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110. 日本「半導体」敗戦 3点
日本の半導体産業が世界を席巻していたなんて、今からはとても信じられないが、DRAMは1980年代は日本メーカが世界シェアの80 %を占める自動車と並ぶ基幹産業だったのだ。
筆者は日立のエンジニアだったが、業績の悪化でリストラにあう。「40歳、課長以上は全員責任をとって退職してもらいたい」という退職勧告。提出した辞表は「撤回はなしだよ」と留意のかけらもなくもぎ取られたという。このような経験から「なぜ日本の半導体産業はグローバルな競争に破れたのか」を究明している。

なぜDRAMは凋落したのか
はっきりと結論から書いている。「日本半導体産業が凋落した真の原因は収益率が悪いことに真の理由がある。」そしてその原因を「日本半導体産業には深刻な病気がある。それは過剰技術で過剰品質、過剰製品の性能を作ってしまう病気である」としている。
「そんなの当たり前やんけ」、「なんでそんな馬鹿なことをしてしまうのか」という声が聞こえてきそうである。実際、筆者が「インテルは原価から逆算して利益が出るように工程フローを開発している」というと、自動車業界の研究者からは「そんなの当たり前じゃないか」と一蹴されたという。
日本企業はデバイスの性能をトッププライオリティにおき、80点で優秀な製品を120点で設計し、コストは全く考えない。そして量産体制に入ってからコスト削減に動き出すが、構造的な高コスト体質が設計段階で宿命付けられているので焼け石に水である。
なぜこのような構造になってしまうのか、筆者はいくつか指摘しているが(4つのジレンマという章がある)、私が本質的だと思うのは日本組織の問題だ。「日本半導体メーカーは、組織の分業化、縦割り化が進み、さらには階級意識があり、コストまで含めた全体最適ができない組織構造になっている。」。原因が馬鹿らしいと思っても、この指摘はサラリーマンなら誰しも思い当たる部分があるのではないか。

意思決定が麻痺する「民主的な」人事
自部門の業務を囲い込み蛸壷化して、それぞれが局所最適を目指すが、全体を統括する部長クラスは両者を否定しないような無難な決断しかできない、事後的に正当化するための記号として機能する弱いリーダーであるため、全体最適を実現して利益を上げることはできないのだ。このような弱いリーダーの下では、M&Aでの利点を生かすこともできない。
そのほかにも、過剰性能はユーザからのニーズを受けたものだったり、政府主導のプロジェクトが失敗したりともはや同意しかない。この教訓を活かせるのか。
Posted at 2020/03/21 21:13:08 | |
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