大なショックが加わった際に、鍛造ホイールであればそこで割れてしまって立ち往生(泣) なんて場面でも、 鋳造ホイールであれば僅かに変型するだけで済み、そのまま走行し無事に家まで帰ってこれた! なんてことも考えられます。

大事なのは、使い方や、使用目的を明確にし、どういった物が必要なのかを考えねばならない!ということですね





参考までに、パリダカの鉄人「菅原義正」氏にあっては、ラリーモンゴリアを走らせている自分のジムニー(JB23)のホイールは、純正のスチールホイールを使用しています。理由は、「もし凹んでもハンマーで叩けばすぐに走らせられるから、メーカー純正のこのスチールホイールが信頼できる!」だそうです
必ず生きて帰るとの意味を持つ「RALLY」。その鉄人ラリーストの言葉には重みがありますね♪












では気になるジムニー用ホイールの重量(1個あたり)表を少しお見せします
(あくまで参考程度でねw)

※軽さ順ね



RAYS    A・LAP-J  5.5Jx16  4.8㎏

SUZUKI   JB23ランドベンシチャー用純正アルミ  5.5Jx16 +22  5.6㎏ 

4X4エンジニアリング  ブラッドレーVエボリューション   5.5JJx16 +22  6.07㎏

4x4キタガワ  ノースリバーⅢ   4.5J×16   6.1㎏

RAYS    TE37X   5.5Jx16   6.25㎏  

(ココから↑はJWLか(+R)くらいの規格。つまり普通車に使うレベルのヤツ)


(ココから↓はJWL、JWL-T規格。つまりトラック用としても使える丈夫なヤツ)

キャン・アソシエイツ  ジムラインSP24  75.5Jx16   6.3㎏ 

SUZUKI  JA11純正アルミ  5.5JJx16 +22  6.4㎏

RAYS   VOLK Racing TE37X  5.5JJx16 6.4㎏

SUZUKI  JB23クロスアベンジャー用アルミ  5.5Jx16 +22  6.6㎏

SUZUKI  JB23 7型~純正アルミ  5.5Jx16 +22   6.7㎏

SUZUKI  JB23 5型~純正アルミ  5.5Jx16 +22  6.8㎏

SUZUKI  JB23 前期 純正アルミ  5.5Jx16 +22  7.2㎏

APIO  WILD BOAR X  5.5JX16  7.5㎏

4X4エンジニアリング  ブラッドレーV  5.5JJx16 7.5㎏

SUZUKI   SJ30純正鉄  4.5Jx16 +17  7.8㎏

SUZUKI  JA11純正星形スチール  5JX16 +19  8.7㎏

APIO  WILD BOAR J  5.5J×16  8.9㎏               



あああ… もう面倒なのでこのくらいでカンベンして…

まだまだたくさんありますが、代表的なものだけを記載してみました







ここで、自分の使用目的をしっかりと定める。それは 「街乗り7割、狩猟(オフロード)3割」 である。 

鋳造で、軽量化しつつも、強度のあるホイール

で、導き出した答えは


JA11純正アルミホイールを選ぶ!! 




というか、もうポチッたwww




安価で高性能。玄人好み。いぶし銀の純正流用とする

しかも衝撃を逃がすための奇数、360を割り切れる数の5であるのも大事w









でも、ほんとこのアルミホイールは凄いと思います! まず、静岡は「スズキ自動車」のお膝元である「エンケイ(遠州軽合金)」製である






ここで製造される製品は、純正品はもちろん、モータースポーツでも世界ラリー選手権やフォーミュラ1、スーパーGT、ジムカーナ、ラリーなど幅広いカテゴリーで使用されているのに加え、その昔、大ヒットテレビドラマ・西部警察 にもスポンサー協力し、アルミホイールを大量に提供した経緯があり、あの過酷な撮影に耐えうるアルミホイールの開発に成功し、ましてやあのロケを通し、常に性能テストをしていた! という伝説があるのだ

そんな、80年代中盤から90年代初期にかけ、バブルの余波を受けつつ、今より、より贅潤な資金と膨大な時間をかけて、不整地用万能車であるジムニーに

「軽さ」「剛性」「強度」を高次元でシンクロさせた、JA11用純正アルミホイールを完成させたのだ!









まとめとして


エコだのコストダウンだのが、まるで名誉のように叫ばれる昨今にあって、愚直にまで高性能に拘り、剛性と強度と軽量化を成功させたパーツには、開発者の意地とプライドがヒシヒシと感じられる

安価に買えるのは、製品自体の価値が下がったんじゃない。世の中の、また、その他大勢の、見方が変わっただけ… 決して価値が変わったんじゃない!

そんなサバイバーたるバイクとクルマとパーツ達に敬意を払い、大切に使用していきたいと感じる、アラフォーまで生き残った、オッサンなむらっち2の、今日この頃である







おわり ( ̄ヘ ̄)ゞケイレイ







ごめんなすって






Posted at 2016/12/08 16:24:08 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマその他 | 日記
2016年12月06日 イイね!

今日は日曜日の晴れの使者! 試射??

今日は日曜日の晴れの使者! 試射??

シャララーラ、シャラララーラ

シャララーラ、シャラララーーーラ♪






いつも日替わりでやる事があってイイねぇ~

な~んて言われ、「お前ほどヒマじゃネーからな!」 って

“K” に言ってやったむらっち2ですw




※“K”について興味のある方は過去の 「むらっち劇場」 をご覧ください

下品な男なんですよ、ほんと!















さて、トゥデイ! 

なんとなく後々にしてしまっていた、純正ステアリングの交換をしました



コレも軽虎時代から使っている “ナルディークラシック35φ・パンチングレザー” です

さしずめ “おさがりナルディー” ですねw






ステアリングボスも信頼の日本製! HKB



















ここで一つ気付いた!?



トゥデイの純正ステアってすごく重いのね!!

たぶん1㎏くらいは軽くなったんじゃないかな!?

思わぬ伏兵w

















で、軽量化といったら気になるのはリヤシートだったり…





神威號を購入したことから、4人乗りに拘る必要が無くなったなぁ~。 なんて


6点のロールケージも入れる予定だからさ





思いきって2人乗りにしちゃおう♪


それの方が、後ろからの眺めも良さそうだしねw

こう見えてバック好きなんだwww




試射? 発射しとけって(´∀`)ノ


















さて、またぼちぼち、イジイジいますか!







ごめんなすってw




Posted at 2016/12/06 18:36:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | トゥデイ | 日記
2016年12月05日 イイね!

『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』 観ました!

『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』 観ました!

2012年深夜に放送された27年ぶりのTVシリーズ「LUPIN the Third~峰不二子という女~」は、モンキー・パンチ原作に漂う危険なテイストを存分に活かし大きな話題を呼んだ。そのアダルトでヤバい香りに満ちた世界を引き継いだのが、シリーズ第2弾となる本作「LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標」だ。

今回の主役は孤高のガンマン・次元大介。ターゲット奪取作戦、強敵との対決、そしてルパンと「相棒」になっていく男の生き様を、ハードボイルドかつダンディズム満載のアクションで描き切った。

ハードで危険。そして痛烈に面白い。「ルパン三世」史上に輝く傑作エピソードの誕生だ。










メチャメチャ面白かったよ!!





ルパン一味にあって、一人だけ誰の子孫でもなく、己の腕のみでのし上がった次元が昔から好きだった

重たい357マグナムに拘る理由とか、護れなかった女への追悼とか、重みのある台詞に



シビレる!憧れるぅ~~♪














うんうん。そうそう。。 な~んて感情移入しまくりでさw

また、このハードボイルド観終わった後の、余韻が残るなかで聴くエンディングの曲が、これまた秀逸でね!

身震いしながらイキまくること請け合いですwwww


















ウチのヨメ様は気持ち悪いとか言っちゃってたけどね… ¬(´ー`)гハハン







男はよぉ!

夢や浪漫を捨てたら生きてけねぇ~のよ!!








ま、そゆことw












ごめんなすって







Posted at 2016/12/05 21:42:33 | コメント(2) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2016年12月03日 イイね!

エンジの真田紐

エンジの真田紐
さて、そろそろ狩りに行くか!


陸釣りじゃーーい!♪



………。。(〃_ _)σ∥






ども。ダークサイドに堕ちつつあるむらっち2です…








はい。エンジ色の真田紐が届きました

さっそく鞘の栗型に結びます



おお~~!イイ感じ







とりあえず下げ緒を縛っておきます










そして、まだ未完成だけど大三段に置いてみる



ちょーカッケーぞ( ☆∀☆)














一段落だねw

でも大三段の台座の材料が届くまで間があるので

違うクラフトも手掛けるか!




鉞(マサカリ)とかねw

闇の古美術商から入手しましたwww 大変古い物だそうです
手彫りで銘が刻まれてますね!

《土佐 盛輝 長運斉》 だそうです… 有名なのかな?
















あとは神威號もチョイと手入れ

アーシングしときました!



相変わらずですが、新しいクルマに施工しても効果がよく分からんw
でもコレやっとくと、厳寒期にバッテリー上がりしなくなるので
それなりに効果は有るんだろうね(^_^;)


ちなみにその昔、AE86に施工したらワイパーの動きが速くなって
死んでいた電動ミラーが動き出してビックリしたなwww















さて、ドライブでもして気晴らしに行くか!












あっ











ガソリン代無いんだった…











ごめんなすって






Posted at 2016/12/03 23:52:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | 狩猟 | 日記
2016年12月02日 イイね!

White grenede 第二話

White  grenede 第二話











      


長い長い冬が明けた。北海道の春は良い。一斉に芽吹く新緑の若芽は、山一面を美しいライムグリーンに変えるのだ。たぶん 『 新芽を楽しむ 』 というのはこういう事なんだろうな。
私は泥の上に寝そべり、どこまでも蒼い空と素敵な白樺の木を眺めながら、現実逃避をしてしまった。




「オラーーー端野ぉーー !! 休むんじゃねぇーーー !! もっと掘れぇぇぇぇぇ !!! 」

メガホンを通した電子的な響きで、社長の怒号が飛んできた。




「は、はい~…」

疲労なのか、心が折れたのか? いうことをきかなくなりつつある自分の身体に、社長の喝が重く響き渡る。
で、いま何をしているのかって? ふふ、それは穴掘り…。 スタックした自分のジムニーJA22のタイヤを掘り起こしているの。




Traffic Eagle (トラフィック・イーグル) の社員は、月に一度の総合訓練というものが義務付けられている。普段は代わり順でお休みを貰っているんだけど、月に一度だけ、会社自体に休日を設け、社員全員で…あ、全員っていっても6人だけど、みんなでオープンエリアに集まり 『 どんな状況下でもジムニーで生き残る訓練 』 なるものをやっている。

この帯広市郊外にあるオープンエリアは、オフロード走行のドラテク(ドライビングテクニック)を鍛えるのに最適な場所で、加藤社長が独自に設定した、フラットダート、クロカン、ガレ場、泥濘などのコースを走るんだ。勿論、社長のタメになる講習もセットでついてくる。たとえばウィンチやチルホールの使い方とか、滑車の使い方とか、ロープの結び方とか…えーと、えーと、その他にもいろいろ。

ちなみに、個人で貰うお休みの日も、一人でココに走りにきている。どうも私は、同世代の子たちと同じように、ショッピングをしたり、お洒落なカフェでお茶をしたりとか、そういうのを楽しめないんだよねぇ。 そんな事より今は、私の新しい相棒になったロックさん(ジムニーJA22)と走っている方がずっと楽しい。本当に充実した日々だよ。
で、今は泥濘にはまってしまい、脱出させるのに、うちの会社で積載が義務付けられている、折り畳み式のスコップ、通称・自衛隊スコップを使い、一生懸命に泥を掻き出しているの。

そうそう、ロックさんの名前は、私の好きな海外ドラマ 「ロスト」 の ジム・ロック から頂いたんだ。JA22の角ばった男らしいフォルムにぴったりの名前でしょ(笑)いかにもサバイバーって感じ。




ああ、いけない…また現実逃避しちゃった…掘らなきゃ…。

私の隣では、元自衛官だった城ケ崎(通称ジョー)さんが、凄いスピードで穴を掘り、自分の SJ413 ( 輸出モデルのジムニーSAMURAI ) を、あっという間に脱出させた。さすが穴掘りにかけては、30分で塹壕を作れる!と、豪語するだけのことはある。

でも、私はコレが一番苦手…。まいったなぁ…。 もう腕が自分のものじゃないような、そんな錯覚を覚えるくらいに…
ああ… ダルい…。













      


朝の9時から始まった訓練も、お昼休みに入った頃には、もうヘロヘロだった。泥にまみれ、チカラを使い果たし、精も根も尽きてしまいしたよ。だけど、お昼に皆でやるジンギスカンだけは別格だ。どんなに疲れていても、この独特の味と匂いは、身体の奥底から元気を湧き起こしてくれる。ああ、やっぱり私は道産子なんだなぁ、と思う瞬間でもあった。しかも、今日はとっても美味しい、生ラムが山盛りだ。




炭の火加減に注意しながら、肉の世話を焼いている専務の住谷(通称スミさん)さんがおもむろに呟いた。

「タカさん、ミホちゃんは女の子なんだから、もう少し手心というかさ」




「ちょっとスミさん、タカさんはやめてよ。俺の名前は加藤鷹一(かとうよういち)なんだから、せめてヨウさんとかにしといてよ。タカさんなんて、まるで “ カトウ タカ ” みたいじゃないか」




なんだかよく分からないが、社長は赤い顔をして 『 タカさん 』 というあだ名に反論していた。私はタカさんって、とっても良いと思うんだけど。




「まあ、いくら女だからってねぇ、訓練を甘くしたら訓練にならないんだよねぇ。ウチに入ったからには、ちゃんとこなしてもらわないとさ」




「ええ、ええ。充分わかっていますよタカ社長」

私はきちんと納得し、タカ社長の意見に頷いた。そうじゃないと 『 どんな状況下でもジムニーで生き残る訓練 』 の意味がない。そう、あの時の感動は忘れない。




「端野ぉ、てめえまで “ タカ ” と呼びやがったなぁ~」




うん?どうしたことか、タカ社長の言葉は怒気をはらんでいた。ああ、それにしても生ラムは美味しい。私は幸せいっぱいの顔で、焼けたお肉を、思いっきり頬張った。




「くっそ、てめぇ~~」




タカ社長は何を怒っているんだろう?














  
   


昼からの訓練はお手のものだ。アップダウンを含んだ、フラットダートをひたすら駆け巡るんだ。これは言ってしまえば、一人耐久レースだ。ひたすら滑る路面をコントロールしながら、ただただ走り続ける。

ジムニーのペダル配置は、前まで乗っていた、アルトワークスに似ていたことから、そんなに苦労はしなかったが、このシートの着座位置と、車高の高さは少々慣れがいる。普通に走っている分には、何の問題もないのだが、いざ、ドリフトさせるようなスポーツ走行では、途端に不安な気持ちになってしまうからだ。

大きなRの右コーナーが迫る。そしてすぐ後ろには、この会社で一番のテクニシャンと言われている、吉野(通称ヨッシー)さんのジムニーJB43(1.3L国内仕様)も迫ってきていた。
ブレーキングでしっかりフロントに荷重移動し、ステアリングを切りスライドを開始する。充分スピードがのっているから、リヤが出る前にカウンターを当てて、コーナーへの進入となる。が、Rが深い。途中、スライドを維持させるため、私はクラッチを何度か蹴った。











『ガガーー…』 突然、積載している無線機が鳴った。

「ヤッホーみんな聞こえる?」 エリの声だった。






私は会社から支給された、ラリー用ヘルメットに設置されている、10W無線機のマイクに叫んだ。

「ちょっとエリ、いきなり変なタイミングで話しかけないでよ」




コーナーリング中だったので集中が乱れた。それにヨッシーさんは、私以上に乱れたらしい。ルームミラーに映るJB43は、距離が少し離れていた。




『ガガーー』 また無線機が鳴る。

「ごめんごめん。でも皆走りながら聞いて。今日の午前中に納品になった、この新しいGPSシステムはすごいよ!」

エリは少々興奮気味だった。

「皆の位置が、かなり正確に表示されるんだよコレ!すぐに実践投入したくってさ、タカ社長に断って持ってきちゃった」




やっぱりエリは興奮していた。それも無理はない。Traffic Eagle でのエリの仕事は、全員のナビゲーションなのだ。会社内で指令台の前に座り、目的地を目指し走っている皆に、渋滞情報や、迂回ルートから割り出す到着時間まで、すべて細かい指示を出すのだ。それに集荷の受付や、各種伝票整理をはじめとした事務全般も、専務のスミさんと二人でこなしている。そんな、なんでもやってしまうエリ。彼女もまた、私と同様、O広T産大学に在学していた時は、親に獣医の道を薦められていたが、それを躊躇いもなく捨て、この会社に入ったのだ。

みんな 「 信じられない。意味がわからい 」 なんて言っていたけど、私達は微塵の躊躇いも後悔もない。それは、ココが “ 私達の目指したいゴール ” なのだから。




「いいよ~ミホ。そのままペース保ってね。次は左30Rだよ。ヨッシーさんもそのままでいい感じ。あっ、ジョーさんはもっとペース上げて。ヨッシーさんから50m離れてるよ」







エリは本当に張り切っていた。それに彼女の声を聞いたら、なんだか元気も出てきた。私も頑張らなきゃ。アクセルを踏む足に力が入る。すると…




『ガガーー』 「よ~~し、良いぞ~~お前ら。そのまま1時間走り続けろ!」

突然タカ社長から血も涙もないような、鬼の指令が飛んできた。




えっ嘘でしょ!もう30分も走り続けてんだよ !? そろそろラストじゃなかったっけ?
無線でそう伝えようとした時、タカ社長の笑い声が聞こえてきた。

「ふふふふははははは。俺の名前は加藤鷹一(かとうよういち)だぁ~~」




「あ~あ、社長怒ってるよ…」

次にはヨッシーさんの声が入ってきた。う~ん。タカ社長は何が気に入らないんだろう?やっぱり私にはわからない。
















つづく



プロフィール

「91時限目 第2弾!カントク冒険隊! 神の湯へ http://cvw.jp/b/381698/45694253/
何シテル?   12/11 14:56
☆Youtubeで動画投稿してます。  「カントクの時間」です。よろしければ寄って行って下さい。 https://www.youtube.com/chann...
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2020/05/23 23:46:46
インチアップ話の続き 
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2020/05/17 15:25:11
チョットここで、アーカイブ~♪ 10  もう二度と見られない此の光景・・・ 2 
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2019/03/05 19:01:18

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