• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2023年11月09日

D型ディーゼル・エンジンの開発

D型ディーゼル・エンジンの開発 トヨタ自動車 75年史TOP
第8節 本格的乗用車トヨペット・クラウンの登場
第2項 大型トラック、全輪駆動車、ディーゼル・エンジンの開発
「D型ディーゼル・エンジンの開発」
[写真・画像] D型ディーゼル・エンジン

●表1-36 Y型・Z型ディーゼル・エンジンの仕様(1950年)
 項目 Y型 Z型
・型式
4サイクル、予燃焼室式、4気筒  2サイクル、予燃焼室式、2気筒
・内径×行程 105×140mm 85×88mm
・総排気量 4,850cc 1,000cc
・圧縮比 17:1 17:1
・最高出力 70HP/2,300rpm 35HP/3,000rpm
(出典)「トヨタ自動車製造計画車両一覧表」(当社内文書)

●表1-37 D型ディーゼル・エンジンの仕様(1957年)
 項目 内容
・型式 4サイクル、予燃焼室式、直列6気筒
・内径×行程 100×125mm
・総排気量 5,890cc
・圧縮比 17.2:1
・最高出力 110HP/2,600rpm
・最大トルク 35m・kg/1,200rpm
(出典)トヨタ技術会『トヨタ技術』1957年9月1日

 トヨタ自工でのディーゼル・エンジンの研究は早くから取り組まれ、1939(昭和14)年ごろにはユンカース社製ディーゼル・エンジンを参考に開発が始まっていた。しかし、業界や官庁などとの関係から、戦前には商品化されるに至らなかった。
 戦後、1948年春ごろにディーゼル・エンジンの研究室を蒲田工場内に設け、専門家の長野利平[1]や岡剛[2]らを招聘して、改めてディーゼル・エンジンの研究開発を開始した。その結果、1950年にはY型およびZ型ディーゼル・エンジンが5台ずつ試作された(表1-36)。
 この間、1950年4月からの労働争議により、蒲田工場は同年6月に閉鎖され、ディーゼル・エンジンの研究は挙母の本社に移管された。同年中にBM型トラック改造車を用いてY型ディーゼル・エンジンの試験を開始し、1951年3月にはBX型トラック改造車でも試験を行ったが、結局このときも商品化には至らなかった。こうして、ディーゼル・エンジンの研究は再び中断することになった。
 その後、ディーゼル・エンジンの開発は、1954年10月に再開され、翌1955年8月にはD型ディーゼル・エンジンの試作機が完成した。同エンジンをBA型トラックに搭載した改造試作トラックが製作され、各種試験・改良を行ったうえで、1957年3月にDA60型トラックとして発売された。
 D型ディーゼル・エンジンの製作は、トヨタグループ各社が協力し、シリンダーブロックとシリンダーヘッドの鋳造・機械加工は豊田自動織機製作所、クランクシャフトの機械加工は豊田工機、歯車類の機械加工は愛知工業、噴射ポンプとディーゼル・エンジン用電装品は日本電装、組立はトヨタ自工が分担した。同エンジンの仕様は、表1-37のとおりである。
 ところで、ディーゼル・エンジンの性能は、心臓にも例えられる燃料噴射ポンプの性能に大きく依存している。D型ディーゼル・エンジンの場合、西ドイツのロバート・ボッシュ社から技術導入した日本電装製の燃料噴射ポンプが用いられた。
 ロバート・ボッシュ社からの技術導入の話は、1951年秋に相談役となっていた豊田喜一郎のもとへ、三島徳七博士からもたらされた。三島博士は、喜一郎と東京帝大工学部の同期で、MK磁石鋼の発明で世界的に知られる金属学者である。そのMK磁石鋼の特許がロバート・ボッシュ社に供与された関係から、同社は日本企業との技術提携を三島博士に打診した。三島博士はトヨタ自工の創業期に研究顧問を務めたことがあり、喜一郎相談役を通じて日本電装へ技術提携の話が伝えられたのである。
 日本電装とロバート・ボッシュ社は、1953年11月に電装品に関する技術援助契約を締結し、1955年2月には燃料噴射ポンプとスパークプラグに関する条項を契約に追加した。この契約に基づき、日本電装はロバート・ボッシュ社の設計・製作指導のもと、1956年3月に噴射ポンプの試作第1号を完成させた。
 D型ディーゼル・エンジンの開発当初は、ロバート・ボッシュ社製の噴射ポンプや噴射ノズルを用いて試験を行ったが、日本電装の製作技術が進展するに伴い、逐次同社製の部品に切り替えられていった。その後、1957年3月14日にD型ディーゼル・エンジンを搭載した5トン積みDA60型トラックが発売されるころには、日本電装製噴射ポンプの性能は完全にロバート・ボッシュ社製と同一水準に達していた。
脚注
[1]元海軍艦政本部技師、のちにトヨタ自工技術部次長、検査部長、久保田鉄工株式会社副社長。
[2]のちにトヨタ自工研究部特殊研究室(ディーゼル・エンジン研究)研究員、明治大学工学部教授。


≪くだめぎ?≫
 戦前からディーゼル・エンジン開発を行っていたが、
1957年(昭和32年)3月~、本格的に
ディーゼル車「5トン積みDA60型トラック」の販売と整備を柱にし、
大型トラック、大型バス、ランドクルーザー、コースター
を専売とする"トヨタディーゼル店"が大都市のみに展開した。
他の地域は引き続き「トヨタ店」が担当した。
 ただ、大型車販売は苦戦が続き、"トヨタディーゼル店"は
1969年5月~1988年12月の間に全て「カローラ店」に転換した。
1961年6月~、「パブリカ店」と"トヨタディーゼル店"で
"パブリカ"が2系列で販売が始まった、
"トヨタディーゼル店"で乗用車の販売が始まり、後にこちらが本業になる。
※"トヨタディーゼル店→「カローラ店」に転換後、
再び「トヨタ店」での販売になる(大阪府は現・大阪トヨペット)。
1968年4月~トヨタオート店が設立、
1969年(昭和44年)4月~
"パブリカ"がモデルチェンジ、トヨタオート店専売に。
"パブリカ店"が「トヨタカローラ店」に改称する。

実は前史があり、
1953年3月~
「東京トヨペット」が設立、乗用車販売開始。
「東京トヨタ」は乗用車を販売できなくなり、商用車専売店、事実上の
前史"トヨタディーゼル店"になったのである。
1957年3月~
東京トヨタディーゼルが設立、ディーゼル車・商用車販売が始まる。
「東京トヨタ」は乗用車販売を再開、
「東京トヨペット」と2系列で同車種の販売が開始されている。
ブログ一覧 | トヨタ自動車 75年史 (2012年) | クルマ
Posted at 2023/11/09 20:00:31

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

関連記事

第10回 個人的に自動車会社、好き ...
Hiro.Yさん

トヨタ博物館企画展 トランスポー ...
朝比奈武弘(Pix_eos)さん

初代『ブリザード』
ディーゼルオート店さん

日本の自動車メーカーの系譜
マスタングさん

Mitsubishi トライトン
パパンダさん

第9回 個人的に自動車会社、好きな ...
Hiro.Yさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「「Yamato」体重計 ♫〜」
何シテル?   04/02 16:02
 「昔々、有ったとさ、 『トヨタディーゼル店』、『トヨタパブリカ店』、『トヨタオート店』、『トヨタビスタ店』・・・」。      身長165cm・体重6...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/6 >>

      1
2 345678
9101112131415
16 171819202122
23242526272829
30      

リンク・クリップ

新明和工業・特装車事業部 
カテゴリ:鉄道・バス
2016/09/29 08:29:33
 
マイナビ ニュース 
カテゴリ:マスコミ
2013/02/20 15:01:45
 
都道府県タクシー協会 
カテゴリ:鉄道・バス
2011/01/06 11:50:45
 

愛車一覧

ダイハツ ハイゼットカーゴ ダイハツ ハイゼットカーゴ
"MT車"、9.8万キロ走行、である。 前車ハイエースを年末に買取りしてもらう。 ほぼ、 ...
トヨタ ルーミー 「タンク」顔の"ルーミー" (トヨタ ルーミー)
[写真・画像] 6/25(日)10:37 青森トヨタ・ネッツトヨタ青森 TwiN pla ...
スバル サンバー スバル サンバー
母の嫁入り道具、父は車持ってなかった。後に事故廃車。
トヨタ マークIIバン トヨタ マークIIバン
事故廃車したため、購入。コロナバンがなかった・・。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation