• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2013年11月09日

新型オデッセイを試乗~こだわりを捨てたホンダの意気込み~

新型オデッセイを試乗~こだわりを捨てたホンダの意気込み~ 新型オデッセイを見に、ほぼ6年ぶりにホンダのディーラーへ立ち寄ってみた
6年前は、MPVを購入するときに、代替候補の1台だったエリシオンを見に行ったときだった
私はかつてアコードを所有していたこともあり、また友人にかつてホンダ車乗りが複数いて乗る機会も多く、当時は他社に比べてボディは明らかに柔いがエンジンの吹け上がりは抜群で、足回りにもこだわりを感じて、「ホンダ車=機敏」、そういうイメージが私の中に残っており、私にとってホンダは好感を持ったメーカーの1つである
しかし、あの時のエリシオンはむしろ「もっさり」といった感じで、カタログ上のスペックは十分だったのに、実際は「走り」とは程遠く、営業さんの「ミニバンですから」の一言で、走りを求めてはいけないかのようなそんな印象を受けてしまった
決定打は、あくまで個人的な嗜好だが、ATのセレクトレバーに±ゲートが付いていなかったこと、そんなつまらないこだわりが私にはあった

さて新型オデッセイ、廃モデルとなったエリシオンクラスの市場も視野に入れ、守備範囲を広げたことで、コンセプトも大きく変わった

1 背高170センチクラス参入の絶好のタイミング
過去2代にわたる「背低ミニバン」から決別し、全高約170センチとしたのも「(エリシオン+オデッセイ)÷2」の産物か?
比較的市場が小さいといわれる170センチミニバンは、プレサージュが試合途中で棄権退場し、MPVも風前の灯火、現在はエスティマの独壇場だが古さは否めず、そこに入ってきた新型オデッセイは絶好のタイミングと言って良い

2 クラスを超えた室内空間の広さ、内装、使い勝手、質感
スライドドアの採用で開口部が大きくなり、得意の低床化を図って乗降し易くなり、3列目への乗り込みも楽になった
何より、しっかり座れる3列目シートは、エリシオンからの「遺言」とでも言うべきであろう
室内空間の広さ、シートの豪華さ、全体的な内装質感のアップ、これらはもはや「オデッセイ」を超えている
低床化により室内の高さはエルグランドよりも高く、「170センチクラス」の欠点を帳消しにしている
インパネ回りには決して高級感は感じないが、高級車じゃないのだからそれでいい
個人的には、もう少し落ち着いた感じがあった方が好み、これはややキラキラしている
スピードメータが真ん中にドンと置かれ、タコメータは左に小さな水平デジタルバー表示で見にくい
CVTだからそれでいいのかもしれないが、「遊び心」を持ってこだわって欲しかった

右にある燃料の残量計と同じ大きさというのはどういうことなんだ?せっかくあるパドルシフト(アブソルート)の楽しみも半減してしまう
それに平均燃費が一番見やすいところにあるが、それほど重要なことでもないだろう

3 ハイブリッドの未設定は空間的余裕のなさか?
ハイブリッドを艤装するのにどれくらいの空間が必要なのか分からないが、いずれにしてもボンネットを開けると、手前にやや空間が見られるが、ここに容易にハイブリッドのモーターが入るようには思えない
広い室内空間を確保するため、エンジンルームや床下空間を極力小さくし、燃料タンクもミニマムの55リットルと設計段階での苦労が伺える
ディーゼルを積むのもけっこう厳しいかもしれない
そうなると、勝負できるのはせいぜい直噴化くらいで、それでもカタログ燃費はガソリンエンジンとしてはクラストップの14キロを実現できたので良しとしたのだろうが、いまひとつ面白みに欠ける気がする
ハイブリッドを積むという噂もあるが、エンジンルームのレイアウトに工夫が求められる

4 室内空間確保最優先で失ったホンダらしさ
エリシオンより低い新型オデッセイに十分な3列目空間を確保するためなのだろうか、ホンダのお家芸ともいえるWウィッシュボーンをはじめ、全ての独立懸架形式の採用を選択肢から外してしまった
確かに、きれいに舗装された道路を無理せず安全運転に徹し、間違ってもフル定員乗車での限界運転は想定外と考えると、「車軸式」で十分かも知れない
メーカー側も大幅なコストダウンが図れ、一石二鳥なのだろう
しかし、現実にはガタガタ道はあるし、降雪地域を走る機会が多いならなおさらだ(冬、毎週のようにスキー場へ行く隣家では、「ぶら下がっているだけで後輪がついて来ない」と不満を漏らしてエスティマを手放した)
それより、私はメーカーとしてのこだわりや存在意義、そして実用レベルを超えた装備による“商品力”ともいうべき意地があって良いはずだと思う
3列目の空間確保という課題に「車軸式」で一発解決、これがかつてエンジンだけでなく、足回りにもこだわり、見えないところでトヨタとの差別化を主張してきたホンダの出した、あまりにも安易な、そしてトヨタと同じ解答だ
確かに3列目の足もと空間の余裕はMPVよりも広い(マツダは、なぜか「ロングノーズのボンネット」にもこだわりがあって、それさえ捨てればMPVの3列目はもっとゆとりが取れたはず)が、日常的にここに座る機会のあるユーザーがどれだけいるのか、そういうバランスを考えたとき、ホンダの足回りのこだわりを捨てる必要があったのだろうか

5 グレード構成と価格は標準的、オプション設定は不十分
安全装備の充実=標準装備化は今の時代怠ることはできず、その分ベース価格が上がってしまうのは仕方ないのかもしれない
いただけないのは、メーカーオプションのほとんどがナビゲーションとセットの設定になっていることだ
最廉価「B」は脇に置いて、281万円のFF車の「G」を見ると、右側電動スライドドアは、ナビなどとセットオプションで一気に31万円高の312万円になってしまい、またアルミのオプション設定もない
タイヤとアルミを「差額」でなく、いったんスチールホイールを買い取らなければならないところが痛い
個人的には、エンジン性能や燃費、「走り」を考えると、やはりアブソルートの一択かな
そうするとこれも両側電動スライドドアをオプションに考えると341万円からとなってしまう
安全装備が充実してきたとは言え、ちょっと高いなと思う

6 試乗車は407万円のアブソルートEX~価格を考えなければ面白い~
営業さんの指定ルートを試乗、場所柄起伏の少ない平坦な直線道路が中心なので、若干物足りなさは感じますが贅沢はいえない
ナビの位置やオーディオ、空調の配置は操作性に優れている、MPVの「灰皿特等席」とは大違いだ
CVTなのでDレンジではスムーズそのもの、1.8トンのボディをぐいぐい引っ張ってくれる
パドルシフトでマニュアル運転が可能でこの場合は7段変速となるのはF1譲りのホンダの定番
マツダの「引いて+、押して-」と違い、ホンダの「右手で+、左手で-」は慣れないせいか失敗ばかり、ハンドル硬さはちょうど良い
タイヤがロープロ(225/45R18)のせいか、静粛性は明らかに私のMPV(23S=215/60R17)に軍配が上がる
視線の高さはMPVとほぼ同じなので全く違和感はなかった

いろいろと丁寧に説明してくれた営業さんには感謝いたします
ホンダは、このオデッセイをつくるにあたり、かつてスポーツをキーワードにしていたクルマ作りへのこだわりを捨て、ある意味ではホンダらしくないトヨタと同じような優等生的なクルマ作りに方向転換をしたように思えた
そんな古い私の固定観念とは別に市場はやはり現実路線に転じたホンダを歓迎し、受注状況も好調のようで、アコードと並んでホンダの3ナンバー車販売も本格的に復活の予感がした今日の試乗でした
ブログ一覧 | クルマ | クルマ
Posted at 2013/11/10 00:44:20

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

ヤマハコミュニケーションプラザ ~ ...
THE TALLさん

温泉探訪804(長野県・白骨温泉泡 ...
a-m-pさん

Secoma 貝だし白湯麺
RS_梅千代さん

丹下健三氏デザインの建物を探して⋯ ...
ババロンさん

8月10日は、ワンコットの日(リハ ...
どんみみさん

今日は洋画を2本観てきました♬
ブクチャンさん

この記事へのコメント

2013年11月10日 0:55
マツダ派の?ぴなさんが、これだけホンダについて語るとは予想もしてませんでした。

まるで車雑誌の、人気記者なみのコメントに感服いたします。

ジャムは基本的に、ホンダのデザインが好きで
車の外観が気に入るかどうかかから入ってしまいます。

背の高さ、顔の表情。リアの締まり具合などは、このオデッセイ
は十分合格でした。
内装に関しても、質感は高かったです。

でも、やはりこの時代、ハイブッド設定がほしいですね。

めっちゃ高くなりそうですが‥
コメントへの返答
2013年11月10日 1:11
みんカラをはじめてからこの5年間、ホンダから興味のあるクルマが出てこなかっただけで、実はけっこう好きなんですよ
90年代半ばに乗っていたアコードはパワーこそなかったですが実用的で故障もほとんど無く、お気に入りでした
マツダはロータリーをはじめ、バカじゃないのかと思うようなこだわりを持った真面目なメーカーなので、同情心が先に来てしまって贔屓にしているようなものです

確かに今、初めてミニバンを買おうとしたときにはかなり有力な候補になったと思います
MPVはお気に入りですが、さすがに安全装備などに設計の古さは否めず、比較の対象にしてはいけないと思います

ハイブリッドは、積もうと思ったらスペース的に厳しくなってしまったというのが実情かも知れません
アクセラハイブリッドも高いですからね、オデッセイHVなら450万円ってところでしょうか?
絶対買えません(泣)
2013年11月10日 0:56
ちょっとあわてました。
ハイブッド×→ハイブリッド○
コメントへの返答
2013年11月10日 1:12
読むほうも、先入観があって「ハイブリッド」と間違って読んでました
2013年11月10日 14:08
我が家の次期車は・・・・・小さい車((+_+))に決定しています( ..)φメモメモ

MPVの後にオデッセイは有りません(>_<) が 見に行ってきちゃおうかな(~_~;)

にしても だんだん車両価格が上がってきていますね((+_+))

消費税も上がったら購入できません(>_<)
コメントへの返答
2013年11月16日 1:52
一度大きなクルマに乗ると、小さなクルマって本当に小さく感じるもんです
何に乗られるんでしょうか?

安全基準が厳しくなったため、どんなクルマでも「横滑り防止機能」などが義務づけられたた上に、さらに「事故防止」的な装備も乗っかってきて、結果的にベース価格が上がってしまってます

てことで、なじらさんは来年3月の「駆け込み納車」ですか?
2013年11月10日 16:18
 とはいえ、新型フィットにはRS、しかもMT車を残しているのだから、ホンダなりのこだわりを完全に捨てたわけじゃないと思いますけどね。
 トヨタ流のクルマを売って儲けたカネを、フィットやNSX、CR-Zなどのスポーツ系に投入してると解釈しましょう。
コメントへの返答
2013年11月16日 2:00
恐らく社内でも、「技術屋VS経営屋」の戦いがあるんだと思います
フィットなど「売れるクルマ」には、その余剰でMTのRSなどが認められたんじゃないでしょうか?
NSXなどは、初めから少数生産・少数販売を前提に、収益が見込める価格に設定できるからやれるんだと思います
2013年11月10日 20:32
今のミニバン界を生き残るには仕方ないのかなぁと。どんどん低くなってきたオデッセイを再生?するにはこうなるしかなかったような、ましてHONDAになると拘りを犠牲にしてまでも売れる車にしないとダメなのかと。

面白みやら独特の拘りは完全に捨てたんではないと思いますが、これもまた時代の流れなんだと感じています。



それだけに万人よりも一部が喜ぶ様な拘りを貫いている感のあるMAZDAがたまならいんですけどね(^^)
ただそれがどこまで貫けるのかが心配でもありますが(汗



コメントへの返答
2013年11月16日 2:17
おっしゃる通りだと思います
結局、売れてこそ企業です
ホンダに対する「あるべき姿」を私のようなものが勝手に描いても、最終的には市場が求めているものは、見た目の広さであり、運転のしやすさなのでしょう
単にそれを優先しただけのことなのかもしれません

