
ゼロ・エミッションの電気自動車(EV)「日産リーフ」を発売
―あわせて、「ライフケアビークル(LV)」シリーズを発売―
2010年12月3日
日産自動車株式会社
株式会社オーテックジャパン
(↑日産リーフ G)
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は、走行中にCO2を全く排出しないゼロ・エミッション車の電気自動車(EV)「日産リーフ」を、12月20日より日本国内の日産ディーラー全店舗で一斉に発売する
「日産リーフ」は、持続可能なゼロ・エミッション社会に向けた新しいモビリティを提案する新開発の量産型EVである。同車は、走行中にCO2などの排出ガスを一切出さないゼロ・エミッション車として、高い環境性能を達成すると同時に、リチウムイオンバッテリーと電気モーターの搭載により、力強く滑らかな加速性能、あらゆる速度域で高級車のような静粛性能、優れた重量バランスによる高い操縦安定性を実現させ、今までにない運転感覚を可能とした。
さらに、先進的なITシステムによる便利で機能的なサポートや、EVのもたらす快適な生活を通じ、お客さまにこれまでにない全く新しい価値を提供する。
同車は、EV専用車として設計・デザインし、大人5 人がゆったりと乗ることができる室内空間と、お客さまのニーズを満たす200kmの航続距離(JC08モード)を達成している。
同車の価格は376万4,250円(消費税込み)からの設定とした。お客さまは2010年度EV補助金制度を利用することで、一台あたり最大78万円*1の補助を政府から受けることができ、その際のお客さまの負担は、298万4,250円からと、非常にお求めやすい価格となっている。また、同車は、「環境対応車普及促進税制」による減税措置に適合し、次世代自動車として、2011年度まで自動車重量税、自動車取得税は免税となる。さらに、「グリーン税制」にも適合し、自動車税は購入翌年度に50%軽減*2される。
また、日本全国の日産ディーラー全店舗(約2,200店)には、既に200Vの普通充電ができる環境を整えた。そのうち、約200店舗には、30分で約80%までの充電を可能にする急速充電器を設置した。これにより充電網は、急速充電器設置店だけで、半径40km円でほぼ日本全国をカバーすることとなり、お客さまに日本全国を快適にドライブできる環境を提供する。
日産は、お客さまにより快適な新しいEVカーライフを便利・快適・安心にお過ごしいただくための「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」を用意し、EV-ITの通信料、定期点検や車検(初回) のメンテナンスサポート、上記日産ディーラーでの充電サービス、日産レンタカーの割引サービス、万が一のトラブルの際のエマージェンシーサポート等を月々1,500円(個人向けサービス)で提供する。また、法人向けにも、「日産EV法人メンテナンスサービス」を提供する。
さらに、全国の日産ディーラーにて戸建て住宅向けに車両購入から充電設置工事手配までのワンストップサービスを実施している。
日産はルノーと共に「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」という目標を掲げており、世界各国の政府や自治体、企業などと合わせて80件以上のゼロ・エミッションモビリティに関するパートナーシップを締結している。
「日産リーフ」は、本年12 月より、日本、米国で、2011年初頭より欧州の一部地域で発売され、2012 年よりグローバルに量販していく。
新型車「日産リーフ」の主な特長は以下の通り。
ゼロ・エミッション
今までにない運転感覚
いつでも"つながる"
「日産リーフ」の車両概要は以下の通り。
「ゼロ・エミッション」を支えるEVパワートレイン、メカニズム
驚きの加速性能、静粛性、操縦安定性を実現した「今までにない運転感覚」
大容量リチウムイオンバッテリー(蓄電池)
性能・コスト・居住性に大きく影響するバッテリーには、従来のバッテリー*と比較し約2倍のエネルギー密度を実現した、軽量・コンパクトな大容量リチウムイオンバッテリーを採用し、バッテリー容量24kWh,、最高出力90kW以上を達成。より多くのエネルギーを蓄えられ、フル充電で200キロ(JC08モード)の走行を可能にする。
* 2000年2月発売の「ハイパーミニ」に搭載
電池の最小構成単位である「セル」には、シンプルな構造が特長の薄型のラミネート構造セルを採用。部品点数が少なく低コスト化を実現しながら、車両レイアウトの自由度を高め、居住性と大容量バッテリーの搭載を両立した実用性の高いパッケージングを可能とした。また、ラミネート構造セルは表面積が大きく、冷却性能に優れることから、さまざまな使用環境下においても安定した性能を発揮。
正極に採用したマンガン系材料は、資源的にも豊富で、安定した結晶構造により、低コストで高い信頼性を確保。
バッテリーパックを車体中央床下に配置し、優れた重量バランスと低重心を実現。高剛性ボディとあいまって、意のままのハンドリングを可能にした。
モーター
三相交流同期モーターを採用し、最高出力80kW、最大トルク280N・mを達成。アクセルを踏んで発進した瞬間から瞬時に最大トルクを発生し、日産独自のモーター制御技術でガソリン車では味わうことのできない瞬発力のある力強く連続的な加速を実現。また、中低速では3リッターガソリン車並みの加速を可能とし、最高速度は145km/hを達成。
エンジンのような振動がなく、優れた遮音技術の採用と合わせて圧倒的な静粛性を実現。
減速時には、発電機として減速エネルギーの一部を電気として回収する回生機能を備え、エネルギーの再利用を実現。
インバーター
直流を交流に変換し、電流量をコントロールすることでモーター出力を制御するインバーターは、オリジナル構造のパワーモジュールをはじめ、構成部品から独自に日産が開発。
DC/DCコンバーター
オーディオ、ヘッドランプ、ナビなどの12V電圧で作動する電装品のために、走行用のリチウムイオンバッテリーの360V電圧を下げて12Vバッテリーを充電するDC/DCコンバーターを搭載。
EV専用プラットフォーム
新開発のEV専用プラットフォームとリチウムイオンバッテリーにより、広々としたキャビンスペースを実現。荷室容量330L*で、リヤシートをたたまずに9インチゴルフバッグ2個の積載が可能。
*ウエストより下の容量(VDA方式による測定値)
ガソリン車にはない平滑なフロア形状を実現することにより空気抵抗低減にも寄与。
ダブルフレーム構造、フロントジョイント構造などを採用し、既存のコンパクトカーに対し、車体剛性を向上させ、しっかりした乗り心地とダイレクトでスムーズなハンドリングを実現。
EVならではのデザイン/先進的な装備
エクステリア
「SMART FLUIDITY=賢い流動体」をテーマに、流麗さと空力特性を磨き上げたスマートなスタイル。
ガソリンエンジンがモーターに代わり、ラジエーターグリルを持たないすっきりとしたフロントエンドからダイナミックな動きを表現した大型ルーフスポイラーに続く流麗なフォルムに、シャープで縦型の大型LED式ヘッドランプを配し、ひと目で日産のEVとわかる個性的で上品なスタイリングを実現。
ボディから突き出し、深いV字型に配置されたヘッドランプは、サイドミラーに当たる風をコントロールし、モーター音の極めて静かなEVでは際立つ風切り音と、空気抵抗を低減。
ルーフアンテナ断面に、風切り音発生を抑える新曲面形状を採用。
超スリムタイプの高輝度LEDリヤコンビネーションランプや、テールパイプのないバンパー下にはエアロフィン付き大型ディフューザーを配し、車両後方のコーナー部を張り出した形状とすることで優れた空力性能を達成。
ナビなどに使う12Vバッテリーへの補充電を行うソーラーセルモジュールを採用(Gグレードに標準)
宇宙から眺めた水の星、地球をイメージした新色アクアブルー(3PM)を含む、全5色のボディカラーを設定。
*(3PM)は3コートパールメタリックの略。
EVアイコニックブルーとして、ヘッドランプインナー、エンブレムなどボディ各所にリーフのイメージを喚起するブルーアクセントを採用
インテリア
クリーンで明るいEVイメージを醸し出す、シンプル、ヒューマンで流麗なインテリア。
明るくクリーンな「エアリーグレー」を基調としたシンプルで流麗な室内空間に、視認性、操作性、心地よい触り心地などを追求したインテリアの装備で、高い快適性を実現。
シンセティックレザーやスエードを身体に触れる部位に採用したドアトリムは、心地よいソフト感を提供し、さらに、メッキのインサイドドアハンドルが高級感を演出。シート生地には、ペットボトルをリサイクルした素材でスエード調の優れた質感と心地よい感触を実現。
最新デジタルデバイスのスマートなデザインを採用したフラットパネルセンタークラスターは、スイッチ形状を揃えて統一感を向上。機能を集中させて、分かりやすい操作性を実現。
EVアイコニックブルーとして、ステアリングCIバッヂなどインテリア各所にもブルーアクセントを配し、EVのイメージを強化。
装備
ツインデジタルメーター
美しく見やすく、そして分かりやすく使いやすいレイアウトデザインと機能性にこだわり、上下2段のツインデジタルメーターを採用。その瞬間のエコ運転度が分かるエコインジケーターと、視認頻度の高いスピードメーターは見やすいアッパーメーターに配置。エコ運転度の累積を「エコツリー」*にて表示。また、ロアメーターには、リチウムイオンバッテリーの出力と回生を表示するパワーメーター、充電や電費情報、バッテリー残量、航続可能距離、各種ウォーニングなどを表示する車両情報ディスプレイなどを配置。
*「エコツリー/ECO TREE」は日野自動車株式会社の商標
電制シフト
手のひらで包むように手首を軽く動かすだけでシフトできる、新しいマウス感覚の電制シフトは、日産初のバイワイヤシステムによる軽い操作感を実現。
スタートアップサウンド
パワースイッチをオンにして走行可能状態になると、エンジン音の代わりに心地よいサウンドで発進準備ができたことを知らせるスタートアップサウンド機能を搭載。3つの異なったサウンドからスイッチ操作で選択が可能。ツインデジタルメーターと連携してEVのもてなしと高機能感を演出。
車両接近通報装置
低速での走行時に、歩行者に車両接近を知らせるための車両接近装置を搭載。車両の走行状態を想起させる音を発生させる。
充電方式・装備
フロントフードの充電ポートより、「普通充電」、「急速充電」の2種類の充電方法に対応。
充電時間は、残量警告灯点灯後、200Vの普通充電の場合、バッテリー容量100%までを約8時間、急速充電の場合、バッテリー容量80%までを約30分で充電可能。また約10分の急速充電で50kmの航続距離を伸ばすことができる。
200Vの普通充電用7.5mの充電ケーブルを標準装備。
充電ケーブル、充電ポートは防水仕様にして、充電コネクターと充電ポートには排水口を設置するなど安全な充電を可能にした。万一、浸水し漏電した場合でも、電流を遮断するコントロールボックスを充電ケーブルに装備している。
EVといつでも"つながる"情報機能
EV-IT
専用設計したグローバル共通のEV専用情報通信(ICT: Information and Communication Technology)システムを導入。乗車中にナビゲーション画面でEVオーナーといつでもつながるドライビングサポート機能を提供するだけでなく、乗車前・降車後にもスマートフォンを含む携帯電話やパソコンなどからオーナー向けウェブサイトにアクセスすることにより、EV利用履歴およびバッテリー状態管理、充電およびエアコンの遠隔操作や将来の再生可能エネルギー大量導入時代に向けたエネルギーマネジメント対応など、EVならではの機能を実現し、新たなカーライフをサポートする。同システムは情報集中管理センターである日産カーウイングスデータセンターと、ナビゲーションシステムを、車載のカーウイングス専用車載通信ユニット(TCU)*3を介して通信することで、EVオーナーに24時間サービスを提供する。
<EV専用のオンボード(乗車中)サービス>
ステアリングスイッチやナビゲーション画面をワンタッチ操作するだけでEVの到達予想エリアが確認できる「到達予想エリアマップ」表示機能
バッテリーの残量が低下した際、ナビゲーションにて充電スポット案内し、ドライビングをサポート。
自宅周辺エリアの充電スポットが自動更新される「充電スポット更新」機能
割安な夜間電力時間帯など希望の時間に充電できる「タイマー充電」設定機能
<EV専用のオフボード(乗車前、降車後)サービス>
バッテリーの充電状態、充電遠隔操作、充電完了時間や航続可能距離の目安が、遠隔で確認できる「バッテリーチェック」機能
エアコンの遠隔操作や、出発時間に合わせたエアコンの自動運転が可能な「乗る前エアコン」機能
運転後に使ったおおよその電気代を確認できる「電気料金シミュレーション」機能や、EVで走行することにより削減できたと予測されるCO2排出量を計算できる機能
世界中の「日産リーフ」オーナーと電力消費、走行距離、回生ブレーキによる充電量、などを競える「ランキング」機能
航続可能距離や充電スポットを確認しながらドライブプランが立てられる「ドライブ計画」機能
<その他の主な安全、環境対応技術>
オートライトシステム(ワイパー連動、薄暮れ感知機能付)
リヤ間けつワイパー
LED式ハイマウントストップランプ
VDC(ビークルダイナミクスコントロール〔TSC機能含む〕)
ABS(アンチロックブレーキシステム)
EBD(電子制御制動力配分システム)
高強度安全ボディ(ゾーンボディ)
歩行者傷害軽減ボディ
運転席・助手席SRSエアバッグシステム
運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム
SRSカーテンエアバッグシステム
運転席2ステージロードリミッター付ダブルプリテンショナーシートベルト
助手席2ステージロードリミッター付プリテンショナーシートベルト
全席ELR付3点式シートベルト
リサイクル可能率99%以上を達成
(ISO22628に基づき算出。ISO22628のRecoverability Rateに相当。)など
*1:同車は「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の対象になっており、購入にあたり、一般社団法人 次世代自動車振興センターに申請し、審査・交付決定されることにより、補助金交付を受けられる。また、地方自治体ごとに独自の補助金施策をおこなっている場合もある。自家用乗用車の場合、補助金を受給するには6年間保有する義務がある。
*2: 同車は「環境対応車普及促進税制」の中で次世代自動車として、
自動車取得税は、2012年3月31日までの新規登録車に対し、免税。
自動車重量税は、2012年4月30日までの新規登録車に対し、免税。
自動車税は、2012年3月31日までの新規登録車(登録翌年度から1年間適用)に対し50%軽減。
*3: TCU:テレマティクス コミュニケーション ユニット(Telematics Communication Unit)の略で車載通信ユニットを意味する。
<日産プレスリリース/ゼロ・エミッションの電気自動車(EV)「日産リーフ」を発売>