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半ねりのブログ一覧

2020年06月20日 イイね!

[本の小並感 122]マックス・ヴェーバー 初心者お断りの激辛本、何冊売れるんだろ?

[本の小並感 122]マックス・ヴェーバー 初心者お断りの激辛本、何冊売れるんだろ?122. マックス・ヴェーバー 2点

恐ろしくマニアックな本である。こんな本、誰が買うのだろうか?この本は、マックス・ヴェーバーとは誰なのか?とか、何がえらかったのか?とか、「プロ倫」には何が書いてあるのか?とか、そんな疑問にはほとんど答えていない。この本はそんな初心者向けの甘口カレーみたいな本ではない。

この本はそんな知識は前提として、マックス・ヴェーバーが、その思想に至るまでの歴史的文脈と生涯を辿る、差し詰めマックス・ヴェーバーのメイキング本だ。だから、生まれてから死ぬまで非常に詳細に、いつどこでどんな本を書き、誰と親交があり、誰と対立して、どんな学会に所属していて、どんな雑誌を取り仕切り、どんな発言をして、どんな手紙を書いたかまで、事細かに記載されている。

はっきりいって、「プロ倫」すら読んだことにのない私にとって全く興味が沸かなかった。選定ミスと言わざるを得ないが、なんとかガバッと読み切った。一応、どんな人だったのかを私なりにまとめておく。

社会ダーウィニズム

社会ダーウィニズムは、ダーウィンの適者生存の進化論を敷衍し、強者の台頭と弱者の退出を促すことによって社会を進化させる考え方で、ヴェーバーも「我々がポーランド人を獣から人間にしてやったんじゃないですか」と反論しており、人種の違いによる優劣を交えて、いわゆるナチズムで最高潮を迎えるドイツナショナリズムの論理的支柱を形成する。

プロ倫

この本には内容の説明はないので、Wikiからまとめてみると、「神によって救われている人間ならば(因)、神の御心に適うことを行うはずだ(果)」という、因と果が逆転した論理から生まれた禁欲的プロテスタンティズムは、「利潤の肯定」と「利潤の追求の正当化」を生み出した。

それまで、プロテスタンティズム、特にカルヴァン主義は、最も禁欲的であり、金儲けを強硬に否定する宗教であった。

しかし、最初から利潤の追求を目的とするのではなく、行動的禁欲をもって勤勉に励み、その「結果として」利潤を得るのであれば、その利潤は、安くて良質な商品やサービスを人々に提供したという「隣人愛」の実践の結果であり、皮肉なことに、最も金儲けに否定的な禁欲的な宗教が、金儲けを積極的に肯定する論理と近代資本主義を生み出したのである。

アメリカに憧れてドイツに主体性を求めたらしい。丸山真男は主体性の発露の結果が戦争だったことを認めた。

もはや、感想とすら言えないな...
Posted at 2020/06/20 21:50:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月14日 イイね!

[本の小並感 121]カナダ=エスキモー 固定観念を揺さぶる食事事情、トイレ事情

[本の小並感 121]カナダ=エスキモー 固定観念を揺さぶる食事事情、トイレ事情121. カナダ=エスキモー 4点

母親が東京に出てきたので神楽坂の中華料理屋で食事をした。その時に、この本の話が突然出てきたのだ。個人的にもこの手の本、つまり文明から隔離され独自の生活スタイルを貫いている部族のルポは昔から読んでいて、例えば松本仁一さんの「アフリカを食べる」とか、国分拓さんの「ヤノマミ」(これはドキュメンタリーだが、本も持っている)とか、少しマニアックなところだと見田宗介さんの「気流の鳴る音」とかだ。

この手の本は、今までの自分の価値観と揺さぶり、それは悪い悪い意味ではなく、「そうしなければならない」というような無意識のうちに囚われている固定観念から私自身を自由にしてくれる。というのが、一応こういう本を読むことに意味だし、この本も十分役割を果たしてくれた。何点かを抜き出してみる。

トイレ事情

うんこした後、尻を拭かない。ウソ...と思うが、肉ばかり食べていると固くてコロコロした犬のようなクソになるのだそうで、想像するほど不潔でもないらしい。まぁフランスだって絹のドレスの下で野糞を放っていた訳だし...日本はトイレ事情は今も昔も最先端なのか。ちなみに著者は空き缶にできず外で用を足したが、放っておくと犬が、さらに消化しようと血眼になるので、凍りつきそうな風が吹く氷の上で小石で犬を追い払いながら用を足した。この点を100%起居を共にできなかったことを悔いている。

空き缶に用をたす子供。すぐ左で寝とるで...

食事事情

決まった時間に食卓を囲む、そんな意味での食事はエスキモーにはない。各人が食べたい時に勝手に食べる。凍った肉の塊を部屋に置いておき、溶け出した物を各人が削って勝手に食べる。肉はセイウチやアザラシ、カリブー などだ。煮ることはあるが、生肉が多い。これは加熱するとビタミンCが破壊されてしまうため、壊血病を防ぐために合理性なのだ。著者はこの本で一貫して、エスキモーの生活が、雪と氷と白夜の世界で生きていく合理性に貫かれており、我々の価値基準で裁くことを戒めている。なお、肉ばかりの食事を続けた結果、著者は便秘に苦しむことになる。


カリブーの頭


セイウチの肉布団(皮付きの肉で内臓を覆う)


カリブーの内臓をうどんのようにすする...無理...

美人問題

容姿の好みが文化に左右されるというのは有名な話だと思うが、著者も実験している。エスキモー3人に、A: エスキモー美人、B: 平均的日本人、C: 黒髪のアメリカのファッションモデル、D: マリリン・モンローの4人の写真を見せて美人順位づけをしてもらった。結果は下記の通りで、マリリン・モンローに至っては「こんなのは順位の列にも加えられない」と散々の酷評ぶりだったらしい。
Xさん:ABCD
Yさん:BACD
Zさん:BCAD

犬を甘やかしてはならぬ

犬に対してエスキモーは厳しい。ソリを引く犬たちの中でサボっている奴がいると、綱を引き寄せてムチの集中攻撃を浴びせる。犬たちがソリの荷物をひっくり返しててんやわんやにしてしまった時、37匹の犬を一匹ずつ押さえつけ金槌で犬たちの腹をぶん殴った。頭を撫でたり、優しい言葉をかけたりはしない。家に入れなどもってのほかで、それなのにいざ食糧欠乏となれば犬が最初の犠牲になる。
著者たちは最初犬達に日本人的な愛情で接するが、すぐに忠実でない犬が増え、吠えつけられるようになり、以後一声でも吠えようものなら殴り蹴りつけるようにしたという。

異臭の家

著者たちはなるべく伝統的な生活様式を維持している集落に住み込む訳だが、ホームステイする半地下の雪洞住居が強烈に臭う。便器にする缶が2、3個床に置いてあるし、片隅には動物の残骸が重なっている、大人は手鼻をかみタンを吐く、子供は咳をする度にもどす、土間はそれらがコネ回されてヌルヌルしている。



未開人の貧しさ

著者はエスキモーを野蛮人などと感じたことはないが、2回だけ、未開人の残像を覗き見るような大きな壁を感じたという。1つは「数の概念の欠如」であり、もう1つは「実用的でないものに価値を認めない」態度だった。数はあるが大きな数を意識できず、計画的な食糧調達を難しくして食糧危機を避けられない。また、記念品として渡した5円玉を、使えない金だとしか認識せず怒り出す。

自殺者の問題

エスキモーは自殺が多い。10万人当たりの自殺者数は次の通りだ。ずっと日本が自殺者数世界一だと思っていたので、当時はそうでなかったのも意外だが、エスキモーは圧倒的に多い。肝心の動機は「近縁の者が死に、その悲しみで」というのが多いが、中には「歳を取りすぎて、もう生きることをやめた方がいいと判断した」というのもある。
デンマーク:21人(1958年)
スイス:21人(1958年)
日本:19人(1961年)
エスキモー:575人
Posted at 2020/06/14 20:44:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月08日 イイね!

[本の小並感 120]「空気」を読んでも従わない 恐ろしいタイトルだが、内容は誠実さも現れている

[本の小並感 120]「空気」を読んでも従わない 恐ろしいタイトルだが、内容は誠実さも現れている120. 「空気」を読んでも従わない 2点

恐ろしいタイトルの本である。

この日本に於いて、およそ「空気」に逆らうほど無謀で困難なことはない。例えばコロナである。 外出や県外への移動は自粛が求められ、営業を続けたパチンコ店は見せしめのように行政に扱われマスコミに叩かれる。尻馬に乗る自粛警察も出てくる。そのような自粛の「空気」の中で、信念を持って空気に挑戦することの困難さは想像に難くない(特に社会人は自分は良くても、周囲に迷惑がかかる)。この本は、そのような空気に従わないというのだから恐ろしい。

1. どのように空気に対抗するのか

その「空気」を変える方法だが、「裸の王様であると叫べ」だという。戦時中の竹槍訓練は誰もが馬鹿馬鹿しいと思っていたが、やめられなかった。しかし、「馬鹿馬鹿しいからやらない」のではなく、「敵の飛行機に届かないのが悔しい」と言って辞めた人間がいた。そして、そこから空気が変わったというのだ。これが実話かどうか知らないし、空気が変えられるというのは否定はできないが、裸の王様であると叫ぶことの困難さは例えば小林よしのりを見ればよく分かるし、戦時中であれば藤田嗣治だろう。そんな精神論は誰でも言える。

2. 滲み出る著者の誠実さ

しかし、この本の中でも空気に従うことのリスクをちゃんと踏まえている。帰国子女の女の子が日本の小学校に通った時、服装が派手であることを理由にいじめにあう。両親に相談された著者は、「その子はいじめっ子と戦っているのではなく、日本と戦っているのだ」といい、その子に地味な服で登校することを勧めるのだ。ここで「自分を貫け」的な精神論に走らないところに、日本における「空気」の強大さを踏まえた著者の誠実さの現れている。

3. 神殺しがいかなるものか

著者は伝統的な村社会である「世間」が緩やかに解体され、カジュアル化したものが「空気」であるという。しかし、「空気」はそんな生優しいものではない。著者も言うように、日本における「空気」は、一神教における神の教えに相当するものであるなら、空気の打破は神殺しのわざなのだ。

小中高校生向けであり、議論は荒っぽいし、「空気」の過小評価はどうかと思うが、言いたいことはよく分かる。「王様が裸だ」と叫べと言われる個人には困難な戦いがあろうが、この本が応援にはなるかも知れない。私はやはりネットだと思う。匿名でもいい。肥溜に綺麗な花が咲くかも知れない。
Posted at 2020/06/08 02:05:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年05月30日 イイね!

[本の小並感 119]時が止まった部屋 死後、私をものがたるもの達

[本の小並感 119]時が止まった部屋 死後、私をものがたるもの達119. 時が止まった部屋 4点

「暗い本、買っちゃったな」机の上の積読リストを見るたびにそう思っていたが、結構よかった。

孤独死。誰にも看取られず死亡し、発見されるまでに日数が経過した死。ある現場では、保温機能のある浴槽で亡くなり、温められたお湯で遺体は原型を留めないほど溶けてしまっていたという。特殊清掃人は、そのような現場の遺品整理や清掃を行う。

この仕事については、日曜のお昼にやっているザ・ノンフィクションという番組で少し知っていたが、何と言っても孤独死の現場を際限したミニチュアが、まるで自分の部屋か見紛うような部屋なのだ。


競馬新聞、カップ酒の空き瓶、コンビニ弁当の空き容器、外部との関係を遮断するかのようなゴミの山、その中に埋もれた最新式のiPad

ドアの裏に貼られた水道工事のマグネット、天袋に仕舞われた日本人形、いつか子供や孫が遊びにくる時のための客用布団

異様なほど物が少なく片付いた部屋、冷蔵庫に貼られた就職相談会のチラシ、養生テープで壁に書かれたゴメンの文字、いつか読み返すかも知れない本棚の書籍、ゴミ箱の中のキャットフードのパウチ


故人の人生をものがたる遺品の一つ一つ。今の私の部屋のもの達は、何を語るだろうか。

というわけで、ここからは本とは何の関係もない、私のお部屋


でかいMac。8割以上この前で過ごす


最近乗ってないロード


クローゼット。ものは少ないほうだと思う。


台所。洗ってない食器


下駄箱はほぼ本棚
Posted at 2020/05/30 18:05:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年05月24日 イイね!

[本の小並感 118]欲望の資本主義 資本主義自身が提示するプランCの必要性

[本の小並感 118]欲望の資本主義 資本主義自身が提示するプランCの必要性118. 欲望の資本主義 ルールが変わる時 2点

毎週のように通っていた書店がコロナで閉まっていたが、昨日久々に再開していたのでぶらついて目に止まった。「資本主義や市場経済という経済の大きな仕組みに対して批判や懐疑の厳しい目が注がれている」から、その不安や疑問に対するヒントを提供するための企画であるという。


1. 問題意識

確かに、下記のような状況を考えると「新しい枠組み」に思いを馳せることは自然なことだろう。
・アメリカのように格差が極大化してしまう問題
・データ収集のように1私企業が主権国家をも超える力を持ち始める問題
・マイナス金利のように資金需要が減退し長期停滞に陥る問題


2. よくあるご意見

しかし、この本が意図した、そのような新しい枠組みへの「ヒント」を提供できているかは怪しい。

ジョセフ・スティグリッツは企業ではなく政府が適切な財政出動で総需要を拡大せよというが、マーケットの叡智を上回るような聡明で徳の高い政治家はいない。そもそも需要はなくなったのではない、変化したのだ※1。トーマス・セドラチェクは、先進国は十分に豊かでありもう成長は(不要とは言わないが)重要ではないというが、ほっといたって日本は低成長だ。


3. 資本主義の権化が提示するプランCの必要性

唯一そのヒントらしきものを与えているのはスコット・スタンフォードのインタビューだ。ゴールドマンサックスを退社しベンチャーキャピタルのCEOを務めるこの人物は、現在の資本主義の価値観を体現したような存在だが、彼も資本主義や社会主義に代わるプランCが必要だという。

それはテクノロジーの進歩が人類という種に与える影響だ。「ポイントはAIです。次の"種"です。AIが目覚めたらどうなるのでしょう?人類の祖先が誕生した時、他の生物は、ことの重大性に気づいていなかったはずです。」。労働力の大体で失業率が30%や40%になってしまう社会がくるかも知れない。だから、プランCが必要なのだ。

前者2人の、大衆にとって耳障りのいい、ポピュリズムの匂いがする意見に対して、スタンフォードの問いかけの方がよほど確信を付いていて、自らは全く責任を負う必要のない大衆に対しても真摯だと思う。


4. メモ

※1 総需要が足りない、という割りに、際限なく増殖する欲望(特に承認欲求)は問題視している。つまり欲望がなくなったのではなく、その対象が物質的なものから、体験やサービスといったところ移っているだけだろう。
・絶対的な豊かさは問題ではない。村上龍は「この国には何でもあります、しかし希望だけがない」と言ったが、重要なのは「明日は今日よりもいい日」という希望だ。変化の量であるデルタが重要だ。
・「欲望の資本主義」というタイトルだが、著者にも迷いがある。ディレクターはスティグリッツのインタビューで「desire or greed is one of the driving force of capitalism.」と問い、はぐらかされている。Greed is goodという、ゴードンゲッコーの演説を思い出す。
・「欲しいものが、欲しいわ」。バブル絶頂の日本で糸井重里が産んだこのキャッチコピーは、際限のない欲望か、足るを知る賢者の言葉か。
・たびたび資本主義の暴走のようなことに言及されるが、市場は自らの間違いを「バブルの崩壊」という形で是正することができる。そのことが重要だ。人間はできない。
Posted at 2020/05/24 15:57:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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「ビート、手放しました。13年ありがとう! http://cvw.jp/b/410066/45136597/
何シテル?   05/23 22:55
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」
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