最初は海外向けの車種に限られた問題かと思われたダイハツの認証不正問題、第三者による調査結果では25の試験項目における174個の認証不正という大規模なものになり、不正そのものもなんと34年前から続けられていた事が判明しましたね。
その結果として全車種の出荷停止になってしまった訳ですが、これは不正の規模からして当然の処置ではないかと思います。何か不正があった時に良く言われる「製品の作動に支障はありません」という文言も、これだけの不正があると本当に信用出来るのか、というのが正直な感想ではないでしょうか。実際の車両の状態に関しては問題ないのかもしれませんが、納車を心待ちにしていた方や現行のユーザーには本当に迷惑な話ですね。
これだけの不正が通用した背景として問題点を現場で指摘しても上層部に伝わらなかったり叱責されたり、という「まずは工程ありき」という社内体制に原因がありそうですね。一度工程の短縮が成功してしまって常態化した事で誰も文句を言えなくなったのでしょうが、それが30年以上も続いたのはやはり異常としか言えない気がします。
これに関してトヨタでは「間違ったことがあれば立ち止まる」という姿勢で
TPS(トヨタ生産方式)ではアンドンという仕組みに反映されているとの豊田章男前社長がコメントしていますが、子会社であるダイハツにそれが浸透していなかったのは残念ですね。
今回のダイハツの件に限らず、ビッグモーターの不正事件や宝塚歌劇団のイジメ問題、日大アメフト部の廃部問題など、最近になって噴出している不正問題の悉くが「組織の運営や利益を優先させ、現場の声は抹殺する」といった共通の問題を抱えているのは何故でしょうか。
以前は「日本製品は優秀」と誇れる状況だったのが、いつの間にか「製品を作るのが最優先、結果を出すのが最優先」という事自体が目的と化してそのために社員や劇団員、部員を駒扱いして改善意見や反対意見を抹殺したり、情報リークがあったら犯人探し、といったとんでもない状態が横行しているのは本当に情けないと思います。
結局組織のマネージメントが公正に行われず、「◯◯ムラ」だとか「◯◯共同体」といった前時代的な組織体制が刷新出来ない状況では現在の日本は2流国以下と言って間違いないですね。
医師の世界でも「働き方改革」と言いながら年間の残業時間が960時間になっているところなどほとんど過労死公認のようなもので、こんなブラックな状態を平気で認定している厚労省もブラック官庁なのでしょうね。本当に日本全体の改革が必要なようですが、パーティー券を売りまくって何億も懐に入れているような現政権の政党では改善は望めないのでしょうね(涙)。
Posted at 2023/12/24 03:35:08 | |
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