なめんなよ～

　トリプル世界戦の予備検診が５日、神戸市内のホテルで行われ、出場する６選手ともに異常なしと診断された。ＷＢＣ世界フェザー級王者の長谷川穂積（真正）は身長で２センチ、リーチでは９センチ、挑戦者で元ＷＢＯ世界バンタム級王者のジョニー・ゴンサレス（メキシコ）を下回った。両者は初対面で、ゴンサレスは長谷川との体格差を強調し、「これまで対戦した選手の方が強そう」とこき下ろした。

　　◇　　◇

　初めて顔を合わせた長谷川を、ゴンサレスがあっさりと切り捨てた。「小さい」。身長やリーチ、胸囲など、ほとんどの項目で長谷川の数値を上回った。「これまで対戦した選手の方が、もうちょっと強そうだった」。余裕たっぷりの表情で、辛らつな言葉を並べ立てた。

　同じバンタム級からの“転向組”だが、フェザー級での実績は長谷川の１戦に対し、ゴンサレスは１年半前に転向してから７戦連続ＫＯ勝利中。バンタム級王者時代の０６年には、長谷川が昨年４月に４回ＴＫＯ負けを喫したフェルナンド・モンティエル（メキシコ）を判定で下すなど、強豪とのビッグマッチも数多く経験している。「ポテンシャルは私の方が上」と、日本のエースを見下した。

　言いたい放題の挑戦者に対し、長谷川は「写真で見たまんまの顔、体。何も感じなかった」と淡々。９センチのリーチ差については「分かっていたこと。もっと長いのもいましたから」と、リーチが１８８・５センチだったＶ８戦の相手ブシ・マリンガ（南アフリカ）を例に出して笑い飛ばした。真正ジムの山下会長も「スピードが違う。（リーチ差を）補うというより、それ以上のものが出る」と全く問題視しなかった。

　ただ胸厚は前戦より１・５センチ増え、ゴンサレスを２・５センチ上回り、自身過去最高の２４センチ。「１日４０回の腕立ての成果です」と笑顔。他団体のフェザー級王者との統一戦を見据え、今世界戦前から筋トレを導入した。「減量が前の試合よりきつくなった。体が大きくなったことは間違いない」。余裕しゃくしゃくのゴンサレスに、自分が“小物”かどうか、リングの上で思い知らせる。