マツダは、AT車であってもタコメータは視認性を重視しており、特にRX7や8などでは真ん中に大きく置くなど、一般的な実用性よりも少数派のこだわりにしっかりこたえてくれます
MPVも、ミニバンなんだからそんなこだわりは、と思っても足回りやインパネ回りには気を遣ってくれます

これもそのうち変わってくるんだろうか?
2013年11月10日 22:53
とうとう両側スライドドアですね。先代はそれがないため、購入へ嫁を説得し切れませんでした…

そんなことはどうでもよしとして…
かっこいいですね〜見た目は好みです。カテゴリはLクラスミニバンになるんですかね?それともLL?いずれ出るであろう新型エスティマにコテンパンにやられなきゃいいけど…頑張れオデッセイ。

それはそうと、人気雑誌のオデッセイ特集を読んでるようでとても興味深かったです( ゚д゚)
コメントへの返答
2013年11月16日 2:24
両側スライドドアです
ただし、両側電動はEXのみ、GとAも右ドア電動はメーカーナビとセットオプションです
顔は、最近のホンダ顔ですね、悪くないですがやや「ごつい」感じがします
室内の広さはLLクラスですね、見た目はMPVやエスティマなどと同じくらいです
個人的には、現時点で買い替えなどは全く考えられないのですが、そうは言っても気になるクルマですから黙っていられずにディーラーへ行ってしまいました
2013年11月11日 11:51
すばらしい分析といいますか文章と言いますか。さすがです。
私ももとは本田宗一郎氏が好きになり、当時のF1ブーム(鈴鹿も近かったし)もあり、ホンダ党でした。
ただ、最近のホンダ顔は好みではありません。
そしてぴなじろうさんが書かれている通り、ミニバンが主流となってから、どうも「トヨタっぽい」と感じているのもまったく同感です。
ホンダならではのいい意味で不真面目?で、おもしろくて、という驚きがない印象です。
マツダやスバルは独特のこだわり、何か芯が通っている、という点で満足させてくれています。

あと、やはりホンダのミニバンは装備内容やオプション内容からすると割高です。
それでも今回の新オデ、それなりに受注しているようで、、、あるところにはお金がありますなあ。

ピカ家はブログの通り、次は脱ミニバンですので、このオデは眼中にないです。
これなら別にMPVでいいです。
特に燃費は400万近く出してリッター14ですから(実燃費は、たぶん10前後かと)。
コメントへの返答
2013年11月16日 2:41
ありがとうございます
ピカさんもおっしゃってますが、恐らく、かつてのホンダの技術魂を市販車にまで求めているのは既に少数派になってしまい、市場は完全に「トヨタ模倣」なんだと思います

スバルもマツダも、もともと空気の読めないメーカーで、ディーラーの営業さんも不満を漏らすくらい「売れるクルマをつくらず、作りたいクルマを売る」メーカーなんです
私はそういうこだわりが好きですが、企業である以上はそれだけでは持たないのでしょうね

ESCが義務づけられたため、また他の積極的安全装備が標準化されてるのでベース価格が上がってしまうのはホンダだけはないと思います
しかし、このオデッセイは、よく見ると、上級グレードの装備の充実にお買い得感が全く無く、単に下級グレードに豪華装備を「定価で上乗せ」しただけになっていることに気が付きます
そういう意味では上級グレードほど割高と言えるでしょう

プロフィール

かつてはHBコスモターボクーペ、ユーノスコスモとロータリーに乗っていましたが、今はすっかりおとなしくしています 2008年にMPV(LY)の購入をきっかけにみ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

マツダ CX-8 マツダ CX-8
2020年10月〜現在 ソウルレッドの美しさに惹かれました 街乗り中心で「おとなしい ...
マツダ センティア マツダ センティア
(写真はCARVIEW自動車カタログより拝借) 98年式4WS・リミテッド 白 4AT ...
マツダ MPV マツダ MPV
2008年3月~2020年10月まで使用 初めてのミニバン、初めての赤(カッパーレッド) ...
マツダ ユーノスコスモ マツダ ユーノスコスモ
ブリリアントブラック 4AT 今見ても20年以上前のモデルとは思えない美しさ! 1996 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation