
【クルマ人】「WRC再挑戦の用意ある」「86に興味津々」富士重STIの唐松社長
2011.1.23 07:00
(↑「スバル・インプレッサWRX STI(グループN仕様)」)
富士重工業のモータースポーツ活動やレース車両やオリジナル限定車の開発を手掛ける「スバルテクニカルインターナショナル(STI)」。今月開かれた東京オートサロンでは、「Proud of BOXER」を出展しファンの注目を集めた。エコカーが主流となる中、スポーツカーで「走る」喜びをどう伝えていくのか。社長の唐松洋之氏に聞いた。
--エコカーが注目される中、STIが追及する「走る楽しみ」をどうアピールしていくか
「エコカーは今後も普及していくと思うが、『人が運転する』というクルマの本質は変わらない。気持ちよく走りたいとか、思うままに操りたいというニーズを追及することは矛盾しない。『スポーティーだけど、環境に優しい』という両立は可能。レース用のクルマ開発でも、軽量化や空力低減などの技術をエコカーに転用できる。エコカーが主体になれば、電気自動車や燃料電池車のモーターレースも増えてくる。エンジン音という魅力はなくなるが、楽しみ方も変っていくと思う。時代や商品が変っても、モータースポーツを愛する人の心は変わらない」
--若者層へのアプローチは
「免許を取っても車を運転しない若い方は多い。普及車種が、おもしろみのないクルマになっていることが一因という感じもする。ただ、スーパーGTや全日本ラリーなどには関心や興味を持っている若い人もいる。人口減で総需要が減っていく中で、若い人に魅力あるクルマを提供していくことは大きな課題だ。『スバルのクルマは運転して楽しい』と思ってもらうようにすることが、普遍的なテーマ。運転の楽しさはもちろん、内装、外観の上質感を高めたい」
--最近のSTIの車をどう自己評価するか
「STIはラリーのイメージが強く、性能がいいが、サスペンションが固く乗り心地が悪いという声もあった。事実、かつてはそういうクルマを作ってきたが、今のクルマの車の使い方は街乗りが多い。隣に人を乗せて、みんなで楽しめるクルマが欲しいという意見も強い。そういう用途を考え、もう少し乗りやすくて、STIらしく運転が楽しめるクルマを追及している。なかなかこれが難しい。ハンドルを切ったときにちゃんと思う通りに反応速度もキビキビと手に伝わって、カーブを不安感なく曲がれる、という車が理想。車体の剛性を高めると、乗り心地が悪くなる。こうした矛盾を解決したクルマを提供し続けたい。人間の感覚で作り上げ、レースの経験などを踏まえてSTIらしさを出していきたい。ある程度は体現できている」
--今後、STIの海外展開は
「今のところ、完成車は国内だけしか展開しておらず、海外でも出していきたい気持ちは強く、検討中だ。ただ、海外進出には規制の問題がある。手作りに近い車をそれぞれの規制に合わせていくのは障害も多い。豪州は右ハンドルで日本の規制にも近い。ハードルをクリアでき、お客さまがSTIの車を求めている地域で展開していきたい」
--WRC(世界ラリー選手権)のトップカテゴリーに再参戦する考えは
「今、日本のメーカーはトップカテゴリーから手を引いている状態。少し寂しい気がするが、一方でモータースポーツを愛するファンやお客さまは必ずいる。ただ、スバルとしてのWRCのトップカテゴリーへの参戦は富士重工の決断になる。実戦部隊のSTIとしてはいつでもやれる用意はあるし、独自にレースに挑戦してトレーニングもしている」
--STIがスバル以外のブランドの商品を手掛ける可能性は
「今のところ考えていない。ただ、例えば『トレジア』はベース車であるトヨタ自動車の『ラクティス』をスバル風の味付けをして、コンセプトカーを東京オートサロンに出品した。今、トヨタと共同開発している通称『FT86』もある。86のSTI版には興味がすごくある。ファンが望むことをかなえていきたい」
(記事引用ゴメンナサイ)
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2011/01/24 09:26:32