![[本の小並感 112]戦争広告代理店 プロ中のプロが凌ぎを削る国際政治の情報戦の裏側 [本の小並感 112]戦争広告代理店 プロ中のプロが凌ぎを削る国際政治の情報戦の裏側](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/043/901/554/43901554/p1m.jpg?ct=255fcd45773a)
112. 戦争広告代理店 4点
田端さんがツイートしていたのでAmazonで買ったが、何か高かった。確か文庫は在庫がなくてハードカバーなのだが980円くらいしたはず。しかし前書きにある主な登場人物の紹介ページを見たときから、もう面白いのがわかった。著者がNHKと知ってさらに確信したし、実際読み途中だった「失敗の本質」をすっ飛ばして、部屋で読み切った。
1992年、ボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボがセルビア系に包囲されるいわゆるボスニア紛争にアメリカのPR会社がどのような役割を果たしたかが実に生々しく書かれている。慰安婦問題などに見るように「日本の外交にはメディア戦略が足りない」なんて言われ尽くしたテンプレだが、この本を読むとメディア戦略のプロ中のプロがいかに国際世論を興すのかがよくわかる。中東の石油と異なり、バルカン半島の小国にはアメリカの利害が直接関係しない。そこを老獪な手練手管を駆使して絡みとり、「セルビア悪」の国際イメージを作っていく。

回りだす運命の歯車
中心となるのはボスニアヘルツェゴビナ政府に雇われたアメリカのルーダー・フィン社だが、対立するユーゴスラビア側もセルビア系のアメリカ人を雇って国際的なイメージの挽回を図ろうとする。その結末はユーゴの国連追放決議案という形で決着するが、その過程が、一流のプロ対プロの国際政治における情報戦が、まるで映画を見るようにスリリングなエンタメ性も供えて書かれる。
本の内容もいいし、問題提起も全く古くないし、私の仕事に照らしても思うところが多いが、単純にこんな真剣勝負の世界に生きてみたい。この年になってそんなことを思ってしまった。
Posted at 2020/04/13 00:30:37 | |
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