• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

半ねりのブログ一覧

2020年06月27日 イイね!

[本の小並感 124]国際メディア情報戦 世界とは誰かが意図して作ったものである

[本の小並感 124]国際メディア情報戦 世界とは誰かが意図して作ったものである124. 国際メディア情報戦 3点

中学の社会は石井先生という男性の先生で、私は彼のおかげで社会という教科が比較的好きだった。いろいろ覚えていることはあるが、その中でテレビや新聞といった既存のメディアですら、人の手を介した人工の情報であり、その内容を無批判に頭から信じ込むことの危険性を指摘していたことをよく覚えている。

現在であればこれらのメディアは左右のネット発信者から批判にさらされており、無自覚に信じ込む人は少ないだろうが、当時はネットというものはなく、主要なメディアの地位を占めていたテレビや新聞の情報は「是」として認識されており、石井先生の指摘は中学生の私にとって新鮮だった。

この本は、戦争広告代理店大仏破壊に続く3冊目だが、前の2冊に比べると最新の情報が含まれているとは言え、全体をさらっとまとめた作りで、血肉の通った身体性に乏しい。だから、「なぜ情報戦が重要なのか」という素朴な疑問に説得力を持って答えにくいのではないか。その意味で一見入門書っぽいが、そうでもないのだ。

例えば、ゴルゴ13に「演出国家」という話がある。これはアフリカの小国のレアメタルに目をつけた欧米資本の資源会社が、自分たちに都合のいい傀儡政権を打ち立てるため、アメリカのPR会社を雇ってその国の大統領選をコントロールしようとする話だ。国民の識字率や語感、記載される順序などを意識して偽の名前を決め、誰もが子供の頃に知る民話を意識した立ち振る舞いを演説に折り込む。大衆をコントロールする民主主義の危険性を指摘し、私は大袈裟に言えば「世界とは誰かが意図して作ったもの」であることを知ったのだ。

これは漫画だが、この本は個別の事例をさらうのみで、深い事情まで記載していない(そういう主旨なのだろう)。例えばアルフッラというテレビがある。これはブッシュ政権が対アルカイダのメディア戦を戦うために設立したアラビア語の衛星放送チャンネルでアルジャジーラから人気のアンカーを引き抜くなどの手も尽くしたものの、ほとんど成果が挙げられなかった。私はこの情報戦を扱ったNHKスペシャルを見たことがある気がするが、この本ではさらっと触れられている程度だ。

しかし、日本への危機感は一貫している。現代における国際メディア情報戦は「自分たちが敵よりも倫理的に優っている、ということをいかに世界に説得するか」なのだ。そして、ミロシェビッチが20世紀の国際的な大悪人を演じて獄死し、その歴史に刻まれたように、いつ日本もサダマイズ=サダムフセインのように悪役に仕立て上げられるか分からない。安倍首相の戦後70年談話の「「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。」という表現は当初は中国やロシアへの牽制と受け止められたが、日本への危機感でもあるかもしれない。

そして、これは国家だけの問題ではない。世界は作るもの、その意識が個人でもソシャゲーでも必要だ。下記はサマナーズウォーというソシャゲの強い人。1位を取れた理由として「環境を自分で変えたこと」を挙げている。
Posted at 2020/06/27 21:24:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月25日 イイね!

[本の小並感 123]大仏破壊 テロの世紀の幕開けのPoint of no returnはどこだったのか

[本の小並感 123]大仏破壊 テロの世紀の幕開けのPoint of no returnはどこだったのか123. 大仏破壊 4点

この人の本は戦争広告代理店に続いて2冊目。1冊がいいとこうして芋づる式に読んでいくことがあるが、最初は大仏破壊?そんなに重要なテーマか?と半信半疑だった。しかし、この本はタリバンによる大仏破壊に至る過程と、国際社会の関係を軸に世界の秩序をどのように構築していくかの問題を投げかけている。

話は飛ぶが911からアメリカがアフガニスタン空爆からイラクに侵攻し、その後にIS拡大の泥沼を見ていると、トランプが世界の警察の座から降り、海外への国に関与を弱めて自国の利益に専念するのは当然のことのように思われる。なぜわざわざ莫大な費用をかけて軍隊を派遣し、自国の若い兵士達の命を散らさなければならないのか。世界の秩序を担う「大国の責任」などと言われても虚しく響くだけである。

しかし、この本はそのような国際社会の無関心こそが、アフガニスタンがテロ組織の温床となることを助長してしまったのだと警告する。


国際社会はタリバン穏健派と協力し大仏破壊阻止に奔走する

もともとタリバンはソ連のアフガニスタン撤退で内戦が続いていたアフガニスタンの秩序維持を目的に義勇的に設立された組織で、指導者のオマルは家柄も貧しく正規の教育も受けていない人物だった。タリバンが支配下に置いた地域は治安が確実に回復し、民衆の熱狂的な支持を受け勢力を拡大しカブールを制圧する。しかし、ケシの栽培や女性の権利制限なども絡み、国際社会はタリバンを正式なアフガニスタン政府としては認めなかった。

そして北部同盟との戦いに苦戦する中でビンラディン率いるアルカイダの資金力・軍事力に付け入る隙を与え、やがて寄生虫が宿主を乗っ取ってしまう。

「今世界は我々(タリバン)がバーミヤンの大仏を壊すといったとたん大騒ぎを始めている。だが、我が国が旱魃で苦しんでいるとき、彼らは何をしたか、我々を助けたか。彼らにとっては石の像の方が人間より大切なのだ。」

著者はこのタリバンの言葉を否定しつつも、説得力の断片を認めざるを得ないという。国際社会が提案した大仏の前に壁を作ったり、国外に移設するなどの費用を、なぜもっと早くアフガニスタンの人々に向けてやることができなかったのか。そうすれば、タリバンの最高指導者である孤独な支配者オマルがビンラディンの過激思想に飲まれ、テロの世紀の幕を開けてしまうこともなかったのではないか。

どうすれば良かったのか。これについてもっと援助すれば良かったという太陽派と、タリバン支援をコントロールすべきという北風派で答えは出ない。最近はコロナでテロも話題にならない。個人的には自国のことは自国でどうにかするしかないのではないか、という気もするが、それは傍観者のつまみ食いだろうか?太陽派であれ北風派であれ「放置すればよい、我々には関係ない」という、タリバン初期の一時のアメリカのようなNo policy、wait and seeの立場は取らないようだ。
Posted at 2020/06/25 02:21:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月20日 イイね!

[本の小並感 122]マックス・ヴェーバー 初心者お断りの激辛本、何冊売れるんだろ?

[本の小並感 122]マックス・ヴェーバー 初心者お断りの激辛本、何冊売れるんだろ?122. マックス・ヴェーバー 2点

恐ろしくマニアックな本である。こんな本、誰が買うのだろうか?この本は、マックス・ヴェーバーとは誰なのか?とか、何がえらかったのか?とか、「プロ倫」には何が書いてあるのか?とか、そんな疑問にはほとんど答えていない。この本はそんな初心者向けの甘口カレーみたいな本ではない。

この本はそんな知識は前提として、マックス・ヴェーバーが、その思想に至るまでの歴史的文脈と生涯を辿る、差し詰めマックス・ヴェーバーのメイキング本だ。だから、生まれてから死ぬまで非常に詳細に、いつどこでどんな本を書き、誰と親交があり、誰と対立して、どんな学会に所属していて、どんな雑誌を取り仕切り、どんな発言をして、どんな手紙を書いたかまで、事細かに記載されている。

はっきりいって、「プロ倫」すら読んだことにのない私にとって全く興味が沸かなかった。選定ミスと言わざるを得ないが、なんとかガバッと読み切った。一応、どんな人だったのかを私なりにまとめておく。

社会ダーウィニズム

社会ダーウィニズムは、ダーウィンの適者生存の進化論を敷衍し、強者の台頭と弱者の退出を促すことによって社会を進化させる考え方で、ヴェーバーも「我々がポーランド人を獣から人間にしてやったんじゃないですか」と反論しており、人種の違いによる優劣を交えて、いわゆるナチズムで最高潮を迎えるドイツナショナリズムの論理的支柱を形成する。

プロ倫

この本には内容の説明はないので、Wikiからまとめてみると、「神によって救われている人間ならば(因)、神の御心に適うことを行うはずだ(果)」という、因と果が逆転した論理から生まれた禁欲的プロテスタンティズムは、「利潤の肯定」と「利潤の追求の正当化」を生み出した。

それまで、プロテスタンティズム、特にカルヴァン主義は、最も禁欲的であり、金儲けを強硬に否定する宗教であった。

しかし、最初から利潤の追求を目的とするのではなく、行動的禁欲をもって勤勉に励み、その「結果として」利潤を得るのであれば、その利潤は、安くて良質な商品やサービスを人々に提供したという「隣人愛」の実践の結果であり、皮肉なことに、最も金儲けに否定的な禁欲的な宗教が、金儲けを積極的に肯定する論理と近代資本主義を生み出したのである。

アメリカに憧れてドイツに主体性を求めたらしい。丸山真男は主体性の発露の結果が戦争だったことを認めた。

もはや、感想とすら言えないな...
Posted at 2020/06/20 21:50:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月14日 イイね!

[本の小並感 121]カナダ=エスキモー 固定観念を揺さぶる食事事情、トイレ事情

[本の小並感 121]カナダ=エスキモー 固定観念を揺さぶる食事事情、トイレ事情121. カナダ=エスキモー 4点

母親が東京に出てきたので神楽坂の中華料理屋で食事をした。その時に、この本の話が突然出てきたのだ。個人的にもこの手の本、つまり文明から隔離され独自の生活スタイルを貫いている部族のルポは昔から読んでいて、例えば松本仁一さんの「アフリカを食べる」とか、国分拓さんの「ヤノマミ」(これはドキュメンタリーだが、本も持っている)とか、少しマニアックなところだと見田宗介さんの「気流の鳴る音」とかだ。

この手の本は、今までの自分の価値観と揺さぶり、それは悪い悪い意味ではなく、「そうしなければならない」というような無意識のうちに囚われている固定観念から私自身を自由にしてくれる。というのが、一応こういう本を読むことに意味だし、この本も十分役割を果たしてくれた。何点かを抜き出してみる。

トイレ事情

うんこした後、尻を拭かない。ウソ...と思うが、肉ばかり食べていると固くてコロコロした犬のようなクソになるのだそうで、想像するほど不潔でもないらしい。まぁフランスだって絹のドレスの下で野糞を放っていた訳だし...日本はトイレ事情は今も昔も最先端なのか。ちなみに著者は空き缶にできず外で用を足したが、放っておくと犬が、さらに消化しようと血眼になるので、凍りつきそうな風が吹く氷の上で小石で犬を追い払いながら用を足した。この点を100%起居を共にできなかったことを悔いている。

空き缶に用をたす子供。すぐ左で寝とるで...

食事事情

決まった時間に食卓を囲む、そんな意味での食事はエスキモーにはない。各人が食べたい時に勝手に食べる。凍った肉の塊を部屋に置いておき、溶け出した物を各人が削って勝手に食べる。肉はセイウチやアザラシ、カリブー などだ。煮ることはあるが、生肉が多い。これは加熱するとビタミンCが破壊されてしまうため、壊血病を防ぐために合理性なのだ。著者はこの本で一貫して、エスキモーの生活が、雪と氷と白夜の世界で生きていく合理性に貫かれており、我々の価値基準で裁くことを戒めている。なお、肉ばかりの食事を続けた結果、著者は便秘に苦しむことになる。


カリブーの頭


セイウチの肉布団(皮付きの肉で内臓を覆う)


カリブーの内臓をうどんのようにすする...無理...

美人問題

容姿の好みが文化に左右されるというのは有名な話だと思うが、著者も実験している。エスキモー3人に、A: エスキモー美人、B: 平均的日本人、C: 黒髪のアメリカのファッションモデル、D: マリリン・モンローの4人の写真を見せて美人順位づけをしてもらった。結果は下記の通りで、マリリン・モンローに至っては「こんなのは順位の列にも加えられない」と散々の酷評ぶりだったらしい。
Xさん:ABCD
Yさん:BACD
Zさん:BCAD

犬を甘やかしてはならぬ

犬に対してエスキモーは厳しい。ソリを引く犬たちの中でサボっている奴がいると、綱を引き寄せてムチの集中攻撃を浴びせる。犬たちがソリの荷物をひっくり返しててんやわんやにしてしまった時、37匹の犬を一匹ずつ押さえつけ金槌で犬たちの腹をぶん殴った。頭を撫でたり、優しい言葉をかけたりはしない。家に入れなどもってのほかで、それなのにいざ食糧欠乏となれば犬が最初の犠牲になる。
著者たちは最初犬達に日本人的な愛情で接するが、すぐに忠実でない犬が増え、吠えつけられるようになり、以後一声でも吠えようものなら殴り蹴りつけるようにしたという。

異臭の家

著者たちはなるべく伝統的な生活様式を維持している集落に住み込む訳だが、ホームステイする半地下の雪洞住居が強烈に臭う。便器にする缶が2、3個床に置いてあるし、片隅には動物の残骸が重なっている、大人は手鼻をかみタンを吐く、子供は咳をする度にもどす、土間はそれらがコネ回されてヌルヌルしている。



未開人の貧しさ

著者はエスキモーを野蛮人などと感じたことはないが、2回だけ、未開人の残像を覗き見るような大きな壁を感じたという。1つは「数の概念の欠如」であり、もう1つは「実用的でないものに価値を認めない」態度だった。数はあるが大きな数を意識できず、計画的な食糧調達を難しくして食糧危機を避けられない。また、記念品として渡した5円玉を、使えない金だとしか認識せず怒り出す。

自殺者の問題

エスキモーは自殺が多い。10万人当たりの自殺者数は次の通りだ。ずっと日本が自殺者数世界一だと思っていたので、当時はそうでなかったのも意外だが、エスキモーは圧倒的に多い。肝心の動機は「近縁の者が死に、その悲しみで」というのが多いが、中には「歳を取りすぎて、もう生きることをやめた方がいいと判断した」というのもある。
デンマーク:21人(1958年)
スイス:21人(1958年)
日本:19人(1961年)
エスキモー:575人
Posted at 2020/06/14 20:44:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月08日 イイね!

[本の小並感 120]「空気」を読んでも従わない 恐ろしいタイトルだが、内容は誠実さも現れている

[本の小並感 120]「空気」を読んでも従わない 恐ろしいタイトルだが、内容は誠実さも現れている120. 「空気」を読んでも従わない 2点

恐ろしいタイトルの本である。

この日本に於いて、およそ「空気」に逆らうほど無謀で困難なことはない。例えばコロナである。 外出や県外への移動は自粛が求められ、営業を続けたパチンコ店は見せしめのように行政に扱われマスコミに叩かれる。尻馬に乗る自粛警察も出てくる。そのような自粛の「空気」の中で、信念を持って空気に挑戦することの困難さは想像に難くない(特に社会人は自分は良くても、周囲に迷惑がかかる)。この本は、そのような空気に従わないというのだから恐ろしい。

1. どのように空気に対抗するのか

その「空気」を変える方法だが、「裸の王様であると叫べ」だという。戦時中の竹槍訓練は誰もが馬鹿馬鹿しいと思っていたが、やめられなかった。しかし、「馬鹿馬鹿しいからやらない」のではなく、「敵の飛行機に届かないのが悔しい」と言って辞めた人間がいた。そして、そこから空気が変わったというのだ。これが実話かどうか知らないし、空気が変えられるというのは否定はできないが、裸の王様であると叫ぶことの困難さは例えば小林よしのりを見ればよく分かるし、戦時中であれば藤田嗣治だろう。そんな精神論は誰でも言える。

2. 滲み出る著者の誠実さ

しかし、この本の中でも空気に従うことのリスクをちゃんと踏まえている。帰国子女の女の子が日本の小学校に通った時、服装が派手であることを理由にいじめにあう。両親に相談された著者は、「その子はいじめっ子と戦っているのではなく、日本と戦っているのだ」といい、その子に地味な服で登校することを勧めるのだ。ここで「自分を貫け」的な精神論に走らないところに、日本における「空気」の強大さを踏まえた著者の誠実さの現れている。

3. 神殺しがいかなるものか

著者は伝統的な村社会である「世間」が緩やかに解体され、カジュアル化したものが「空気」であるという。しかし、「空気」はそんな生優しいものではない。著者も言うように、日本における「空気」は、一神教における神の教えに相当するものであるなら、空気の打破は神殺しのわざなのだ。

小中高校生向けであり、議論は荒っぽいし、「空気」の過小評価はどうかと思うが、言いたいことはよく分かる。「王様が裸だ」と叫べと言われる個人には困難な戦いがあろうが、この本が応援にはなるかも知れない。私はやはりネットだと思う。匿名でもいい。肥溜に綺麗な花が咲くかも知れない。
Posted at 2020/06/08 02:05:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「ビート、手放しました。13年ありがとう! http://cvw.jp/b/410066/45136597/
何シテル?   05/23 22:55
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2020/6 >>

 123456
7 8910111213
141516171819 20
21222324 2526 27
282930    

愛車一覧

ホンダ ビート ホンダ ビート
2008年8月13日に納車しました。私にとってはこれが始めての車の購入でした。当時の私は ...
その他 その他 その他 その他
2月7日に納車のBasso Viper。本体120,000。ペダルと空気入れで総額130 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation